中沢新一のレビュー一覧
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憲法九条を世界遺産に
精神土壌の、無思考、思考停止、
素直に自分が思ってることを表現すると世の中からバッシング抹殺されかねない、いじめ、
西欧の合理主義やモダニズム→田中智学→危機的な日本の新しい方向性を示そうとした、
虐げられているもの弱いもの声を出さないものの声を聞き取らなければならない25
作者の意図と違うところで感動が生まれることの幅は芸術作品の力である
同じ場所にいても違う世界をみている、
誤解を伴ったディスコミュニケーションで世界は成り立って豊かになっている、
宗教法国家による単一の意味付けは世界との間に齟齬を生じる、
戦争の大きな概念正義こそが結果として人を
宮沢賢治
テ -
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大阪は水の都である。という一文から始まる司馬遼太郎の小説があったと思う。何だったか思い出せないのだが、
私事ながら、秋から大阪に単身赴任している。東京と比べると大阪は本当に平べったい。坂がない。地下鉄の出口案内に並ぶのは、橋や堀のつく地名ばかり。高低差を愛でるタモリ氏やスリバチ学会の会員だったらつらい都市だろう。
東京の地形の記憶を扱った前作のアースダイバーを読んだのは、2006年頃。大阪をテーマにした本書が出版されたことは知っていた。暫く手を出さないでいたのだが、大阪暮らしに慣れる意味でも読んでみた。
土地勘がない心配は杞憂だった。舞台になるのは殆ど上町台地ばかり、北は大阪城から南は住吉 -
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実に、日本国憲法とは、一瞬の奇跡であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇跡の合作だった。しかし今、特に九条は次第に輝きを奪われつつあるように見える。この奇跡をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。
芸でそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢。
宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。
中沢)宮沢賢治はディスコミュニケーションを乗り越えたいと思っていた。
他人の苦しみが自分の苦しみである状態を造りあげたいと思っていた。
世界を一つにするとい -
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憲法記念日なので、思い出して今さら読んだ。日本国憲法は66年前の今日施行された。
いちばん印象的だったのは、九条の理想を掲げるのは、軍隊を明文化するよりも覚悟のいることなのかもしれない、という部分。
自分は、ある種矛盾を抱えたこの憲法九条を大事にして、変えずにいたい。少なくとも、一時的な盛り上がりとか時代に合ってないとかの理由だけで、安易に改憲側になりたくないって思った。
あと印象的だった部分は、
・宮沢賢治が戦争に加担するかのような考え方を持ってたこと
・賢治は人と人だけでなく、人と動物との間の対立を乗り越えようと理想を追い求めたこと
・平和とは突き詰めると愛とはなにかという問題 -
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「縁(有縁)」と「無縁」という観点から商人の社会とそれ以外の権力社会(大名を頂点にした農耕、封建社会など)をとらえるとスッキリ。大阪に行ったときの違和感のようなものが中沢新一さんのアースダイビングのテクニックで爽快にとき明かされていて目から鱗。想像力で補完されているところが多いから[「アースダイバーの推論」p215など]、魅力的で説得力があっても冷静に読む必要はある。もちろんみんなができるアースダイビングの、中沢さんが大阪にしたらこうですよという一例だ。
個人的には「死(墓地)」と「セックス」が都市のつくりで密接に結びつく縁があることに前作から惹かれ続けている[p128]。理屈で言われ続けて -
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アースダイバーの大阪編。前作と併せて読むと、面白さは倍増される。
大阪という都市は、南北に王の生命力が放射されるアポロン軸で、太陽が動く東西に権力者によらない生と死のディオニュソス軸がある。そのため東西の通りに、別軸の生命のエネルギーが満ち溢れている。
また、ナニワの砂州に育った商人文化は、血縁を超えて貨幣でやり取りする超無縁社会である。
その他、歴史を紐解き、差別問題、大阪のディープな地区の成り立ちについても切り込んでいく。
東京の権力におもねる都市の成り立ちと、大阪の無縁の原理の上に成り立つ都市では、根底に流れる考え方が違う。感覚的なものだが、それを認識できたことが大きな価値だったと思 -
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読みごたえあり。社会や人間、世界、宇宙を幾何学的に図形的にとらえようとする方法論が面白い。構造主義的手法。
数学的手法を用いた人文的言説が面白いのはそれに説得力があるからなのかもしれないな。エッセイ的な人文書というのはあまりに多い。それでもいいし、それではいけないと言っているわけではありませんよ。ただ、形(数的構造)に着目するのは、「有効な」気がするんです。論理性を持っている。応用が利きそうで、示唆に富む。
「科学も宗教も同じである」とはよく言われています。仕事上、割と「科学」側の人と接することが多いのだけれど、このことを意識的にか、無意識的に抱えている人というのが一定数いることを体感してい