【感想・ネタバレ】invert 城塚翡翠倒叙集のレビュー

あらすじ

※本作品は、2021年発売の単行本版『invert 城塚翡翠倒叙集』を文庫化した作品となります。重複購入にご注意ください。

★★★★★
★第20回本格ミステリ大賞受賞
★このミステリーがすごい! 1位
★本格ミステリ・ベスト10 1位
★SRの会ミステリーベスト10 1位
★2019年ベストブック
さらに2020年本屋大賞ノミネート、第41回吉川英治文学新人賞候補
あまりの衝撃的結末に続編執筆不可能と言われた、5冠獲得ミステリ『medium 霊媒探偵城塚翡翠』待望の続編!

すべてが、反転。

あなたは探偵の推理を推理することができますか?

綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。
だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが……。
ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか?

ミステリランキング五冠を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』、待望の続編は犯人たちの視点で描かれる、傑作倒叙ミステリ中編集!

invert
in・vert
【他】…を逆さにする,ひっくり返す,…を裏返しにする;
〈位置・順序・関係を〉反対にする;〈性質・効果などを〉逆転させる;
inverted detective story:
倒叙推理小説

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Posted by ブクログ

やっと買えた。半年くらい本屋を駆け回ってた気がする。

3章からなる短編集。1つ目の話は自分もエンジニアだからか、アリバイの穴には割と想像通りだった。というかやろうと思えばもっと確実にアリバイを作れると思う。実際は警察ももっとITについての知見はあると思うので、そんな上手くはいかないけど。

というわけで1つ目の話は期待外れすぎてちょっと心配してしまったけれど、2つ目と3つ目はめちゃくちゃ面白かった。特に3つ目はまんまと騙された。よくある手法なのに全く疑わなかった。全てが反転した。次回作も楽しみ。

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2026年06月26日

Posted by ブクログ

面白かった。
表紙は翡翠ちゃんが二人いるの??
それとも?
この絵が好きですねぇ。可愛い。
中身は倒叙ミステリです。
物語の冒頭で犯人や犯行の手口が明かされる推理形式のミステリー。
可愛いくて若い古畑さんみたいな感じで面白い。
犯人が分かっていると、誰がを考える必要ないので、推理に集中できる気がする
今回は斜め上を言ってて推理は当たらなかったけれども。

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2026年06月12日

Posted by ブクログ

またやられた()
今作は倒叙集で犯人視点の物語だけど、やっぱ犯人視点でも翡翠ちゃん目線で読んでしまう笑
城塚翡翠は色んな意味で最強の探偵だなと読んでて思った、今まで読んできたミステリーの探偵の中でも1番凄いんじゃないかなと個人的には思った、今作も最後はえ?って少し混乱したしほんとにやられた、面白かったー、シリーズ最終作のinvert2もこれから読み始めるから楽しみ!

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2026年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

1作目のmedium読んで面白かったので、すぐ買ってすぐ読めた。

前作とは違って、翡翠の正体が明かされての話だったから、今回はどんな仕掛けがあるのだろう。もう仕掛けようがなくないか。と思っていたらちゃんと最後やられました。

続編もすぐ読みます。

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2026年04月04日

Posted by ブクログ

mediumの衝撃が凄すぎて続編の評価が霞みがちだが、本作も良作。三編中編が収録されていてだんだん深度が上がる。三編目の信用ならない目撃者は一気読みした。

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2026年04月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

だから言っただろう、城塚翡翠には誰も敵わないって〜。

探偵の推理を推理する。非常に愉快なテーマの小説でした。倒叙ミステリと呼ぶそうだが、最近読書にハマった自分には難しい内容だった。しかし、翡翠お決まりの探偵の時間では、しっかりとヒントを示してくれるので分からなくても考えることで面白さが何倍にも跳ね上がるのが良かった。個人的には真ちゃん推しです。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

推理小説は全く読んだことがなくて、初めて手に取った推理小説が「medium」でした。
最後の逆転が予想外で「騙された!」となりました。
私自身、推理小説の初心者ですので、「犯人が誰なのか」というのを予測して、当たったら楽しいという風にイメージしてました。ですが城塚翡翠が言ってた通り、「推理小説は推理を楽しむよりも、驚くことが目的となって読まれている。」というのは推理小説の楽しみ方に考えさせられます。
読み終わって思いましたが、倒叙ミステリで読者を楽しませたり、思わず殺人犯に肩入れをさせたくなる小説をつくる相沢沙呼さんは天才です、、

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2025年12月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

mediumとは違って犯人が最初からわかってるけど、解決編になってからの城塚翡翠はマジでスゴすぎる

もうこの一言につきる……!!!

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

このミス一位にも輝いた周知の名作ミステリ「medium」。
今作「invert」では、なんと犯人が最初からわかっている倒叙ミステリ形式からなる三篇!
(倒叙ミステリとは、古畑任三郎や刑事コロンボシリーズみたいなスタイルのことです)
城塚翡翠が華麗な推理で、謎を解き明かしていきます。
犯人は、「幼馴染の社長に恨みを持ち続けていたエンジニア」「学校の盗撮魔から児童を守るため手を下した小学生教諭」「冷酷非情でとにかく頭の切れる強敵殺人鬼」
翡翠が霊能力なるものを持っていないことは、前作でどんでん返しと共に把握済みでした。
しかし、今作でもそのトンデモない記憶力と観察眼、そして人心掌握術で、事件を決定づける証拠をガッツリ掴み取っていきます。
犯人側の視点パートもあるため、まるで自分が徐々に翡翠に追い込まれてしまっている感覚で、少しだけ犯人に同情してしまいました笑
しかし最後の「信用ならない目撃者」の犯人は、翡翠からの様々な罠を仕掛けられても全然動じていないのでめちゃくちゃ強敵じゃん…って思っていたのに…(翡翠の手のひらで踊らされていたにすぎなかったとわかった時には畏怖すら感じました)
こんな化け物に目をつけられるこのシリーズ、なんと次作が既に発刊されているとのこと!
楽しみでなりません。

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2025年12月08日

Posted by ブクログ

犯人が犯行を行った状況を読者が理解した上で始まるので、翡翠が『どう推理していくか』がより際立っていて面白い。まぁ一作目に比べれば『あっと驚く』展開はないかもしれないが、ミステリとしてはとても面白かった。特に最後の『信用ならない目撃者』は予想を遙か斜め上を行く展開なので、めちゃくちゃ面白かった!

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2026年06月24日

Posted by ブクログ

名探偵の推理を推理する読者への挑戦
全く気付けないことの方が多かったけどたくさん頭と時間を使えて楽しかった。

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2026年06月16日

Posted by ブクログ

完全犯罪に挑む城塚翡翠。今回も、楽しませてもらった。追い詰められた翡翠がどのようにして謎を解いていくかが楽しい

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2026年05月27日

Posted by ブクログ

今回は3つの事件の倒叙集。
泡沫の審判は翡翠のぶりっ子演技が演技と分かっててもイラッとしました(笑)

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2026年05月12日

Posted by ブクログ

前作で翡翠のキャラや、この本の読者に対する狙いが何となく分かってたから本作ではどう来るかと思ってたけど、見事にやられてしまった…
前作よりも割とサクサク読み進んだけど3編目でそれまでの自分の認識が反転
個人的に倒叙ミステリーは新鮮で良き

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2026年05月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

論理も叙述もしっかりしていて面白かった!けどmediumの時には知らなかった翡翠さんの裏を見てるから苛立って所々読むのをやめてしまったことがある笑
「うっかりさんでした」とか「ちゃらららーん」とかなんか、、、笑

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

mediumが面白かったので期待して手に取りました。
本書の1~2話は、1作目と同じような展開、かつ主人公がネタバレしていることもあり面白さ半減かな?という感じでした。しかし3話で強敵と対峙し大苦戦、どんでん返しあり城塚翡翠節さく裂もありで面白かった。

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2026年05月01日

Posted by ブクログ

2作目。倒叙、なかなか漢字が読めないし、意味もイマイチ理解できなかったが、倒叙集面白い。犯人を応援するほど引き込まれる。

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2026年04月18日

Posted by ブクログ

刑事コロンボや古畑任三郎を思い出す。ターゲットに何度もしつこく質問するが、またその質問もなぜそんな質問を?という関係なさそうなものから確信をつくものから様々。
ターゲットをイラつかせる方法や意味をこの続品では解説していて面白かった。

全2作は同情の余地ある内容で、特に2作目は翡翠の殺人がなぜいけないのかの悲痛な訴えがあって翡翠の過去や今後の展開に期待できそう。確かに、正義のために大切な人が殺されて仕方ないと納得なんて誰にもできない。戦争みたいに…。
最後の作品はざまぁ感あってすっきりするが、うーん、そんな他人を演じられるかと疑問。
千和崎真ちゃんってそんな事できるんだーって少しひいてしまった。
いや、まさかのトリックで面白かったんだけどね!

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2026年03月28日

Posted by ブクログ

倒叙もののおもしろさは、犯人がわかっているだけに、その犯人が一喜一憂するという心理状態を俯瞰的にニヤニヤして読めること。どうして犯人は、みんな翡翠の会話に乗ってしまってペラペラ話すのか、自分だったら「警察の捜査に任せておけば」と言って無視するのにとか、思ってしまいました。あとは本当は主人公である翡翠を応援するはずなのに、いつのまにか犯人を応援してしまいますね。ストーリー面では、最後の物語は、まさに反転の見事なストーリー!さすがのおもしろさに満足できました!

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2026年03月15日

Posted by ブクログ

inventⅡ文庫本発売に伴い、再読しました。
内容的は面白く、1作目の面白さから期待値がかなり上がりました。若干落ちましたが最後はあああとなりました。更なる続編を望みます。若干古畑感➕どんでん返し

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2026年03月11日

Posted by ブクログ

ネタバレ

あの『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の続編。今度は倒叙モノ。

綿密な犯罪計画により実行された殺人事件。
アリバイは鉄壁、計画は完璧、事件は事故として処理される……はずだった。
だが、犯人たちのもとに、死者の声を聴く美女、城塚翡翠が現れる。大丈夫。霊能力なんかで自分が捕まるはずなんてない。ところが……。
ITエンジニア、小学校教師、そして人を殺すことを厭わない犯罪界のナポレオン。すべてを見通す翡翠の目から、彼らは逃れることができるのか?

前作ではすっかり城塚翡翠に騙され、果たしてあのオチから続編が書けるのか…?と思ったら普通に出てきた。
無論、もう読者は城塚翡翠がどんな人なのか知っている前提なので前作と同じノリではない。
今回は「城塚翡翠の推理を推理しろ」とのこと。いや分からんて。
元々ミステリで犯人当てみたいなことをせずに読むタイプであるため、普通に犯人側の視点で読み進めて無事に翡翠が嫌いになったw
いやこの娘性格悪いよね。
相棒の真さんが可哀想。

内容的には中編集であり、最初が割とストレートな倒叙モノ。ただ犯人のアリバイはクラウドサービス側の監視ログ見れば一撃ではなかろうかという気がしないでもない。
二編目は犯人側に限りなく正義というか、100人いたら97人ぐらいは被害者◯したくなるよねって話。
ただ翡翠さんはどんな理由であれ殺人は絶対に許せないという主義主張の持ち主。
二編目の犯人に対しては最後に自首扱いにしてあげてるあたり、それなりに翡翠さんも思うところがあったのか無かったのか。全部演技と言われたらもう元も子もないが。
三編目は元刑事による完全犯罪&翡翠の「霊能力者」ブラフがまったく効かない、論理に論理で返してくる手強そうな相手。
途中で翡翠が思うようにいかないのを見てちょっと溜飲を下げたのはナイショである。
…が、最後にまたやられた。さすがにズルくね?翡翠が翡翠じゃなくて真で、梓が翡翠だったのだよ最初からね、って。あと動体視力と記憶力がトンデモなさ過ぎてちょっと。

三遍ともに犯人は完全犯罪を試みて、主観的にはほぼ完璧なんだけども翡翠から見ると穴だらけという構図。そうそう完全犯罪なんてできませんよという事か。

それにしても繰り返しになるが城塚翡翠のキャラが良くも悪くも秀逸。腹立たしいけど誰も勝てない。本気で慌てる翡翠さんが見たいものである。

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2026年03月04日

Posted by ブクログ

また騙された!
mediumの時と一緒で、途中まで面白いけど普通だなって思ってしまったのに最後の最後でまたひっくり返された。小説を読んであんまり感じたことの無い「すっごい」って感想が素直なところ。パフォーマンスを見ているようだった。また次も楽しみ

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2026年02月23日

Posted by ブクログ

予想の遥か上を行く翡翠のファンになりました!
全てが計算なのか、それとも天然が入っているのか…
続編も読みたい

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2026年01月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

4.0

最初はやっぱりメディウムより満足感が落ちてしまうかな?と思っていましたが、無事ラストで見事に殴られました。ちょっとした違和感を覚えつつもしっかり騙されました。圧巻です。

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2025年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

古畑任三郎が大好きなので、楽しんで読めた。
犯人がわかっているのに面白いのは、やはり翡翠のキャラがいいからかな。
何が真実で、何が嘘なのか。騙されまいと意気込んでいたのに見事に騙された。笑

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2025年12月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 第20回本格ミステリ大賞受賞等、様々なミステリランキングで1位を獲得した『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の続編。目次に、「この作品は、『medium 霊媒探偵城塚翡翠』の結末に触れています。未読の方はご注意ください。」とあるように、前作のネタバレが含まれる。
 そのそも、前作である『medium 霊媒探偵城塚翡翠』は、一見、霊能力者である城塚翡翠が霊能力で見つけ出した犯人を、探偵役の香月史郎が論理的に謎を解き明かす…という構造をして、実は香月史郎が真犯人の殺人鬼でした!というオチのミステリと見せかけ、さらにその裏に、実は、城塚翡翠は霊能力者でなく、より早く、より論理的に事件を解決し、霊能力者のフリをして香月史郎を騙し、香月史郎の正体を見破ったというミステリだった。霊能力者である美少女、城塚翡翠のキャラクターが反転する最終「 VSエリミネーター」には驚愕したものである。
 今作は、城塚翡翠があざとい探偵であることを前提としつつ、倒叙ミステリとして犯人側の視点から犯罪が描かれ、犯人のミスを城塚翡翠が暴いていく。
 倒叙ミステリとしてはオーソドックスでありつつ、古畑任三郎のパロディめいた部分もあり、作者の遊び心が伺われる。倒叙ミステリで肝心な部分は、一見、犯人が完全犯罪を成し遂げたと見せかけ、思わぬほころびから決定的な証拠を見つけられ、犯人が敗れるという展開となることである。犯人の犯罪が杜撰なものであったり、探偵からの指摘にいくらでも言い逃れできそうなのに、犯人があっさり諦めるのも興ざめ。探偵対犯人という構造を簡単に作れるため、サスペンスフルで読んでいるときは面白く感じる作品が多い一方で、最後まで読んでがっかりすることも多いジャンルでもある。
 1作品ずつ掘り下げた上で、最後に感想を述べる。
● 雲上の晴れ間
 システムエンジニアの狛木繁人が、自身が勤務する会社の社長・吉田直政を殺害する。柏木と吉田は中学校時代の同級生でもあり、柏木は吉田に負い目を感じていることもあって、吉田に利用されていた。犯行があった時間。急遽発生したバグの調査を会社で行っていたというアリバイ工作をする。
 柏木の隣家に、城塚翡翠が引っ越してきて、翡翠は柏木に接近しつつ、犯行の証拠を探る。
 invertの1作目で、倒叙作品としての形が示される。犯人の身近な人物として翡翠が犯人と接する中で、犯人のミスを誘うというもの。翡翠の仕掛け、犯人のミスは以下のとおり
 翡翠曰く、稚拙な犯罪のくせに、幸運に恵まれ、指紋やDNAなどの証拠を残さず、たまたま監視カメラや人の目にも留まっていない犯行とのこと
 犯人のミスは以下のとおり
・浴室の位置を知っていることがバレる。
・「水が流れる音」を「水が注がれる音」と言ってしまう。
・(会社内と見せかけるために)ホワイトボードを動かしたことが見破られる。
・ペットボトル(炭酸水)にキャップが開けられていた。
・被害者の眼鏡のレンズに不自然に掌紋の跡が残っていた。
・被害者のPCのデスクの指紋がふき取られ、誰かが利用したように見える。
・煎じ薬が黒いと知っていることがバレた。
・コンロの火を消してしまった。
・キャップが空いていたのに指紋がないペットボトル。犯行現場に第三者がいた。
 そして、この作品のポイントとなる部分。柏木はどのようにしてアリバイを確保したのか。また、デスクに残っていたCが示す物証とは何か。
 柏木のアリバイ工作。吉田のデスクを利用し、会社にいるように通信相手に見せかけた。バグは自分で用意したミス。あらかじめ修正したものを用意しておき、23時まで吉田のマンションにいて、1時間かけて会社に戻り、会社で修正した。
 デスクのCは、ノートパソコンの底のゴムの滑り止め。この部分に漢方薬の成分が残っていた(物証)。
 エピローグ。千和崎真は、翡翠がノートパソコンの底のゴムに物証を偽造したのではないかと疑う。もしかすると、翡翠には本当は霊能力があるのか。翡翠の闘い方はつらくなのか…。
 城塚翡翠という人間の存在そのものを一変させるという大がかりな仕掛けを施したmediumから、倒叙モノに切り替えるその最初の一編として、オーソドックスな倒叙モノに仕上がっている。アリバイトリックは、いわば、自らトロイの木馬を仕掛けておくという、「すべてがFになる」に通じるようなトリック。これはむしろ、ありがちと感じる。犯人が犯行を認めるノートPCの底のゴムの滑り止めの件は、エピローグで千和崎真の口からも語られるとおり、これが本当に決定的な証拠になり得るか、リアリティにはやや欠ける。もっとも、倒叙モノとして、しっかりとした物理的な証拠があるものは少ないので、十分及第点である。
【印象に残る一文】
 プログラムは思ったとおりに動かない、書いたとおりに動く。
 殺人鬼と恋愛ごっこをすることでスリルと快感を得る変態ドS探偵
● 泡沫の審判
 卑劣な盗撮犯、田草明夫を、脅迫されていた女性教師末崎絵里が、3階からの転落死という事故に見せかけて殺害する。
 警察の初動捜査では、「小学校への不法侵入を試みた人間が、校舎の三階から転落した事故」と思われたが、城塚翡翠は、田草が灯りを持っていないにもかかわらず、軍手をするという灯りとなるスマホを操作できない状態で死んでいたことから、殺人事件だと考える。殺人事件があったとすれば、当日残っていた教職員のうち、3階に教室がある2年生の末崎絵里が犯人だと考え、スクールカウンセラーの「白井奈々子」として小学校に潜入する。
 田草明夫が盗撮のために小学校に忍び込んでいたことが分かり、小学校を取り巻く状況は一変し、教師はより過酷な状況に追い込まれてしまう。
 城塚翡翠は、スクールカウンセラーの「白井奈々子」として、末崎絵里と面談し「霊感がある。」と偽って犯人だと疑っていると示唆したり、話しかけるなどして苛立たせ、犯行を裏付ける証拠を固めていく。
 教師が残っている時間帯であれば、教師にさえ会わなければ盗撮したカメラの映像の回収は容易であるにもかかわらず、教師が帰ってから侵入し、防犯システムに引っかかったという点がそもそも不自然。末崎絵里が、盗撮のカメラが仕掛けられていた3階のトイレを使わなくなっていること、末崎絵里と一緒に犯行当日、残っていた古茂田という教師が、田草が忍び込んだ理科室の窓の鍵を20時に占めていたという証言、20時に競馬新聞を買った田草が、1時間48分の時間を過ごしてから、21時48分に不法侵入を試みたのは不自然。むしろだけかと待ち合わせをしていたと感がる方が自然といったことから、末崎絵里の犯行を裏付ける外掘りを埋めるが、起訴に至る決定的な証拠が見つからない。
 白井奈々子(城塚翡翠)は、取引現場にカメラが仕掛けられていたいう嘘で罠にはめ、末崎絵里を更に追い詰めるが、決め手とはならない。
 城塚翡翠と千和崎真の会話の場面が描かれ、「メレンゲが甘すぎるのは、味を整えるのが目的ではなく、泡を安定させるため、」というヒントから、城塚翡翠は事件の決定的な決め手となる「砂糖の入ったシャボン玉液」の存在に気付く。
 解決編では、城塚翡翠は、対峙する末崎絵里に、まず、田草の死が殺人事件だと考える理由として軍手の存在があることを伝える。
 次にトリックを暴く。このトリックは、ハムスターのタンジが脱走し、防犯システムに引っかかったというもの。21時48分に、タンジが防犯システムに引っかかったことと、田草の死をむすび付け、末崎絵里はアリバイを偽装するだけでなく、田草の死が不法侵入の末に事故死したのだという印象を強固にしようとしたと指摘
 決めてとなる砂糖の入ったシャボン液。二年になってから転校してきたという小池大地が、1年生の9月に行われた末崎絵里のシャボン玉のことを知っていたことが伏線となる。小池大地は、放課後、こっそりシャボン玉で遊び、シャボン液をこぼしていた。田草明夫は、そのシャボン液を踏んでいた。教室に入ったはずのない田草明夫の足から、シャボン液の成分が検出されたこと。これが決め手となる証拠となった。
 城塚翡翠は、「自分が正しいと思えば人を殺してよいと生徒に言えるか。正しいと思ってころしたという殺人鬼には、大切な人を殺されても仕方がないと言えるか。」と末崎絵里を追い詰め、自首させる。
 小学校教師のブラックな実態や犯行の動機から、犯人である末崎絵里に同情の余地があり、非常に読後感の悪い作品。一方で、倒叙ミステリとしては読み応えがある。殺人事件であり、末崎絵里が犯人だと断定するロジック、そして、犯行を認めさせる証拠。犯人の明確なミスというより、不運の部分もあるが、倒叙ミステリとしての納得度は高い。傑作といっていい1編だと思う。
【印象に残ったセリフ・描写】
 「シャボン玉が弾けるみたいに、呆気なく、命は抜け落ちる。」 
→殺人の場面での何気ない描写だが、この事件の決定的な証拠である「砂糖の入ったシャボン液」を示唆している。
 「…それとも金色の自転車で来た方がよかったです?」
→古畑任三郎を連想させるセリフ
● 信用ならない目撃者
 冒頭で、政治家に対し恩を売る探偵としての姿が描かれる。
 雲野泰典による曽根本の殺害。ビルの3階のベランダに目撃者らしい人物がいたように感じたが、万が一目撃されたとしても、まさか殺人をしているとは考えず、通報もされないと考え、偽装工作をする。最後に、カーテンを閉めるために、干されてる状態から床に置き、血がついてしまった靴下を現場から持ち去る。
 涼見梓は、向いのマンションに拳銃を持った強盗がいたという目撃情報を母親に電話していた。
 警察の岩地道と蛯名が城塚翡翠のふりをした千和崎真と会う。「はわわ」ではなく「あわわ」と言っているのは伏線。「城塚翡翠」と名乗り、目撃者がいたことを告げる。
 シーンが変わり、千和崎真と城塚翡翠の会話。これは叙述トリック。雲野泰典に会ったのは城塚翡翠のふりをした千和崎真だったが、城塚翡翠が会っていたかのように読める書き方をしている。このとき、雲野泰典が目撃者に接触するかどうかを賭ける。
 雲野泰典は、涼見梓の家を訪れる。対応したのは涼見梓のふりをした城塚翡翠。次の場面で、涼見梓から城塚翡翠に電話があるというシーンがあるが、これも叙述トリックで、まるで、雲野泰典の訪問を受けて、涼見梓が証言を変えたように見える。
 雲野泰典と城塚翡翠のふりをした千和崎真の対決シーン。わざと警察にバレるように備考をさせたり、下手なコールドリーディングをする。靴下についてのやり取り等をするが、決め手に欠ける。ここでは、雲野泰典が、このやり取りに勝利したかのような描写がされている。
 以下、特別な注意がない限り、城塚翡翠のふりをした千和崎真を翡翠、涼見梓のふりをした城塚翡翠を涼見とする。
 雲野泰典と、涼見が食事をしている場面で、翡翠が現れる。スマートウォッチの脈拍と、靴下の話をする。このやり取りの後、運野泰典が圧力をかけ、尾行や監視が中断する。実際は、これまではわざと下手な尾行をし、これより後は慎重に尾行・監視がされていた。城塚翡翠と千和崎真がマジックショーに行き(このショーが、バー「サンドリヨン」で、演者が西乃初のように見えるのも粋な演出)、時計のやり取りからヒントを得て、解決編に結び付く。
 城塚翡翠からチケットをもらったという形で、雲野泰典と涼見はマジックショーに行く。そこで、マジックのショーの演目を利用し、涼見が記憶を取り戻す可能性があると、雲野泰典に感じさせる。
 涼見梓のマンションに、雲野泰典と涼見が訪れる。涼見は、事件の夜を再現し、目撃した犯人の顔を思い出したふりをする。そこに、翡翠が登場。涼見との間で一芝居をうち、雲野泰典から時計を奪う。犯行時もしていた時計には犯行の痕跡があるはず。雲野泰典は、時計から証拠が出ようが出まいが、家宅捜索をされれば失脚すると考え、城塚を撃ち、涼見も撃つ。しかし、実際は城塚翡翠の手で弾は抜かれておっり、涼見は、「んふっ、ふふふっ、ふふふふっ」と笑い出し、自分こそが城塚翡翠えあると告げる。
 警察が踏み込む。城塚翡翠は雲野泰典を犯人だと確信した、「秘密の暴露」に当たる発言を告げる。それは、「拳銃を手にした不審人物」の目撃情報を聞いたとき、「それは拳銃を手にし躊躇っていた曽根本自身だった可能性は否定できないのでは?」と言った点。通常であれば、不審者が夜道などを歩いているところを目撃したと思うはずである。ここから、城塚翡翠は、雲野泰典が犯人だと確信した。
 雲野泰典が目撃者の自宅を知っていたことを明らかにしたのも失敗。犯人しか知り得ない情報であり、そもそも警察は目撃者がいたことすら知らなかった。城塚翡翠は、目撃者の目を隠すために洗濯物を外してカーテンを閉め、戻そうとしたが血が気が付い靴下を持ち去ったことから、目撃者がいると考えた。しらみつぶしに探し、涼見梓を探し当て、涼見梓になりすましていたのだった。
 自殺でなく、殺人であるとすれば、これだけの偽装ができる人物は限られる。現象を成立させることができる人間が限られているというロジックから、城塚翡翠は、当初から雲野泰典を疑っていた。
 亡き妻への思いを口にする雲野泰典に、城塚翡翠は、「人間は、死に取り憑かれるものです。そこから再び歩みを進めることは、一人きりでは、とても難しい。」と告げる。
 千和崎真と城塚翡翠のやり取りがエピローグ。今回の事件は、城塚翡翠が生理でダウンしていたから、千和崎真が初動捜査を代わって行った。警察にも雲野泰典を快く思わない者は多く、自殺でも他殺でもどうにか逮捕するという方針。城塚翡翠としては、靴下が持ち去られている可能性から目撃者を探し出し、その証言から他殺を確信。偽装工作ができる人物として、雲野泰典を犯人と目して捜査に当たった。
 城塚翡翠は千和崎真まで騙すことで、雲野泰典を騙し、自分を撃たせて犯行を暴いた。千和崎真はどこまでが計算か、どこまでが本性か、城塚翡翠をつかみきれない。いったいどれが本当の城塚翡翠だろう。全てが幻…といった作品。地の文で、城塚翡翠、涼見梓と描写されている人物が、それぞれ、千和崎真、城塚翡翠である部分もあり、ややアンフェアに感じる。読者を驚かす作品を書こうとする現れのように思う。そうすると、作中で城塚翡翠に語らせている、一般の推理小説読者批判も、かえってこの真相から目を背けさせるトリックのようにすら思える。
 城塚翡翠が千和崎真だったことはともかく、涼見梓が城塚翡翠だった点は、驚くというより混乱してしまった。分かってから読めば後につながる伏線もあるが、理解するまでちょっと間を要してしまい、その分、驚きより困惑があったのは残念。もっとミステリに慣れていない時期に読んでいれば、間違いなくほれ込んでいた作品。構想も描写も上手いと思う。★4かな。
【印象に残ったセリフ・描写】
 真ちゃんの方こそ、ブラックで飲めないと子どもなんて、まさしく子どもの論理じゃないですか。
 推理小説は、推理を楽しむより、驚くことが目的となって読まれているじゃないでしょうか。
 城塚翡翠のふりをした千和崎真が「サンドリヨン」を注文するところは、「午前零時のサンドリヨン」を思い起こさせる。
 あの変態殺人シスコンクソ野郎は人間の心を持っていないので、まったく尻尾をつかめずに苦労しましたが…。あなたはごく普通の犯罪者です。人間の心を持っている。
【気になった点】
 第三者視点の地の文章で、千和崎真のことを、「翡翠」と書いたり、涼見梓のふりをしている城塚翡翠を「涼見」と書いている場面があり、若干アンフェアに感じる。
● トータルの感想
 3編を通しての仕掛けはなく、独立した倒叙ミステリとして楽しめる。倒叙ミステリは難しいが、少なくとも東川篤哉の「魔法使い」シリーズよりは完成度が高い。大倉崇裕の「福家警部補」シリーズにも当たりはずれがある。石持浅海の碓氷優佳のシリーズは良作ぞろいと思っており、それに匹敵する完成度だと思う。
 キャラクターとしての城塚翡翠をそこまで好きになれないのが難点。碓氷優佳もそこまで好きではなく、この点も共通している。倒叙ミステリとしての完成度の高さと、特に「信用ならない目撃者」の読者を驚かせようとする姿勢を評価し、★4で。

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2026年06月21日

Posted by ブクログ

 犯人逮捕の決め手がどこにあるのか、そんな謎解きの面白さに加えて、人を食った翡翠のキャラクターや翡翠と真のコンビが面白い。

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2025年12月07日

Posted by ブクログ

表紙が可愛くて読んでみたが、以前読んで翡翠のキャラが嫌いだなと思っていたのを思い出した。
色々考えがあるのはわかった上でやっぱり嫌いだった。

その中で、私も最初に犯行シーンがあり、そこから謎解きをしていくというスタイルを「古畑任三郎スタイル」だと思っていたが、これか倒叙トリックという名前を初めて知った。
そういうジャンルなのか。

でもイマイチ追い詰め方がスッキリ!という感じではないので、なんとも言えない気持ちだった。
名前が知れたのは良かった。

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2026年06月15日

Posted by ブクログ

2026.06.10

毎年ゆるく100冊読破を目指していて、今年はinvertが100冊目!6月中に100冊達成は初めて!今年はすごく読書欲が止まらなくて次々ハイペースで読めていて嬉しい。

mediumに続き、そう来たか!という感じ。mediumは犯人が薄々わかっていたのですが、今回はまさにやられた!

最初の2篇は翡翠の猫被りのドジっ子キャラにイライラしながら読んだのでなかなか進まなかったけど、3編目は面白くて一気に加速して読めた。
表紙の眼鏡っ子は誰だろうと思っていたけど、翡翠のぶりっ子バージョンだったのね。
翡翠のキャラにだんだん飽きてきてるけど、invert IIも買ってしまったので、まだまだ読みます。
キャラ的に剣崎比留子シリーズのほうが好きなので、そちらのシリーズの最新刊も読みたい。

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2026年06月11日

Posted by ブクログ

犯人視点のミステリー。翡翠の犯人にたどりつくまでの洞察や証拠探しが相変わらず冴えていた。犯人に近づくために演じる姿と、事件解決後のギャップが面白い。真ちゃんとももっと仲良くなれたらいいな〜

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2026年05月08日

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