相沢沙呼のレビュー一覧

  • 彼女。

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    女たちのクソデカ感情のぶつかり合い、色んな百合が詰まっててとても良かった。学校生活の百合から大人の結構歪んだ百合まで。
    馬鹿者の恋と百合である値打ちもないが特に好きだったかな。
    有名だけどほとんど読んだことがない方々のアンソロだったので、興味持った著者の本読んでみようと思う。

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    2025年01月30日
  • invert 城塚翡翠倒叙集

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    ネタバレ

     第20回本格ミステリ大賞受賞等、様々なミステリランキングで1位を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の続編。目次に、「この作品は、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の結末に触れています。未読の方はご注意ください。」とあるように、前作のネタバレが含まれる。
     そのそも、前作である『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、一見、霊能力者である城塚翡翠が霊能力で見つけ出した犯人を、探偵役の香月史郎が論理的に謎を解き明かす…という構造をして、実は香月史郎が真犯人の殺人鬼でした!というオチのミステリと見せかけ、さらにその裏に、実は、城塚翡翠は霊能力者でなく、より早く、より論理的に事件を解決し、霊能力者のフリをして香月史郎を騙し、香月史郎の正体を見破ったというミステリだった。霊能力者である美少女、城塚翡翠のキャラクターが反転する最終「 VSエリミネーター」には驚愕したものである。
     今作は、城塚翡翠があざとい探偵であることを前提としつつ、倒叙ミステリとして犯人側の視点から犯罪が描かれ、犯人のミスを城塚翡翠が暴いていく。
     倒叙ミステリとしてはオーソドックスでありつつ、古畑任三郎のパロディめいた部分もあり、作者の遊び心が伺われる。倒叙ミステリで肝心な部分は、一見、犯人が完全犯罪を成し遂げたと見せかけ、思わぬほころびから決定的な証拠を見つけられ、犯人が敗れるという展開となることである。犯人の犯罪が杜撰なものであったり、探偵からの指摘にいくらでも言い逃れできそうなのに、犯人があっさり諦めるのも興ざめ。探偵対犯人という構造を簡単に作れるため、サスペンスフルで読んでいるときは面白く感じる作品が多い一方で、最後まで読んでがっかりすることも多いジャンルでもある。
     1作品ずつ掘り下げた上で、最後に感想を述べる。
    ● 雲上の晴れ間
     システムエンジニアの狛木繁人が、自身が勤務する会社の社長・吉田直政を殺害する。柏木と吉田は中学校時代の同級生でもあり、柏木は吉田に負い目を感じていることもあって、吉田に利用されていた。犯行があった時間。急遽発生したバグの調査を会社で行っていたというアリバイ工作をする。
     柏木の隣家に、城塚翡翠が引っ越してきて、翡翠は柏木に接近しつつ、犯行の証拠を探る。
     invertの1作目で、倒叙作品としての形が示される。犯人の身近な人物として翡翠が犯人と接する中で、犯人のミスを誘うというもの。翡翠の仕掛け、犯人のミスは以下のとおり
     翡翠曰く、稚拙な犯罪のくせに、幸運に恵まれ、指紋やDNAなどの証拠を残さず、たまたま監視カメラや人の目にも留まっていない犯行とのこと
     犯人のミスは以下のとおり
    ・浴室の位置を知っていることがバレる。
    ・「水が流れる音」を「水が注がれる音」と言ってしまう。
    ・(会社内と見せかけるために)ホワイトボードを動かしたことが見破られる。
    ・ペットボトル(炭酸水)にキャップが開けられていた。
    ・被害者の眼鏡のレンズに不自然に掌紋の跡が残っていた。
    ・被害者のPCのデスクの指紋がふき取られ、誰かが利用したように見える。
    ・煎じ薬が黒いと知っていることがバレた。
    ・コンロの火を消してしまった。
    ・キャップが空いていたのに指紋がないペットボトル。犯行現場に第三者がいた。
     そして、この作品のポイントとなる部分。柏木はどのようにしてアリバイを確保したのか。また、デスクに残っていたCが示す物証とは何か。
     柏木のアリバイ工作。吉田のデスクを利用し、会社にいるように通信相手に見せかけた。バグは自分で用意したミス。あらかじめ修正したものを用意しておき、23時まで吉田のマンションにいて、1時間かけて会社に戻り、会社で修正した。
     デスクのCは、ノートパソコンの底のゴムの滑り止め。この部分に漢方薬の成分が残っていた(物証)。
     エピローグ。千和崎真は、翡翠がノートパソコンの底のゴムに物証を偽造したのではないかと疑う。もしかすると、翡翠には本当は霊能力があるのか。翡翠の闘い方はつらくなのか…。
     城塚翡翠という人間の存在そのものを一変させるという大がかりな仕掛けを施したmediumから、倒叙モノに切り替えるその最初の一編として、オーソドックスな倒叙モノに仕上がっている。アリバイトリックは、いわば、自らトロイの木馬を仕掛けておくという、「すべてがFになる」に通じるようなトリック。これはむしろ、ありがちと感じる。犯人が犯行を認めるノートPCの底のゴムの滑り止めの件は、エピローグで千和崎真の口からも語られるとおり、これが本当に決定的な証拠になり得るか、リアリティにはやや欠ける。もっとも、倒叙モノとして、しっかりとした物理的な証拠があるものは少ないので、十分及第点である。
    【印象に残る一文】
     プログラムは思ったとおりに動かない、書いたとおりに動く。
     殺人鬼と恋愛ごっこをすることでスリルと快感を得る変態ドS探偵
    ● 泡沫の審判
     卑劣な盗撮犯、田草明夫を、脅迫されていた女性教師末崎絵里が、3階からの転落死という事故に見せかけて殺害する。
     警察の初動捜査では、「小学校への不法侵入を試みた人間が、校舎の三階から転落した事故」と思われたが、城塚翡翠は、田草が灯りを持っていないにもかかわらず、軍手をするという灯りとなるスマホを操作できない状態で死んでいたことから、殺人事件だと考える。殺人事件があったとすれば、当日残っていた教職員のうち、3階に教室がある2年生の末崎絵里が犯人だと考え、スクールカウンセラーの「白井奈々子」として小学校に潜入する。
     田草明夫が盗撮のために小学校に忍び込んでいたことが分かり、小学校を取り巻く状況は一変し、教師はより過酷な状況に追い込まれてしまう。
     城塚翡翠は、スクールカウンセラーの「白井奈々子」として、末崎絵里と面談し「霊感がある。」と偽って犯人だと疑っていると示唆したり、話しかけるなどして苛立たせ、犯行を裏付ける証拠を固めていく。
     教師が残っている時間帯であれば、教師にさえ会わなければ盗撮したカメラの映像の回収は容易であるにもかかわらず、教師が帰ってから侵入し、防犯システムに引っかかったという点がそもそも不自然。末崎絵里が、盗撮のカメラが仕掛けられていた3階のトイレを使わなくなっていること、末崎絵里と一緒に犯行当日、残っていた古茂田という教師が、田草が忍び込んだ理科室の窓の鍵を20時に占めていたという証言、20時に競馬新聞を買った田草が、1時間48分の時間を過ごしてから、21時48分に不法侵入を試みたのは不自然。むしろだけかと待ち合わせをしていたと感がる方が自然といったことから、末崎絵里の犯行を裏付ける外掘りを埋めるが、起訴に至る決定的な証拠が見つからない。
     白井奈々子(城塚翡翠)は、取引現場にカメラが仕掛けられていたいう嘘で罠にはめ、末崎絵里を更に追い詰めるが、決め手とはならない。
     城塚翡翠と千和崎真の会話の場面が描かれ、「メレンゲが甘すぎるのは、味を整えるのが目的ではなく、泡を安定させるため、」というヒントから、城塚翡翠は事件の決定的な決め手となる「砂糖の入ったシャボン玉液」の存在に気付く。
     解決編では、城塚翡翠は、対峙する末崎絵里に、まず、田草の死が殺人事件だと考える理由として軍手の存在があることを伝える。
     次にトリックを暴く。このトリックは、ハムスターのタンジが脱走し、防犯システムに引っかかったというもの。21時48分に、タンジが防犯システムに引っかかったことと、田草の死をむすび付け、末崎絵里はアリバイを偽装するだけでなく、田草の死が不法侵入の末に事故死したのだという印象を強固にしようとしたと指摘
     決めてとなる砂糖の入ったシャボン液。二年になってから転校してきたという小池大地が、1年生の9月に行われた末崎絵里のシャボン玉のことを知っていたことが伏線となる。小池大地は、放課後、こっそりシャボン玉で遊び、シャボン液をこぼしていた。田草明夫は、そのシャボン液を踏んでいた。教室に入ったはずのない田草明夫の足から、シャボン液の成分が検出されたこと。これが決め手となる証拠となった。
     城塚翡翠は、「自分が正しいと思えば人を殺してよいと生徒に言えるか。正しいと思ってころしたという殺人鬼には、大切な人を殺されても仕方がないと言えるか。」と末崎絵里を追い詰め、自首させる。
     小学校教師のブラックな実態や犯行の動機から、犯人である末崎絵里に同情の余地があり、非常に読後感の悪い作品。一方で、倒叙ミステリとしては読み応えがある。殺人事件であり、末崎絵里が犯人だと断定するロジック、そして、犯行を認めさせる証拠。犯人の明確なミスというより、不運の部分もあるが、倒叙ミステリとしての納得度は高い。傑作といっていい1編だと思う。
    【印象に残ったセリフ・描写】
     「シャボン玉が弾けるみたいに、呆気なく、命は抜け落ちる。」 
    →殺人の場面での何気ない描写だが、この事件の決定的な証拠である「砂糖の入ったシャボン液」を示唆している。
     「…それとも金色の自転車で来た方がよかったです?」
    →古畑任三郎を連想させるセリフ
    ● 信用ならない目撃者
     冒頭で、政治家に対し恩を売る探偵としての姿が描かれる。
     雲野泰典による曽根本の殺害。ビルの3階のベランダに目撃者らしい人物がいたように感じたが、万が一目撃されたとしても、まさか殺人をしているとは考えず、通報もされないと考え、偽装工作をする。最後に、カーテンを閉めるために、干されてる状態から床に置き、血がついてしまった靴下を現場から持ち去る。
     涼見梓は、向いのマンションに拳銃を持った強盗がいたという目撃情報を母親に電話していた。
     警察の岩地道と蛯名が城塚翡翠のふりをした千和崎真と会う。「はわわ」ではなく「あわわ」と言っているのは伏線。「城塚翡翠」と名乗り、目撃者がいたことを告げる。
     シーンが変わり、千和崎真と城塚翡翠の会話。これは叙述トリック。雲野泰典に会ったのは城塚翡翠のふりをした千和崎真だったが、城塚翡翠が会っていたかのように読める書き方をしている。このとき、雲野泰典が目撃者に接触するかどうかを賭ける。
     雲野泰典は、涼見梓の家を訪れる。対応したのは涼見梓のふりをした城塚翡翠。次の場面で、涼見梓から城塚翡翠に電話があるというシーンがあるが、これも叙述トリックで、まるで、雲野泰典の訪問を受けて、涼見梓が証言を変えたように見える。
     雲野泰典と城塚翡翠のふりをした千和崎真の対決シーン。わざと警察にバレるように備考をさせたり、下手なコールドリーディングをする。靴下についてのやり取り等をするが、決め手に欠ける。ここでは、雲野泰典が、このやり取りに勝利したかのような描写がされている。
     以下、特別な注意がない限り、城塚翡翠のふりをした千和崎真を翡翠、涼見梓のふりをした城塚翡翠を涼見とする。
     雲野泰典と、涼見が食事をしている場面で、翡翠が現れる。スマートウォッチの脈拍と、靴下の話をする。このやり取りの後、運野泰典が圧力をかけ、尾行や監視が中断する。実際は、これまではわざと下手な尾行をし、これより後は慎重に尾行・監視がされていた。城塚翡翠と千和崎真がマジックショーに行き(このショーが、バー「サンドリヨン」で、演者が西乃初のように見えるのも粋な演出)、時計のやり取りからヒントを得て、解決編に結び付く。
     城塚翡翠からチケットをもらったという形で、雲野泰典と涼見はマジックショーに行く。そこで、マジックのショーの演目を利用し、涼見が記憶を取り戻す可能性があると、雲野泰典に感じさせる。
     涼見梓のマンションに、雲野泰典と涼見が訪れる。涼見は、事件の夜を再現し、目撃した犯人の顔を思い出したふりをする。そこに、翡翠が登場。涼見との間で一芝居をうち、雲野泰典から時計を奪う。犯行時もしていた時計には犯行の痕跡があるはず。雲野泰典は、時計から証拠が出ようが出まいが、家宅捜索をされれば失脚すると考え、城塚を撃ち、涼見も撃つ。しかし、実際は城塚翡翠の手で弾は抜かれておっり、涼見は、「んふっ、ふふふっ、ふふふふっ」と笑い出し、自分こそが城塚翡翠えあると告げる。
     警察が踏み込む。城塚翡翠は雲野泰典を犯人だと確信した、「秘密の暴露」に当たる発言を告げる。それは、「拳銃を手にした不審人物」の目撃情報を聞いたとき、「それは拳銃を手にし躊躇っていた曽根本自身だった可能性は否定できないのでは?」と言った点。通常であれば、不審者が夜道などを歩いているところを目撃したと思うはずである。ここから、城塚翡翠は、雲野泰典が犯人だと確信した。
     雲野泰典が目撃者の自宅を知っていたことを明らかにしたのも失敗。犯人しか知り得ない情報であり、そもそも警察は目撃者がいたことすら知らなかった。城塚翡翠は、目撃者の目を隠すために洗濯物を外してカーテンを閉め、戻そうとしたが血が気が付い靴下を持ち去ったことから、目撃者がいると考えた。しらみつぶしに探し、涼見梓を探し当て、涼見梓になりすましていたのだった。
     自殺でなく、殺人であるとすれば、これだけの偽装ができる人物は限られる。現象を成立させることができる人間が限られているというロジックから、城塚翡翠は、当初から雲野泰典を疑っていた。
     亡き妻への思いを口にする雲野泰典に、城塚翡翠は、「人間は、死に取り憑かれるものです。そこから再び歩みを進めることは、一人きりでは、とても難しい。」と告げる。
     千和崎真と城塚翡翠のやり取りがエピローグ。今回の事件は、城塚翡翠が生理でダウンしていたから、千和崎真が初動捜査を代わって行った。警察にも雲野泰典を快く思わない者は多く、自殺でも他殺でもどうにか逮捕するという方針。城塚翡翠としては、靴下が持ち去られている可能性から目撃者を探し出し、その証言から他殺を確信。偽装工作ができる人物として、雲野泰典を犯人と目して捜査に当たった。
     城塚翡翠は千和崎真まで騙すことで、雲野泰典を騙し、自分を撃たせて犯行を暴いた。千和崎真はどこまでが計算か、どこまでが本性か、城塚翡翠をつかみきれない。いったいどれが本当の城塚翡翠だろう。全てが幻…といった作品。地の文で、城塚翡翠、涼見梓と描写されている人物が、それぞれ、千和崎真、城塚翡翠である部分もあり、ややアンフェアに感じる。読者を驚かす作品を書こうとする現れのように思う。そうすると、作中で城塚翡翠に語らせている、一般の推理小説読者批判も、かえってこの真相から目を背けさせるトリックのようにすら思える。
     城塚翡翠が千和崎真だったことはともかく、涼見梓が城塚翡翠だった点は、驚くというより混乱してしまった。分かってから読めば後につながる伏線もあるが、理解するまでちょっと間を要してしまい、その分、驚きより困惑があったのは残念。もっとミステリに慣れていない時期に読んでいれば、間違いなくほれ込んでいた作品。構想も描写も上手いと思う。★4かな。
    【印象に残ったセリフ・描写】
     真ちゃんの方こそ、ブラックで飲めないと子どもなんて、まさしく子どもの論理じゃないですか。
     推理小説は、推理を楽しむより、驚くことが目的となって読まれているじゃないでしょうか。
     城塚翡翠のふりをした千和崎真が「サンドリヨン」を注文するところは、「午前零時のサンドリヨン」を思い起こさせる。
     あの変態殺人シスコンクソ野郎は人間の心を持っていないので、まったく尻尾をつかめずに苦労しましたが…。あなたはごく普通の犯罪者です。人間の心を持っている。
    【気になった点】
     第三者視点の地の文章で、千和崎真のことを、「翡翠」と書いたり、涼見梓のふりをしている城塚翡翠を「涼見」と書いている場面があり、若干アンフェアに感じる。
    ● トータルの感想
     3編を通しての仕掛けはなく、独立した倒叙ミステリとして楽しめる。倒叙ミステリは難しいが、少なくとも東川篤哉の「魔法使い」シリーズよりは完成度が高い。大倉崇裕の「福家警部補」シリーズにも当たりはずれがある。石持浅海の碓氷優佳のシリーズは良作ぞろいと思っており、それに匹敵する完成度だと思う。
     キャラクターとしての城塚翡翠をそこまで好きになれないのが難点。碓氷優佳もそこまで好きではなく、この点も共通している。倒叙ミステリとしての完成度の高さと、特に「信用ならない目撃者」の読者を驚かせようとする姿勢を評価し、★4で。

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    2026年06月21日
  • マツリカ・マハリタ

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     自己肯定感が低い主人公が、クラスメートや写真部から聞かされた不可解な出来事を調べていくうちに、マツリカさんの正体に迫っていくことになる青春ミステリーで、個人的にはミステリーの要素よりも「他人と関わることで、自分も変われるはず」という部分が特に刺さった。

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    2024年11月16日
  • マツリカ・マトリョシカ

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    シリーズ1作目、2作目と、作家と共に主人公の男子生徒の成長も感じられる作品。
    女王様気質のツンデレなヒロインと思春期男子の妄想シーンに頼り気味だった作者に、ネガティブ思考の固まりだった主人公。
    それが今作では主人公には信頼できる仲間も増え、ウジウジしたシーンは大幅に減りました。作品としても、ミステリ、青春、思春期男子などのバランスが絶妙になりました。特にヒロインの出番が少なくなったのは、妄想シーンの描写が落ち着いただけにとどまらず、本当に追い詰められた時に颯爽と現れる探偵(ヒーロー)のような印象に好転しました。
    そしてそれには、一定以上のミステリとしてのレベルがあってこそです。
    思春期の妄想シーンなどを完全に受け付けないという方以外は、おすすめな一冊です。

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    2024年10月18日
  • 教室に並んだ背表紙

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    ネタバレ

    その背に指を伸ばして
    しおり先生
    中学の司書の先生。

    佐竹あおい
    図書委員。二年生。

    三崎
    一年のとき、あおいと同じクラスだった。

    エリ

    大谷
    図書委員。

    間宮
    図書委員。二年生。


    しおりを滲ませて、めくる先
    村井
    ゲームクリエイターになりたい。

    有川リサ
    モデルになりたい。

    鈴木先生
    ハム子先生。

    増田先生
    図書室の管理をしている。

    塚本詩織
    司書の先生。

    真汐凛奈
    図書委員。

    加藤公子
    二十年前に図書室の本に未来への手紙を入れていた。


    やさしいわたしの綴りかた
    ゴーダ
    いじわるで最低最悪ハゲデブ野郎。

    アイルー
    愛琉。

    あかね

    小沢

    間宮
    図書委員。

    佐野
    お調子者。

    三崎

    あおい
    図書委員。


    花布の咲くころ
    間宮萌香
    図書委員。

    ユナ
    萌香と小学校のときからの友人。

    凛堂蓮
    二次元。

    佐竹
    図書委員。

    瀬谷陸斗
    二年C組。ユナが恋をした相手。

    星野まどか
    小学生の頃から陸斗に片思い。

    あかね

    アイルー

    凛奈


    煌めきのしずくをかぶせる
    倉田アイル
    藍琉。ルイコから左手の絵をもらう。ネイルアーティストになりたい。

    ルイコ
    田中涙子。ティアラ。放課後の空き教室で倉田に会う。漫画家になりたい。


    教室に並んだ背表紙
    三崎衿子

    早苗

    玲奈

    佐竹

    星野

    辻本

    真汐凛奈

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    2024年10月07日
  • 小説の神様

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    この本は、小説家 相沢沙呼の心の叫びなのだろう。
    正直なところ、前半の主人公には全く共感できなかった。
    ウジウジと後ろ向きで、日向にいる人間を羨むしかできないような、そんな男に見えた。
    しかし、中盤も終わりに近付くと、物語は一気に加速して、グレードアップした武器を手にした勇者のようになり心を躍らせた。
    なぜ小説家は小説を書くのか、なぜ人は小説を読むのか。
    相沢沙呼の出した答えがこの中にある。

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    2024年09月09日
  • 午前零時のサンドリヨン

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    女子高生マジシャンが学校で起こる事件を解決する4つの短編集で構成されています。
    3つまで読んで、どれも1話完結型だったので、油断して4つ目を読んでいたら、最後の数十ページで、それまでの短編の伏線を回収し始めたので驚きながら読むことになりました。油断していた分、読後の満足感は高かったです。


    テレビでマジックを観ると、直ぐにタネを知りたくなる部類の人なのですが、そんなことは考えずに唯々その魔法に感動することが大切だなと思いました。
    確かにミステリーもトリックがわかった途端、チープな物に変わってしまうことがあります。純粋に楽しむ、幼心もたまには持たなければいけないと思いました。

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    2024年08月21日
  • 小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー

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    恥ずかしながら元作品を知らず、「小説の神様」と言う単語から作られたアンソロジーかと思って読んでいたら、現実にそんな小説があると知ってびっくり。
    でも元作品を知らずとも十分に楽しめました。
    『果たして自分はこの物語ときちんと向き合うことができているだろうか』『作者の名前だけで読んでいたり、他作品と比較してしまったりしてはいないだろうか』と考えさせられた、初心に帰してくれた物語たちでした。

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    2024年07月18日
  • マツリカ・マハリタ

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    マツリカシリーズ第二作。
    自分に自信がなさすぎる柴山が、色々な人と交流を持つうちにマツリカさんの正体が暴かれる。
    マツリカさんの官能シーンがちょっとしつこい。笑

    第三作を初めに読んでしまったので、ここからさらにどう展開するのか忘れてしまった…気になる。

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    2024年05月29日
  • マツリカ・マハリタ

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    このジャケットは、なかなか手を出しにくいのですが、とはいえ癖になってなぜか読んでしまうマツリカシリーズ第2弾。この本の魅力は、謎多きマツリカの謎が、いつ明かされるのかと期待しているからかもしれません。今作では、最終話にその謎の一端が垣間見えましたが、まだまだというところ。ウジウジ系キャラの主人公の成長度を含め、最終巻が楽しみです!

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    2024年05月05日
  • マツリカ・マトリョシカ

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    現時点での最新刊である3巻目(続くはず)。
    前2巻で増えていった主人公の理解者たちが、みんなで事件についての推理を投げ合う、シリーズものの3巻目らしい構成の良作…どころではない。
    柴犬くんがセクシーなお姉さんにドギマギしてしまう視線までも事件の本筋にきちっと折り込み、学校という場を完璧に活かした、前作までの流れが伏線として化ていく様に拍手。そりゃ本格ミステリ大賞のノミネートも当然だ、と。
    何より「密室を解く手がかりになったポイント」にマツリカさんが何故気づくに至ったか、の論理の流れが素晴らしい。地の文で書いていたが、著者は良い意味でも悪い意味でも変態さんに違いない(笑)

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    2024年04月28日
  • 教室に並んだ背表紙

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    読めば読むほどストーリーに深みが出てきて、何度もさかのぼって読みたくなる作品。

    司書の先生ってこんなイメージあるよなぁって思いながら読めた。

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    2024年04月15日
  • 小説の神様 あなたを読む物語(下)

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    本を読まずにはいられなくなった人たちは誰しも「良い物語とは何か」とか「ジャンルに貴賎はあるのか」とかそもそも読む、書くという営みについて考えてしまうことがあると思っているのだけれど、どうでしょう。
    で、たいていその手の思索をした後って少し小っ恥ずかしい感情を覚えるものですが、この小説はそういう思索の爆弾のようなもので。
    これを読むと、こんなに繊細で真摯にやってくれるなら文句ないや、と感謝するしかない。

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    2024年03月31日
  • 小説の神様 あなたを読む物語(上)

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    ふたりの後輩・成瀬秋乃が視点人物にがっつり加わり、友人関係のすれ違いや見え隠れするスクールカーストなど、おそらく作者が無視できない(それを軽視したり書き漏らすことはあってはならないと考えているだろう)テーマも内包しつつ、前作以上に「物語の力とは」をじっくり考えてしまう『小説の神様』続編。

    …本作を読むとこういうレビューも考えなしにテキトーにするもんじゃあないなと思うなどする。

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    2024年03月29日
  • 教室に並んだ背表紙

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    はじめ、文体などちょっと入り込めない感じがあって躊躇したけど、次第に慣れた。
    短編ならではの、あの子とあの子が繋がってて〜展開が後半ドドドと押し寄せ、後半は結構涙腺ゆるゆるに。

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    2024年03月18日
  • 小説の神様 あなたを読む物語(上)

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    好きな作家さんのシリーズ2作目。
    子供の時から年に百冊前後だから、結構な小説を読んだと思うけど、いつもその小説から滲み出てるものを汲み取って咀嚼しようとはしてる。そう言う読者ばかりでもなく、そもそも読む人も減っている現状で、とても息苦しい話ではあります。
    本から感じたものは、今の自分を形づくり、支え、周りを彩ってるから、こう言う小説が好き。

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    2024年03月14日
  • マツリカ・マジョルカ

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     クラスに馴染めず鬱屈した学校生活をおくる柴山祐希がある日廃墟に住むマツリカと名乗る女性と出会い、都市伝説や自分の身に起こった出来事を話し、それを聞いたマツリカがその謎を解く4つの短編からなるお話。それぞれ春夏秋冬で短編が描かれ、個人的にはミステリーというよりは青春小説としての面白さを感じた。それにしてもマツリカは何者なんだろう?

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    2024年03月13日
  • マツリカ・マジョルカ

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    まずこの官能的な表紙のインパクトに惹かれます。そしてマツリカさんの切れ味鋭い推理力。そしてこの対照的な語り手の男子高校生のサエない性格にイラッとしながらも、不思議な魅力があって、また、若いなぁと思わせる青春小説でした。

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    2024年03月10日
  • 彼女。

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    浅はかな感想だし、どれくらい作者のみなさんが百合を調べて書いたのか分からないけど、どんな人も男とか女とかレズとかバイとか関係なく好きな人を見つめる目も想いも同じなんだろうなと思った。百合小説アンソロジーなんて付けなくても十分売り出せる本だと思った。逆にそういう迎合していくのがこの本にあっているようで少しズレているようで、それがまた登場人物たちにはあっているのかもとも思った。

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    2024年03月10日
  • 小説の神様

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    小説に力はないと負の感情を持つ売れない作家の千谷一也と、小説には力があると信じる人気作家の小余綾詩凪。 二人で共作をすることになり、衝突しながら、物語を作り上げていく。
    自らの生み出す物語が売れないからこそ鬱屈な想いを払拭できない千谷は、小説が売れないことは自分が否定されているように感じ、陽向で生きる小余綾のことを受け入れられず、衝突を繰り返す。しかしその中で互いの苦悩を理解し、合作を作り上げる過程が、苦しみと成長を感じ、不器用な青春を感じた。
    言葉の持つ負の力、言葉の不器用さ、言葉の遅さ。これらを感じる中で、言葉を積みあげることで完成される物語を編むことで伝わるものがあると訴えかけるような物語だった。
    生きるための養分を小説から摂取している心に、小説を愛する心に刺さる小説だった。

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    2024年02月11日