【感想・ネタバレ】教室に並んだ背表紙のレビュー

あらすじ

図書委員のあおいは、苦手な同級生を図書室で見かけた。本に興味がないはずの彼女が、毎日来るのはなぜだろうと疑問を抱いて(その背に指を伸ばして)。将来に希望が持てない、図書委員の凜奈。ある日、本に挟まった古い手紙を見つける。そこには「未来のわたしは、夢を叶えることができていますか?」と書かれていて(しおりを滲ませて、めくる先)。中学校の図書室を舞台に、ままならない思春期の友人関係や未来への漠然とした不安、揺れる心模様を繊細に描く、全6編の連作短編集。

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Posted by ブクログ

本屋で見かけて、タイトルを見て手に取ってしまった作品。
各連作の主人公たちが、各々の悩みを抱え、苦しみ、向き合っている様に心を動かされました。主人公にならなかった登場人物達も、それぞれに悩みを抱えていたはずで、彼や彼女はどうだったのだろう、と考えさせられる作品です。
自分自身が中学生の頃に感じていた感情を、もう一度振り返ってみたいな、とそんな風にも感じさせられました。

中学生はともかく、高校生以上の方でも、自身の経験と照らし合わせて読める、読みやすい作品だと思います。

自分は、また誰かの感情に触れたくなったときに読みたいなと思います。

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2024年01月25日

Posted by ブクログ

学校の図書室が舞台。それは読みたくなる‥‥でも自分が涙したときはビックリした。短編ごとに泣いていた。

自分も学生生活の中で辛い葛藤・戸惑い・苦しかった事あったなと色んなことを思い出し、重ねて読んでいたこともあり じんわりと心が苦しく切なくなった、と同時に温かな気持ちにもなれた。

司書のしおり先生のような優しさを持った大人や友人が身近にいてくれたら、逃げてもいいんだと受け止めてくれる人が1人でもいれば 生きやすくなるのかもしれないと、しみじみ思いました。

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2024年01月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学校の図書室。どういう利用者を想像されるだろうか。教室に居場所がある人もない人もいる。

こういう話に個人的に弱いので、朝の車両内で涙を堪え。

最後に謎が明かされ小気味良い鳥肌。
読みやすいです。

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2023年08月29日

Posted by ブクログ

図書室という共通の舞台で
色々な葛藤や悩みを持った人たちが
それらを乗り越えようとするお話です。
学生時代図書室が好きだったことを
思い出しながら読みました。

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2023年08月18日

Posted by ブクログ

凄く素敵、この一言に尽きます。本と出会うこと、物語に出会うことの素晴らしさをしおり先生が様々な人の人生を通じて教えて下さいました。何よりしおり先生の言葉がとても優しい。温かいほわほわした空気に包まれていて、この人が言うんだから何か大丈夫なんだなって思えます。今自分が本を読みたいと思う事、それを読んで感じた想いだったり、偶然入った書店で運命的に出会った本だったり、物語に出会った全ての行動、気持ちに意味があって自分に影響を与えてくれている、そう思うともっともっと本が読みたくなって、しおり先生の言葉にあったように相手の気持ちを考えられる優しい人になれるように、今後も沢山の物語に出会い続けたいと思える素敵な作品でした。

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2023年08月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

登場人物は女の子や女性が多いのに男性がかかれてる本だと途中から知りました。最初は女性がかかれた物だと思い込んで読んでいました。そのくらい学生生活のキラキラした物や苦しいものも描かれていてこの本では色々な立場の子どもたちの視点で考えさせられるな…と思った本です。かなり女の子たちは性格が曲がっていてもっと素直でいたらいいじゃん!と思ってしまったけれど家庭環境や、学校生活での苦しさがそうさせてしまったのかなと思った。
「優しい私の綴り方」では明るく陽気な感じだと捉えられる主人公も、いじめられている子を目の前にすると違和感を感じてしまったところがリアルだなと思った。
本の内容はは最終的に納得するものと、納得しないものがある。最後の文章の問いかけや、納得しない文章を自分の想像でこうじゃないか…?と創り上げていく事が本の楽しさの一つであり、このお話も最終的に私の想像に任されているような気がした。

感想はなんでも良いことに気づいた。なんでも良いというか、自分に合わないとか余り面白くなかったでもその人の感想になる。

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2023年07月22日

Posted by ブクログ

教室や青春での過ごし方が人生の全てを決めるわけではない

まさにその通りで、学校で悩んでいる人に是非読んでもらいたい。

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2023年07月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

【単行本既読】
相沢先生の描く物語は、全てが綺麗という訳ではなく、人間のちょっと汚い部分も見えて、とてもリアルな心情描写が多く、中でも悩みや不安、葛藤がとても共感できるので自然と感情移入してしまう。この小説も心に沁みる言葉が多く大好きな作品です。
アニメやドラマを観ているとどうしたってキラキラとした青春、輝いて見える学生たち、何か秀でている部分のあるキャラが主人公の物語が多いけれど、皆がみんな日向の人間ではないので、それでもいいと言ってくれる物語はとても支えになります。
少しの勇気、ほんのちょっと前を向こうと思える心を与えてくれる物語です。ひとりじゃないし、好きな事を隠す必要はないのだと思えた作品です。

相沢先生の作品でたまにある、別の作品の世界観がリンクするのも個人的には大好きな要素です。物語であっても、キャラクターが生きている!って感じがして、そこの隠しに気づいたら嬉しくなる。

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2023年07月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ここまでではないけれど、中学生の頃自分も同じ目にあっていたので、気持ちがわかります。
特に最後の彼女の話が読んでいて1番つらかったです。
声を上げるということが大事と言っても、勇気と何かいろいろなぐちゃぐちゃになって固まった感情が、それを妨げるし。

こういうひとが近くにいて、ちゃんと実行してくれる大人がいる環境をもっと整えてほしいと感じました。

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2025年05月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

その背に指を伸ばして
しおり先生
中学の司書の先生。

佐竹あおい
図書委員。二年生。

三崎
一年のとき、あおいと同じクラスだった。

エリ

大谷
図書委員。

間宮
図書委員。二年生。


しおりを滲ませて、めくる先
村井
ゲームクリエイターになりたい。

有川リサ
モデルになりたい。

鈴木先生
ハム子先生。

増田先生
図書室の管理をしている。

塚本詩織
司書の先生。

真汐凛奈
図書委員。

加藤公子
二十年前に図書室の本に未来への手紙を入れていた。


やさしいわたしの綴りかた
ゴーダ
いじわるで最低最悪ハゲデブ野郎。

アイルー
愛琉。

あかね

小沢

間宮
図書委員。

佐野
お調子者。

三崎

あおい
図書委員。


花布の咲くころ
間宮萌香
図書委員。

ユナ
萌香と小学校のときからの友人。

凛堂蓮
二次元。

佐竹
図書委員。

瀬谷陸斗
二年C組。ユナが恋をした相手。

星野まどか
小学生の頃から陸斗に片思い。

あかね

アイルー

凛奈


煌めきのしずくをかぶせる
倉田アイル
藍琉。ルイコから左手の絵をもらう。ネイルアーティストになりたい。

ルイコ
田中涙子。ティアラ。放課後の空き教室で倉田に会う。漫画家になりたい。


教室に並んだ背表紙
三崎衿子

早苗

玲奈

佐竹

星野

辻本

真汐凛奈

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2024年10月07日

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読めば読むほどストーリーに深みが出てきて、何度もさかのぼって読みたくなる作品。

司書の先生ってこんなイメージあるよなぁって思いながら読めた。

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2024年04月15日

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はじめ、文体などちょっと入り込めない感じがあって躊躇したけど、次第に慣れた。
短編ならではの、あの子とあの子が繋がってて〜展開が後半ドドドと押し寄せ、後半は結構涙腺ゆるゆるに。

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2024年03月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

しおり先生がとても素敵でした。
ちょっとしたことですれ違っていくこの時期にありがちな人間関係のあれやこれが、切なさと辛さを感じさせて読みごたえがありました。教室の本棚に置いておきたい1冊。

若者言葉についていけない自分に、若干の老いを感じてしまいました汗 微レ存ってなに?!ってか"びれそん"って打ったら変換候補に挙がったのも今びっくりした!笑

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

しおり先生からしおり先生へ繋がれていく司書さん。未来に希望を持てない少女に今がどんなに辛くても大人になれる。希望を持つように支えていく話が良かった

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2024年01月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ムスメが誕生日プレゼントにくれた小説。
読み終えて、今高1のムスメにこそ読んでほしいと思った一冊。

学校司書の「しおり先生」と、6人の中学生の女の子たちの物語。
居心地の悪い学校の中で、図書室だけが息のできる場所。私も似たような経験がある。こんなに教室が辛い子が多いって、学校のシステムどうにかならんのかと余計なことまで思う。

「どんなにつらくて、しんどくても? 今がつらくて、絶対に思い返したくないときでも?」
「信じられないかもしれないけれど、いつか懐かしめるときがくる。つらい思い出だとしても、その時の気持ちをバネにできるときがくるよ」p83

そんな励ましの言葉も、届かない時がある。だって彼女たちは「人生に詰んでしまっ」p233 て、「自分が大人になれるなんて、欠片も考えられない。」「絶対に、うまく生きられないって、知っているから」p72。

そんな少女たちに、しおり先生は物語の力を説く。
「物語から持ち帰れることって、たくさんあるんだよ」p281
「物語は嘘かもしれないけれど、全部は嘘じゃない。物語のように美しい世界を願う人たちはたくさんいる。」p299

ほんとうに。だからしおり先生も、私も、大人になることができた。物語がいつも側にあって現実世界に空いた穴を埋めて、私が立っていられるように支えてくれていたから。
「わたしたちは物語を通して、そこに生きる人たちと出会うことができる。その言葉と優しさは、きっと本物だよ。」p306

たくさんの勇気や優しさに触れて、たくさんの温かい涙を流してきた。今も、しんどい時には頁を捲る。教室から図書室に逃げ込むように、物語の世界に避難する。自分の居場所がそこにある。

世界中の物語と、そこにメッセージを込めて送り出してくれた作者たちに、心から感謝して、2023年の読書納めといたします。


ところで…
作者の相沢沙呼氏だが、可愛らしい名前と既刊書の華やかな表紙の数々から、何の疑いもなく30代女性作家(キレイめ)だと思っていました。しおり先生みたいな人かと。wiki見てびっくりです…

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2023年12月30日

Posted by ブクログ

しおり先生の一言一言が心に刺さる。
最後の方はじーんときたなぁ
ちゃんと伏線回収もあって素晴らしい作品でした。

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2023年11月20日

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教室 中学生 女の子 と聞くと絡んできそうな 恋愛 部活 が出てこないので、同世代の学生はもちろん大人が読んでも抵抗なく、読後感も悪くなかったです。
第一話から出てくるあの子がどうなるのか気になりながら読み進めることになります。
しおり先生がおすすめしてくれた、あのお気に入りの本はどんな内容なのか気になります。実はこの本をイメージしているのかな?

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2023年10月04日

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孤独に寄り添うとはなにか、物語を読んで眩しいと思う感性、そして灰色の青春と、どこか真っ直ぐには生きていけない人たちの、ほんの少しの勇気を分け与えてくれる本だった。
自分が中学か高校生の時に出会いたかった。

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2023年10月02日

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未来が考えていたものと違ったとしても
その時に抱いていた気持ちは
きっと無駄にならない。
そっと栞を挟んで読み返したくなるような
大切な時間になる。

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2023年08月28日

Posted by ブクログ

「わかりみが深い」「つらみが深すぎる」

本作『教室に並んだ背表紙』は青山美智子さんの『お探し物は図書室まで』の優しさと、武田綾乃さんの『その日、朱音は空を飛んだ』の辛さを併せ持ったような、中学生の女の子達の自分と他人の距離感に悩む姿が6編入った連作短編集でした。

著者が『medium 霊媒探偵 城塚翡翠』の相沢沙呼さんなのでミステリ作品かと思ったのですが、スクールカーストに悩まされながら生きる青春を描いた作品でした。

本作では学校図書室の司書として「しおり先生」が中学生の女の子達の支えになる存在として描かれていますが、最後の短編にして表題の『教室に並んだ背表紙』で、しおり先生が「しおり」先生である由来を知った時、あそこが伏線だったのねと少しだけミステリっぽい気持ちに浸れました。

作中で印象的だった言葉に、
「助けてって声をあげることを怖がらないようにした。そうしたら、変わり始めたの」p298
とあり、ちょっぴりウルッときました。

私にも『あの時』は沢山ありました。声をあげることは容易ではなく、不安に打ち勝つ勇気を充電するのに多くの時間が掛かりました。『あの時』の自分は救えなかったけれど、これから同じ想いをした子に巡り会った時は、「助けて」の声に応えてあげられる大人でありたいです。

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2023年07月23日

Posted by ブクログ

爽やかなイメージを想像していましたが、
なかなかに辛いストーリー
特に最終話は、希望の終わり方でなかったですが、
それが小説の醍醐味なのかも。

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2023年07月15日

Posted by ブクログ

ふと子供の本棚から手に取ってみた。
中学生女子のストーリー。
もう思い出せなくなっていた何十年前のことがなんとなく感覚的に蘇ってきた。

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2025年02月24日

Posted by ブクログ

ーたぶん、きっそう。
あたし、ずっとずっと、さびしかったんだ。ー

テーマは6人の少女の「孤独」
彼女たちが抱える孤独はどこか覚えがあるけれど完璧に理解できるわけではない。彼女たちの抱える感情は彼女たちのものと思える絶妙な読者との距離感。

それぞれのお話のどこかが繋がってるのが短編の醍醐味。前の話ででてきた子が主要人物になったりするから読んでて切り替えはスムーズに出来ました。
とある短編だけ繋がらないのも最後には納得できる。

いわゆる日常シーンで使われる「若者言葉」に違和感があったけど、それ以外の日常はリアルに感じました。

どの物語も先が気になる終わり方をします。その先を読むことは出来ないけれどその先は彼女達の物語。そういう終わり方は好き嫌いがありそう。私は苦手じゃない

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

学生時代の、悩みを抱えたときに読みたかった。

図書室ではないけどわたしにも同じような悩みがあって、同じように拠り所を探して得られた場所がある。当時の自分を見ているみたいで胸が痛くなったけど、同じ"孤独"を感じてる人たちに前向きに捉えられる気分転換として良い作品。

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2024年10月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

好みではない。わりと胸糞要素ある。それぞれのごく普通な女子中学生の世界観はうまく表現されてたとは思う。

2章が急に過去編始まって時系列変だったから、しおり先生あたりで叙述トリックあるだろうなとは思ってたけど、あなたがしおり先生だったのね。それはわからなかったし良かった。

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2024年01月26日

Posted by ブクログ

巻末の解説でもふれられていたけれど、登場人物たちはみな学校に馴染めていないという点において、過去作『雨の降る日は学校に行かない』と雰囲気が似ているなとおもった。

本作は対象となる読者が明確で、一言でいえば「学校ぎらい」な子どもたち。
本作にはそういった子どもたちへ向けたエールがちりばめられていて、読む人によってはとても印象深い作品になるのだろうなとおもった。

とはいえ、社会人の自分からするとやや子どもっぽい作品のように感じられた。というわけで☆3つ。

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2023年10月30日

Posted by ブクログ

最後の4ページ目だけが推理小説的な一文あり
霊媒探偵の作者が甘酸っぱい中学生日記を書い
ていると楽しんでいたら、やられた( ͡° ͜ʖ ͡°)

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2023年10月17日

Posted by ブクログ

まだ2話目までだけど、

中学生とか学生とか、
陰キャで居場所がないとか
読書で現実逃避とか、
あるよねー、わかりみが深い。

やっぱ誰しも
居場所や拠り所になるものって
絶対必要だと思う。
特に思春期で周りからの評価が気になる時ってのは
ほんと辛いのよね。

読書でも友達でも先生でも家族でも、
にかく何かしら頼れるものあてにできるものがあれば、なんとかしのいでいける。

さて中学生におすすめできる
恋愛でも部活でも友情でもない小説、
なにがあるかなーと考えるんだけれど、
なかなか難しいね。

家族ものならいいなら
重松清かな。東野圭吾もいけるかな。
芥川もいいかな

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

ナツイチの診断で出てきた本。

舞台は、中学校の図書室。

一人が好きな子
顔色を伺って、本音を話さない子
家族からもクラスメイトからも名前を弄られる子
2次元から3次元に乗り換えた子
そんな子たちと、学年の女王様による
実在しそうなお話

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2023年08月06日

Posted by ブクログ

色んな理由から孤独になった本を読むことに馴染みのない学生が、図書室を逃げ場にやって来る。
知り合った司書にけしかけられて、本を読んでみる事にするのだか、それは彼らの助けになるのか。

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2023年07月26日

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