相沢沙呼のレビュー一覧
-
-
-
Posted by ブクログ
む〜ん...(^ ^;
作品自体のクオリティはとても高いのですが、
これまた「おっさんが読むものじゃなかった」感が(^ ^;
それぞれが独立した短編集で、
共通点としては全作品にミステリ要素があることと、
若い女性が主人公の、若い女性向け作品だ、ということか。
昭和の香りただよう「少女小説」という単語が浮かんだ(^ ^;
ミステリ「要素」はあるが、それが主体と言うよりは、
登場人物たちの小さくも深い「成長の一歩」
みたいなものに主眼を置いているような。
作品ごとの登場人物の造形は、とてもリアルで、
それぞれに自分たちの考えがあり、
それぞれの人生をちゃんと生きている感じがする。
その中 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読後にまず思ったのは「小説の神様」であって「小説家の神様」じゃないんだ、ということ。小説に関わる人――書く人、読む人、売る人、評する人――すべての人の神様なんですね。だから、小説家以外の人達にも「小説の神様」と関わる物語があって、それぞれの人たちが小説と真摯に向き合って……というお話が生まれ、小説好きな私はそうしたところで本作が気にいったんだろうな、と思いました。
個別の作品で言えば、収録作群の中では異色に映りますが「モモちゃん」が一番気に入りました。ラノベテイストに最初は違和感を覚えましたが、自作の世界に入り込んで自分の描写力の無さや知識の浅さを身をもって痛感するところなど、それこそ宮沢賢 -
Posted by ブクログ
ネタバレマツリカ・シリーズ3作目にして初の長編。『密室「殺トルソー」事件』を、柴山君と仲間たちが解決していく。
作中、登場人物の一人が「人が死なない密室を書いた小説で有名なものはないんですか?」と問うている。作者はこれにチャレンジしたわけだ。
今作では柴山君と仲間たちがそれぞれの推理を披露していく。《古典部》シリーズの「愚者のエンドロール」に似たような展開だ。そして最後は、あの方の登場となる。1巻目と2巻目を読んでいたほうが楽しめる。それらに、伏線が張られていることに気づくだろう。柴山君の煩悩は相変わらずだが、マツリカさんの過去がまた少し明らかになる。
あと、「もしこれが男性作家が書いた -
Posted by ブクログ
ネタバレ上巻の感想に「続編が上下巻って、おかしくない?
と少し思ってしまうが、続きは気になる。」と書いた。
で、下巻を読んでの感想は…
主人公2人のパートと秋乃のパートを分ければ、続編1冊とスピンオフ1冊にわかれそう。
主人公側は、一也が小余綾の部屋で料理を作るシーンでのヘタレ一也の心情が本当によくわかる。
※自分もヘタレということかな。
スピンオフ側は、地味な主人公が煮え切らずウジウジ悩んで、まるで一也の小説のよう。
それぞれ別だと、星3.5と3.0ぐらいだけど、少し長くなることを我慢できれば、上下巻で3.8ぐらい。
個人的には、上下巻で良かったと思う。
ネット上の悪口が、TVで野 -
Posted by ブクログ
相沢さんの青春ものは、今も昔も陰キャの自分にはグサグサ刺さります。特に学生時代の居場所や、人との関わり方については、本当に理解・共感するところが多すぎて……
『ココロ・ファインダ』や『雨の降る日は学校に行かない』といった少女たちを描いた作品しかり『午前零時のサンドリヨン』『ロートケプシェン、こっちにおいで』の須川君、そしてこのマツリカシリーズの柴山君しかり。特にこの柴山君の感情というのは本当に共感できる。今風に書くと「わかりみが深すぎる」というか。
誰かと話すときに「相手は自分なんかと話していて楽しいのか?」と思って、そのうちそう思うことに疲れて、口数が減ったり、
「何の取り柄もないし、面 -
Posted by ブクログ
ネタバレ○ 総合評価 ★★★★☆
相沢沙呼お得意のスクールカースト,学校世界でのいじめをテーマにしたミステリ。日常の謎系のミステリではあるが,明るいテーマではなく,やや重いテーマの作品。トモという少女がユカという少女のことが好きでありながら,集団から孤立しないようにユカのことを裏切る。構成としては,プロローグと各章のRed Backの部分の視点人物,ユカという人物に好意を持っていながら,集団から孤立しないように振舞っているこの人物(トモ)が誰なのかについて,叙述トリックが仕込まれている。普通に読んでいると,この視点人物が,文芸部の冊子「十字路」に「霧の向こうのロートケプシェン」やネット上での小説の作