宮本昌孝のレビュー一覧

  • 松籟邸の隣人(一) 青夏の章
    装丁と文字のフォントで、柔らかそうな小説家と思いきや、
    イヤイヤ血生臭い。
    近現代の歴史、政治、医療、内政と外国の事情が横串で繋がるのは面白い。
    読めない漢字にはルビがふってあり、便利。
    それでもわからない言葉は辞書をひく。そんな感じで読み進めた。
    登場人物が頭の中で元気に動いていたので、映像化出来...続きを読む
  • 天離り果つる国(下)
    下巻を読みました。
    歴史が好きな人なら、白川郷にはこういう物語があったのかと興味深く読むことが出来ると思います。
    登場する帰雲城も現存すれば天空の城として、一大観光地だったでしょうね。

    天才軍師の弟子、津田七龍太と姫の恋もどうなるかと思っていたのですが、なるほどと思いました。
    大河ドラマになって欲...続きを読む
  • 武商諜人
     最高の歴史短編集だった。どの物語も面白く、かつ宮本先生らしさが随所に見られ、ファンとしてもさらに好きになった。
     個人的なお気に入りは、『戦国有情』『不嫁菩薩』『武商諜人』『明治烈婦剣』の4作。
    『戦国有情』は赤母衣4人衆の桶狭間後の人生を描く。わずか14pながら追放になってでも友を救おうとする...続きを読む
  • 天離り果つる国(下)
    七龍太と紗雪が異母兄妹ではないかと聞き、紗雪との婚礼を躊躇う七龍太。そこに織田信長の下命で紗雪を佐々成政の側室とする話が舞い込む。白川の独立、二人の恋の行方など内容の詰まった下巻。衝撃のラスト。
  • 天離り果つる国(下)
     前評判通り、非常に良い作品だった。解説にある通り、現実と虚実が見事に交錯した、これぞ歴史小説という作品だった。
     前半、愛する2人が実は兄弟かもしれないという展開で終わり、このまま陳腐な展開で終わるのかという不安もよそに、佐々からの脱獄、秀吉との全面衝突に向かう。ここでも弱者が強者に抗うありがちな...続きを読む
  • 天離り果つる国(下)
     飛騨の「幻の城」を秀吉の魔の手から守るため、竹中半兵衛の愛弟子、津田七龍太が姫とともに立ち向かう戦国ロマン。

     上下巻合わせて1000ページを超える大作ですが、一気に読み終えてしまいました。

     まさに、戦国ロマンと呼ぶにふさわしい、戦国時代の歴史の醍醐味と若者たちの熱い思いや恋が描かれ、この物...続きを読む
  • 天離り果つる国(上)
     飛騨の「幻の城」を織田信長の魔の手から守るため、竹中半兵衛の愛弟子、津田七龍太が姫とともに立ち向かう。

     これまでたくさんの戦国時代の作品を読んできましたが、今まで注目したこともない、この飛騨の城を舞台にした、まさに血沸き肉躍る作品に出会えたことに、とても幸運を感じました。

     この戦国時代のち...続きを読む
  • ドナ・ビボラの爪 (上) 帰蝶純愛 篇
    途中から不穏な空気が漂い…え?そういう話?うつけと蝮の娘そうきた?と予想外の展開。また帰蝶純愛篇というだけあって、勇ましくも女性らしい内面を持ち合わせた帰蝶様…映画レジェバタのワンシーンが幾つか思い浮かびました。不美人と言われても、帰蝶となると中谷美紀さん、綾瀬はるかさん、川口春奈さんが思い浮かんで...続きを読む
  • 決戦!川中島
    信玄ファンも謙信ファンも納得させる骨太のアンソロジーでした。それぞれ作家さんが独自の発想から大胆な物語を書かれていて楽しかったです。
  • 天離り果つる国(上)
    2022.6 前半は冒険活劇、途中はベタなギャグで中だるみしかけたけれど後半はジェットコースターのような話の流れ、そして大団円。すばらしい構成の小説でした。
  • 天離り果つる国(下)
    飛騨の国、白川郷を舞台に、名だたる武将らとの戦いを描く。白川郷を狙うは、信長、秀吉、上杉、武田、佐々…まさに戦国武将総ざらえの様相。対する白川は、内ケ嶋藩主と紗雪姫に配下の武士、竹中半兵衛の弟子津田七兵衛ら。史実の中に消え去った「帰雲城」と貧しくとも平和な白川郷を舞台に描かれる戦国フィクションの傑作...続きを読む
  • 風魔(上)
    風魔衆の頭領となる風間小太郎の小説。

    まず宮本昌孝さんの描く風魔小太郎のキャラクターが涼やかでかなり良い。
    上巻450ページ程あり上・中・下巻で1400ページ程ありそうで、まだ上巻の段階だが面白く飽きさせない内容と涼やかな小太郎のキャラクターで楽しめる。
    龍姫や蛾妙、甚内、対手方の忍びもそれぞれ良...続きを読む
  • 陣借り平助
    戦国時代の最強陣借り者・魔羅賀平助を主人公とする連作短編集。戦国時代の有名な戦いや事件を流浪傭兵視点で描く形にまず斬新さを感じた。そして各話の小説としての完成度が高く、殺し合いを舞台とするにも関わらず平助の人柄にもほんわかしてしまう。

    どの話も好きだが浅井久政の野良田の戦いを舞台とした「隠居の虎」...続きを読む
  • 天空の陣風 陣借り平助
    陣借り平助シリーズ2冊一気読み。続いて2作目のこれ。
    前作に引き続いて胸のすくような好漢、戦国時代の傭兵「陣借り」家業につく磨羅賀平助の活躍を描く。

    前作後半では、平助出生の謎部分が多かったが、本作収録作品はすべて平助の「陣借り」家業の活躍を描く…とはいえ合戦ではない「陣借り」もあるのだが。

    ...続きを読む
  • 陣借り平助
    陣借り平助シリーズ2冊一気読み。まずは1冊目のこれ。
    戦国の世の傭兵「陣借り稼業」、弱い側の陣を借りる勇猛果敢な主人公「平助」。この漢がカッコよいんだよなぁ。

    武術馬術に滅法強く、6尺に及ぼうかという身体は見事。弱い者の味方で女性に弱く、カラりとした性格ながら曲がったことは嫌いで、戦国の世の習いに...続きを読む
  • 天離り果つる国(上)
    日経夕刊の書評で絶賛されていたので拝読。書評どおり。久しぶりにのめり込んでしまいました。分かりやすい人物描写と、これまた分かりやすい歴史背景解説。飛騨の里の景色が美しい。次、どうなるの〜と、早く下巻が読みたい、という一冊でした。
  • 決戦!関ヶ原
    『決戦!関ヶ原』

    誰もが知る関ヶ原の戦い。
    4時間で決着がつき、そして最後の西軍 島津が退陣するまでが8時間。

    ●読みどころ
    1.関ヶ原
    家康と三成。
    戦い前に密談あり。
    互いの狙いは何か?

    2.戦終えての三成
    「勝者はいない。
     徳川も豊臣もそして毛利も、さらに私三成も全員   
     敗者なり...続きを読む
  • 決戦!本能寺
    いやぁー、面白かった!
    お勧めは伊東潤先生、天野純希先生、木下昌輝先生ですね。
    「麒麟が来る」が更に面白くなる1冊です。
  • ドナ・ビボラの爪 (上) 帰蝶純愛 篇
    “時代モノ”の小説のネタとなっている“大事件”の中、「最も登場頻度が非常に高い?」かもしれないと思わせる事件は…<本能寺の変>ではないであろうか?

    <本能寺の変>は「天下布武」の実現を目前にしていたと見受けられた織田信長が、部将の明智光秀に討たれてしまったという“大事件”だが…考えてみれば考えてみ...続きを読む
  • ドナ・ビボラの爪 (下) 光秀死闘 篇
    「謎が謎を呼ぶ」ような一面も在り、また作中世界の「信長の時代」の空気感のようなモノも好く、少し夢中になってドンドン頁を繰った。

    上下巻から成り、下巻には「光秀死闘 篇」と副題が在る。下巻は作中で寧ろ「十兵衛」という通称が出て来る場面が多い明智光秀が主要視点人物である。

    明智光秀は“大事件”たる<...続きを読む