相沢沙呼のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレinvert 城塚翡翠倒叙集
前作のmediumではあり得ないくらいひっくり返されたが、そんな城塚翡翠シリーズ2作目にしてタイトルがinvert(反転する)とは随分ハードルをあげたものだと思いながら読み始めた。
3話からなる短編集なのだが、1,2話目はそこまで…という印象だった。
倒叙集ということで最初に犯人がわかった状態で話が始まるのだが、犯人の動機に共感の余地が多くどちらかというと犯人側に肩入れしてしまい、その犯人を無慈悲にも叩きのめす城塚翡翠という構図があまり好きになれず。
ただ3話は非常に良かった。
最後まで読み終えた今となっては敢えて1,2話を薄い読み口にしたのではないかと思う -
Posted by ブクログ
ミステリーをミステリーで重ねた様な本でした。
序盤の事件の解決は予測できないものばかりで、犯人が分かったり解決した時はスッキリしました。(この頃は驚きはなく、ありきたりな感じはしました。)
しかし、最後まで読むと、序盤はこの最後のための単なる飾りなのだとわかります。この最後を予測できる人はいるのか!?そして、結局、主人公の城塚翡翠は何者なのか!?最後まで読むことでこの本の面白さがわかります。
1番好きだったところは、私は普段、死後の世界について考えることが好きなので、こちらの本の霊界についての世界感が結構自分の考えと重なり好きでした。
私には少しもの足りませんでしたが、みんなが好きだって -
Posted by ブクログ
女子中学生の校内カーストで下位に位置付けられてしまう生徒の胸の内が語られていて辛い。
もし自分がその立場であったらどう打開していくのだろう。
作品の中それぞれのエピソードの結末はあるのだがハッピーエンドではない。
その結末の後も彼女らの苦しみと戦いは続いていくはず。
この作品を読み終えてもそれだけでは現実問題に解決の道があるという光明はない。
何故ならカースト上位の彼女達が作り出す陰湿な現実を誤魔化しなく描いているだけで救いの手をのべてはいないから。
ただひとつ、苦しんでいるカースト下位の彼女達がこの作品を読めば自分だけが辛いのではないと思い至るきっかけにはなる。
それは解決にはならないが彼女