【感想・ネタバレ】剣豪将軍義輝(下) 流星ノ太刀〈新装版〉のレビュー

あらすじ

奮闘する義輝の実直さは、
読者の胸をまっすぐに貫く
(作家・澤田瞳子)

政権の頂点に立つ三好長慶と和睦が成立、京に落ち着いた義輝は、乱世に終止符を打つべく、壮大な奇策を立てた。
盟約を結ぶ織田信長、上杉謙信らの軍団と倭寇の大船団とで三好一党を挟撃し、討つ。
しかしその構想が長慶麾下の野心家・松永松永弾正久秀に洩れた。
三好兄弟を次々謀殺、自ら覇権を握らんとする久秀は義輝の器量を懼れ、ついに暗殺を決意する。
炎風のなか義輝が揮う秘剣一ノ太刀! 苦楽をともにした義輝とその盟友たちの運命は!?
友よ、愛しき人よ! 激動の歴史時代大河小説完結篇。

目次
第一章 悪御所
第二章 竜鳳の契り
第三章 虎、来たる
第四章 大牙の謀事
第五章 鬩牆の間
第六章 宿敵
第七章 麒麟児、盟す
第八章 修羅、簇がりて
第九章 三好崩れ
第十章 洛陽の暗雲
終章 雲の上まで
解説 澤田瞳子

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Posted by ブクログ

 最後まで熱かった!とはいえ最終章の義輝の動きは静かで、技に限らず人生も境地に達したかのようで少し悲しくもあった。兄弟3人の対話のシーンは印象深く、波乱の剣の旅を経て静寂に心を向ける義輝と純粋な心で自然に心を寄せる周こう、対照的に俗世に執着する覚慶(後の義昭)。実在と虚構の人物が活きいきと動く宮本作品だからこそ、この静寂な場面が心に残った。
 そして下巻の裏の主人公は松永弾正。極悪人に描かれている(史実通り?)が、人間味があって憎めない。そしてもう1人、憎めないキャラが義輝の因縁の熊鷹。彼の行動は一貫して(世間的に)悪だが、孤独に生きることしか選択できなかった人生には同情してしまう。最後は熊鷹との1対1かと予想していたが良い方向に裏切られた。
 ただの悲運の将軍ではなく、信長、秀吉、家康の3英傑に影響を与え、日本統一を導いたという展開を賞賛したい。

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2024年08月15日

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