相沢沙呼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ短編集的な装い。
主人公は根暗で人見知り(クラスの女子の名前を覚えてないレベル)の男子高校生。
ヒロインは学校近くの廃ビルを住処として、学校を望遠鏡で覗いているツンデレ女王様気質の女子高生。
女子高生が男子校生を使い、安楽椅子探偵的に事件を解決(?)する。
・走る原始人の謎では、そういう噂から数年前にイジメで全裸にされて走った少年を揶揄する噂話で、当時学生だった実習生の思いなど。
・文化祭では、アリスの衣装が無くなったと思ったら実はアリス役がイヤイヤやらされて逃げ出したなど
・最後のオチはシスコンの主人公の姉は実は死んでて、女子高生と男子校生の距離が近くなるなど -
Posted by ブクログ
傷つきやすかったり、不安定だったり。
そんな少女や女性たちの心理を、叙情豊かに淡く静かに描きつつ、作中の温かい視点にほっと安心できる短編集だったと思います。一人静かに勉強していたら、そっと後ろからホットミルクを差し出されるような、そんな感覚。
相沢沙呼さんといえば、青春小説+ヘタレ・陰キャ男子の印象が強かったけど、この短編集だとその年代よりちょっと年上の女性が主人公の話が好きだった。
両親が他界し社会人の姉と、高校生の妹の二人で暮らす姉妹。ある日から妹が、姉に冷たくあたるようになったわけを描く「小生意気リゲット」
姉の妹に対するもどかしさ。それは苛立ちでもあり、そして自分がちゃんと妹の面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ書き手の気持ち、読み手の気持ち。
<以下本文より>
自分の将来のことはまるで想像できない。けれど、今よりも本を読む時間はきっと減ってしまうのだろう。頭の中で情景を組み立てて、語感の良い描写を口中で繰り返しながら、じっくりとページを捲り、好きなシーンを何度も読み返す。そんな向き合い方は、大人になったら、もうできなくなってしまうのかもしれない。
どうして仕事を断ったかって?
そんなの、だって、言えるわけないじゃないか。
君が好きだから。
君と一緒にいたいから。
君の力になりたいから。
だから、君との仕事を選んだなんて。
「好きっていう気持ちには、いろいろなかたちがあるもの。ひとりひとり読書の -
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ネタバレ「凄い・・・。物語って、読むだけじゃなくて、書くものでもあるんだ・・・」
「物語が与える影響なんて、そもそも微々たるものなのかもしれない。けれど、中にはその優れた感性で、かけがえのないものを掴み取る読み手もいる。それは物語の力というより、作家から読み手に委ねられた力なのかもしれない」
「物語じゃなくて・・・、読み手の力、ですか・・・」
「なんか小説って、兼業?売れない芸人みたいに、普段は本職の仕事をしてて、空いた時間で小説を書いてる人が多いんだってさ。それで、よくよく考えてみると、芸能人とかが小説を書いて、それがすごい話題作になっちゃってるとかよく聞くでしょう。要するに、みんな片手間にやっ -
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う~ん、これは少し、構成で損しているのではないかと思いました。
青春ものということもあるかもしれないが、文体が時折、軽い感じになるのが気になる上に、とにかく負のオーラを纏った主人公に感情移入出来ない。
と思ったら、急にヒロインと意気投合みたいな感じで、第三話を読み終えた時点で、読むの止めようかなと本気で思いました。
しかし、第四話に入ってからの急展開で、雰囲気がガラリと変わり、軽い文体もほぼ無くなり、物語の世界に一気に入り込めました。
ちなみに、私は「小余綾詩凪」が「千谷一也」に文庫本を叩き込むシーンにグッときたのですが、この時点では、まだ小余綾の真相を知らなかったので、それも含めれば、 -
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前作同様,いくつかの事件に柴犬こと柴山が巻き込まれて,マツリカさんが安楽椅子探偵をして謎解きをする.今回は「一年生のりかこさん」が共通の謎になっていて,最終話で謎解きされる.
「落英インフェリア」消えてしまった写真部に見学に来た一年生の話.,
「心霊ディテクティブ」 小西さんが写した写真のフィルムがすべて感光してしまっていた事件.
「墜落インビジブル」 教室に入ってきた二人の女子生徒の一人がいつの間にかいなくなってしまった話.
「おわかれソリチュード」 一年生のりかこさんの元話となった墜落死した松本梨香子さんが,はたしてマツリカさんなのか?という話.
やっぱり,柴犬が好きになれない.小西さ -
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「小説を書くこと」と
「小説を読むこと」は違う
「小説を読むのが好きな人」なら
楽しめる内容だと思う。
どの作者も最初は、初めから万人のために書くわけではなく、誰かのために書き始めるのだろう。
情熱の火で暗闇を照らして、
自分を信じて前に進むしかない。
どこかに、誰か伝わる人がいると
信じてひたすら進むしかない。
情熱の火が消えたら
暗闇の先も見えず、何もできない。
好きなモノを「嫌い」にしないと
やりようがない気持ちってのが
痛い程わかる…
自信がなくなり、成功している方法に飛びつく、自分を見失う。
小説家としてデビューしたものの
ネット上のレビューで酷評
売上部数も伸び悩む状態
物