相沢沙呼のレビュー一覧
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ネタバレ再読。
図書室の司書さんであるしおり先生と、多感で繊細で生きづらさを感じている女の子たちが、本を通して繋がる連作短編集。
いじめの描写がほんとうに辛くてなかなか読み進められなかった。
悪口を投げかけられたり、弁当箱に落書きをされたり。
いじめられっ子の三崎がネットのコメントを読んで、逃げることはだめなことなんだと自分を苦しめていく場面にこちらまで胸が締め付けられる。
自分も嫌なことや打ちのめされることがあると「人生詰んだ」「こんな自分が立派な大人になんてなれるわけない」と思ってしまうけど、生きている限り今目の前にあることに必死になるしかなくて、その連続の先に今は想像もできない姿の大人になった自 -
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このミス一位にも輝いた周知の名作ミステリ「medium」。
今作「invert」では、なんと犯人が最初からわかっている倒叙ミステリ形式からなる三篇!
(倒叙ミステリとは、古畑任三郎や刑事コロンボシリーズみたいなスタイルのことです)
城塚翡翠が華麗な推理で、謎を解き明かしていきます。
犯人は、「幼馴染の社長に恨みを持ち続けていたエンジニア」「学校の盗撮魔から児童を守るため手を下した小学生教諭」「冷酷非情でとにかく頭の切れる強敵殺人鬼」
翡翠が霊能力なるものを持っていないことは、前作でどんでん返しと共に把握済みでした。
しかし、今作でもそのトンデモない記憶力と観察眼、そして人心掌握術で、事件を決定 -
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ネタバレ⚠️⚠️⚠️
何年後かに自分が思い返した時に思い出せる様に感想というよりメモ代わりに書いているので、壮大なネタバレが書かれています。
今後読む予定の人が間違って開いたのであれば戻る推奨です。
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4.6
読書から離れて2年、久々に読んだ4冊目。
兎に角、城塚翡翠の描写が可愛かった。
万人受けする様な純粋無垢な理想の女性という感じで、悪く言うなら天然故にあざとく見えるかも程度。
また「」語り手描写が多く非常に読書初心者の自分でも理解しやすく読みやすかった。
内容は主人公であるミステリー小説家の香月史郎×霊媒師の城塚翡翠が事件を推理し -
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ネタバレ百合作品といえば、ただただ男女の関係の男の方を女性に置き換えただけのものと思いがちだ。事実、私はこれを読むまでそう思っていた。
ただでさえ恋愛経験が少ないから、こういった感情の機微を理解するのは正直言って難しいところだけど、男女の関係以上に繊細なことだろうし、それぞれの心情の変化なんかもまったく違ったものになるだろう。それをそれぞれここまでうまく表現したものは他に類の見ないのではと思う。
私もまだまだ百合ビギナーであることを自覚したので、百合の教科を必修科目にしたうえで、教科書に全作品掲載して教師に解説したもらいたい。
特に好きな作品は5作品目、斜線堂有紀先生作の「百合である値打ちもない値 -
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ネタバレ素直に楽しめた作品。
前半は現代ファンタジーなのかな?と思い霊媒師という物を自分の中にインプットさせて、この小説の世界観に浸かることを心がけていた。
どこか逆転裁判のような設定だなとも感じた。
霊媒師と弁護士で事件を解決していく様が似ていたからだ。
その展開のまま進むが、表紙の違和感がずっと抜けなかった。
この表情の女性から乙女のようなキャラクター像にギャップがありすぎて...
でもそういう設定だからと自分の中で言い聞かせながら読み進めた中盤
そこら辺から連続殺人犯の秘密に気づく。
トリック的にはレイジングループを思い出させる。
小説家という点でも同じだし、ペンネームで名前を偽装するあた -
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ネタバレヤンキー、ミステリと出会う(青柳碧人)
実態はどうであれ、暴れウサギの異名は可愛い。
うまいこと被害者の性格を利用しての犯行で面白かった。
でも「琥珀のタマナ」が何とも言えない気持ちになる。
将棋部、無実を証明せよ(秋木真)
そこまで見て聞いたなら気になりますよね。何がったのか。
絵を簡単に辞めたのは理解できなくても、やってはいけないんですよね。
どんな理由であれ話が違う。
屋上の雪融け(相沢沙呼)
かっこいい探偵だ。
どのタイミングでどこまで見通したのか。
聞いていないようでちゃんと聞いてくれている。
優しいね。
学生時代の母の原稿(似鳥鶏)
凄い。出来てた二つの話を娘に合わせて混ぜた -
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シリーズ第3弾
この設定結構好き!
自身が美人である事を自覚して、あざと可愛く見せたり、脳足りんに見せたりも計算のうち。
霊媒師に化けたり、直感で解決した風に見せたりするけど、結局は、論理の塊。
色んな見せ方するのも、自身の論理の確認の為。人を信用せず、自身すらも信じずに…
まっ!可愛くない娘ですわ!
でも、美人なんで…(^◇^;) 許してしまうという…
コロンボ形式ですな。(倒叙ミステリーね)
まずは、犯人が犯行してから、話が始まる。
話は、2つ
1つは、思春期の男の子を色気でたぶらかす感じで、徐々に明らかにしていく。
まぁ、男なら、別に思春期やなくても、即崩れそうではある…(^◇ -
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城塚翡翠シリーズ第三弾。
こちらも「倒叙もの」であり、俗にいう古畑任三郎形式。
ただ、これまでのミステリと異なるのは「犯人視点」と「城塚視点」を細かく変えることで、城塚翡翠がどのようにトリックを見抜くのか、そのホットリーディングとコールドリーディングを明かすシナリオになっているところ。
特に、序章にあたるストーリーでは、まるで悪いラノベのような雑多な話が進む一方で、所々で城塚翡翠が「違和感」を感じ始め、そこから今し方起こった事件の全容を把握してしまうという、名探偵コナンもびっくりのシナリオになっている。
その後、副題になっているストーリーでは、城塚翡翠がどのような視点でトリックを読み解くかに