あらすじ
【2020年10月2日(金)映画公開!】
W主演佐藤大樹(EXILE/FANTASTICS)&橋本環奈
小説は、好きですか――?
いつか誰かが泣かないですむように、今は君のために物語を綴ろう。
僕は小説の主人公になり得ない人間だ。学生で作家デビューしたものの、発表した作品は酷評され売り上げも振るわない……。
物語を紡ぐ意味を見失った僕の前に現れた、同い年の人気作家・小余綾詩凪。二人で小説を合作するうち、僕は彼女の秘密に気がつく。彼女の言う“小説の神様”とは? そして合作の行方は? 書くことでしか進めない、不器用な僕たちの先の見えない青春!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
感情表現が素晴らしく、読んでいて息苦しくなるような場面があった。
書きたくても、書けなくて、すごくつらくて、だけど、書くことを諦めきれなくて、愛おしくて⋯⋯。
読んでよかったと思える作品だった。
暗い主人公やテンポの速くない物語が苦手な人は、あまり好きではないかもしれない。
Posted by ブクログ
私も趣味で小説を書いています。
読んでいて頭や喉を掻きむしってしまいたくなるほどに一也に共感してしまいました。
小説と必死に向き合って、何回も心を折って、それでも物語から逃げることができない一也と詩凪が愛おしいです。
個人的に九ノ里が凄く良い性格をしていて、友人に欲しいと思ってしまうほどでした。
とても素敵な物語です。
Posted by ブクログ
小説を介して本気でぶつかり合う様はとても印象的だった。高校生がここまで小説のことで熱く本気になれているのがとても新鮮で青春を感じた。これからも小説から心が元気になる養分を摂取していきたい。
Posted by ブクログ
この登場人物たちには感情と人間らしい温かさが通っている。彼らの抱える苦悩が、怒りが、悲しみが、そして何より喜びがダイレクトに伝わってくるのだ。
売れない小説家と売れっ子小説家が二人一組で競作をする事になる。彼らの創作の行方は果たして。
小説執筆とは文字通り骨肉の戦いである。出来上がらないプロットに泣き、思い通りにならない文章に怒り、思った通りの評価を得られない事に悲しむ。それでも小説家は書き続ける。それが呪いなのか、はたまた諦めない気持ちなのかはわからない。
この本に出てくる人物たちは好感を持てる部分だけではない。時にヘタレで、時に傲慢で、落ち込みやすく単純である。
それでも頁をめくる手が止められないのは彼らの今後がどうなるかを知りたいという展開がよくできているからだ。この本は面白い。温かくて、優しくて、どうしようもなく可笑しい。良い一冊と巡り会えて本当によかった。
Posted by ブクログ
売れない高校生小説家の一也と売れっ子女子高生作家の詩凪が、一作の小説を共作することに。
読者の批判に打ちのめされ自分の全てを否定し卑屈に振る舞う一也。
詩凪はそんな一也に軽蔑の色を隠さない。
何一つ分かり合えない二人を結ぶ"小説の神様"とは?
人はなぜ小説を読むのか?
作家はなぜ小説を書くのか?
その答えは読んでのお楽しみ
Posted by ブクログ
こんなに好きなものに没頭できるってすごいことだと思った。悩んだり苦しんだりしたことないから共感できなかったけど…
でも主人公の2人が「できないことをお互いに補い合う」ところは、なんだが夫婦の形や家族の形みたいだな〜と思いました。
Posted by ブクログ
【感想】
傑作だろう。傑作だと思う。一般的な人気もある。漫画化され,映画化もされている。しかし,そういった一般的な評価とは関係のないレベルで,たまらなく好きな作品である。
そもそも作者の相沢沙呼のファンである。相沢沙呼との出会いは,「午前零時のサンドリヨン」。どうして,そこまで好きになったのかは分からないが,大好きな作品である。とにかく文体が肌に合うのだ。とはいえ,欠点もあった。相沢沙呼が描く作品の,ヒロインはともかく,主人公にさほど感情移入ができない。そういう訳で,物語全体の雰囲気と文体,そして,どの作品にもあるどこか底意地の悪さを感じさせる部分に引かれている。
で,この作品である。この作品の主人公はかっこいい。この点が他の相沢沙呼の作品とは違う。これまで読んだ相沢沙呼作品の主人公は,かっこ悪いのである。この作品の主人公,千谷一也も,かっこ悪い部分があるのだが,中学2年生で,新人賞を取ってデビューしている小説家である。売れない小説家であるが,売れない小説家でも小説家ですらない高校生よりはかっこいい。
そして,ヒロインの小余綾詩凪。相沢沙呼の作品のヒロインはかっこいい。このヒロインもその例にもれずかっこいい。しかし,か弱い。弱さを隠し持ったかっこいいヒロインと,かっこよさを隠し持った主人公。なんかもう,がっちりはまった感じである。
千谷と小余綾が一緒に物語を作っていく姿が,分かりやすい起承転結で描かれる。出版界の,特に小説の厳しさがにじみでている作品でもある。小説内で,千谷が売れる小説を書きたいといっているのは,いやというほど分かる。お金は大切なのである。小説内で,小余綾が語る理想論ははなもちならない。
そういった相沢沙呼らしいひねた目線も持ちながら,まさに王道の起承転結で話は進む。衝突から始まって,意気投合。上手くいきそうに見えたところで,転。千谷のデビュー作の続編が出版されないこととなり,小余綾も物語の最後が思い描けない。しかし,最後はその壁を乗り越えて二人の物語が完成する。チープといえばチープ。どこにでもありそうな,まさに王道の話。しかし,相沢沙呼の文体で,かつ,千谷と小余綾だけでなく,九ノ里,千谷雛子,成瀬秋乃といった,たまらなく魅力的なキャラクターが織りなす物語は至上である。
どんでん返しもなく,分かりやすい起承転結でハッピーエンド。どこにこんなに惹き付けられるのか分からない。しかし,いい。読み終わるのが惜しいと思った小説は久しぶり。ちょうど,少し前に空色メモリという同じように高校の文芸部が舞台の作品を読んでいて,そちらもかなり好きな作品だったけど,こちらはそれ以上。
何がいいのか。やはりキャラクターである。全員たまらないくらい魅力的で,でも,なんとなく仲良くなれそうな人物として描かれている。こういう人たちとはうまくやっていけるのである。
読み終わるのが惜しい作品だったので,続編があるのは嬉しい。同時に,不安でもある。ここで終わってほしかったという気持ちすらある。それくらい至上のデキだった。点数としては当然★5。こういう小説を,ここまで好きになれる小説を,またいつか読みたいものである。
売れない高校生作家,千谷一也は,転校生の人気作家小余綾詩凪とチームを組んで,二人一組で小説を書く。千谷一也の小説は売れない。
〇 メモ
〇 第一話 星一つ
登場人物の紹介的な位置付け。千谷と転校生である小余綾は,教室で千谷から「小説は好きですか」という質問をしたことがある程度の関係だったが,文芸部の部室で,言い合いをする。
その後,編集者の河埜の紹介で,千谷と小余綾は一緒に小説を書かないかと提案される。
〇 第二話 虎は震えている
千谷と小余綾はケーキ屋で小説の打合せをする。小余綾がプロットを考え,千谷が文章にする。小余綾が考えるプロットは全部で5話の構成。推理小説的なテーマを内包しつつ,あえてロジックに着目せずに人間の愛しさ優しさを描くための道具。デキはいいが,千谷はやや違和感を覚える。ここで,ミステリ的な仕掛けが組み込まれる。この伏線が後で生きてくる。
千谷は小余綾のプロットを文章にするが,あえて売れるために自分の文章ではなく簡潔ですっきりした中身のないスカスカの文章で描く。
千谷一也は入院している妹を見舞う。妹のためにケーキを買いに行き,偶然に小余綾に出会い,妹に会ってもらう。小余綾は,雛子と話,雛子から千谷の話を聞き,千谷の偏った考えの理由をしる。そして,自らが読んだ千谷の小説を信じ,雛子のためにも自分の作品を千谷に託してもよいと伝える。
〇 第三話 物語への適正値
千谷は,改めて小余綾のプロットを文章につづり,小余綾にメールを送る。小余綾のメールの返事はそっけない文章でしかない。このメールの文章も伏線となっている。千谷はそのデキに不安を感じる。しかし,この段階では小余綾にその違和感を相談できていない。
小余綾の書くプロットの第三話には女子バトミントン部が出てくるので,千谷の提案で,バトミントン部の取材をする。
その後,千谷が知るワーキングスペースで千谷と小余綾は仕事をする。その中で,千谷は自分の思いを伝える。この主人公のままではダメだ。自分がこの主人公を描くと,読者が望まない人物になってしまう。このプロットは面白い。読んでもらうために,主人公の造形を変えてほしいと。
千谷は,部室で,成瀬への小説の指導をする。千谷は,売れるための小説の書き方を指導する。千谷は,成瀬に自分のような思いをしてほしくないと思って指導するが,成瀬は自分のような人間が物語の主人公になってはいけないのかと涙する。小余綾は,千谷にバドミントンの勝負を挑む。千谷が勝てば共作の主人公の造形を変えるという。
バトミントンの勝負は千谷が勝つ。小余綾は,「わたしは……。こんな大切なものをくれるあなたの中に,物語がないなんて思わない。」,「だから,わたしはあなたの物語を読みたいのー」と,自分の思いを告げる。
千谷は,自分を書き続けなくてはならないということに気付く。主人公の変更はなし。強くなくてもいい。失敗しても,嫌われても,挫折を繰り返してしまっても。
君は,主人公になってもいいのだと,ページを捲る誰かへ,そう伝えるために物語を描く。
〇 第4話 物語の断絶
第3話を書く千谷のところに,第4話のプロットが完成したと小余綾から電話が掛かってくる。今からそっちに行って話したいと。雨の中,夜中に小余綾が千谷の家に来る。夜を明かして二人で小説を描く。物語で言えば起承転結の承。二人の仲がぐっと縮まり,千谷は小説を描く楽しさを思い出す。小余綾は,千谷のデビュー作のファンだという。千谷は,そのデビュー作をシリーズ化させてもよいと思っていた。そのデビュー作の3作目を書きたい。こんど文庫化されるデビュー作に,そのような思いを持つ。
夕食後,サンドボックスというワーキングスペースで,千谷は先輩の小説家である春日井に出会う。春日井は,一般文芸とライトノベルの中間地点の読者層をターゲットとした新レーベルで刊行した「木陰亭奇譚」が売れず,打ち切りが決まったという。
千谷のもとにも連絡がある。千谷がデビューした出版社の二代目の担当者である野中から,千谷のデビュー作の続編は本にできないと告げられる。ここがこの小説の転。千谷のデビュー作の物語は断絶する。
千谷はショックで小余綾との共作もできず,学校にも行かない。九ノ里のおかげでなんとか学校に行き,成瀬に出会う。小余綾との対面。千谷は小余綾に思いをぶつける。結果として,二人は解散。二人の物語も断絶する。
〇 第5話 小説の神様
千谷は雛子を見舞う。小余綾も,千谷との関係が断絶する前に,雛子のことを見舞っていたという。
千谷は,九ノ里から,小余綾について書かれたウェブサイトなどを教えてもらう。千谷は見ないようにしていたから気付いていなかったが,小余綾は「舟城夏子」という作家の作品の盗作騒ぎでかなりのバッシングを受けていた。千谷は,小余綾が国語のテストで,一種のパニック障害になっていることに気付き,保健室に連れていく。小余綾は半年くらい前から,誰かに何かを伝えるために文字を書こうとすると頭が真っ白になる。
九ノ里からデビュー作が大好きだと言われ,成瀬から,先輩は小説を愛していると言われ,千谷は小余綾のために,一緒に物語を考えようという。千谷は,最初から感じていた違和感について伝える。この物語には願いがないのだと。
小余綾は,千谷に,ある小説家のエッセイについての話をする。その小説家は,息子から,「ねぇ,父さん。どうしてみんな,本を読んでまで涙を流したいんだろう」と問われ,「違うんだ。そもそも,小説っていうのは,泣かないために読むんだよ。」。千谷は,小余綾とほとんど同時に同じ言葉を口にしていた。
千谷は小余綾との物語を完成させ,小説の神様を見た。
〇 エピローグ
千谷と小余綾の小説は完成した。小説は二人の手元を離れ,校正の手が入る。夏休み。千谷と小余綾は教室で顔を合わせることもない。成瀬は実家の書店の手伝い。千谷は小余綾と何週間も会っていない。
家族の付き合いで,海外旅行に行っていた小余綾が戻ってくる。小余綾は,千谷の手首を掴み,強引に立ち上がらせる。「決まっているでしょう。」,「わたしたちの,次の物語を作りにいくのよ―」
〇 千谷一也
主人公。千谷一夜という名前で小説を書く。中学2年生のときにそれなりに名のある一般文芸の新人賞でデビューした売れない小説家。父親も作家
〇 小余綾詩凪
主人公,千谷一也が通う高校に転校してきた美少女。不動詩凪という名前で小説を書いている。千谷と同時期にデビューした作家であり,エンターテイメント性を重視した千谷とは別の文学賞の出身。水浦しずという名で文庫本で本を出す。
〇 千谷雛子
主人公である千谷一也の妹。入院中。不動詩凪のファン
〇 九ノ里正樹
文芸部の部長で,千谷一也とは中学校時代からの知り合いで友人
〇 成瀬秋乃
千谷一也が通う高校の1年生。文芸部が作った冊子に載った千谷の作品を読み,小説の指導をしてほしいと考え,文芸部に入部
〇 河埜さん
千谷と小余綾の担当編集者
〇 千谷一也の母親
出版社勤め。
〇 千谷昌也
千谷一也の父親。対して売れない小説を書き続け,家族に借金ばかりを残して死んでしまう。
〇 台詞
〇 もうね,お兄ちゃんを見ているとね,お金を払わずに作品を読むのが心苦しくて……。こんなんじゃファンを名乗れないから,お小遣い全部使ってでも,これからは文庫本をきちんと揃えていくよ!
〇 あえて言うなら,自分が,物語を綴る生き物だということを,どうしようもなく宿命付けられているのだと,そう感じる瞬間のことかしら……。
〇 研ぎ澄まされた日本刀のように,読み手の心へ深く切り刻んでくる。
〇 わたし,小説が好き。大好きよ。
Posted by ブクログ
続編を読む前に初めの物語を再読。やっぱりこの人の小説と、この話が好きだな。
最近の沙呼さんの苦労や苦悩にSNSでも触れてるから、最初に読んだ時よりも強く印象に残った。
自分も人の気持ちを描いた小説は大好きだから、素直に受け取っても沁みるんだけど、生きる物語として読んでも感じられるものがある話だった。次は続編。
Posted by ブクログ
色々問題は解決しなかったような気がするけど、小説を読みながら小説を書く人の葛藤を読むなんて面白い体験だった
苦しい描写が多い
書いた作品は残り続けるってそれだけで幸せだな
人それぞれに物語はあるって
そうなんだけど、自分は何も残せてないな
だから残せる人はいいなと思ってしまう
もう一度読みたくなる本
Posted by ブクログ
この本は、小説家 相沢沙呼の心の叫びなのだろう。
正直なところ、前半の主人公には全く共感できなかった。
ウジウジと後ろ向きで、日向にいる人間を羨むしかできないような、そんな男に見えた。
しかし、中盤も終わりに近付くと、物語は一気に加速して、グレードアップした武器を手にした勇者のようになり心を躍らせた。
なぜ小説家は小説を書くのか、なぜ人は小説を読むのか。
相沢沙呼の出した答えがこの中にある。
Posted by ブクログ
小説に力はないと負の感情を持つ売れない作家の千谷一也と、小説には力があると信じる人気作家の小余綾詩凪。 二人で共作をすることになり、衝突しながら、物語を作り上げていく。
自らの生み出す物語が売れないからこそ鬱屈な想いを払拭できない千谷は、小説が売れないことは自分が否定されているように感じ、陽向で生きる小余綾のことを受け入れられず、衝突を繰り返す。しかしその中で互いの苦悩を理解し、合作を作り上げる過程が、苦しみと成長を感じ、不器用な青春を感じた。
言葉の持つ負の力、言葉の不器用さ、言葉の遅さ。これらを感じる中で、言葉を積みあげることで完成される物語を編むことで伝わるものがあると訴えかけるような物語だった。
生きるための養分を小説から摂取している心に、小説を愛する心に刺さる小説だった。
Posted by ブクログ
おそらく、主人公を受け付けることができないという理由で低評価を付ける人がいるだろう。正にこの主人公、千谷の本の評価コメントで書かれたように。正直、私も好きとはいえない。よく周りの登場人物は、千谷を見捨てないなぁとも思った。
千谷の本で描かれた世間から不人気の主人公を、千谷自身がこの「小説の神様」の主人公として表している。作品中に出てくる名のないその他大勢役を、私たちが体験できるというなんとも面白い仕掛けで、私としては大変楽しめた。さらにこのダメな主人公がなぜ書かれるのか、どのような思いで書かれるのかを解説されて、なおこの主人公が受け付けられないとはとても言えないはずだ。
Posted by ブクログ
高校生小説家二人による、小説を書く事の意義を描いた物語
中学生で覆面作家としてデビューした千谷一也
作品を出し続けても初版部数は減る一方
ネットの感想を見ては酷評されて、自分が書く意味を見いだせなくなっている高校二年生
そんな中、有名進学校から転校してきた人気作家の小余綾詩凪
担当編集の河埜さんの勧めで、小余綾がプロット、千谷が文章を書くという合作をする事になる
片や出せば売れる人気作家の考えた物語を、売れない作家である自分が文章を書いて台無しにしてしまうのではないかという考え
しかし、彼女にも秘密があり……
物語を綴る意義、物語の力とは?を考える物語
映画を見たので、小余綾さんのイメージがどうしても橋本環奈になってしまう
他のキャストはあまり印象が残ってない
そんなわけで、秘密は知ってしまっていたけど、まぁ序盤からすでに訳あり感は満載ですよね
千谷くん、気づけよと思うけど、自分のことで手一杯って事なんだろうな
それにしても、文芸部の九ノ里くんが良いやつだなぁ
あと、成瀬さんも彼女なりに小説への向き合い方が好感が持てる
一也の考えは偏りすぎ
特に売れる小説の主人公像や物語の展開
それだと、何故イヤミスを好む人がいるかを説明できないでしょ
まぁ、ラノベの極一部のジャンルに関しての理論だし、それもさらに変化しているので、そんなに当てはまらないと思うよ
多分、一般文芸を読んでいるように思えるのに、そんな理屈を言ってしまうほどに打ちのめされているという事でしょうね
シリーズ化の持論も同様
とある作家さんによると、シリーズ二作目は一作目より売れないとのこと
なので、シリーズ化よりも新作を促される事も多いそうな
まぁ、もの凄く売れたらシリーズ化、ヒットしなければ新作で再挑戦という意味なのかも知れないけどね
メインテーマは、なぜ小説を書くのか、誰に向けて小説を書いているのか?
何故書くのか?というのは作家の業でしょ
どうしても書きたい、書かずにはいられないという人がさっかとしてやっていけるんでしょ
または、仕事と割り切って書ける人
私の場合は自分が小説を書かなくても世の中には素晴らしい作品が多数あるので、敢えて私が書かなくてもいいかなという程度
物語を摂取するのは貪欲ですけど、それを自分から外に出したいと思えるほどの熱い想いはない
小説を誰に向けて書くのか?という問い
作中では、自分の作品を待っている読者は何人か?と河埜さんに問う一也
これは考え方が違うかな
未だ存在しない潜在的な読者を含め、何人に届く作品を書くかという視点であるべきなのではなかろうか?
こんな人に読んで欲しいと思える物語の核があれば必然とそれは導き出されるはず
あまりにも売れないので、「売れる小説」という視点でしか考えられなくなっているからそんな発想になるのでしょうねぇ
確かに売れる小説の共通点はあるかもしれないけど、それと同じ共通点を持っていても売れる小説とは限らないという論理学の問題ですよ
そう言えば、作家の苦しみを描いたもので、さらにラノベだと「エロマンガ先生」になるなぁと思った
アニメしか見てないけど、売れる作家と自分の違いで苦悩するというのは売れない作家にとっては永遠のテーマなのでしょうかね?
Posted by ブクログ
学生作家の2人が小説を合作するという設定が好き。作家の気持ち、小説を書くことへの向き合い方などが描かれているのも面白かった。
主人公が悩んでる期間が長かったのが残念。まぁ悩みの部分が作者としては一番伝えたいところだったんだろうなとは思った。
Posted by ブクログ
それぞれに心に傷を負った二人が、葛藤を経て小説を作り上げる話。
やや都合がよいストーリーだったり、主人公がやたらひねくれていたり、前半はなかなか進展しなかったりと、多少ストレスは感じる。
しかし終盤の、それぞれの過去を乗り越えて心を通じ合わせる様は思わず心を揺さぶられるものがある。小説は願い、という言葉が印象に残った。
Posted by ブクログ
千谷一也
高校二年生。売れない高校生作家。文芸部に所属。三年前に千谷一夜の名前で新人賞でデビューした。一切の素性が不明な覆面作家。
小余綾詩凪
高校二年生。人気作家。一也の高校へ編入。不動詩凪という名で小説を書いている。一也と同時期にデビュー。エンターテイメント性を重視した別の文学賞の出身。その容姿から当時は美少女作家として持て囃された。
河埜
一也と詩凪の編集担当。二十代半ばの女性。小説を書くことを諦めている一也に、二人で小説を書くことを勧める。
千谷昌也
一也の父。売れない作家。専業作家であることにこだわり続けて、あるとき、ぼっくり逝ってしまった。
九ノ里正樹
高校二年生。文芸部部長。一也の友人。一也に小余綾詩凪を文芸部に勧誘するよう、話を持ち掛ける。
成瀬秋乃
小説を書いている高校一年生。一也に小説の書き方を教えてくれるように依頼する。文芸部に入る。本屋の娘。
一也の母
出版社勤務。
千谷雛子
一也の妹。入院中。不動詩凪の大ファン。
水浦しず
小説家。
綱島利香
秋乃の中学からの友達。
古宮
バドミントン部。
矢花
一也が利用するコワーキングスペースのバイト。
春日井啓
作家。
野中
一也のデビューした出版社の二代目の担当者。
船城夏子
四十代半ばのベテラン作家。傑作を多数生み出している著名な作家。
Posted by ブクログ
このところ、書店や作家さんの裏事情?を書いた本を
読む機会が続いて、ホントに大変な世界なんだなと
思いました。
この物語も、作品を作る大変さが描かれており
はじめは面白かったのですが
最後までずっと主人公がウジウジしっぱなしで
いつまでこの調子で続くんだろう?と
途中からはちょっと疲れ気味に。
ここで描いてあるような「前向きで誰もが憧れる主人公」
を求めているわけではないけれど
ちょっとウジウジが長すぎる⁈という気持ちになりました。
Posted by ブクログ
3.2
好きな作家。
予想していた通りラノベタッチが鼻につき、なかなか好きになれなかったのだけど、半分読んだ頃からだんだんと面白くなり、
小説を書くこと、小説家である苦悩や2人の秘密(?)が明らかになってくると一気に読み終えてしまいました。
小説を書くことに心血を注ぐ2人が眩しかったです。
これを読んでから高校生活を送りたかったです。無理だけれどw
Posted by ブクログ
メディウムと、インバートを読んで、同じ作者なので読みました。
小説家の2人がお互いにきずつきながら乗り越えていく、ボーイミーツガールです。
後半ぐらいから面白くなってきて、終わるんか、これ?と思いながら読んでました。
Posted by ブクログ
正確に書くと星3.1。
小説家が主人公で、主人公が自分の仕事に思うことの節々に現実感があって、もしかして作者が思っていることなのかなと思って読んだ。
ヒロインの性格の変わりようにちょっと違和感を覚えたが、これは人によるかもしれない。
2人の小説がその後どうなったのかと、主人公の小説の変化は書いていて欲しかった。
Posted by ブクログ
いかに理想とされる人でもやはり現実は容赦なく何かしらある。それでも前に進む。
…しかし主人公がウジウジ…グチグチ?してんのがちと長く、思わず流し読みしてしまった…。
最後は前向きで良かったです。
Posted by ブクログ
一也と詩凪の掛け合いが、見ていて微笑ましかったです。スランプに陥る作家、千谷一夜の作品をファンとしていつまでも待ち続けてくれる編集の河埜さんと一也の妹、雛子ちゃんの存在が温かかった。
ラストで一也が気づく、「小説とは、◯◯だと思う」のセリフにグッと来ました。シリーズの続きも読んでいきたいです。
Posted by ブクログ
・小説に込められている「願い」のちからと、それを綴る戦いの話し。
・書店に並んでいる全ての小説と作家の後ろにこれがあるかと思うと、本棚がとても大きく見える。
・もし、この作家が実はこんな想いをしていないとすると、むしろその想像力に驚嘆する。
1.小説の神様
2.小説の神様 上 あなたを読む物語
3.小説の神様 下 あなたを読む物語
4.小説の神様 わたしたちの物語 小説の神様アンソロジー
Posted by ブクログ
後半、、というよりほぼ終盤の第五話からようやく面白くなった印象。主人公は内省が多い上にやたら卑屈で自己評価が低いので、気持ちよく読み進めることが困難でした。その調子でまるまる四話分、ほぼ転調もなく続くのでなかなか苦痛でした。もう少しサクッと読めるかなと思っていたので、予想外に体力を使った感じです。
おそらくわざと描いているのだと思いますが、表現が回りくどい上に結論に裏切りがないので、ただ冗長に感じる描写が多いように感じました。それが私にとっては合わないなと感じるポイントでした。
また、直感的に読めない名前を主要人物に採用されているので、思い出すために何度も読み返さなければなりませんでした。そのため、スムーズに話に入り込めなかったです。これは私の記憶力の問題も大いにありますが、海外小説でもないのだから、人の名前くらいもう少し覚えやすいものにしてほしい。
とにかくこんなに苦痛ポイントがあったのですが、結果的に面白かったという不思議。
Posted by ブクログ
陽向か日陰かは性質に過ぎなくて、結局のところは才の有無が先に来る。だから、タイプ違うキャラのどれに移入しても、結局自分には才が無いと打ちのめされる。認められたいよ。許されたいよ。希望はね。
Posted by ブクログ
主人公が他人に八つ当たりして塞ぎ込む嫌なタイプの人間だったので、あまり感情移入できなかった。(あと応答が「おう」なのが似合わない気がする)
と、ブツブツ文句を言っていたが、最後は普通に感動した。
Posted by ブクログ
若くしてデビューしたものの、ヒット作を生み出せず苦しむ一也が、美少女転校生で人気作家でもある詩凪と共同で小説を作ることになる。一也がひたすらネガティブな姿勢であるところや、セリフが現実離れしすぎてるところに読みにくさがあったけど、小説を生み出そうとする一也や詩凪の苦しみには作者の気持も込められているのかなぁと想像した。普段から作家の偉大さは認識しているつもりだけど、改めてゼロから物語を生み出すことの大変さ、それを受け取る側も大切に読んでいきたいと思いました。
Posted by ブクログ
う~ん、これは少し、構成で損しているのではないかと思いました。
青春ものということもあるかもしれないが、文体が時折、軽い感じになるのが気になる上に、とにかく負のオーラを纏った主人公に感情移入出来ない。
と思ったら、急にヒロインと意気投合みたいな感じで、第三話を読み終えた時点で、読むの止めようかなと本気で思いました。
しかし、第四話に入ってからの急展開で、雰囲気がガラリと変わり、軽い文体もほぼ無くなり、物語の世界に一気に入り込めました。
ちなみに、私は「小余綾詩凪」が「千谷一也」に文庫本を叩き込むシーンにグッときたのですが、この時点では、まだ小余綾の真相を知らなかったので、それも含めれば、また違った感動を得ることになります。
そして、この作品で印象的だったのは、小説を書くことと、自分自身を好きになることや認めてあげることが、繋がっていること。もちろん、小説を書くことの出来る素晴らしさや大変さも実感したのですが、誰の中にも伝えたいことや想いがあること。そこには、辛いことや苦しいことや、しょうもないこと、何でも含めていいんだよ。他人が何と言おうが、あなたの中から湧き出してくるもの、全てがあなた自身の物語として認めていいんだよ。と言われているようで、自己肯定の大切さを感じました。
なので、出来れば、最後まで読んでほしいと思います。
それから、主人公の一也の序盤の感情移入のしづらさは、作中作なのかもしれません。物語の中で一也が、自分みたいな主人公の物語なんて、誰も読みたくないだろうと言っていたことに対して、相沢さんが意図的にやっているのかも。
もちろん、小説の素敵なところが、この作品に書いてあることだけではないとも思いますが、やはり、青春を謳歌している方々には、共感出来る点が多いのではないか、とは思います。
Posted by ブクログ
「小説を書くこと」と
「小説を読むこと」は違う
「小説を読むのが好きな人」なら
楽しめる内容だと思う。
どの作者も最初は、初めから万人のために書くわけではなく、誰かのために書き始めるのだろう。
情熱の火で暗闇を照らして、
自分を信じて前に進むしかない。
どこかに、誰か伝わる人がいると
信じてひたすら進むしかない。
情熱の火が消えたら
暗闇の先も見えず、何もできない。
好きなモノを「嫌い」にしないと
やりようがない気持ちってのが
痛い程わかる…
自信がなくなり、成功している方法に飛びつく、自分を見失う。
小説家としてデビューしたものの
ネット上のレビューで酷評
売上部数も伸び悩む状態
物語が書けなくなってしまった主人公は、その火が消えてしまっているところから始まる。
そして、同時期にデビューした天才作家であり頭脳明晰、誰からも好かれる顔を持つが美少女作家と出会い、二人で作品を創ることになり…
「ボーイミーツガールモノ」で
「作家モノ」と分類することができる。
主人公視点の描写は男子高校生のアレ
でヒロインに「卑猥」と叱られても仕方のない感じでしたけど、小説への想いは二人ともとてつもなく熱い。
プロの作家として見てきた「現実」と物語がもたらす力を信じる「理想」がぶつかり合いながら、前に進んでいく
二人の熱量に、「小説を書きたい人」なら、読むのが苦しい、辛い…
でも、更に心の火がもっと燃えるかもしれない。そんな物語。
・苦労して書いた作品も、その数分の一の時間で読んだ読者の評価に左右されてしまう。
普段、このレビューもそうですが
好き勝手書かせてもらってます。
その弊害にも触れるし、出版業界の問題にも触れる。押さえるところはちゃんと押さえていて素晴らしい。
同じ講談社タイガの「絶対小説」
の混沌ぶりも「創作の想いの爆発」という印象を受けたけど、この作品も二人とも想いが破裂し合いつつ、新たな希望を膨らませてラストに向かって行くのが苦しいけど心地良かった。
九ノ里は、いい奴…
成瀬ちゃんも、いい子…
主人公の妹は、痛いオタク…