相沢沙呼のレビュー一覧
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ネタバレマツリカ・シリーズ3作目にして初の長編。『密室「殺トルソー」事件』を、柴山君と仲間たちが解決していく。
作中、登場人物の一人が「人が死なない密室を書いた小説で有名なものはないんですか?」と問うている。作者はこれにチャレンジしたわけだ。
今作では柴山君と仲間たちがそれぞれの推理を披露していく。《古典部》シリーズの「愚者のエンドロール」に似たような展開だ。そして最後は、あの方の登場となる。1巻目と2巻目を読んでいたほうが楽しめる。それらに、伏線が張られていることに気づくだろう。柴山君の煩悩は相変わらずだが、マツリカさんの過去がまた少し明らかになる。
あと、「もしこれが男性作家が書いた -
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ネタバレ上巻の感想に「続編が上下巻って、おかしくない?
と少し思ってしまうが、続きは気になる。」と書いた。
で、下巻を読んでの感想は…
主人公2人のパートと秋乃のパートを分ければ、続編1冊とスピンオフ1冊にわかれそう。
主人公側は、一也が小余綾の部屋で料理を作るシーンでのヘタレ一也の心情が本当によくわかる。
※自分もヘタレということかな。
スピンオフ側は、地味な主人公が煮え切らずウジウジ悩んで、まるで一也の小説のよう。
それぞれ別だと、星3.5と3.0ぐらいだけど、少し長くなることを我慢できれば、上下巻で3.8ぐらい。
個人的には、上下巻で良かったと思う。
ネット上の悪口が、TVで野 -
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相沢さんの青春ものは、今も昔も陰キャの自分にはグサグサ刺さります。特に学生時代の居場所や、人との関わり方については、本当に理解・共感するところが多すぎて……
『ココロ・ファインダ』や『雨の降る日は学校に行かない』といった少女たちを描いた作品しかり『午前零時のサンドリヨン』『ロートケプシェン、こっちにおいで』の須川君、そしてこのマツリカシリーズの柴山君しかり。特にこの柴山君の感情というのは本当に共感できる。今風に書くと「わかりみが深すぎる」というか。
誰かと話すときに「相手は自分なんかと話していて楽しいのか?」と思って、そのうちそう思うことに疲れて、口数が減ったり、
「何の取り柄もないし、面 -
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ネタバレ○ 総合評価 ★★★★☆
相沢沙呼お得意のスクールカースト,学校世界でのいじめをテーマにしたミステリ。日常の謎系のミステリではあるが,明るいテーマではなく,やや重いテーマの作品。トモという少女がユカという少女のことが好きでありながら,集団から孤立しないようにユカのことを裏切る。構成としては,プロローグと各章のRed Backの部分の視点人物,ユカという人物に好意を持っていながら,集団から孤立しないように振舞っているこの人物(トモ)が誰なのかについて,叙述トリックが仕込まれている。普通に読んでいると,この視点人物が,文芸部の冊子「十字路」に「霧の向こうのロートケプシェン」やネット上での小説の作 -
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久しぶりに読む続編。間が空いてしまったせいで細かいあらずじを忘れてしまっていたが、相変わらずこの作者の小説に対する眼差しというか、姿勢が好きだ。本当に小説が愛おしくて、たくさん悩んだ結果、生まれた小説なんだな、と思わせてくれる。
自分が読んだ小説にどうしようもない感動や興奮を覚えても、いざ他人のレビューを拝見すると自分とは真逆の感想を抱いている人を見て勝手に落ち込む。でも、いざ本屋さんでその作者がピックアップされていると、なぜか自分のことのように誇らしく思える。それはその小説が自分の一部になった、ということなのかな、とこの小説を読んで思った。
読書には読み手の能動的な協力が必要不可欠、という一 -
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ネタバレ完結巻である五巻である。ここでは、これまでの物語の背後に潜んでいた魔女・黒崎夢結子との対決が描かれている。
物語上、最大の障害だったと言っていい弥生との関係が解決された以上は、ここでの完結は納得できる。ただ、対決の物語はやや手狭になってしまった部分もあるだろう。
とはいえ、皆と一緒に学校生活を楽しむという幸せな夢の中に一度は囚われた主人公が「夢を見ることで苦しむのなら、夢など最初から見ない方がいい」と囁く夢結子へと反駁する物語自体は、青春物語のこのシリーズに相応しいエンドだったことだろう。
色々な点も加味しつつ、星四つ半相当と評価している。
完結まで読書を楽しませていただいた点は改