相沢沙呼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ映画化すると聞いたので手にとって見たが
こちらはシリーズの続刊のようだ。
上巻を読んだ限りでは、九ノ里がやや良い印象だが
そこまで活躍を見せておらず
共感できるキャラクターがいない為、
淡々と読んでいる。
そんなにも『最近の高校』は未だに漫画を嫌い、
図書委員は漫画や雑誌、ラノベを読むことも許されないのだろうか。
漫画村をモデルにした件にしても、
こんなに最近の高校生はモラルがなく頭が悪いのか?
と疑問に感じた。
好む物語の話でも、同族嫌悪で失敗し成長する主人公を
好きにならないというのも同じく疑問だ。
本当にそんなものなのだろうか。
ただ、確かに
もう物語じゃ人の心は動かせなのかもしれ -
Posted by ブクログ
高校の写真部に所属する4人の女子高生のそれぞれの視点から語られる短編集。
ハタから見るとキラキラして悩みや葛藤も無さそうな少女たちですが、容姿に自信が持てなかったり、学校や家の居心地が悪かったり、自分らしさを見失ったり、人知れず悩みを抱えています。
人は誰もが悩みを抱えて生きていますが、彼女たちはその若さゆえ、悩みに直面した時、立ちすくんでしまうのです。
自分の悩みが他人より深刻に感じてしまったり。
お互いに思いやる気持ちはあるのにうまく届かず、行き違いが生じてしまったり。
幸せになりたいのに、悩みを自分で作り出してしまう自家中毒な面もあったりして。
そんな彼女たちの繊細な心の動きを、カ -
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どうして物語を書くかの問いの答えは持ち合わせてないけれど、どうして物語を読むかの答えなら常に持ってる。
好きだから。
たったそれだけの簡単な答えをどうして見失ったりするんだろうね。
どちらの問いもきっと至極簡単で、簡単だからこそ当人は不安になって間違っているのではないかと手放して迷子になる。
相変わらず世の不満をいろいろぶっこんできて、小気味好くもあり、もういいんじゃないの?とも思うけれど、この鬱蒼とした答え探しの物語を、若い世代に広く読まれてほしいと思います。
わたしはいつまでも、このシンプルな答えを疑うことなく持ち続け、誰かにとっての九ノ里であり続けたいと思います。
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Posted by ブクログ
ネタバレ学校近くの廃墟ビルに住みつき、望遠鏡で学校を観察している謎の美少女・マツリカ。
彼女に命じられ、高校生の柴山は学校の怪談を調べていた。
『一年生のりかこさん』という、過去に飛び降り自殺をしたという少女の霊にまつわる噂を追いかけるうちに、柴山はある真実に辿り着く・・・。
前作同様、学校の怪談を調べていく中で出会う「日常の謎」をマツリカと柴山が解決するという話の流れになっています。
謎自体は小粒で、何気ない謎なのですが、真相には誰かのままならない思いがつまっていて、それが明らかになるたびにどうしようもない切ない気持ちに駆られました。
他人を羨む自信の無い自分に自己嫌悪を感じたり、楽しそうな周囲 -
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ネタバレ〇 概要
揺れ動く少女達の心,温かさや切なさに満ちた謎を叙情豊かに描く,独立した5つの短編からなる短編集。青春ミステリの名手が贈る,珠玉の短編集
〇 総合評価
相沢沙呼の作品が持つ雰囲気は非常に好きである。この短編集にある5つの作品も,いずれも十分楽しめた。ベストは,「チョコレートに,踊る指」。この作品の叙述トリックの使い方はとてもうまい。更に,それだけでなく,ユリとヒナとスズという三人の少女の関係がなんとも言えずブラックで心に残る。相沢沙呼らしい作品だと思う。全体を通じた仕掛けもなく,「小生意気リゲット」といったミステリらしさが薄い作品もあるなど,寄せ集め的な短編集だが,相沢沙呼が好き -
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揺れ動く少女たちの心理を巧みに描いた日常の謎短編集。
お互いを思いやる姉妹や女友達同士の葛藤を丁寧に描きながら、すこしだけ切ない謎を加えた5編の短編でした。
何をやりたいのかわからず、模索して立ち止まっている若者の心の動きに魅せられます。
将来に対する不安や懼れなど、簡単にはとても表せない気持ちを取り繕うことなく懸命に前を向いている姿には、自分も通ってきた道なので、懐かしさと尊さと感じますね。
著者は男性だというのはすぐにわかりました。
何となく、女性が女性を描いた時のリアルさが無いんですよねー。
これはこれでいいと思うし、悪いわけではないのですが・・・、うっすら「うーん、違うかなー。