中沢新一のレビュー一覧

  • 精神の考古学

    Posted by ブクログ

    中沢さんの現時点での、集大成だと思います。
    僕もゾクチェンを始め、様々な精神の在り方を学んできた人間ですが、とても楽しく読めました。

    今までの中沢さんの作品と異なり、一般の人達にも広く間口を開いている作品だと想います。

    0
    2025年07月26日
  • 構造の奥 レヴィ=ストロース論

    Posted by ブクログ

    久しぶりに中沢新一さんの本を読んでみた。

    中沢さんは、ポスト構造主義〜宗教的神秘主義のイメージが強い一方、科学主義と批判されることも多いレヴィ=ストロースについてはストレートに肯定的でもあって、ここがどう繋がっているんだろうと不思議だった。

    というわけで、レヴィ=ストロースを直接的に論じた本のようなので読んでみた次第。

    エピローグに記載されているところでは、中沢さんは、レヴィ=ストロースの構造主義的人類学については、世間で理解されているもの、つまり、言語論的な構造主義の人類学への応用というものとは違う感じを持っていたということ。

    というわけで、いわゆる「構造主義」の奥にあるものというタ

    0
    2024年04月30日
  • 熊楠の星の時間

    Posted by ブクログ

    中沢新一さんによる、南方熊楠の本。
    南方さんの難解な思想、人となりを自然や仏教思想、ラカンなどの用いたキーワードを元に紐解いていきます。ページを開くたび新鮮な驚きがあり、好奇心に溢れながら読み進めました。

    普通の学者としての枠には、収まらない南方熊楠という人をとても魅力的に紹介していると思います。

    0
    2024年03月21日
  • 仏教が好き!

    Posted by ブクログ

    瞑想とドラッグの違いを登山で例えるの面白かった。ドラッグはロープウェイで山頂に着くけど、高山病になる危険性もあるし自分に基づいた体験ではない。

    0
    2022年10月02日
  • 増補改訂 アースダイバー

    Posted by ブクログ

    僕は海の近くにすんでいるんだけれど
    近隣にすんでいる人や集まってくる人の魅力にいつも心が踊る
    何でだろう、地域柄だよね、くらいに思っていたんだけど、この本を読めばそれがなぜかわかる
    海の近くにすんでいる人も、山に住んでいる人も、全てに通じる本
    ちょっと長いけど

    0
    2022年08月05日
  • レンマ学

    Posted by ブクログ

    アリストテレス流の論理ではない、仏教の論理で世界をみるレンマ学。でも実例が少ないし、文章が難しいのでちょっと読むのに苦労する。

    0
    2022年03月04日
  • アースダイバー 神社編

    Posted by ブクログ

    安曇族のような、海洋民族の足跡がなぜ山岳地帯にあるのか、よくわかる。長江文明とのかかわりに興味がわいてきた。

    0
    2022年03月04日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

    Posted by ブクログ

    宇多田ヒカルの「ぼくはくま」という歌が本当に謎だったけど、これは宇多田ヒカルがこの本読んで、熊に対して酷いことをしたという、謝罪、敬意の歌なのかもしれないと思ったりした。

    なんか相当熊には酷いこと酷いことをしたんだと思う。まあ人間が生きていこうとすれば動物に酷いことをしてしまうのはもう摂理なのだけれども。そこには感謝が必要だよねという話。
    国家を持ち、権力をレベルアップすればするほど、自然は破壊され、世の中はどんどん非対称になる。そうなったら地球温暖化しても仕方ないよねって話。
    マジで世界は残酷なんだって感じだな。 

    神話は神様が作った話だと思ってたけど昔の人たちが口語で伝えて、もしかした

    0
    2022年01月14日
  • 大阪アースダイバー

    Posted by ブクログ

    アースダイバーと称して、地域ごとの地質・自然環境と時間軸に基づいた人間社会の変容を思想(主に宗教)をベースに紹介した書籍の大阪編。

    0
    2021年09月25日
  • アースダイバー 神社編

    Posted by ブクログ

    日本人のルーツを探り、古い地層の中に潜っていくアースダイバーの旅。

    今回は、縄文と弥生。
    私なりに読み解くならば、今回のポイントは、ともに南洋の海からやってきた縄文人と弥生人は、前者がポリネシア系、後者が漢民族の支配に抵抗した中国南部(ベトナムとの国境付近)の少数民族の特徴を色濃く残す(つまり、漢民族や朝鮮半島人ではない)、ということ。
    学校の授業で習う渡来人が日本の外来文化の全てと思うとまちがえる、ということだ。

    彼らは、稲作の知識の有無、という決定的な違いこそあったが、海洋民としての共通性も持っていた。
    このことが、縄文系聖地と弥生系聖地との複雑な変遷の原因となる。

    農業生産物という

    0
    2021年06月24日
  • アースダイバー 神社編

    Posted by ブクログ

    アースダイバーシリーズの最新作。これまでの地形アプローチだけでなく、神社の儀式のアナロジーのアプローチから日本人のルーツを探る一冊。漢民族でもなく、縄文人でもない倭人という視点は目からうろこであった。ぜひ読むべき一冊

    0
    2021年05月05日
  • 憲法九条の「損」と「得」

    Posted by ブクログ

    下火になっている憲法改正論議をよそ目に日本国憲法、日本人論、天皇制について中沢新一と太田光が
    議論。切り口が新鮮でとても良かった。

    そもそも、安倍晋三はなぜ自衛隊を9条3項で位置付ける案に後退したのか、これなら面白い議論にならないじゃないか、いっそのこと交戦権を肯定して自衛隊を国防軍くらいにするくらいじゃないとちゃんも議論が出来ないなんてことから始まる。

    また、日本人論として、元々縄文と弥生のファジーな一体化で、天皇陛下もその間の中空にいるような存在として位置付けられ、そういう曖昧な存在で何とかやってきたのに、明治の天皇制度が西洋や中韓型によった変な制度であったことから、変なことになってし

    0
    2021年03月07日
  • 増補改訂 アースダイバー

    Posted by ブクログ

    めっちゃ面白いけど、通して全部はちょっとしんどいかな、興味のある場所とかを、思いついたときにパラパラと

    でも、例えば代々木八幡にはじめていったとき、神社の中に縄文時代の住居の復元があって、あぁ、つまりここってそんな昔から何か特別な場所だったのかな、と感じたこととかに説明が与えられた感じで嬉しい
    代々木八幡が、いきなり急な階段を登っていく斜面なのとか、なるほど、周りのビルとかを全部とりのぞいてヤブとか沼になった景色を想像してみれば、確実に何かの特異点にみえるのは間違いない

    今も、都心を少し離れれば、川沿いとかに神社は多い

    0
    2021年02月05日
  • 大阪アースダイバー

    Posted by ブクログ

    大阪の歴史が地名とともに解き明かされる。緩やかに動く人々の生活が時を経て確固たる幹へと受け継がれていく経緯に圧倒される。生と死、差別と笑い、縁と無縁を互いに牽制し迎合しながら生活を営む術を模索していく。処刑場から見世物小屋に変貌していく千日前の神秘に心地よさを感じる。

    0
    2020年11月21日
  • 別冊NHK100分de名著 「日本人」とは何者か?

    Posted by ブクログ

    斎藤環の河合隼雄「中空構造日本の深層」を軸に繰り広げられる一種曖昧論の推奨が面白い。単に良しとはせずに入り込まれる隙ともなると言う指摘もうなずける。コミュニタリアズムと同調圧力の議論にも似て、空気の研究、言葉の自動機械化という宮台の言説ともほぼ近いのでは。

    0
    2019年04月13日
  • 虎山に入る

    Posted by ブクログ

    中沢新一だから成し得る魔術的な文集。面白過ぎ。古代人の思考法を取り戻すことで現代文明を超える!ことを繰り返し語る。河合隼雄、山口昌男、吉本隆明、井筒俊彦らを振り返るがたまにオウム事件にも言及。井筒俊彦の神秘哲学の解説は特に面白い。神と人を明確に分けたホメロス的世界観へのアンチテーゼである物質/肉体による神になる方法に繋がるディオニュソスをプラトンがイデア論という詭弁で取り込みギリシャ哲学は驚くべき拡張性を持ったという指摘は素晴らしい。

    0
    2019年01月20日
  • 熊を夢見る

    Posted by ブクログ

    吉本の評論においての、死と笑いの関係は、笑ってはいけないからドキュメンタルに続く松本人志の活動の根本を言い当てているような気がする。そして、寺山修司の落書き学に関しての評論では、高橋源一郎が気づいたtwitterの集合意識が詩そのものであるということに対しての裏付けとなっているような気がする。ってか、本当に刺激になる本で、これはキュレーションのちからであることが大きいと思う。この表紙の感じからして。編集の力、パッケージングもメディアであるということが表紙の美しさも含めてすごく感じられました。書籍メディアへの愛。

    0
    2018年01月20日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

    Posted by ブクログ

    カイエ・ソバージュの1冊目が面白かったので、早速、第2冊目にすすむ。

    1冊目が、レヴィ=ストロースの「神話論理」をベースにした世界各地のシンデレラ物語分析というところで、面白いものの、どこか予定調和的な感じがしなくもなかった。

    で、2冊目では、原始的な共同体から国家の誕生へと、静的な世界から、ダイナミックな世界に動き出す。つまり、定常社会の記述を徹底していくことを通じて、王が出現する瞬間を描き出そうとする。

    王=国家の成立にとって、経済的な格差や身分の成立といった経済社会的な構造変化は必要条件としながら、十分条件として、定常社会のなかに存在する神話的思考に内在する論理を指摘する、と

    0
    2017年05月02日
  • バルセロナ、秘数3

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    著者がバルセロナを旅した際に体験した出来事を記した、という形式で書かれている。冒頭で不思議な酔っ払いが示した数である3、そしてそれと対立する数4がキーワード。3は非シンメトリー、4はシンメトリーを表し、その2つの数の相克がヨーロッパ=キリスト教文明のダイナミズムを作ってきたとする。つまりキリスト教は一神教なのに、ユダヤ教やイスラム教と違って内部に不安定性を抱え込んでいるが、これが芸術、思想、テクノロジーにおける「歴史」の発生の可能にしてきたとする。

    0
    2016年11月07日
  • チベットのモーツァルト

    Posted by ブクログ

    以下の文章はぼくが大学でゼミの卒論として記した「心身二元論の未来~その多様的現実の可能性」からの抜粋だ。そこでぼくは「チベットのモーツァルト」の中でも特にお気に入りの箇所を引用しているので紹介したい。ちなみにこれはただ引用したいがために記された論評だったと述懐する。

    以下、抜粋

    ところで、心身二元論においては精神と身体は区別されるのだが、では精神はどこにあるのだろうか。身体を構成する器官のなかに精神の器官は現出しない。では、非物質的に精神は身体とシンクロしていることになる。ここで、精神の具現化を図るときぼくたちは宗教にその方法を求めるかもしれない。デカルトもキリスト教的神の存在によって精神

    0
    2016年04月10日