【感想・ネタバレ】火守のレビュー

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大切な人の病を治すために、世界の果ての火守のもとを訪れる。
鯨の体から油を採り、骨や歯を用いてロケットを作る。月へと登り、星を磨く。毎日欠かさず決められた時間に火をつける。
幻想的な物語が、西村ツチカによるイラストと共に世界を構築する。

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2024年05月24日

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病気の恋人を治すため、サシャは火守の元へ赴く。

なんとあの「三体」の劉慈欣の児童書・絵物語です。日本版では西村ツチカさんが絵を描いているので、原書ではどのような雰囲気なのかちょっと興味がありますね。
ストーリーは月や星を行くとてもメルヘンな仕上がりで最後はふっと切なくて、他の作品で読み慣れた劉の印象はあまり感じられません。それでもところどころSF作家だなあ、と思わせる描写があったりして面白かったです。
この世界観を支えるのはなんと言っても西村ツチカさんの絵で、静謐な世界観を美しい、独特のタッチで描き出しています。西村さんといえば映画化もされた「極北百貨店のコンシェルジュさん」などの著作がありますが、その独特ながら図抜けた画力と画風は唯一無二といえます。
そんな西村さんと劉慈欣のコラボした本なんて見逃せるはずはないのです。劉のやさしい世界観と西村さんの圧倒的画力をぜひご堪能ください。

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2024年02月17日

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中国のSF作家である劉慈欣による童話です。
ヒオリの命を救うために、サシャは世界の果てで隠遁生活を営む火守を訪ねます。
夜空に輝く星は人の数あり、各々の星を磨き直せば体も回復すると火守は語ります。
三日月へロケットを飛ばしロープを引っ掛けるシーンは、幻想的かつ科学的で素敵な雰囲気でした。
火守にヒオリを救ってもらう見返りにサシャは仕事を引き継ぐ約束をしますが、ヒオリが回復した後に心変わりはしないでしょうか…。
世界観、文章、絵、全てが温かい一冊です。

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2023年08月06日

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劉慈欣はアイデアの人だ。垢抜けないが、それでもその手があったかと思わせる設定や展開やディテールが次々と出てくる。段取りや手順を語る時は理屈っぽく説明調なのに、たった一言の情景描写で突然詩的になったりする。『三体』と一緒だ。でも『三体』と違って、すごく短くてファンタジック。劉のエッセンスが詰まっている感じがする。挿絵も物語の雰囲気にぴったりで素晴らしい。

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2023年05月03日

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劉慈欣氏初の童話。物語はサシャという青年が東の孤島に立っている場面からはじまる。淡々と描かれる情景描写。火守が持つ能力。サシャの願いが叶った後に描かれる火守の仕事に圧倒された。劉慈欣らしいラスト。私は少しだけ怖い。→

童話を読まずに大人になったので、深読みしすぎなのかもしれないが、火守の仕事があまりにも過酷で驚いた。若き火守となったサシャはこれからずーっと火守なんだろうし、背の高い老人はずーっと火守だったんだ。
誰かがやらなければならない仕事だし、でもそれを1人の火守にやらせるのはどうなんだろう

好きな描写は40ページ。三日月の船が星々の間を通る場面。星がぶつかるときに「夏の風になる風鈴のような音を奏でる」らしい。すごく綺麗。

あと、蟻が出てきた瞬間テンション上がった(笑)

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2023年03月22日

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胸がむず痒いような温まるような感じがする。自分の小さい頃のアルバムを見たときのような気持ちになった。ノスタルジックっていうのかな?
この本の舞台には行ったことも、見たことも無いはずなのに、何故か故郷を懐かしむような気持ちになれる。不思議です。

小説を頭の中で映像化して読むタイプの私にはぴったりでした。
毎回頭の中で思い浮かんだ絵より綺麗でより鮮明な映像が見えました!あっぱれ

三体も挿し絵付きで見てみたいと思ったけどけど、最後は抽象画みたいになって無理だろうなー。却下!!

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2022年04月12日

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劉慈欣本人が、過去のエッセイ(ありとあらゆる可能性の中で最悪の宇宙と最良の地球:三体と中国SF)で述べている次の内容に照らし合わせれば、今作もしっかりSFだなと思う。
『SFは可能性の文学である。われわれの住む宇宙もまた無数の可能性の一つだ』

『聞くまでもなく、これこそ太陽だった。』のとことか素敵
この童話は、自分達と違う理の世界が存在していいんだ、ということを優しく説いてくれていると思う。

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2022年02月26日

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不思議な童話。毎日太陽を昇らせる火守、愛する女の子ヒオリの病を治したいサシャ。火守のお陰でヒオリの病気は良くなったけど、サシャは再会しない。火守にも止められなかったんだから、自分の村に戻ればよかったのに。そこが不可解。

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2023年10月13日

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ジャンルは童話みたいですね。絵が好きすぎる。恐らく絵がなければ出会わなかった本。 でも、物語も良かった。哀愁という言葉が似合うかな。読むタイミングが違えば感想も変わる本かな。『訳者あとがき』も是非読んでください

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2022年09月04日

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中華SFの大作『三体』の劉慈欣による、今のところ唯一の童話、だそうです。
挿絵たっぷり、余白たっぷりの絵本の体裁で70ページほど、短ければ数十分もあれば簡単に読み終わってしまう1冊ですが、余韻も感じる素敵な1冊でした。

こういう「夢(夜見る方です)」のような展開を、綺麗にして世に出す、というのは物語としてとってもプリミティブな営みで、短い読書体験ながら、普段と違う脳の部分が刺激されるようで、心が洗われるような気持ちになりました。
1日の色々が全部落ち着いた夜に、ウイスキーかブランデーか赤ワインでも飲みながら、ゆったり読んでいくと、その日の寝付きが良くなりそうな気がします(笑

ただ本著、どう見ても大人向けのパッケージングではあるのですが、ストーリー的には子ども向けでも良いのでは?とも思いました。もちろん、本著は本著のままで、大人向けの1冊として素敵だと思うのですが。
言い回しも平易に直す必要が出てきちゃうとは思いますが、こういうストーリーに子どもの頃から触れるコトで、何らかの化学反応を引き起こせるような気がします。
ただ、それで若年層に売れるの?と言われると急に自信が無くなるので、KADOKAWAさんの判断はきっと正しいんだろうな...。

あらためて翻訳も、絵も装丁も素晴らしい1冊でした。

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2022年07月30日

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ネタバレ

難しい設定はあまりなくて綺麗な挿絵で場面想像しやすく絵本を読む感覚でさらりと読めた。
少年サシャの好きな女の子の病気を治すために、願いを叶えてくれる火守という老人に弟子入りして、捕鯨してロケットに必要な材料揃えたり、月面に行ったり幻想的な物語。
女の子の命を救っても、火守との約束を果たして仕事を引き継ぐサシャの男気にじんわりした。
(女の子が生きてるだけでいい、っていうところもじんわり)

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2022年07月20日

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ネタバレ

SF作家による童話。愛する女の子の病を治してもらうために火守を訪ねたサシャと、毎日海から上がってくる太陽に火を灯すという重要な責務を負う火守の物語。

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2022年04月04日

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『三体』の劉慈欣が書いた童話で、表紙がとてもお洒落な絵本。短い話だが、サシャの生き方を考えさせられる。大事にすべきことは何なのか、守るべきことは何なのか。しばらくして読み返したら、どう感じるだろうか。手元に置いておきたい素敵な本だ。

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2021年12月26日

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・結果的に絵本になっているでしょうか。
・太陽の運行を司る火守は孤島でたった一人、一生続けねばならない過酷な仕事だがサシャは身体を壊した愛するヒオリの星を治してもらうことと引き換えに火守を引き継ごうとする。
・絵がとても美しいです。それだけでも手に入れる価値はあるかも。
・SF小説『三体』はいずれ読みたいとは思っていますがなんとなく気が重いのでとりあえずその著者で比較的楽に読めそうなものを、と。

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2022年10月30日

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SFの人の作品だからSFかと思って読んだら、童話だった。SFと思ってた影響で、月やロケットのつくりが気になってしまった。最初から童話と思って読んでいればもっと違ったかもしれない。挿絵が好み。火守のタイトルに最後は納得。

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2022年09月22日

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『三体』の著者による童話だそうで、SFとファンタジーによる素晴らしい物語でした。

月を舟にして星の海を漕いでいく場面は幻想的でとてもよかったです。

子どもの頃、アニメのエンディングで、月でブランコする場面があったと思うのですが、あれは何てアニメだったっけ…



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2022年08月07日

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ネタバレ

劉慈欣(Liu Cisin)という方が書かれた大人の童話?
短い話なのだが、とにかく発想がユニークで面白い。

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2022年06月10日

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日本でも大ヒットした中国発のSF小説「三体」の著者である劉慈欣さんによる物語絵本(大人の童話といった感じ)。病気の少女のため、地の果てに棲む火守(火を司る老人)の許を訪れたサシャが、火守と共に少女の星を探す過酷な旅に出る物語。あとがきに電車の中でiPadを使って執筆したとある、翻訳が声優の池澤春菜さんだったというのが驚き(日本SF作家クラブ会長らしい)。劉慈欣さんの作品が好きな人にオススメ。

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2022年05月23日

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「三体」の著者が手掛けた大人向けの童話?絵本?です。

ひとは死んだら星になるのではなく、ひとが元気でいるから星が輝いているってステキだなと。
世界に太陽が昇り、星が瞬き、人々が平和に暮らしていくための大切な役割を担う火守。
日々の営みは辛く孤独な仕事だけど、愛する人への思いの詰まった、ノスタルジックで美しい物語でした。

三日月に乗ってオールを漕ぎ、音もなく進む時々星がぶつかって、風鈴のような音が鳴り響く・・・このシーンがお気に入りです♪

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2022年03月28日

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ネタバレ

大人向け絵本という感じ。
美しい絵と、独自の世界観。海と陸、宇宙に繋がる空のシンプルな舞台。
個人に対応する星があって、星に埃がかぶると病気になってしまう。火守は毎朝太陽に火を焚べる。

ストーリーは少し物足りない。
だが、現実と異なる仕組みで成り立つ世界への入口を提供してくれる本だと思う。

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2022年03月12日

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ネタバレ

あとがきに「童話」とあるが特に子供向けの文章ではないし、フリガナも少なく、実際には子供には難しいと思う。
『三体』を書いた作家だが、これはファンタジー的な寓話という感じ。
三日月は本当に三日月型、太陽は海の中では真っ黒で、火守が毎日火をつけることで燃え上がり空に浮かぶ、など小学生でも科学的事実と違うことはわかるが、この世界観がなかなかいい。
「月にミルクを取りに行く」とか「月はチーズでできている」といった言い伝えや「レ・コスミコミケ」なども思い出す。
言い伝えはまだ科学が未発達だった頃、自然現象を見て人間が想像したことだが、「レ・コスミコミケ」は、科学的事実は知った上で虚構の世界を作り出していたわけで、この作品はこちらに近いと思う。内容もテイストも全く違うが。

しかし、せっかくならサシャが恋人の元に帰らず火守の仕事をする決意をしたのか、もう少し書いてあってもいいのかなと思った。
私の読みが不足しているせいかもしれないけど。
西村ツチカの絵も美しく、作者のファンなら手元に置いておきたい作品だと思う。

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2022年08月02日

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あの「三体」の著者がこんなに叙情的なファンタジーも書くのねぇ…と新鮮に感じたけれど、内容的には何処かで見たことがあるような感じだった。装丁はきれいで、イラストも素敵だったけど、もっと中国っぽい感じにしても面白かったのではないかと思った。

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2022年02月20日

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鯨、海、月、星、太陽。
散りばめられたモチーフの中、決められた役目を全うしようとする姿勢の美しさ。

素敵な大人の絵本だ。

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2022年01月07日

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