【感想・ネタバレ】小説の神様 あなたを読む物語(下)のレビュー

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ 2023年10月13日

水越先輩は浅いなぁ
ラノベとかマンガを下に見るのは本当に浅はかだと思うよ
そもそも昔は夏目漱石の作品が今で言うラノベの扱いだったわけで
四書五経、論語、歴史を記した大説よりも軽いものが小説なんだよ
なので、小説同士で物語の軽重を語るのは愚かですよ
先述の通り、物語の相対的な重さは時代によって変わるわ...続きを読むけだし
いずれ、今のラノベも文学と位置づけられる時代が来るかもね

一也の言うラノベ基準は納得
そう名乗っているレーベルから出ている作品
これ以外に明確なラインは引けない気がする

ラノベ好きは一般文芸でも好きな作品はラノベだと言いたくなるし
ラノベ嫌いも同じく気に入らない一般文芸をラノベに分類したがる

私も、どちらかと言うと一般文芸でもラノベ寄りな作品を読んでるし、いい意味でラノベとラベリングしている気がする



物語を読む意味
自分のための物語

私で言うと「君の膵臓をたべたい」かな
ま、完全に当てはまるわけではないけど、自分の前に咲良が現れていたら、今とは違った人生になっていただろうとは思う
私が学生の頃にはまだ出版されていない作品なので、どうしようもないんですけどね


人間関係の複雑さ
物語のテンプレートだと悪い人は悪い事をするんだけど
この作品も、リカがただ単に悪いやつだったらわかりやすいのにね
成瀬さんが仲間として受け入れられているという状況
第三者視点と、成瀬さん視点と、友だち視点と、リカ視点ではそれぞれ異なる

こんな物語が書けるから相沢沙呼さんはすげぇよなー



ただ書く事だけが楽しかった頃から、読者を意識し始める事で生じる欲求
誰のために書くのか?という問い
最初は自分が、次に読んでくれる周囲の顔の見える人
それが不特定多数の人に範囲が増すに連れて、本来の対象ではない読者も増え、そして批難も増える
でも、大事なのは自分の作品を読みたいと待っている読者なんだよなぁ

世の中の作家さんは色々な悪意を目にする事が多いのでしょうけど
善良な読者は確実にいるので、そんなものは気にせずに作品を書き続けて欲しいですね

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Posted by ブクログ 2023年09月16日

相沢先生の本ということで偶然手に取った小説。普段ミステリーではない小説ではまることはあまりないのですが、非常に揺さぶられました。
読書の仕方について考えさせられる一冊です。

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Posted by ブクログ 2022年12月05日

「これは、わたしのために書かれた物語かもしれない!」(P.304)
という台詞(?)があるが、私がこの作品に対して思ったことでもある。

小説を読む私。そして小説を書く私。
どちらが欠けても物語を織りなすことはできないし、物語を紡ぐ一端を担っていることが幸せだと思う。そのことに気づかされて泣きそう...続きを読むになった。

また、現実に打ちのめされて物語を読んだり書いたりすることが嫌いになったとき。この本を思い出して読み返したい。勇気をもらって、きっとまた歩き出せるようになる、という気がする。

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Posted by ブクログ 2021年05月17日

良い続編でした。続編は何のために書くのかっていうのの、答えでもあるような。続編でもずっとうじうじして、好きな女の子の本心に気づけない上、主人公すら後輩に半分取られる売れない小説家、千谷。あ、本当は色々イベントあるのにね、基本ヘタレだから読み手をヤキモキモヤモヤさせるだけ。
続きのお話読みたいけど、こ...続きを読むの二人、ずっとこのままっぽいよな。千谷が文学賞取ってもやっぱり売れないっていうキャラっぽいし。
最後のオチでは、アンソロジーの恋愛小説で小余綾の本心を書き現してうっすら告白ってのも良かったな~。

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Posted by ブクログ 2019年11月12日

これは、切なくて幸せでほろ苦い物語。
さすが相沢沙呼先生という感じの
青春小説物語。
私は、相沢沙呼先生が大好きです。
応援してます!

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Posted by ブクログ 2019年04月21日

■小説が、好きです。

あなたのせいで、もう書けない。親友から小説の価値を否定されてしまった成瀬。書店を経営する両親や、学校の友人とも衝突を繰り返す彼女は、物語が人の心を動かすのは錯覚だと思い知る。一方、続刊の意義を問う小余綾とすれ違う一也は、ある選択を迫られていた。小説はどうして、なんのために紡が...続きを読むれるのだろう。私たちはなぜ物語を求めるのか。あなたがいるから生まれた物語。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年01月05日

上巻では千谷一也と小余綾詩凪の関係、小説に対する姿勢、そして海賊版サイト問題が3大気になるポイントでした。

まずは2人の関係。前作、こんなにベタベタなラブコメでしたっけ? 読んでて恥ずかしくてもどかしくて、ずっと「お前ら、いい加減付き合えよ」とツッコミながら読んでました。仕事仲間として強い絆で結ば...続きを読むれたような結末にはある程度満足しましたが、男女の関係としては進展がないようにも感じられ……これは続きを期待しても良いフラグってことでしょうか?

二つ目、小説に対する姿勢。千谷と小余綾とは考え方が真逆な売れっ子作家、天月彼方。本作では悪役っぽく描かれていますが、個人的に彼の考え方はものづくりのアプローチとして一つの正解じゃないかと思います。上巻に「手を抜く~」という表現もありましたが、これは気合が入りすぎて濃密になっていた文章が、良い意味でライトになって読みやすくなったのではと推察(ポジティブ解釈すぎ?)。

物語の読み手としては千谷と小余綾派なのですが、昨今の読者層のことを考えると商業作家としては天月彼方のやり方を取らざるを得ないのかな、とも思います。むしろ、プロの作り手としてのスタンスは、マーケティングのことも考えてモノづくりに臨む天月の方に共感しました。

この点は賛否分かれるところかも(やっぱり主人公派の人が多いでしょうか……?)ですが、千谷や小余綾の方法で成功するには、作家性において天賦の才やカリスマ性がないと難しいと思うのです。

そして海賊版サイト問題。私見ですが、YouTubeなどの動画サイトの登場や、基本無料のアプリが当たり前になってしまったことで、「情報はタダで手に入るもの」とユーザーが勘違いするようになったことが根本の原因じゃないかな、と思います。

その意識を変えるか、法的に未整備だろうがサイトブロックとかしてほしいものですが……

下巻では海賊版サイト問題からの流れで、秋乃の友達関係に変化が生じていきました。極度に内向的だった秋乃が、自分のことを話し、相手のことを聞き、友達と理解しあっていく姿はザ・青春。であると同時に、思いを話し合う行為が物語を綴ることの暗喩のように思われ、何か本作のテーマに通づるエピソードのように感じました。

読み終えたあと、千谷&小余綾の今後も気になりましたが、秋乃とその友人たち――とりわけ真中さん――との関係がどうなるかも読んでみたい気分になりました。その続きを読みたい気もしますが、物語に影響を受けて小説にハマる新しいキャラのエピソードも読んでみたいところ。スピンオフでも良いので。

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Posted by ブクログ 2018年12月31日

物語に真摯に向き合っている姿。もっと若いころだったら、こちらももっと純粋な気持ちで読めたのかもしれない。登場人物たちのことをちょっとめんどくさいと思ってしまった自分がちょっと残念でした(^^;。ラノベが「ちゃんとした本」だと思われていないと思って、ラノベ好きなのに他の人に言いづらいという気持ちはよく...続きを読む分かる。『BISビブリオバトル部』シリーズにも同じような主題があったような。「何のために本を読むのか、本を読む意義はあるのか?」という話題は昔、知人と話したことがあったけれど、いくつか解答を得たような気がする。その人にピッタリの本をおすすめするというのは、『出会い系サイトで~』や『青少年のための小説入門』と偶然にもかぶる。その人のことを考えて本を選ぶという行為は、心と心でつながるみたいなイメージ。本屋の棚のスペースの関係で置ける本は限られてしまい、それによって、売れる本と売れない本の差がどんどん開くというのは、電子書籍になったら少しは解決するのだろうか。小余綾のツンとデレのキャラが違いすぎて若干の違和感あり。ツンのときもう少し優しくても...。でも現実にもそういう人っているかも。特に若い人に。成瀬の女友達が急にいい人な感じになってきたけれど、どうにも女性の裏の気持ちを深読みしてしまって、なかなか安心できなかった。

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Posted by ブクログ 2018年09月25日

2018年109冊目。⌈続編の意義」に留まらず⌈小説の意義」にまで話は広がる。小説の力を信じられなくなってしまったときに支えになるのは、物語に初めて触れたときのシンプルな気持ち。小説が持つエネルギーの素晴らしさがなんの衒いもなく、ストレートに綴られているからこそ素直に胸に染み込んでくる。小説を書くこ...続きを読むとの、読むことの答えがここにある。

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Posted by ブクログ 2024年03月31日

本を読まずにはいられなくなった人たちは誰しも「良い物語とは何か」とか「ジャンルに貴賎はあるのか」とかそもそも読む、書くという営みについて考えてしまうことがあると思っているのだけれど、どうでしょう。
で、たいていその手の思索をした後って少し小っ恥ずかしい感情を覚えるものですが、この小説はそういう思索の...続きを読む爆弾のようなもので。
これを読むと、こんなに繊細で真摯にやってくれるなら文句ないや、と感謝するしかない。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年11月25日

物語には読む人の心に欠けているところを
優しく癒す力がある、作中でかくのたまう
作者の狙いはバッチリだ
心が欠けすぎているアタクシは体中で吸い
こむように本書を読んだ
読者に向けて書くことを受け入れられない
高校生の青さが甘酸っぱい(*´▽`*)

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Posted by ブクログ 2021年05月18日

一人で悩んで変わろうとも語ろうともしないのが重要だとはわかりつつ辛かったがこれからも悩みつつも自分の考えで書き続けていく、小説を好きでいるという気持ちを感じられて良かった。

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Posted by ブクログ 2020年10月31日

全て良い終わり方だったのでよかった。
小説がすごく好きなのでこんな感じなのかなーって
思いながら、読んだ。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2020年04月23日

上巻の感想に「続編が上下巻って、おかしくない?
と少し思ってしまうが、続きは気になる。」と書いた。

で、下巻を読んでの感想は…

主人公2人のパートと秋乃のパートを分ければ、続編1冊とスピンオフ1冊にわかれそう。

主人公側は、一也が小余綾の部屋で料理を作るシーンでのヘタレ一也の心情が本当によくわ...続きを読むかる。
※自分もヘタレということかな。


スピンオフ側は、地味な主人公が煮え切らずウジウジ悩んで、まるで一也の小説のよう。

それぞれ別だと、星3.5と3.0ぐらいだけど、少し長くなることを我慢できれば、上下巻で3.8ぐらい。

個人的には、上下巻で良かったと思う。


ネット上の悪口が、TVで野球を見て文句ばかり垂れてるオヤジと同じというのは、なるほどとすごくふに落ちた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2019年02月20日

後輩の成瀬は真中との仲を取り戻す為、小説を書く。一方、一也と小余綾は小説の神様を見つけ一歩踏み出す。

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Posted by ブクログ 2019年02月12日

なんだかんだで、九ノ里の一言が一番効く。なぜ書くのか?至極単純で当たり前の理由だけれど、千谷や小余綾のように意外とそれに気づけないのなのかもしれない。
作中で秋乃たちが帆舞こまにの本のことを語っているのに、作者の名前を出さずに「変な名前」の作家と呼んでいるのが結構好き。

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Posted by ブクログ 2018年11月08日

物語を愛する人には、物語を贈ろう。

書けない高校生小説家ふたりと、一時の迷いで親友を失った少女は、それぞれが悩みながら日々を過ごしていく。それも表現力豊かに悩まれるものだから、自分の思春期を思い出したりしてつらい。失恋でついた傷は新しい恋でしか癒さない、なんて言葉があるが、物語(小説)を通じて得た...続きを読む悩みも、やはり物語で解決するしかないのかもしれない。

作中で提示された様々な課題に対するバシッとした答えは個人的には得られなかったが、物語を綴ることでしか前に進めない不器用な人たちに共感した。

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Posted by ブクログ 2018年10月13日

物語を書く人、読む人
ライトノベルでもコミックでも
作り手の苦悩がぐるぐるしていて苦しかった
でも
作者を育てるのは読者
今の時代の問題をいろいろ提起している
うーん

≪ 好きだから いつも傍には 小説が ≫

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Posted by ブクログ 2024年01月09日

「物語を書く・読む」というやや抽象的なモノを核にした青春成長劇かつ物語の持つ可能性のお話で、細かな描写が多いものの、ラノベ感覚でスラスラ読める安心の相沢節。
人によって好みが分かれると思いますが、私は気に入ってます。人物の名前の読みが難しいのが難点。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年06月05日

書き手の気持ち、読み手の気持ち。

<以下本文より>
自分の将来のことはまるで想像できない。けれど、今よりも本を読む時間はきっと減ってしまうのだろう。頭の中で情景を組み立てて、語感の良い描写を口中で繰り返しながら、じっくりとページを捲り、好きなシーンを何度も読み返す。そんな向き合い方は、大人になった...続きを読むら、もうできなくなってしまうのかもしれない。

どうして仕事を断ったかって?
そんなの、だって、言えるわけないじゃないか。
君が好きだから。
君と一緒にいたいから。
君の力になりたいから。
だから、君との仕事を選んだなんて。

「好きっていう気持ちには、いろいろなかたちがあるもの。ひとりひとり読書の仕方は違って当たり前よ。一日に一冊読もうと、一月に一冊だけ読もうと、本を愛する勘定に優劣なんてないわ。読んでいるものが偏っていたっていいじゃない。それだけ、好きなものにまっすぐで一生懸命といことでしょう」

「物語には、読む人の心に欠けているところを、優しく癒す力があると思うから」

「(物語で)心が動いても、それだけの自分が、大嫌い・・・」

物語に共感する感受性を、内側に閉じ込めておくだけじゃなくて外側に向けるの。そうしたら、きっと大切なことに気づけるはずなんだ。

物語を読み解くことは、人を読み解くことだ。

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Posted by ブクログ 2020年12月13日

最後まで読んで、全体としては作者の云いたいことは分からないことはないんだけど、最後のまとめに入るまで、ネガティブ、ネガティブがいっぱいで、かなり鬱陶しい。まあ、だったら読まなきゃいいじゃないかと云われるだろうが、登場人物たちの作品作りが読みたいんだよなあ。と云うことで最後に満足かな

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Posted by ブクログ 2020年03月27日

小説を書くのは読者のため。えらく遠回りをして、当たり前のことにたどり着いた。
だからと言って、簡単に書けるものでもないのだろうが。

顔を顰めたり、眉を顰めたりするシーンの多い小説だな、と感じた。

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Posted by ブクログ 2018年09月23日

どうして物語を書くかの問いの答えは持ち合わせてないけれど、どうして物語を読むかの答えなら常に持ってる。

好きだから。

たったそれだけの簡単な答えをどうして見失ったりするんだろうね。

どちらの問いもきっと至極簡単で、簡単だからこそ当人は不安になって間違っているのではないかと手放して迷子になる。
...続きを読む
相変わらず世の不満をいろいろぶっこんできて、小気味好くもあり、もういいんじゃないの?とも思うけれど、この鬱蒼とした答え探しの物語を、若い世代に広く読まれてほしいと思います。

わたしはいつまでも、このシンプルな答えを疑うことなく持ち続け、誰かにとっての九ノ里であり続けたいと思います。

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