【感想・ネタバレ】熊楠の星の時間のレビュー

あらすじ

著者中沢新一氏は、長年にわたり南方熊楠についての考察を深め、多くの論考を発表してきました。1990年代に刊行された『森のバロック』(読売文学賞)、『南方熊楠コレクション』(全五巻)などが、その代表作です。また、「宗教学・人類学・民俗学を綜合して「対称性人類学」で新たな思想を展開しています。また独自のフィールドワークによる「アースダイバー」(『アースダイバー』、『大阪アースダイバー』、『週刊現代』連載中の「アースダイバー 神社編」)新しい知見と感性を切り開く可能性をもっています」(南方熊楠顕彰会の受賞理由の概略)。2016年、第26回南方熊楠賞が授与されました。21世紀に入ってから、著者はますます熊楠の重要性を認め、彼の思想の可能性を掘り起こし、発展させるために、2014年には「南方熊楠の新次元」と題する4回の講演・対談を主催しました(明治大学野生の科学研究所)。本書は、その時の講演「アクティビスト熊楠」「明恵と熊楠」(改題「熊楠の華厳」)に加えて、熊楠の心の構造を探った「熊楠のシントム」、海のエコロジーを探究する「海辺の森のバロック」、本書の全体像を提示する「熊楠の星の時間」を収録した、新熊楠論です。思想家・中沢新一が提示する、熊楠哲学の放つ強力な火花に驚愕し、目を開かれることになるでしょう。未来を切り開く一冊です。

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

Posted by ブクログ

中沢新一さんによる、南方熊楠の本。
南方さんの難解な思想、人となりを自然や仏教思想、ラカンなどの用いたキーワードを元に紐解いていきます。ページを開くたび新鮮な驚きがあり、好奇心に溢れながら読み進めました。

普通の学者としての枠には、収まらない南方熊楠という人をとても魅力的に紹介していると思います。

0
2024年03月21日

Posted by ブクログ

南方熊楠の思想を西洋の碩学らとの対比で考察した本だが,難しい.第1章では土宜法竜,明恵上人,ラカンらとの華厳経の議論,第3章ではジョイスのフィネガンズ・ウェイク,第4章ではフィリップ.デスコラ,第5章ではレイチェル・カールソンやレヴィ=ストロースが登場し,熊楠の思想との接点が考察されている.第2章は1906年に始まった神社合祀の話で比較的楽に読めた.明治政府は宗教的に酷いことをやってきたのが実感できた.

0
2017年02月17日

「雑学・エンタメ」ランキング