相沢沙呼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
う~ん、これは少し、構成で損しているのではないかと思いました。
青春ものということもあるかもしれないが、文体が時折、軽い感じになるのが気になる上に、とにかく負のオーラを纏った主人公に感情移入出来ない。
と思ったら、急にヒロインと意気投合みたいな感じで、第三話を読み終えた時点で、読むの止めようかなと本気で思いました。
しかし、第四話に入ってからの急展開で、雰囲気がガラリと変わり、軽い文体もほぼ無くなり、物語の世界に一気に入り込めました。
ちなみに、私は「小余綾詩凪」が「千谷一也」に文庫本を叩き込むシーンにグッときたのですが、この時点では、まだ小余綾の真相を知らなかったので、それも含めれば、また違った感動を得ることになります。
そして、この作品で印象的だったのは、小説を書くことと、自分自身を好きになることや認めてあげることが、繋がっていること。もちろん、小説を書くことの出来る素晴らしさや大変さも実感したのですが、誰の中にも伝えたいことや想いがあること。そこには、辛いことや苦しいことや、しょうもないこと、何でも含めていいんだよ。他人が何と言おうが、あなたの中から湧き出してくるもの、全てがあなた自身の物語として認めていいんだよ。と言われているようで、自己肯定の大切さを感じました。
なので、出来れば、最後まで読んでほしいと思います。
それから、主人公の一也の序盤の感情移入のしづらさは、作中作なのかもしれません。物語の中で一也が、自分みたいな主人公の物語なんて、誰も読みたくないだろうと言っていたことに対して、相沢さんが意図的にやっているのかも。
もちろん、小説の素敵なところが、この作品に書いてあることだけではないとも思いますが、やはり、青春を謳歌している方々には、共感出来る点が多いのではないか、とは思います。
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Posted by ブクログ
前作同様,いくつかの事件に柴犬こと柴山が巻き込まれて,マツリカさんが安楽椅子探偵をして謎解きをする.今回は「一年生のりかこさん」が共通の謎になっていて,最終話で謎解きされる.
「落英インフェリア」消えてしまった写真部に見学に来た一年生の話.,
「心霊ディテクティブ」 小西さんが写した写真のフィルムがすべて感光してしまっていた事件.
「墜落インビジブル」 教室に入ってきた二人の女子生徒の一人がいつの間にかいなくなってしまった話.
「おわかれソリチュード」 一年生のりかこさんの元話となった墜落死した松本梨香子さんが,はたしてマツリカさんなのか?という話.
やっぱり,柴犬が好きになれない.小西さんにチョーパンくらって少しは性根を入れ替えることができただろうか. -
Posted by ブクログ
「小説を書くこと」と
「小説を読むこと」は違う
「小説を読むのが好きな人」なら
楽しめる内容だと思う。
どの作者も最初は、初めから万人のために書くわけではなく、誰かのために書き始めるのだろう。
情熱の火で暗闇を照らして、
自分を信じて前に進むしかない。
どこかに、誰か伝わる人がいると
信じてひたすら進むしかない。
情熱の火が消えたら
暗闇の先も見えず、何もできない。
好きなモノを「嫌い」にしないと
やりようがない気持ちってのが
痛い程わかる…
自信がなくなり、成功している方法に飛びつく、自分を見失う。
小説家としてデビューしたものの
ネット上のレビューで酷評
売上部数も伸び悩む状態
物語が書けなくなってしまった主人公は、その火が消えてしまっているところから始まる。
そして、同時期にデビューした天才作家であり頭脳明晰、誰からも好かれる顔を持つが美少女作家と出会い、二人で作品を創ることになり…
「ボーイミーツガールモノ」で
「作家モノ」と分類することができる。
主人公視点の描写は男子高校生のアレ
でヒロインに「卑猥」と叱られても仕方のない感じでしたけど、小説への想いは二人ともとてつもなく熱い。
プロの作家として見てきた「現実」と物語がもたらす力を信じる「理想」がぶつかり合いながら、前に進んでいく
二人の熱量に、「小説を書きたい人」なら、読むのが苦しい、辛い…
でも、更に心の火がもっと燃えるかもしれない。そんな物語。
・苦労して書いた作品も、その数分の一の時間で読んだ読者の評価に左右されてしまう。
普段、このレビューもそうですが
好き勝手書かせてもらってます。
その弊害にも触れるし、出版業界の問題にも触れる。押さえるところはちゃんと押さえていて素晴らしい。
同じ講談社タイガの「絶対小説」
の混沌ぶりも「創作の想いの爆発」という印象を受けたけど、この作品も二人とも想いが破裂し合いつつ、新たな希望を膨らませてラストに向かって行くのが苦しいけど心地良かった。
九ノ里は、いい奴…
成瀬ちゃんも、いい子…
主人公の妹は、痛いオタク… -
Posted by ブクログ
ネタバレ映画化すると聞いたので手にとって見たが
こちらはシリーズの続刊のようだ。
上巻を読んだ限りでは、九ノ里がやや良い印象だが
そこまで活躍を見せておらず
共感できるキャラクターがいない為、
淡々と読んでいる。
そんなにも『最近の高校』は未だに漫画を嫌い、
図書委員は漫画や雑誌、ラノベを読むことも許されないのだろうか。
漫画村をモデルにした件にしても、
こんなに最近の高校生はモラルがなく頭が悪いのか?
と疑問に感じた。
好む物語の話でも、同族嫌悪で失敗し成長する主人公を
好きにならないというのも同じく疑問だ。
本当にそんなものなのだろうか。
ただ、確かに
もう物語じゃ人の心は動かせなのかもしれない
というのは自分の時折感じなくもない。
そもそも文章を読めない人が多くなっており、
200文字もあれば『長文』と言い出す。
『世界の行間を読む』という真中の言い方は好きだった。
地の文で同じ言葉の繰り返しが多いのが気になった。
たとえば、『訥々と』。何度も同じように使われるし
話し手が同じなら口癖設定なのかなとも思うが
違う人に変わっても同様だった。
天月彼方の持論は中々興味深い。
・売れている作品は運がいいだけ
・読者は売れている本しか買わない
・運の悪い本は存在すら知られない
・読書好きじゃない普通の人たちは自分で本を探さない
・本気を出さないでうまく手を抜いて書くべき
・届かない相手にはいくら頑張っても届かない
・物語が人を動かすかどうかなんて、読者の力量次第だ。読み解く力がないやつには、何を言っても無駄だ
・真摯に書くのは売れてからでいい
小余綾などは反感を覚えているようだが
間違いとは言い切れない。
彼女が言うように実際天月が売れているから、というだけではなく。
漫画しか読まない人が増え、
読書をする人が少なくなり、
自分で好きな本を選んで行間もきちんと読める人ではなく
テレビで紹介され平台に積んである本だけ気まぐれに手に取るのが
『普通の人たち』。
そんなのは間違っている、と思いたくても
手にとってもらえないなら話が始まらない。
どんなに良い本でも気づかれなければ読まれないし、
読解力の無い人が読んでもつまらない、わけわからないで終わってしまう。
それなら、真剣に書くとしても流行に迎合した
漫画化や実写化しやすい軽くて頭が悪くてもわかる内容を
量産して名前を売ってからでもいい。
これは、そのとおりだ。
物語が本当に好きで、真摯に向き合って
向き合いすぎて書けなくなろうが、血反吐を吐きながらやっとの思いで書こうが
そんなの読者には関係無い。
多分、真摯に物語に向き合うことが正解だと
持っていきたいのではないかと想像するが
ここまで現代日本の読書力低下や
本が売れないという『真実』を書いた後で
どう正解まで持っていってくれるのか下巻を読むのが楽しみだ。 -
Posted by ブクログ
高校の写真部に所属する4人の女子高生のそれぞれの視点から語られる短編集。
ハタから見るとキラキラして悩みや葛藤も無さそうな少女たちですが、容姿に自信が持てなかったり、学校や家の居心地が悪かったり、自分らしさを見失ったり、人知れず悩みを抱えています。
人は誰もが悩みを抱えて生きていますが、彼女たちはその若さゆえ、悩みに直面した時、立ちすくんでしまうのです。
自分の悩みが他人より深刻に感じてしまったり。
お互いに思いやる気持ちはあるのにうまく届かず、行き違いが生じてしまったり。
幸せになりたいのに、悩みを自分で作り出してしまう自家中毒な面もあったりして。
そんな彼女たちの繊細な心の動きを、カメラの性質や作用を利用した謎解きに沿って、優しく紐解いていきます。
謎としてはそんなに意外性は無いのですが、少女たちの心の機微の変化には感じ入るものがありました。
自分の気持ちに向き合い、それを受け入れることで、同時に他人の感情の蓋をゆるめることができるのかもしれないな、と思いました。