相沢沙呼のレビュー一覧

  • 小説の神様 あなたを読む物語(上)

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    今回もいろいろぶっこんできたね、相沢さん…。
    このご時世にこのレーベルから出して、ここまで言わせるか、と。

    相変わらず、誰にも感情移入はできはいけれど、悲しくも納得してしまう。
    物語を殺すのは読者。

    だから、わたしはいつまでも、いつも、誰かにとっての九ノ里でありたいと願う。

    小説は好きだし、物語も好き。
    できれば手抜きではなく全力で書いたものが読みたいし、全力で書かせてあげられる読者でありたいものです。

    与えられた添加物まみれの餌に食いつく飼い犬じゃなく、自ら獲物を探して仕留めるハイエナでいたいものよ。

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    2018年09月01日
  • 卯月の雪のレター・レター

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    2018年46冊目。青春の揺れ動く感情を丁寧に描く繊細な短編集。⌈小生意気リゲット⌋謎解きの要素もあって、爽やかな読後感が光る。⌈チョコレートに、躍る指⌋一番重たい作品だけど、一番入り込める作品でもある。

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    2018年04月23日
  • 現代魔女の就職事情(5)

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    ネタバレ

     完結巻である五巻である。ここでは、これまでの物語の背後に潜んでいた魔女・黒崎夢結子との対決が描かれている。
     物語上、最大の障害だったと言っていい弥生との関係が解決された以上は、ここでの完結は納得できる。ただ、対決の物語はやや手狭になってしまった部分もあるだろう。
     とはいえ、皆と一緒に学校生活を楽しむという幸せな夢の中に一度は囚われた主人公が「夢を見ることで苦しむのなら、夢など最初から見ない方がいい」と囁く夢結子へと反駁する物語自体は、青春物語のこのシリーズに相応しいエンドだったことだろう。

     色々な点も加味しつつ、星四つ半相当と評価している。
     完結まで読書を楽しませていただいた点は改

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    2018年03月17日
  • 現代魔女の就職事情(4)

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     生活が安定してきたところで次なる展開へと入ろうとする、その序章のような四巻である。
     この一巻を通じて、学校に広がる呪いの存在が、街に現れた新たな魔法使いの存在を示唆している形だ。その登場は次巻に持ち越される模様である。
     しかし、確かこの作品上では「一つの街に一人の魔女」という設定があったはずであり、その辺が次巻以降問題の種になるのかもしれない。

     物語として見たとき、やや唐突に始まってしまった海での物語など、文脈の整理に少し気になる部分もあった。
     その辺も加味して、星四つ相当と評価している。

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    2017年08月09日
  • ロートケプシェン、こっちにおいで

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    高校を舞台にしてマジックを絡めたコージーミステリーのような作品ですが、この年代ならではの感情の機微が丁寧に、かつ研ぎ澄まされた言葉で綴られている。
    読んでいて苦しくなる箇所と、心が温かくなる箇所の落差とバランスが魅力です。

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    2017年06月12日
  • マツリカ・マジョルカ

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    ネタバレ

    〇 概要
     クラスに居場所を見つけられず,冴えない学生生活を送っている高校生,柴山祐希は,学校近くの廃墟ビルに住む女子高生「マツリカ」と出会う。「柴犬」と呼ばれ,いいように扱われるが,学校で起こるさまざまな「謎」を解明するために,他人と関わることになる。柴山の周囲の「何か」が変わり始める…青春ミステリ

    〇 総合評価 ★★★★☆
     この作品の評価は,主人公の柴山祐希の心理描写を是と見るか,非と見るかで大きく変わりそう。非常にネガティブな思想で,結構露骨にいやらしい描写がされており,嫌悪感を抱く人もいると思う。しかし,個人的には,自分の高校時代と非常にダブってしまい,とても感情移入をしてしまった

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    2022年08月21日
  • ココロ・ファインダ

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    写真部に所属する女子高生たちを描いた物語。
    この作品から感じる空気を適切に表す語彙を持たないのだけれど、ありきたりな表現を使うと透明感がとても魅力的でした。よくこんな作品を男性が書けるものだと感心します。
    全く話が変わりますが、写真が上手に撮れるっていいなと最近つくづく思います。

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    2016年11月21日
  • 卯月の雪のレター・レター

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    (内容)
    両親を亡くした後、就職を機に「わたし」は妹を引き取る。ふたりで懸命に生きてきたが、最近になって妹が不可解な行動を取るようになり……。姉妹のあやうい関係を描く「小生意気リゲット」。教育実習先の小学校で出会った、“嘘つき"と呼ばれる少女の言葉の真意を、実習生が読み解く「狼少女の帰還」。祖父宛に届いた、六年前に亡くなった祖母からの手紙。それに込められた秘密を女子高生が追う表題作など、揺れ動く少女たちの心と、暖かさや切なさに満ちた謎を叙情豊かに描く全5編。青春ミステリの名手が贈る珠玉の短編集。

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    2017年03月02日
  • 現代魔女の就職事情(2)

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     二巻ではようやく本格的に魔女修行としての人助け(犬を含む)が始まっている。恋にまつわる魔法などは、本当にらしい依頼であるし、手始めに描かれる物語としては望ましいものだろう。
     ベリ子の登場といい、物語は少しずつ舞台を整えている印象である。次巻では弥生にスポットが当たる形で物語が展開されそうな締め方がされているし、青春物語として最初の難関が描かれそうな気配である。

     体当たりで依頼を解決していく禰子の姿は非常にらしく、物語は本道を進んでいる印象である。
     一つ一つのエピソードがまだまだ序盤の感もあって、ここでは星四つ半相当と評価している。より大きな物語に期待している次第だ。

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    2016年07月28日
  • 現代魔女の就職事情(1)

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     日本で一番有名な、某宅急便魔女さんをオマージュした現代魔女の少女・玉城禰子の物語である。オマージュというか、作中でワンシーンのみだが主人公も彼の映画を観ていた旨が描かれているので、この場合はあれを観て育った世代の魔女の物語というべきか。
     世界観的には現代日本が舞台ながら、ここでは魔女が本当に存在し、その一方でその存在は時代遅れのものとされている。魔女は街に一人しか住んではならない、という掟もそれを助長しているのだろう。
     そうした世界観の中で、一年間の修行をしに田舎の港町に来た少女は、何もできない現実に打ちのめされながら一歩ずつ前進していく。周囲に迷惑を掛けながらも、良き隣人らによって背中

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    2016年07月28日
  • ココロ・ファインダ

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    ”カメラ”という媒体を介して、女子高生の姿を浮き上がらせる。大部分を一人称で語っているので、嫌でも感情移入する。なかなかでした。

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    2016年03月11日
  • スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫nex)

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    ネタバレ

    予想とだいぶ違う感じだったけど、なんか引き込まれた。
    ライトノベル?百合もの?
    美少女、エログロ、異界、異形の生物、百合、謎………そのテの女の子が好きなもの、全部ぶっこんで、美しく淫蕩にグロく仕上げられてる。
    キャラクターに関しては、かなり思わせぶりに別のストーリーがあるっぽく匂わせてたけど。
    ………ない、のか?w

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    2016年02月16日
  • 緑陽のクエスタ・リリカ 魂の彫塑

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     魔術師の学校に通うものの全く芽のでる気配のない少年ジゼル。魔術学校を退学することを決意したジゼルは自身の剣の腕を活かせる冒険者を目指すことに。そして彼は半妖の少女から人探しの依頼を受けることになる。

     これぞ王道のファンタジー! あとがきでも書いてありましたが本当に相沢さんの書きたいもの、好きなものが詰まった作品なんだな、と感じました。

     ミステリ作家の相沢さんらしく、作中でもミステリ要素も少し入ってますが、戦闘シーンやファンタジーとしての世界観や設定もなかなか作りこまれていて、冒険者や魔術、エルフなど王道もの好きならきっと楽しめる作品のハズです。

     作品のメッセージも深いです。この世

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    2015年10月29日
  • ココロ・ファインダ

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    ネタバレ

    ミラ,カオリ,秋穂及びシズという四人の女子高生が主人公の4つの短編からなる連作短編集。全ての短編をつなぐ驚愕の真相のようなものはない。驚愕のオチも,技巧の限りを尽くした叙述トリックもない。
    高校の写真部に属する四人の少女は,それぞれコンプレックスを持っている。しっかりした,学級委員タイプのミラは,女子高生らしい可愛らしさに満ち溢れたカオリにコンプレックスを抱いている。
    唯一の後輩である秋穂は,地味でおとなしい性格。カオリだけでなく,しっかりした学級委員タイプのミラにもコンプレックスを抱いている。
    女子高生らしい可愛らしさに満ち溢れたカオリは,中学生時代に苛められた過去があり,女子高生らしい可愛

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    2016年10月30日
  • ココロ・ファインダ

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    写真の解説がちょっと想像しづらいけど、そこを、目を瞑れば高校生が好きそうな爽やかででもちょっと鬱々とした気持ちも描かれてる小説。、

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    2015年03月13日
  • スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫nex)

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     狼に喰い千切られたかのような少女の遺体が連続して見つかる。美しい金髪の少女”此花ねむり”は鈴原楓という少女との出会いをきっかけに事件とそれに関連しているとみられる薬物について調べ始める。

     相沢さんの作風は日常の謎と丁寧な少女の描写の印象が強かったですが、今作は耽美で背徳的、そして官能的な面もある伝奇。今までの作風と全く違う作品ながら、
    少女たちの恍惚としたシーンの筆力がかなりのもので、相沢さんはこんな作風でも書けるのか、と意外に思ったとともに多才な方なんだな、と思いました。

     ミステリとしては展開が急な印象は受けましたが、この作品はミステリというよりも、上にも書いたように耽美で背徳な伝

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    2014年11月17日
  • スキュラ&カリュブディス―死の口吻―(新潮文庫nex)

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    耽美的、背徳的でちょっと官能的な伝奇ホラーサスペンス。猟奇殺人、都市伝説、少女たちに広まる麻薬など怪しい要素満載。そして美少女も満載。百合百合しさも満載。
    怪事件を追いかける物語としては焦点が分散してしまっていて、吸引力は低め。ただ、そもそも怪事件が起こる舞台設定なだけで、怪事件を解き明かす物語ではないのかもしれない。
    自分は、非日常的な伝奇もの舞台の中で、それこそ特殊な事情を持つ主人公の少女の苦悩が描き出されていく物語として読みました。少女の友人への想い、死への渇望と葛藤、孤独、不安がぐさぐさと感情を刺激してきて、ほんと痛ましく愛おしいです。
    この本は、少女たちへの感情移入ができるかどうかで

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    2014年11月04日
  • ココロ・ファインダ

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     写真部に所属する4人の女子高生と彼女たちにまつわる小さな謎を描いた連作短編ミステリ。

     作中に登場する女子高生の描き方がとても絶妙だと思います。それぞれが絶対に純粋な少女というわけでもなく、友人の容姿をうらやましく思っていたり、クラスのいじめやそれを止められない自分に悩んだり、友人関係、進学、自分の存在意義…、純粋すぎず、ドロドロすぎず、あくまで等身大の女子高生たちの姿を描こうとしているのが、とてもよかったです。

     そして、そうした少女たちの本当の姿を描くために日常のミステリという手段を使っているのも好印象でした。それぞれの謎は、

     なぜ突然写真部に友人は来なくなったのか(コンプレック

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    2014年09月13日
  • ブラックボックス、誰が解く? 君に綴る4つの謎

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    いろんなミステリを読み始めた、読みたいと思ってる人におすすめ!!
    短編のひとつひとつが短くてもちゃんと満足感あった。
    そうだねわしはホワイダニットの話が好きなんだな、謎に納得したかったんだなって理解できて面白かった。

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    2026年02月16日
  • ブラックボックス、誰が解く? 君に綴る4つの謎

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    ミステリーはあまり読まないという人でも取っ付きやすいアンソロだと思うし、作家のセレクトも上手い。
    叙述トリック好きなので、似鳥さんの『学生時代の母の原稿』が楽しかった。
    違和感があってモヤモヤするけど、それが分かった瞬間の「おお!」という驚きは何物にも代え難い。

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    2026年01月31日