【感想・ネタバレ】陣借り平助のレビュー

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Posted by ブクログ

戦国時代の最強陣借り者・魔羅賀平助を主人公とする連作短編集。戦国時代の有名な戦いや事件を流浪傭兵視点で描く形にまず斬新さを感じた。そして各話の小説としての完成度が高く、殺し合いを舞台とするにも関わらず平助の人柄にもほんわかしてしまう。

どの話も好きだが浅井久政の野良田の戦いを舞台とした「隠居の虎」が最も好きだ。父・浅井亮政、子・長政という才能ある武士に挟まれ苦悩する二代目を救う平助。猛き武士にありながら自らの幸せはふっくら温かな白米を食すことと豪語する平助に羨ましさと彼が息子ならという羨望を感じる久政。親子の仲を取り持ち、最後に久政に、彼の所望は三石半、毎日一升の白米を食べることと、言わせるのは非常に清々しい気持ちになった。

そして最大の衝撃は「モニカの恋」での平助の出自と名前の由来。突然安次郎という人の話が始まり、何だこれと思わせて、突然その子孫が平助だときた時には吹き出すほど驚いた。確かに不思議な名前だと思っていたが、あまり深く考えておらず急所を突かれた感じ。

続編が2巻あるらしい。宮本昌孝氏の小説を今年は沢山読もうと決めているが、スタートダッシュには丁度良い作品だった。

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2022年04月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

陣借り平助シリーズ2冊一気読み。まずは1冊目のこれ。
戦国の世の傭兵「陣借り稼業」、弱い側の陣を借りる勇猛果敢な主人公「平助」。この漢がカッコよいんだよなぁ。

武術馬術に滅法強く、6尺に及ぼうかという身体は見事。弱い者の味方で女性に弱く、カラりとした性格ながら曲がったことは嫌いで、戦国の世の習いにはあっさりと肯定するものの、卑怯なヤツは許さない。

こんな男が史実に絡んだ合戦の弱い側に味方し、胸のすくような戦いをしてみせるのだから、面白くないわけがない。

女性蔑視、暴力肯定、史実改ざん、一方を悪役にしすぎ等々、叩こうと思えば叩ける内容かも知れないが…俺はこういう勧善懲悪のフィクションは単純に好きだなぁ。

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2021年07月10日

Posted by ブクログ

 時は戦国、どこの陣にも属さず、必ず劣勢の陣に加勢する並外れた力を持つ男、魔羅賀平助の活躍を描く戦国ロマン。

 女に優しく、常に弱い方の味方について縦横無尽の活躍をする平助は、男としてとても魅力を感じ、こんな男がこの戦国時代に実在していれば、面白かったろうなあと感じながら読み進めました。

 桶狭間の織田軍に味方するところから始まり、浅井、北条、武田、松平(徳川)と次々に味方し、実在の戦国武将達と関わりながら、進んでいく展開は歴史好きな人にとってはたまらないと思います。

 後半には平助の出生の秘密も描かれ、さらなる活躍を期待させながら終わるところから気持ちのいい読後感をもらいました。

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2015年09月05日

Posted by ブクログ

全1巻。
気ままな傭兵が主人公の話。

おしい。
すごくおしい。

前半は歴史ものっぽい。
桶狭間、浅井対六角、上杉対北条、川中島と、
有名どこ渡り歩く主人公。
爽快で気持ちよい生き生きとした主人公の
胸のすく活躍。
文句無しに面白い。

が。
どうした後半。

急にミステリアスだった主人公の過去を
駆け足で全部ぶちまけたうえ、
突拍子も無い展開についていけず。
ガッカリ感が半端ない。
途中で何かあったとしか思えない。
制作側に。
打ち切りのマンガみたい。

ジャンプでやってたマンガ版の花の慶次思い出した。
急に外人と闘いだしたりした後半のグダグダ感。
主人公のキャラも慶次ぽい。

あと表紙がひどい。
全然イメージと違うし、
結構はずかしい。
たぶんこれ描いた人読んでない。

いろいろもったいない。
むしろ途中まで面白いだけに
ムカッとする。

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2011年06月09日

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