宮本昌孝のレビュー一覧
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大磯の別荘で夏を過ごす少年時代の吉田茂と謎の隣人の時代ミステリー。
ミステリーと銘打つと仰々しいですが日常の事件簿といった感じです。
時代は明治の20年代、毎年の夏休みに別荘を訪れる吉田茂少年が謎の隣人と出会ってから不思議な事件が頻発するのでした。
登場人物は虚実入り混じっていて、この時代は幕末の地続きで、吉田茂を介して昭和の戦後までつながっていると感じました。
事件は架空で、それを解決する隣人たちも架空と思われますが、時代の雰囲気がいい感じです。
著者としては初めての戦国以外の時代小説だと思うが、よくこの時代背景と大磯について調査されていると思いました。 -
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最近知った風魔流忍者。伊賀、甲賀は有名だけど他にもいたのか。
序盤で小太郎すごく好きだな〜とワクワクしたものの、北条の誰々の息子の誰々と…とか豊臣と徳川が…とかの説明が出てきて、歴史が苦手な私はかなり苦戦してしまった…。
名前が似てるし誰が誰?どっちの味方だっけ?となり、もう開き直ってそのへんは頭に入れずに読んだ。笑
武将たちは戦の頭脳戦というか、相手がこう出るだろうという先を読んださらにその先を読んで手を打って…と、賢さと豪胆さがあったんだなぁ。
そして武士の心意気ってすごい。
恩義、忠義を重んじていつでも死ぬ覚悟ができている武士ってすごかったんだな。
もう少し主人公のでる場面が多くあって -
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#松籟邸の隣人 #宮本昌孝 #読書記録
吉田茂の子供時代を題材にしたフィクション。偉そうな金持ち吉田茂の周りで様々な事件(歴史的なこと、人が絡んでいく)がおき、その事件においてさして吉田茂が活躍するわけでもなく進む物語(そこがまたリアルで青春物語として良い気はします)
年末の新聞の書評で大絶賛だった本。
多分、歴史好きにはめっちゃ面白い、のだと思われる。。。
が、私かなり歴史音痴でむずい。
が、歴史を解らんでも、もちろん楽しめはします。
当初かなり読みにくかったが、マイクのアメリカの話は(よくある劇場的な話でもあり)スッと読めはじめる。
なんか、天人が、どうしても勝手にディーンフジ -
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緊急事態宣言の中、令和二年のGWに読んだ歴史小説です。何も活動のできなかったGWでしたので、読書だけが楽しみでした。
この本は有名な本能寺の変を題材にしていますが、7人の武将の立場から見た形でストーリーが展開しています。新しい歴史小説の形で楽しいです、事件現場の空から中継を見ている感じです。
以下は気になったポイントです。
・源頼朝の鎌倉幕府も、足利尊氏の室町幕府も、どちらも憎悪と野心をたぎらせた親族と家臣達が互いに憎しみ合いながら敵と戦っていた。だからこそ彼らは幕府を開けた(p67)
・肩衝(かたつき)とは肩の部分が尖った茶入れで、楢柴は初花肩衝、新田肩衝と並び「天下三肩衝」と称され -
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本能寺の変を事前に察知し、やがて明智光秀が追って来ることまで推測し、いち早く徳川家康を領国へ脱出させる計画を立て見事実行した茶屋四郎次郎。その活躍を描いた表題作始め、全十編を収録。
中には非常に短い作品もあるが、読み応えのある作品もあり楽しめた。
表題作の主人公は正に武・商・諜といういくつもの顔を持ち、その様々な顔で家康を支える。
四郎次郎が秀吉を嫌っていたというのもあるが、やはり天下を取る人間を見る目があったのだろうか。そして家康はこうした稀有な人材を多数抱えていたことが後の繁栄に繋がったのか。
「幽鬼御所」
信長の三男・信孝を産んだ佳乃の物語。冒頭、『北畠顕家』の名前が出て来て驚く。現 -
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本能寺を主題に沿えた、7作家によるアンソロジー。
実行者は明智光秀であるが、その動機あるいは黒幕については、いまだに諸説紛々。
本作では、葉室麟著『鷹、翔ける』は、明智光秀の家臣斎藤内蔵助こそ、変を起こした随一の者としている。
木下昌輝著『幽斎の悪采』では、細川藤孝の謀を示唆する。
天野純希著『宗室の器』は、宗室の独白で信長への思惑が語られる。
裁判などで分かるように、事実の裏にある真実や当事者の心理などを正確に明らかにすることは、現代の事件においてさえ困難を極める。まして、過去の歴史上の事件など。
だからこそ、あれやこれやと、作家の想像力を刺激するのだろう。読者にとっても、歴史小説を読む楽し -
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書きつくされたテーマだけに
川中島の合戦はあまりにも有名で書きつくされたテーマだけに、これだけの気鋭の作家を並べても「どこかで見たこと読んだことのある視点」と思えてくるのが残念。各作者の中で乾緑郎の作品が印象に残った。