あらすじ
歴史時代小説界を瞠目させた傑作巨篇『剣豪将軍義輝』の秘話逸話の数々
大樹…
いまいちど会いとうござる!
早世の将軍・足利義輝、若き日の廻国修業譚
落日の室町幕府にあって、自ら剣の奥義を極め、卓越した将器で斎藤道三や織田信長ら戦国の巨星たちの心をも惹きつけた乱世の将軍・足利義輝。
その命は二十九歳の若さで尽きたが、友誼に結ばれた遺臣たちの心から、義輝の清爽たる姿が消えることはない。
霞新十郎の名で廻国修業の旅に出た若き日の剣豪将軍の逸話をはじめ、今明らかになる秘話の数々。
義輝を愛する人に捧げる短篇全七篇。
目次
前髪公方
妄執の人
紅楓子の恋
義輝異聞 丹波の黒豆
義輝異聞 将軍の星
義輝異聞 異恩
義輝異聞 三好検校
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
室町後期の足利将軍家を中心とした短編7篇。後半4作は「剣豪将軍義輝」のスピンオフ作品。本編にどっぷり嵌ったため期待大だったが、期待は超えなかった。綺麗に終わっていたのでどうしても蛇足に感じてしまった。
最後の「遺恩」は義輝を登場させず恩を引き継ぎ遺された者が活躍するというコンセプトは良かったが、風箏で締めるのは少し消化不良。十兵衛や與一郎以外は皆退場しているのでこれしかなかったのだと思うが。
その他だと「紅楓子の恋」が良かった。山本勘助と武田信玄の正室の三条の方の恋。恋というほど二人は接しないのだが恋としか呼べない関係性と、勘介が残した楓の枝から紅楓子と名付けるネーミングのセンスが光っている。