宮本昌孝のレビュー一覧
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ネタバレ陣借り平助シリーズ2冊一気読み。続いて2作目のこれ。
前作に引き続いて胸のすくような好漢、戦国時代の傭兵「陣借り」家業につく磨羅賀平助の活躍を描く。
前作後半では、平助出生の謎部分が多かったが、本作収録作品はすべて平助の「陣借り」家業の活躍を描く…とはいえ合戦ではない「陣借り」もあるのだが。
か弱い女性の味方に付く心身タフガイ、という図式は今の世においてはジェンダーの問題から繊細に扱わないといけないのかもしれない。が、ことフィクションにおいては、そう目くじら立てずに楽しんでもいいんじゃないかと思う。
この本にはか弱く、少し思慮の足りない女性に助力するカッコ良い平助…という話がいくつか収録 -
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ネタバレ陣借り平助シリーズ2冊一気読み。まずは1冊目のこれ。
戦国の世の傭兵「陣借り稼業」、弱い側の陣を借りる勇猛果敢な主人公「平助」。この漢がカッコよいんだよなぁ。
武術馬術に滅法強く、6尺に及ぼうかという身体は見事。弱い者の味方で女性に弱く、カラりとした性格ながら曲がったことは嫌いで、戦国の世の習いにはあっさりと肯定するものの、卑怯なヤツは許さない。
こんな男が史実に絡んだ合戦の弱い側に味方し、胸のすくような戦いをしてみせるのだから、面白くないわけがない。
女性蔑視、暴力肯定、史実改ざん、一方を悪役にしすぎ等々、叩こうと思えば叩ける内容かも知れないが…俺はこういう勧善懲悪のフィクションは単純 -
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「謎が謎を呼ぶ」ような一面も在り、また作中世界の「信長の時代」の空気感のようなモノも好く、少し夢中になってドンドン頁を繰った。
上下巻から成り、下巻には「光秀死闘 篇」と副題が在る。下巻は作中で寧ろ「十兵衛」という通称が出て来る場面が多い明智光秀が主要視点人物である。
明智光秀は“大事件”たる<本能寺の変>の主役でありながらも、その経歴に「不詳」としか言い表しようがないものが在り、“時代モノ”の作者による想像の翼が羽ばたく余地は大きい。
そういう訳で、この明智光秀に関しては「主人公またはそれに準じる劇中人物」として色々に活躍する“時代モノ”の小説は多々在る。それらも愉しく読んだ経過は在る -
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“時代モノ”の小説のネタとなっている“大事件”の中、「最も登場頻度が非常に高い?」かもしれないと思わせる事件は…<本能寺の変>ではないであろうか?
<本能寺の変>は「天下布武」の実現を目前にしていたと見受けられた織田信長が、部将の明智光秀に討たれてしまったという“大事件”だが…考えてみれば考えてみる程に「謎」が多い。だからこそ“時代モノ”を綴る作家達が想像の翼を羽ばたかせる余地も非常に大きいのかもしれない。
その<本能寺の変>に関連する物語の文庫本だ。
上下巻から成り、上巻には「帰蝶純愛 篇」の副題が添えられる。この副題で判るように、上巻は織田信長の妻であった、斎藤道三の娘の帰蝶が主要視 -
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タイトル通り徳川家康が死ぬところから始まる
隆慶一郎先生の「影武者徳川家康」と登場人物が被る作品。
ストーリー自体は、世良田二郎三郎が側近
そしてお館様である徳川家康。
暗殺された家康には実は瓜二つの恵最というお坊さん(顔を隠して生きてきた)がいた…というあらすじ。
色んな登場人物がいて、徳川家康に忠義心溢れる者や
恵最をお館様としてのし上げたい者。
それぞれの思惑が交錯する、なんだか歴史ミステリーな感じ。
とりあえず非常に読みやすくサクサク読める内容。難しくなく、気軽に読める小説なんじゃないかなと思う。
さて、今後どうなるのかは期待大。 -
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ネタバレ上中下3巻ほとんど一気読み。
この小説は凄いわ。「剣豪将軍義輝」も「藩校早春賦」も「夏雲上がれ」もムッサオモロかったのに、何故か追いかけ忘れていた宮本昌孝、もっと早くに読めばよかったと思う反面、美味しいご馳走をここまで引き伸ばしてきたのがちょっと嬉しかったり…
さて、主人公の風魔小太郎は単独だと正直若干魅力に欠ける。強い、デカい、男前、優しい、義理堅い、モテる…完璧すぎてオモロくないのだ。だが主人公の周りを固める連中が実にいいのである。敵役の忍者連中、柳生又右衛門、服部半蔵、伊達政宗に豊臣秀吉、徳川家康、秀忠に至るまで、味わい深く、悪いやつは悪く、しぶといやつはしぶとく、道化は徹底的に道化 -
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宮本昌孝 著「海王(中)潮流ノ太刀」を読みました。
中巻では、剣豪将軍義輝の遺児、海王が信長、秀吉、光秀たちと深く関わっていく。信長が光秀に討たれる本能寺の変にも海王は巻き込まれてしまう。そして、秀吉の世となったとき、果たして海王は己の進むべき道を見つけることができるのか。
前巻に続き、信長をはじめ戦国武将が次々に登場しながら海王の活躍が描かれ、歴史小説としても興味深かったです。
特に、信長が光秀に討たれる本能寺の変の裏側も新たな解釈で描かれていて、歴史を感じる醍醐味を味わうことができました。
その一方で伊藤一刀斎をはじめとした剣豪との交流や次々と現れる難敵との闘いも展 -
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宮本昌孝著「風魔(下)」を読み終わりました。
徳川と豊臣の戦いに巻き込まれた風魔小太郎がこの最終巻では、徳川の守護神、柳生又衛門宗矩との死闘を演じます。
歴史の狭間で繰り広げられる影の戦いが激しく描かれている中で、この作品のメッセージも強く伝わってきました。
権力の象徴である徳川をあくまでも信じて戦い続けることによって、己の生き方を貫き通す柳生又衛門の人生も、一人の男の生き方としては、魅力を感じました。
しかし、その一方で何ものにもとらわらず、自分の仲間と愛する人のために最後まで自由を求めて戦い抜く小太郎の生き方は、柳生又衛門のそれと対照的に表現され、憧れを感じてしまい -
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宮本昌孝著「風魔(中)」を読みました。
風魔一族を率いる風魔小太郎が活躍する第2部です。
この巻では、関ヶ原を中心に豊臣と徳川との争いの中で、風魔としての生き方を貫いて戦い抜く小太郎が描かれています。
政権争いの闘いから身を引き、平和に暮らそうとする小太郎たち風魔を豊臣も徳川もそっとしておくわけはなく、否が応でも争いに巻き込まれてしまいます。
そして敵も次々に変わり、服部半蔵が失脚し、ついに柳生又衛門(のちの宗矩)が登場します。
下巻はいよいよこの柳生との戦いが描かれるようです。
そんな戦いの中で、小太郎を慕う笹掃との愛も描かれ、まさに血湧き肉踊る時代活劇に -
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宮本昌孝著「風魔(上巻)」を読みました。
待望の文庫化、全3巻のうちの上巻です。
時は、秀吉が天下を握ろうとしている時代、北条方に代々仕える忍者風魔一族の長、風間小太郎が主人公です。謀略渦巻く乱世に自由を求め生きた、希代の忍びの生涯が描かれています。
主君を救うため、小太郎は優れた能力を発揮し、縦横無尽の活躍をするが、時代には逆らえず、北条方が滅んでしまう所までが上巻です。
主人公は、忍者としての優れた能力を持っていますが、心は非常に人間的で温かい人物として描かれ、これまでの忍者とは一味違い、とても魅力を感じます。
また、主人公を取り巻く歴史上の人物やライバルたち