中沢新一のレビュー一覧

  • 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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    5冊シリーズ読破。5冊ともタイトルがおしゃれ。今までのまとめって感じです。講義録なので、かなり読みやすい。こういう講義を大学生の時に受けたかったな。

    昔の人はまるで違う2つの異なるものをつなげていろんなモノを創り上げて生きていたんだというのがよくわかる。このへんが「対称性」に関係していて、そこらへんが崩れてきて自然の声を聞けなくなっている(想起する力が乏しくなった?)のが現代社会のよう。

    ヤギと人間は夫婦でもあるのだ、だからメスと子供のヤギは狩ってはいけないのだ、とか。現代ではまったくもってぶっ飛んだ考え方だけど、良く考えてみると我々が知る現代よりもっと長い間にそういう考え方がなされていた

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    2011年04月25日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    ネタバレ

    熊が人間にとって神であり、友人であったこと、北半球における最強動物の圧倒的な力を前に思考を巡らすことで哲学が発展していったということには驚きました。考えてみると、凶暴な熊は人を襲ったり食べたりもするので、まだ道具がそろっていない時代には、そういう力の前に哲学的に考えることもあるように思えます。今で言うと自然災害とか宇宙とか?

    また、国ができ、王が生まれるという過程についても驚かされました。

    知的興奮を感じさせてくれる本でした。

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    2011年04月09日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    人類学者の中沢新一によるカイエ・ソバージュシリーズの第一弾。
    僕にとって初めての中沢新一。

    とりあえず気になるところをつらつらと書いてみる。
    以下ネタバレあり。

    第一章人類的分布をする神話の謎
    ・北米インディアン版の竹取物語では両親に愛された娘は中国の纏足のように足が小さい。皆が求婚するが断り、族内婚を嫌い、熊や狐、シャチと結婚する。人間の世界で一切の媒介された状態を実現できていない。
    ・燕石に関する伝承はさまざまある。
    ・ヨーロッパの民間伝承で鳥の巣あさりがあるが、これは思春期を迎えた少年を青年が登らせて卵などを取りにいかせる習慣だが、ここで巣に手を入れてはじめて性の手ほどきが行われると

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    2010年07月27日
  • 森のバロック

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    今まで読んだ熊楠関連本中でも一番いいとおもった。
    熊楠と中沢氏の2つの個性的な知の融合ってかんじ。
    すごい生命力が溢れてて、ワクワクした。

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    2010年04月05日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    神話の生きていた「対称性社会」の崩壊から、クニの始まり、
    そして産業革命後の宗教がもたらした「第一次形而上学革命」による国家成立の過程。
    現代とは、文明という名を持つ、歴史上最も野蛮な世界だ—

    太古より、先住民たちに共通して神としてあがめられてきた熊と、
    人との関係の変遷に沿って歴史を読み解き、
    現代が失って久しいもの、今意識しなければならないことが
    わかりやすく解説された、人類学の入門書。
    人類学に限らずだが、学問や思想は現代の闇をするどく看破する力を持っている。
    自分で新しい目線を育てる指南書として一読の価値あり。

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    2010年02月09日
  • 純粋な自然の贈与

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    素晴らしい。

    純粋な自然の贈与
    という言葉は、重農主義者のものだそうだ。

    ここに扱われている全ての短編を貫いて、
    この純粋な自然の贈与が溢れている。

    大好きな、
    カイエソバージュシリーズに連なる思想が、
    すでにここにわかりやすく取り出されている。

    そして、どの文もとても美しい。

    中沢新一の文体、好きなんだなあと改めて思った。

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    2010年01月25日
  • 森のバロック

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    生物・民俗学・宗教学の先駆者である南方熊楠の思想を継承するための熊楠読本。彼の専門であった粘菌(動菌)の特性であるオートポイエーシスをとおして本当のエコロジー(生態・社会・精神のエコロジーの連動)について語っている。関連分野の学者は勿論、他分野の研究者や更には足下みえてない政治家は是非読んでもらいたい。

    単眼顕微鏡がほしくなる。

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    2009年11月22日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    面白い・・・二日で読んでしまった。

    ただし、注意しなければいけない。実際に存在する神話を題材としているが、学説というわけではない。学術的な裏付けのあるハナシではないのである。レヴィ=ストロースや南方熊楠などの研究に基づいてはいるが、この話は中沢新一という思想家の、あくまで一つの、世界の捉え方であると、それだけを心の片隅に置いて読み進めれば問題はない。

    僕自身、これまであれこれと考えてきた「人間の根源は何か」とい問いに答えてくれそうな気がして、中沢新一を読み始めたのである。このシリーズはまだ4冊続くが、読み終わるころにはきっと、自分の中に新しい地平が開けていそうに思う。

    なお、芸術人類学研

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    2009年11月02日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    中沢新一さんの<カイエ・ソバージュ>第2弾です。<熊>をキーワードにして、神話と人間の思考様式を考えていく。世界のどこか、じゃなくて、世界中普遍な物語。素敵です

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    2009年10月04日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    中沢新一先生の中央大学での講義を基にした1冊。読みやすい文体は元が授業故の口語文体だからでしょう。内容は神話。最古の哲学とはなるほど、と感心しきり。シンデレラを軸にその話の展開は一気に読まされてしまうほどワクワクしました。

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    2009年10月04日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    各地・各時代のシンデレラの話もとても面白いけれど、「最古の哲学」としての神話の考え方や有り方について書いた第1章がとにかく素晴らしかった。(20070516)

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    2009年10月04日
  • 憲法九条を世界遺産に

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    参ったなー…ブランクになった時間を潰しに行った図書室(勉強しろよ)
    みつけちゃうんだもの。多分、買う、と思います。何度も何度も読み返して、その度にぞくぞくしたい。本を読んで鳥肌が立ったのは初めてでした。電車、バスの中で、読んだんだけれど言葉に酔った、何よりも。宮沢賢治のところは正直よくわからない、でも、それ以外はざわざわと揺さぶられるのがわかった、心が、芯から。期待、全然裏切られなかった。だめだ、言葉ってすごい。

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    2011年11月02日
  • 神の発明 カイエ・ソバージュ(4)

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    またしてもなんとな〜く、ウスラボンヤリ思っていたことを理路整然と整理してもらって、スッキリ!!!しました。

    もともとヒトとは、”超越したもの”の存在を自然と感じている生き物であって、それがアニミズム信仰になったり、発展して宗教になったり、しているらしい。

    だいたいどの地域にも、高神と来訪神、という2つの相対するカミがいて、高神は太陽や山のように、常にそこにあって日々の生活を守ってくれるカミ、対して来訪神はいつもは不在なんだが決まった日にやってきて、この世と異界(死者の世界とか)をつなげたり、するというカミ。この2つが揃っているとバランスが良いようで。本州にはわかりやすい来訪神はいらっしゃら

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    2009年10月07日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    クニ(国)ができる前は人々はどういう風に考えていたのか、という話。クニができる要素はあるのになかなかクニができなかった地域もあって、それは未開とか未熟とか野蛮とかではなく、別の価値観・知恵をもって暮らしていたのでは、というお話。おもしろい。

    『チベットの・・・』で思考停止に陥った「トポロジー」という言葉の説明が出てきました。いわく、
    ”トポロジーという学問は、具体的な空間や図形の性質を調べるのではなく、それをひっぱったり伸ばしたりしても、変わらない性質を調べようとするものです。”
    なんとなくですが、少しわかったような気がしました。

    宮沢賢治の作品を、ちゃんと読みたくなりました。

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    2009年10月07日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    中央大学教授、2006年度からは多摩美大で芸術人類学を研究される、人類学者であり宗教学者の中沢先生の、中央大学での「比較宗教論」の講義録『カイエソバージュ』シリーズの第一弾。
    国家や一神教が発生する前の人類(旧石器時代後期から)は、神話という様式を用いて宇宙における自分たちの位置や、自然の秩序や人生の意味などについて深い哲学的思考を行ってきた。国家というものを持たなかった自然民族の語り伝えた神話には、現実の世界とのつながりを失うことのない、素朴だが複雑な成り立ちをした論理の体系が潜在している。神話は非合理的、非科学的であるというイメージを払拭し、神話は人間が最初に考え出した、最古の哲学であると

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    2009年10月04日
  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    すばらしい!読み終わった後、拍手です。すてきなショウのようなでした。
    すべてのクリエイターに読んでもらいたい。
    「人類の思考のすべての領域を踏破する」試みの全5シリーズの2冊目。(KOBA)

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    2009年10月04日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    「人類の思考のすべての領域を踏破する」試みの全5シリーズの1冊目。主題は「人類最古の哲学」として神話です。最初、自分には読み切れないかなと思っていましたが、時には笑いながら楽しく読み切ることが出来ました。「宇宙」とか「愛」とか「闇」とかを曖昧で面倒くさいものをしっかり内容しながら何かを構築するって素晴らしいなと思いました。 中沢氏企画のときの愛知万博がやっぱり見たくなりました。

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    2009年10月04日
  • アースダイバー 神社編

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    神道、神社の源流を辿る旅へ。
    弥生、縄文まで遡り、聖地の起源からの考察はとても興味深く読むことができた。
    特に諏訪は、御柱祭含めて祭事の諸々もとても面白い。

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    2025年11月01日
  • アースダイバー 神社編

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    好きな分野は評価が高くなるのだろうか。
     神社とは何か。ただの信仰の場ではなく日本列島に刻まれた精神の基層である。神社を考古学の対象ではなく人間の無意識と結びついた存在として読み解く。
     その起源をたどると磐座や巨石信仰に行き着く。古代人は大地に突き出た巨石を神の宿る場所と見なし祭祀を行った。
     世界各地の巨石文化とも響き合い、太陽、蛇と結びついた生命の循環を象徴する。
     蛇は水と再生の象徴、太陽は誕生と死のリズムを示す。神社はこうした自然の力が凝縮された場なのだ。
     神社を単なる歴史の遺物ではなく、人間、生命体と土地、地球はたまた宇宙のエネルギーの立ち昇る場であり対話、交わり、交流の存在なの

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    2025年02月11日
  • 構造の奥 レヴィ=ストロース論

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    従来の言語学的観点からレヴィ=ストロースを捉えるのでなく、「革命的科学」として提唱された構造主義人類学のその奥を探求する、なんとも壮大で深遠な著作だった
    プロローグからエピローグまで飽きさせることなく著者の独創的な考えに触れられていい体験だった

    1章では神話学と仏教に共通する非二元論的な思考を明らかにし、2章では彼の弟子を通して構造主義の新たな可能性を掘り起こし、3章では二元論を超えた「対称性の原理」による三言論的構造を呈示し、4章では日本とブリティッシュコロンビアの共通点を見出す目からウロコな体験だった

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    2025年01月02日