劉慈欣のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
病気の恋人を治すため、サシャは火守の元へ赴く。
なんとあの「三体」の劉慈欣の児童書・絵物語です。日本版では西村ツチカさんが絵を描いているので、原書ではどのような雰囲気なのかちょっと興味がありますね。
ストーリーは月や星を行くとてもメルヘンな仕上がりで最後はふっと切なくて、他の作品で読み慣れた劉の印象はあまり感じられません。それでもところどころSF作家だなあ、と思わせる描写があったりして面白かったです。
この世界観を支えるのはなんと言っても西村ツチカさんの絵で、静謐な世界観を美しい、独特のタッチで描き出しています。西村さんといえば映画化もされた「極北百貨店のコンシェルジュさん」などの著作がありますが、その独特ながら図抜けた画力と画風は唯一無二といえます。
そんな西村さんと劉慈欣のコラボした本なんて見逃せるはずはないのです。劉のやさしい世界観と西村さんの圧倒的画力をぜひご堪能ください。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ『地火』
なんとか映像化してほしい作品。
中盤からもう絶対大変なことになるんだろうな…と思ったら想像以上に大変なことになって興奮した。地火が爆発した時の表現がおそろしくて良かった。
劉慈欣作品はやらかしたキャラクターが必要以上にしっかり報いを受ける傾向にある。三体の程心をのぞいて。
『郷村教師』
解説にもあったが、藤子・F・不二雄のSF短編集を彷彿とさせた。なんか終盤やけに宇宙人が地球の美しさに感動してて地球ホルホルか?と思った。
『カオスの蝶』
カオス理論はSFの切り口としてはかなりベタなんだろうけど、目まぐるしく変わる舞台とスリリングな会話の緊張感で楽しく読めた。“著者付記”が誠実で良い。初めて見たこんな注釈。
『詩雲』
この短編集の中で1番好きだった。
Gパンパンダのコントの中で575の俳句のパターンを全部網羅するネタがあるけど、それと発想自体は同じ。俳句に関しては実際にジェネレータが作られていたが、使う文字が漢字になるとここまで壮大な話になるのか…と絶句した。
なんか恐竜ずっとかわいそうで面白い。
全パターンの漢詩を作ろうっていう発想は根本的に詩の情緒を解せていないような気がして、それがおかしかった。
『栄光と夢』
スポ根。主人公の少女も良かったけど、射撃せずに会場を後にしたヤリク・サリが最高だった。こういう脇役がメインテーマとあまり関係ないところで理知的な判断をする展開好きすぎる。娼婦に堕ちたと見せかけて1番アツかったライリーも好き。
『円』
三体で読んだ時にも思ったけど設定が飛び抜けて好き。
コンピュータの発想に直接辿り着く荊軻がサヴァンすぎる。 -
Posted by ブクログ
買ってはみたものの、SFが苦手な自分を省みると
『もしかしたら読む事はないかも』と思って積んどいた本。
DUNE*3冊+DUNE MESSIAH*2冊を読み終わった時
『円を読むなら今しかないんじゃね?』と読み始め、
想像を遥かにこえて楽しく読めた。
短編集にありがちな『何故か入ってる面白くない作品』がひとつもない。
『メッセンジャー』は唯一ほのぼのとしてる作品だった。
未来の彼からの言葉は、創造だとわかっていても胸を撫で下ろす。
どの作品もドキドキしながら読み進められる。
SFと言えば未来を思いがち、最後の円で『秦の始皇帝』の時代に遡られたのはやられた感。
やってる事はめちゃ現代。
こんなに面白く読めたのは翻訳の良さにも起因すると思うと同時に、心からの感謝を。
読み終わった瞬間、目の前にあったみなとみらい丸善で『三体』買ってしまったわ。 -
Posted by ブクログ
劉慈欣氏初の童話。物語はサシャという青年が東の孤島に立っている場面からはじまる。淡々と描かれる情景描写。火守が持つ能力。サシャの願いが叶った後に描かれる火守の仕事に圧倒された。劉慈欣らしいラスト。私は少しだけ怖い。→
童話を読まずに大人になったので、深読みしすぎなのかもしれないが、火守の仕事があまりにも過酷で驚いた。若き火守となったサシャはこれからずーっと火守なんだろうし、背の高い老人はずーっと火守だったんだ。
誰かがやらなければならない仕事だし、でもそれを1人の火守にやらせるのはどうなんだろう
好きな描写は40ページ。三日月の船が星々の間を通る場面。星がぶつかるときに「夏の風になる風鈴のような音を奏でる」らしい。すごく綺麗。
あと、蟻が出てきた瞬間テンション上がった(笑)