【感想・ネタバレ】スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫nex)のレビュー

あらすじ

初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた――。性(エロス)と死(タナトス)、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。

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狼に食い千切られたような連続少女変死事件を少女と暮らす女性探偵が追う中、友達になった楓を食べたくて苦悩する和洋折衷の人形的美少女の此花ねむり視点の想いが切々として異形なのに難なく寄り添えてしまえて切ない。楓との相愛が尊い。死の恍惚他ナチュラルでいて濃密で凝縮されていて、艶やかで目映く耽美。堪能した。

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2018年10月14日

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ネタバレ

予想とだいぶ違う感じだったけど、なんか引き込まれた。
ライトノベル?百合もの?
美少女、エログロ、異界、異形の生物、百合、謎………そのテの女の子が好きなもの、全部ぶっこんで、美しく淫蕩にグロく仕上げられてる。
キャラクターに関しては、かなり思わせぶりに別のストーリーがあるっぽく匂わせてたけど。
………ない、のか?w

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2016年02月16日

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 狼に喰い千切られたかのような少女の遺体が連続して見つかる。美しい金髪の少女”此花ねむり”は鈴原楓という少女との出会いをきっかけに事件とそれに関連しているとみられる薬物について調べ始める。

 相沢さんの作風は日常の謎と丁寧な少女の描写の印象が強かったですが、今作は耽美で背徳的、そして官能的な面もある伝奇。今までの作風と全く違う作品ながら、
少女たちの恍惚としたシーンの筆力がかなりのもので、相沢さんはこんな作風でも書けるのか、と意外に思ったとともに多才な方なんだな、と思いました。

 ミステリとしては展開が急な印象は受けましたが、この作品はミステリというよりも、上にも書いたように耽美で背徳な伝奇として、
そして何よりも真相に近づくにつれ明らかになってくる逸脱者たちの絶望と孤独、かすかな希望を描いた物語のように思います。

 そうした絶望や孤独は今までの相沢さんが描いてきた普通の少女たちの抱えてきたものと、どこか似ているようにも思います。

 そのため相沢さんの新境地を開いた作品でありながらも、しっかりと相沢さんらしさを残した物語だと個人的には思いました。

 話としてはこの本でまとまっていますが、その後について明言されていない登場人物もいて、続編もあり得そうな雰囲気なのでぜひとも期待したいところです!

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2014年11月17日

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耽美的、背徳的でちょっと官能的な伝奇ホラーサスペンス。猟奇殺人、都市伝説、少女たちに広まる麻薬など怪しい要素満載。そして美少女も満載。百合百合しさも満載。
怪事件を追いかける物語としては焦点が分散してしまっていて、吸引力は低め。ただ、そもそも怪事件が起こる舞台設定なだけで、怪事件を解き明かす物語ではないのかもしれない。
自分は、非日常的な伝奇もの舞台の中で、それこそ特殊な事情を持つ主人公の少女の苦悩が描き出されていく物語として読みました。少女の友人への想い、死への渇望と葛藤、孤独、不安がぐさぐさと感情を刺激してきて、ほんと痛ましく愛おしいです。
この本は、少女たちへの感情移入ができるかどうかで読んだ印象がかなり変わってきそうですね。
世界観は好み。伝奇もの好きですし、すっと作品世界にはまれました。
ちょっとしか出ない印象的な人物もいましたし、この世界観でまた作品が出るなら読みたいです。探偵さんメインの話も期待。

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2014年11月04日

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ネタバレ

偶然のように出会った楓とねむりは、お互いに必要な存在となっていく。でも、ひよりには絶対に言えない秘密があった。一方、二人が通う高校の周りで、不可思議な死が連続していた。
ホラーで、官能的で、猟奇的。でも、自分の内面を見つめる自省的な面もあって、単なるホラーでもない。

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2020年10月15日

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面白かったです。
ダークな世界に美しい人々…人外の。
人外だから美しく生まれつくのか…?
でもそれを受け入れて楽しむ人と、悩み続ける人と。
ちょっと、どころじゃなく百合なのもいいです。
あなたがいるから生きていく、って強い想いです。素敵でした。

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2020年05月06日

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好きな作家さんだけど、これまでの著作とはだいぶ世界観が違います。伝奇物は好きだけど、これは普通かな。題材が同じでも、もう少し料理の仕方が違ったら、印象は違ってたかなと思う。

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2019年09月15日

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ファンタジー。ミステリー。サスペンス。ホラー。エロ。グロ。伝記。
個人的にはファンタジーの印象が一番強い。
序盤は入り込みにくかったが、中盤からはいい感じ。

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2016年08月14日

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いままでの著者の作品とは異なる雰囲気の作品でした。少女の描写は相変わらずですが、ラブコメをイメージしていたのでエログロ耽美で驚きました。官能小説のような描写に思わずドキドキしてしまいました。女子高生とはそれだけで神聖なものなのに、先生の描写でさらに艶やかで犯しがたい空気を感じました。
とてもラノベ寄り。流行りの異能系ミステリでしょうか。視点と場面がコロコロと変わりすこし読むのに苦労しました。しかも近未来なんですか?設定の説明がなくてわかりづらい…そしてシリーズものかと思うくらい、説明のない設定が盛り込まれている。探偵さんをメインにした話しを作れそうですよね。むしろあるのかな。シリーズものじゃないんですよ、ね…?終わり方もあれだし…全体的にちょっと消化不良でした。

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2016年03月13日

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”スキュラ&カリュブディス: 死の口吻”相沢沙呼著 新潮文庫nex(2014/09発売)
(イラスト:清原絋)

・・・初夏。街では連続変死事件が起きていた。まるで狼に喰い千切られたような遺体。流通する麻薬。恍惚の表情で死んでいく少女たち。自らも死を求める高校生・此花ねむりは鈴原楓との出会いをきっかけに事件を調べ始める。だが、そこには3年前の殺人事件に繋がる驚愕の真実が隠されていた―。性と死、その果てに垣間見える少女の戦い。逸脱者たちが繰り広げる戦慄の新伝奇譚。(公式サイトより)

・・・読みやすい話でしたが、グロ多め。お薦めしにくい。
まぁ、こういう厭世感のある少女も大阪に20年住めばただのオバちゃんになんねんけどなぁ・・・。
(そういう話とはまったく違いますが(笑))

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2015年03月08日

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基本は嘆美系のホラー。ちょっとミステリーの要素もあります。
何人かの視点で物語が進行しますが、ちょっと焦点がぼやけちゃった印象。個人的にはもっと紫視点でもよかった気がする。オチはちょっと唐突な感じ。
血の量はかなり多いですが、それほどスプラッターな感じではないです。

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2014年10月20日

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女の子の不安定な感情が爆発するときのエネルギーってこんなものかと感じる。
ミステリ要素もあるけど全体的にはメフィストっぽい伝奇ものって感じ。

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2014年10月15日

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面白かった!表紙も綺麗で…。
ただ、突出して面白いとは思えないかな。

本格ミステリーで疲れたときに読む、間に読む本かな、と。重くなくていい。

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2014年10月14日

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相沢沙呼さんにこれを書かせるのかNEX…が第一印象.
個人的には日常の謎系ミステリ(と,ヘタレ主人公とエッジの効いたヒロイン)の印象なので,かなりびっくり.
文章はとても上手な方なので,エロくてグロいところも面白くグッとくるし,作品の幅が広がるのは喜ばしいことなのだけど,やはり相沢沙呼さんは日常の謎系で読みたい.

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2014年10月13日

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フトモモへの偏愛は健在でその辺は安心したのだけど、これまでの著者の作品の方向とはチョッと異なり、片山憲太郎の「電波的な彼女」シリーズに似た印象を受けた。

しかし、主人公が怪事件を追うのではなく、その渦中にある群像を描いき収斂させる構造なので視点が定まらず、また登場する人物が多いわりにそれぞれの個性が薄く(名前も分かりにくい)、脳内でなかなか像を結ばず苦労した。

ストーリーは面白いのだから、誰かを中心に据えて描いた方が面白く、エッジが立ったように思う。また結末もいまいちインパクトに欠けるように思う。いろいろ残念な部分はあるが、著者の作品に新たな方向が示され、幅がまた少し拡がったようにも感じられて嬉しい。

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2014年10月10日

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女子高生、連続殺人、麻薬、

表紙イラストが妖艶で良いですね。
ちょいエロちょいグロのストーリーともマッチしているので表紙が気になった方は楽しめるかと思います。

主人公の『此花ねむり』がとても魅力的。
この一冊での余韻も良いですが、このあとどうなるか、結末はどうなるか、続きが読みたいです。
★3

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2014年10月08日

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