相沢沙呼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
狼に喰い千切られたかのような少女の遺体が連続して見つかる。美しい金髪の少女”此花ねむり”は鈴原楓という少女との出会いをきっかけに事件とそれに関連しているとみられる薬物について調べ始める。
相沢さんの作風は日常の謎と丁寧な少女の描写の印象が強かったですが、今作は耽美で背徳的、そして官能的な面もある伝奇。今までの作風と全く違う作品ながら、
少女たちの恍惚としたシーンの筆力がかなりのもので、相沢さんはこんな作風でも書けるのか、と意外に思ったとともに多才な方なんだな、と思いました。
ミステリとしては展開が急な印象は受けましたが、この作品はミステリというよりも、上にも書いたように耽美で背徳な伝奇として、
そして何よりも真相に近づくにつれ明らかになってくる逸脱者たちの絶望と孤独、かすかな希望を描いた物語のように思います。
そうした絶望や孤独は今までの相沢さんが描いてきた普通の少女たちの抱えてきたものと、どこか似ているようにも思います。
そのため相沢さんの新境地を開いた作品でありながらも、しっかりと相沢さんらしさを残した物語だと個人的には思いました。
話としてはこの本でまとまっていますが、その後について明言されていない登場人物もいて、続編もあり得そうな雰囲気なのでぜひとも期待したいところです! -
Posted by ブクログ
耽美的、背徳的でちょっと官能的な伝奇ホラーサスペンス。猟奇殺人、都市伝説、少女たちに広まる麻薬など怪しい要素満載。そして美少女も満載。百合百合しさも満載。
怪事件を追いかける物語としては焦点が分散してしまっていて、吸引力は低め。ただ、そもそも怪事件が起こる舞台設定なだけで、怪事件を解き明かす物語ではないのかもしれない。
自分は、非日常的な伝奇もの舞台の中で、それこそ特殊な事情を持つ主人公の少女の苦悩が描き出されていく物語として読みました。少女の友人への想い、死への渇望と葛藤、孤独、不安がぐさぐさと感情を刺激してきて、ほんと痛ましく愛おしいです。
この本は、少女たちへの感情移入ができるかどうかで読んだ印象がかなり変わってきそうですね。
世界観は好み。伝奇もの好きですし、すっと作品世界にはまれました。
ちょっとしか出ない印象的な人物もいましたし、この世界観でまた作品が出るなら読みたいです。探偵さんメインの話も期待。 -
Posted by ブクログ
写真部に所属する4人の女子高生と彼女たちにまつわる小さな謎を描いた連作短編ミステリ。
作中に登場する女子高生の描き方がとても絶妙だと思います。それぞれが絶対に純粋な少女というわけでもなく、友人の容姿をうらやましく思っていたり、クラスのいじめやそれを止められない自分に悩んだり、友人関係、進学、自分の存在意義…、純粋すぎず、ドロドロすぎず、あくまで等身大の女子高生たちの姿を描こうとしているのが、とてもよかったです。
そして、そうした少女たちの本当の姿を描くために日常のミステリという手段を使っているのも好印象でした。それぞれの謎は、
なぜ突然写真部に友人は来なくなったのか(コンプレックス・フィルタ)、学校の壁ばかり撮られた写真のデータの謎(ピンホール・キャッチ)、告白してきた男子をビンタした女の子、その理由は(ツインレンズ・パララックス)、展示写真をコピー写真とすり替えられた理由(ペンタプリズム・コントラスト)。
こうしたそれぞれの小さな謎が彼女たち自身が見失った等身大の自分を見つけるための謎としてしっかりと話と結びついています。
そしてこの小説を成立させるうえでもう一つ重要な要素となっているのがカメラ。作中の彼女たちはカメラによって救われたり、あるいは傷つけられてしまうこともあります。しかしたとえ傷ついても、そこからの成長をしっかりと描いている、だからこの作品に出てくる少女たちがとても愛おしくも思えました。 -
Posted by ブクログ
途中で城塚の立ち位置に疑問を持つと全ての伏線がはっきりしてきますので、そこまで面白いとは思わなかった。好みの問題とはいえ、本格ミステリ大賞も「屍人館の殺人」以降、質の低下が著しい。
以下、読んでいる途中で仲間に送ったLINE。
ネタバレ有り
最初から本当は霊能力なんてないんだろうなぁと思いながら読んでいるんで
霊媒の記述がクドクドしているのも裏がありそうで面倒臭い
変に霊媒や霊能力の記述がクドクドしているのにも引っ掛かりを感じてしまいます
作者がマジシャンだから
他に目を向けさせようとしていると勘繰ってしまいます
こちらも半世紀以上の
すれたミステリファンなので