【感想・ネタバレ】憲法九条を世界遺産にのレビュー

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Posted by ブクログ 2014年05月03日

憲法についての対談集ですが、引用したい部分がたくさんあります。中沢はともかく、太田光って頭いいなあ。見直した。九条ってのはそのまま守ったら侵略されちゃうような「不可能な理想」だから、世界で唯一のもの。だから、理想を何とか守るために「自衛隊」みたいな拡大解釈が必要になる。世界中がこの憲法を持てば、人間...続きを読む社会のレベルが一段上がる可能性を秘めたこのユニークな憲法を捨てて「普通の」憲法にしちゃうってのはまずいでしょ、っていうのが骨子。確かに世界遺産は「他で代替出来ない貴重なもの」なんだから、平和憲法もその一つ、っていうのはなるほどで、この提案をした太田はすごい。あと、九条があるから、日本人は憲法や国際紛争の意味について語ることが多いっていうのもその通り。絶賛お薦め。

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Posted by ブクログ 2014年03月16日

これは、本気で考えていないとできないほど、レベルの高い対談。
今一度、憲法第九条を見直す機会を持ちたい。

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Posted by ブクログ 2013年02月28日

あの時代のアメリカと日本が生みだした、日本国憲法という「奇跡」。それを世界遺産として遺そうという。それは、人間は愚かな生き物で、遺そうとしなければ壊してしまうから。
世界的に見て現実的でないことにこそ価値がある。
何が現実で何が非現実なのか分からなくなってる世の中。
僕も現9条に価値を見出したいと思...続きを読むえた。

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Posted by ブクログ 2012年04月03日

僕自身は改憲論者の部類に入ると思う。
憲法九条の素晴らしさを憲法の中にはみとめていない・・・という立場だ。

本書はお笑い芸人の太田光と人類学者の中沢新一の対談本。

憲法九条を「平和憲法」として諸手を上げて礼賛する平和主義者とは違って、その危うさや幻想、理想、非現実性をしっかりと認識した上での護憲...続きを読むの話になっている。

冒頭に宮沢賢治の矛盾を孕んだ平和思想を取り上げて、それを手がかりに憲法九条を語っているところがそれを象徴しているように思える。

憲法九条を護りたいと思っている人にも、または逆に改めたいと思っている人にも、多くの示唆を与えてくれるおすすめの本。

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【日本国憲法第九条】
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
2 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。

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【目次】
 対談の前に  中沢新一
第一章 宮沢賢治と日本国憲法 ―その矛盾をはらんだ平和思想
第二章 奇蹟の日本国憲法 ―日米合作の背景に息づく平和思想
 幕間  桜の冒険  太田光
第三章 戦争を発動させないための文化 ―お笑いは世界を救えるか
第四章 憲法九条を世界遺産に ―九条は平和学の最高のパラノイアだ
 濃密な時間のあとで  中沢新一
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Posted by ブクログ 2011年11月02日

参ったなー…ブランクになった時間を潰しに行った図書室(勉強しろよ)
みつけちゃうんだもの。多分、買う、と思います。何度も何度も読み返して、その度にぞくぞくしたい。本を読んで鳥肌が立ったのは初めてでした。電車、バスの中で、読んだんだけれど言葉に酔った、何よりも。宮沢賢治のところは正直よくわからない、で...続きを読むも、それ以外はざわざわと揺さぶられるのがわかった、心が、芯から。期待、全然裏切られなかった。だめだ、言葉ってすごい。

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Posted by ブクログ 2020年08月10日

日本国憲法第九条をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきかを語った対談本。

憲法改正の議論で注目されるのは「憲法九条」のこと。理想論と現実論、どちらか一つに偏るのではなく様々な視点から憲法九条について考えることが重要です。

そして、歴史を通して戦争とは何か、平和とは何かを改めて考...続きを読むえる必要もあります。

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Posted by ブクログ 2016年02月22日

本の存在は気になってたけど、なんとなく避けてたもの。爆笑問題は好きだけど、その本ってどうなのよ、みたいな変な身構えがあったりして。でも、読んでみて恐れ入りました。ニュース番組やらで色々意見するってだけでもかなりの知識が必要なのは自明だし、更にはそこにトンチも働かせようとなると、そら並大抵では無理です...続きを読むわな。憲法第九条の堅持も含めて、暴走内閣の抑止効果を強く期待します。

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Posted by ブクログ 2015年06月01日

田中光の言動はテレビで見る限りまったく同意できないものだったが、意外なことに九条に関してはリベラルな意見をしっかり持っていたので驚いた。宮沢賢治と田中智学、石原莞爾の関係から平和憲法を語るとは。実によく本を読んでいるし、深く考えている。TVでのコメントはやはり芸人としての立場をわきまえた悪ぶりだった...続きを読むようです。中沢新一の解説が非常にバランスが良く、九条の理解が深まったのは収穫だった。2006年の発行だが今、まさに読むべき状況になってしまった。

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Posted by ブクログ 2016年09月06日

日本国憲法第9条と宮沢賢治との関係が私にとっては初めてのことで驚いたが、宮沢賢治のことを一面的にしか捉えられていなかった私にとってはいい示唆を与えてもらったなと素直に感じているところである。

太田光さんがおっしゃった
「この憲法は、アメリカによって押しつけられたもので、日本人自身のものではないとい...続きを読むうけれど、僕はそう思わない。この憲法は、敗戦後の日本人が自ら選んだ思想であり、生き方なんだと思います」(p56)
というコトバに、全てが集約されているんじゃないかなと。

2016.09.06再読

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Posted by ブクログ 2014年09月24日

贈与とは愛なんだ、という中沢新一の話が印象に残った。

以前、『ケルトの宗教 ドルイディズム』の中にある中沢新一の文章を読み、この人はすごい、と思った。
それからゲンロンカフェで行われた東浩紀と中沢新一の対談を聴いて、中沢新一にさらに興味を持った。

たまたま家にあったこの本を手に取ったのには、そう...続きを読むいいう経緯がある。

僕は次に、中沢新一の『カイエ・ソバージュⅠ 人類最古の哲学』を読んだ。
これらかも、彼の本を読むつもりだ。

中沢新一は、今の僕が求めている何かを与えてくれるような気がする。

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Posted by ブクログ 2014年06月19日

憲法九条を世界遺産に

精神土壌の、無思考、思考停止、
素直に自分が思ってることを表現すると世の中からバッシング抹殺されかねない、いじめ、
西欧の合理主義やモダニズム→田中智学→危機的な日本の新しい方向性を示そうとした、
虐げられているもの弱いもの声を出さないものの声を聞き取らなければならない25
...続きを読む
作者の意図と違うところで感動が生まれることの幅は芸術作品の力である
同じ場所にいても違う世界をみている、
誤解を伴ったディスコミュニケーションで世界は成り立って豊かになっている、
宗教法国家による単一の意味付けは世界との間に齟齬を生じる、
戦争の大きな概念正義こそが結果として人を

宮沢賢治
ディスコミュニケーションを乗り越えたい、
宗教的情熱に自分の理想を見いだしたい、
戦前の戦争的思考と戦後の平和的思考をつなぐ存在、
愛が深く擬人化
●なめとこ山の熊、●月夜のでんしんばしら、●シグナルとシグナス、レーニンによるシベリアの電子化、スターリニズム、ハイデッガーの哲学

愛は未熟で危うい、
見えないふり忘れたふりふたをして隠し問題がみえなくなってる
ネオテニー(幼形成熟)、
諸刃や矛盾を受け入れる、
●ジョン・ダワー敗北を抱き締めて岩波書店

宮沢賢治の作った童話、アメリカ主導の日本国憲法
ドンキホーテ、桜、世界遺産、修道院


突然変異、珍品、無垢、奇蹟的な瞬間の輝きと共に世界に出たもの、無邪気な理想論、
仏教のように合作だからこそ価値がある、イロコイ連邦憲章、フリーメーソン
●星川淳、魂の民主主義、築地書館
物事の浮かぶ海の上で、波が立っていることばかりに気を取られていると、その底流で動いているものが見えなくなってしまう
厳しい条件のなかで理想や夢を実現させようとしている場所があるというだけで世界の姿は変わる
●ロッセリーニ神の道化師フランチェスコ
アボリジニのドリームタイム
ドンキホーテとサンチョパンサ


かつて日本人が表現していた死
美しい散り際、戦の象徴、
狂気も毒もその美しさのなかに含んでいてその表現はかくしている
恍惚、冒険心


言っていることは鋭いが一般には伝わらない。
正義を信じる美しい武士道精神と、その危うさ茶化す落語文化
武士、伏し、職人、自分の命に執着しない、
愛嬌、懐の深さをもつ落語、笑いのめした人たちの碑をたてる
●安楽庵策伝の醒睡笑せいすいしょう



不戦ではなく非戦
精神としての平和主義には伝統がある、一万年規模
世界遺産は、壊してしまうかもしれない自分たちの愚かさを知るためのもの
神の子イエスと神社は落書きされるお笑いの対象にされる、手をつけてはいけない場所との区別、見極め
九条を抱えていることで、今自分が信じている正義は違うかもしれないと自分を疑ってみる、矛盾をはらむことで自分自身を疑い迷い考え続けるヒントになる
環太平洋の平和思想の最高表現、懐が深い
平和を維持するのは殴らない立場でケンカする人間
テロに屈するな→戦争の論理発動
転向、吉本隆明
川端康成
インテリの言葉は皮膚感覚で伝わってこない、理解させる芸がない、
平和憲法を守る覚悟、
軍隊をもっても戦争なんてできないしむしろ巻き込まれていく
★軍隊をもたない価値を守るには、下手をすれば殺される下手をすれば殺す覚悟や犠牲を必要
憲法はあくまで国のコンスティチューション、国の制約と個人の問題は別
感動は善悪を超越したところで起こる
日本国憲法は政治と芸術の合作
感受性や想像力がもっと鋭くないと理想から離れていく
●藤田嗣治の戦争画
いまいる人といると年を取り、死んだ者とともにいようとし対話し蘇らせる努力は生命の蘇りを感じる
●ミラン・クンデラの不滅、集英社文庫、菅野昭正訳
SMAPのトライアングル
平和を表現することがいかに難しいか

九条は国家の免疫機構解除、
母体が子供を慈しみ育てるように、神話が人間と動物とのコミュニケーションの遮断を思考で乗り切るらせるように

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Posted by ブクログ 2014年05月01日

爆笑問題の太田光と宗教学者の中沢新一が、憲法九条をテーマに語り合った本です。

とにかくタイトルの秀逸さがすべてではないでしょうか。この「憲法九条を世界遺産に」というアイディアは、太田がジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』を読んで、日本国憲法がたいへんな偶然の中から生まれてきたものだという思いに打た...続きを読むれたことに基づいているとのことです。中沢も、こうした太田の発想のユニークさに深い理解を示しつつ、平和憲法を守れという護憲派の人たちも、ドン・キホーテのような理想を掲げる日本がそれでも戦後を着実に歩んでこれたのは、なかなかに賢いサンチョ・パンサが付き従っていたからだということを忘れてはならないと言います。

そして2人の議論は、理想と現実の限りなく広い振幅の間に引き裂かれながら立ち続けることの意義へと移って行きます。

非現実的だという批判をあらかじめ封殺した上で成り立っている議論だという気もしますが、価値あるものに賭けようとする2人の倫理性に感動を覚えるのも確かです。

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Posted by ブクログ 2013年11月16日

実に、日本国憲法とは、一瞬の奇跡であった。それは無邪気なまでに理想社会の具現を目指したアメリカ人と、二度と戦争を起こすまいと固く決意した日本人との、奇跡の合作だった。しかし今、特に九条は次第に輝きを奪われつつあるように見える。この奇跡をいかにして遺すべきか、いかにして次世代に伝えていくべきか。
芸で...続きを読むそれを表現しようとする太田と、その方法論を歴史から引き出そうとする中沢。
宮沢賢治を手がかりに交わされた二人の議論の行き着く先は…。

中沢)宮沢賢治はディスコミュニケーションを乗り越えたいと思っていた。
  他人の苦しみが自分の苦しみである状態を造りあげたいと思っていた。
  世界を一つにするという田中智学の危険な政治思想に共感していった。
太田)宮沢賢治の抱えていた矛盾とは何だろう。
  彼の作品には正義や愛があふれているけれど、
  正義こそが結果として人を殺す思想にもつながっていく。

● 10人集まれば10個の正義があり、相反する正義は喧嘩する。

中沢)自分の中に矛盾したものを、平気で受け入れていく。
  それに従って現実の世界でも生きていこうとすると、 
  しばしば未熟だといわれます。
太田)最後に必要なのは、理想を追う恍惚の中で、
  賢治も智学も持てなかったもの、自分を否定する勇気だ。

● 答に迷い続ける事も大事かも。見付けた答を自ら疑う姿勢も大事。

中沢)憲法九条は修道院みたいなものなんですね。
  現実を考えればとても無理じゃないかと思える理想や夢を、
  まがりなりにも実現させてみましょう、という人たちがいると、
  その周りの社会まで変わってきます。

● ”リンカーンにも敵は大勢いたわ。正義の人に敵は付き物よ。でも彼らのようなバカ正直が頑張って世の中をよくしてきたわ。信じるならもっと大きなものを信じなさい。“

太田)憲法九条を持ち続けている日本は、ドン・キホーテのように滑稽で
  しっちゃかめっちゃかに見えるかもしれないけど面白い。
  正気を失ってる時の方が元気でエネルギーがあるし絶対面白い世界
中沢)ドン・ホーテのそばに
  「ミサイル撃ち込まれたらどうするんですか、旦那」
  と言い続けるサンチョ・パンサがいる事がまた大事な事なんですね。
  日本がなかなか賢いサンチョ・パンサと一緒に歩んできたという事実を忘れてはいけません。

● 日本国憲法はドンキ・ホーテとサンチョ・パンサの二人組で60年守ってきた稀有な存在。

中沢)国家が国家である自分とは矛盾する原理を据えているわけで、
  日本国憲法が世界遺産に指定されるに値するポイントですね。
  現代の価値観ではあり得ない場所を持続しようというのが世界遺産の考えでしょう。
太田)人間とは愚かなものだから、これだけは守ることに決めておこうというのが、世界遺産の精神ですよね。
中沢)日本国憲法は矛盾をはらんでいますから、護憲、改憲と迷って当然です。
太田)矛盾を正せば迷わなくなるんでしょうけど、迷わなくなるほうが危ないと思う。

● 憲法改正したら日本を、家族を守れるのか?
改憲派は言う。
「彼女がレイプされても黙ってみているのか!」
じゃ、なにかい?
どっかの国の兵隊がパンツ脱いでわんさか押し寄せるってのかい?
レイプや殺人が目的で戦争仕掛ける国なんてあり得ない。
もちろん個人レベルではそんなの徹底的に叩きのめすに決まってる。
そもそも個人と国を同じレベルで語ることが間違っている。
戦争は政治の最後の表現手段で、本来国益を守るのは外交だ。

戦争しないっていう国に戦争しかけるのは国際世論を無視する相当な決断が必要になる。
でも戦争するって国になったら、戦争の可能性が今以上に高まるのは間違いない。
いずれにしても改憲派も護憲派も覚悟が必要だ。
戦地で死ぬか、座して死を待つか、最悪の事態の想定だ。
きっと政治指導者と官僚は戦地で死なない。
戦地で戦うのはそれ以外の国民だからだ。
国のために死ぬ事と家族のために死ぬ事は全く意味が異なる。
多くの人は、家族のためには死ねても他人のためには死ねない。と思う。
そもそも外交のあり方を議論せず、憲法改正を議論するのは乱暴だ
まずは戦争にならないような国際社会での日本の役割、立ち居振る舞いを国民全体で議論すべきだ。

中沢)日本国憲法が「世界遺産」に推薦されてしかるべき理由は、
  どこの国の憲法にもない、他者たちを同胞として受け入れようという、
  近代的政治思想では尋常ならざる原理をセットしている点にある。
  対談を通して世界遺産的な憲法を戴く事の利益と不利益を考えた。
  それがどのような結論であっても、他人に押し付けようと思わない。
  しかし、この国のユニークさだけは、明瞭に示す事ができたと思う。

日本国憲法第九条
日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、
国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、
国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
②前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。
国の交戦権は、これを認めない。

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Posted by ブクログ 2013年05月11日

憲法記念日なので、思い出して今さら読んだ。日本国憲法は66年前の今日施行された。

いちばん印象的だったのは、九条の理想を掲げるのは、軍隊を明文化するよりも覚悟のいることなのかもしれない、という部分。

自分は、ある種矛盾を抱えたこの憲法九条を大事にして、変えずにいたい。少なくとも、一時的な盛り上が...続きを読むりとか時代に合ってないとかの理由だけで、安易に改憲側になりたくないって思った。

あと印象的だった部分は、

・宮沢賢治が戦争に加担するかのような考え方を持ってたこと

・賢治は人と人だけでなく、人と動物との間の対立を乗り越えようと理想を追い求めたこと

・平和とは突き詰めると愛とはなにかという問題になること

・日本国憲法はアメリカ先住民から続く環太平洋的な思想を含んでること

・日本国憲法は矛盾を孕んでるからこそ、改憲派と護憲派からたくさん意見が出て来て議論になる。これはいいことだね。右とか左とか区別しすぎると偏りすぎるから。

とかかな。

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Posted by ブクログ 2012年11月26日

過去の蔵書も登録しておこうと思って、風邪気味の三連休に再読。

小泉純一郎元首相の話題があるけど、「ああ、そんな前に出版された本だったんだ(2006年初版)」。

現行の日本国憲法九条のネタだけでなく、宮沢賢治、田中智学、ドンキホーテをはじめとして会話は転がっていくけど、それは会話が転がっていく証拠...続きを読むで、ちょっとヒネた対談本ファンとしては醍醐味を感じる。


しかし、総選挙前のこの時期に読んだからか、太田光に一番共感できたのは、小泉純一郎に関して感じた部分だったりして。
オレには相容れない部分はあるんだよな。
(いい意味での)ペテン師というか、扇動者的な素養は評価するんだけど。まあ、そんな人が一般的には人気あるもんね。安倍晋三とか。

まあ、とか言っているオレも、どちらかというと改憲論派なんだけど…。

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Posted by ブクログ 2012年04月21日

爆笑問題の太田氏の軸が書かれていると感じた1冊。
彼は世の中には矛盾があるからこそ、そこからエネルギーが生まれると考え、その矛盾をただ全否定、全肯定するのではなく真っ直ぐ向き合うことが、今の世論に足りないのではないかと投げかけているように感じた。
同時に彼は言葉のもつ力に対し恐れを抱きつつも、発信者...続きを読むとしての責任はきちんと持ちたいと表明している点に彼の潔さを感じた。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年05月10日

朝日新聞で紹介されていたのと、爆笑問題の太田光と「アースダイバー」を書いた中沢新一の対談というのが面白そうで読んでみました。
私は珍しい組み合わせだな~とおもったけど、この二人はもともとメル友だったと書いてありました。

内容は、対談に初めと終わりに中沢新一の文章、中程に太田光の文章が入っていました...続きを読む
九条を中心に憲法改正問題が出てきていますが、タイトルどおり九条についてあれこれを話しています。非常にいろいろな方面の話がひきあいに出されています。対談のためか、引き合いに出されても「○○の××という部分が△△だよね」といったくらいにしか触れられていないので、その○○を知らないと何を言っているか分からない部分もあるようです。幸いにして、私の場合は8~9割は分かったので議論についていけたのですが、母には、分からないものばかりだったようで、「何を言っているのかさっぱり」という感想でした。

その上で、この本で語られているのは、九条(と日本国憲法)の実務的な成り立ちや方法論ではなく、もっと根元にあるだろう思想の部分だと感じました。根元をつきつめないと、表層だけの議論になってしまうということなのですが。では、実際どうなの?ということを考える人には、理想論もしくは精神論だけ語っているように見えてしまうかもしれません。
でも、やっぱり精神論も必要だと思います。…というか、私の場合、憲法って実務的な法律というよりも(いや、法律なんですけど)、法律の上にあるスローガンというかモットーみたいなものなのじゃないかと思っているので…。そういうのを憲法と言っていいのか?と言われると、一般的な世界(国)では違うでしょうねと答えるしかないです。この本でもそのように話されています。そして、その一般的でないところが日本国憲法の大切な部分だと。

この本を読んで、「何を言っているんだ」と感じる人もいるだろうし、「そういう考え方もあるのか」と感じる人もいると思います。私は、とりあえず、話に引き合いに出されたもので、まだ読んでいなかったりするもの…とくに、『ゲド戦記』の作者、アーシュラ・K・ル=グゥインの両親が関わった最後の野生のアメリカ原住民についての本「イシ 北米最後の野生インディアン」を読んでみたいと思いました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2012年02月02日

太田光という人が、どこを目指しているのかはわからないけど、とても頭の良い人だと思う。
タイトルからして、単なる護憲の安っぽい平和主義なんだろうと思っていたら、なかなかどうして、そんじょそこらの学者の憲法本なんて足元にも及ばない面白さでした。
中沢新一の役割も大きいか。

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Posted by ブクログ 2011年09月04日

2011.9.3-2011.9.4
お笑ひコンビ「爆笑問題」の太田光氏と、文化人類学者の中沢新一氏の対談を軸にした本。

一見、不釣合ひな二人による、「憲法九条を世界遺産に」といふふざけた感じの題の本だが、なかなかの力作だ。二人は以前からのメル友なのださうだ。

笑ひや言葉を、国家や法といつた仕組が...続きを読む持つ固さ、危ふさへの対抗力にしようといふのが基本的な主張だと言へよう。

太田氏が、桜の秘めた狂気と薔薇の棘を比べて語つてゐる(p92)が、 国家の暴走を抑へるのに、笑ひや言葉だけで充分なのか、権力を監視するといふ国民意識の涵養と制度作りが必要なのではないか、といふのが感想である。あるいは、この本の表現は余りに文学的で、誤解は避けられないのではないか。

宮沢賢治に関する部分は、当方に基礎知識が欠けてゐるので、納得できない部分が多かつたが、戦前の日本についての根本的な反省を欠いてゐる事が、今の日本の大きな問題であるといふ点は、全く同感である。

「クラウゼヴィッツの戦争論はつくづく正しいと思うなあ。戦争は政治の最終的表現形態にすぎないという、あれです。殴るのはケンカの最後表現にすぎないわけで、できるだけそこに至っちゃいけないというインド人の知恵はすごいと思う。テロに屈するなと言って戦争の論理を発動させると、その下で動いているものが何も見えなくなる。それを作動させないために文化があるわけで、物書きも芸術家も、お笑い芸人も平和を維持するのは、殴っちゃいけない立場にたってケンカする人間だと思うんですね。」p138

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Posted by ブクログ 2011年08月28日

まだまだやはり、自分は未熟で浅はかなんだな、と再確認させられた。

僕が特に感じたのは、太田さんの感覚の細やかさと膨大な知識量。テレビで戦争や憲法9条について熱弁する姿をみたことがあり、その知識量に驚いた記憶があるが、そのバッググラウンドには自分が経験したことのない大きさの知識と長い間そのことを熟考...続きを読むしてきたのだろう、ということ、それが文章から伝わってくるのである。

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Posted by ブクログ 2019年09月06日

宮沢賢治は童話を書きつつも軍国主義者の思想に染まっていた。戦争を二度と起こさないぞという意思が結集して奇跡が起きた。これが日本国憲法だった。
アメリカからも、実は憲法改正を求められている?
軍を持つ覚悟はあるか?国民が殺されても覚悟は?
時系列的に、網羅的にもっと憲法の歴史と考察が知りたいと思った。...続きを読む思想的な話が多かった。

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Posted by ブクログ 2017年01月08日

妄信的に護憲派な人も批判しながら、9条がいかに珍品かを語る。異常であり、奇跡でもある。
先の大戦、戦争を肯定した側を異常者として切らずに、なぜ肯定したのかを考える。宮沢賢治。そうしないと、同じ失敗を繰り返す。そうしても繰り返すかもしれないけど。

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Posted by ブクログ 2015年06月15日

爆笑問題の太田氏と文化人類学者の中沢氏が憲法九条について語り合った内容の議事録。2006年という今とはやや状況の異なる時代に書かれたものだが、刺激的。宮沢賢治や落語、武士道を引き合いに出して九条にアプローチしているのは面白い。我々含む「戦後の日本人」は、戦前の思想を危険思想としてタブーにしてきたきら...続きを読むいがある。見たらそこに戻ってしまうんじゃないかという恐怖で蓋をし、未だに見ないようにしている部分。その蓋を恐怖に負けずに開ける作業が、九条を語る上で必要ではないか。
本編とはずれるが、感受性は失われたものとの対話から生まれるっていう文言も、読んでハッとした。同時代に生きてるということは、似た様な思想を持っていることに違いないからね。もっと本を読まねばと思った一冊。短いので軽く読めます。

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Posted by ブクログ 2013年01月29日

少し九条に対して身をひいているような感じがしたのが少々期待外れだった。今、この世界で稀有で崇高な憲法九条を、もっと発展させる立場で発言されているのかなと思っていた。それでもこれだけ発言されていることには感動した。

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Posted by ブクログ 2012年09月30日

選挙前に憲法でも考えるかねえ、
ってことでコレ。いまさらー

憲法から脱線しまくって
スピリチュアルな話しをしている部分は、
恐ろしいほどつまらないです。笑
最初の方は読み飛ばした方が賢明かと。

ただ太田光の、憲法九条の矛盾や
非現実性を理解しながらそれでも

「そっちの方が面白い...続きを読むじゃん」

と喝破する思想には、衝撃すら受けた。
そりゃ、面白いわ。。(いろんな意味ですよ。念のため)

いずれにせよ憲法九条は
国民投票にかけて信を問うべき問題だと思う。
国民の衆愚性や現状の見識も含めて、ね。

それまでやっぱ、安倍政権は倒しちゃだめだ。


考えさせられる部分はすごい多いんだけど、
最初のあまりのとっつきにくさや内容構成が
本として終わってると思うので星3つ。

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Posted by ブクログ 2012年05月30日

憲法9条の背景について、多面的な見方をしているかはわからないけれど、よく分かる、読みやすい本でした。

歴史の先生や親から、日本国憲法はアメリカから押し付けられたものだというのを聞かされたなぁと思い出しました。

9条廃止の声がたまに出る中で、私は戦争なんてダメ!残すべき!と思っていたけれど、なぜ廃...続きを読む止が駄目なのかとか、9条の良いところ悪いところを知っていることは大事だよなーと。

それとは別に、死の表現を避けないかつての日本人の文化を改めて素敵だなと思った。生と死の間にもっと積極的に考えなければいけないことや、ヒントもたくさんがある気がする。

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Posted by ブクログ 2012年02月04日

沖縄の基地問題のニュースなどを見るにつけ、色々と思うところあって再読。
最初に読んだ時、いきなり宮沢賢治の話から始まって「???」となったけれど、今回もやはり「???」となった。
勿論、賢治の話から入っているのには理由があって、最初の「???」を乗り越えると後は一気読み。特に最終章である第4章には、...続きを読む己を振り返ってう~むと考えさせられる。
ストレートに護憲を訴えているのではなく、憲法九条とは何か、なぜ守るのかということを問いかけている本だと思う。

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Posted by ブクログ 2011年12月01日

昔から太田さん好きだったんです。
そこにきてこのタイトル。
「憲法九条を世界遺産に」
大賛成です。
九条が改正されて日本が戦争するようになってしまったら私はカナダ人になろうとちょっと本気で考えています。

それにしても太田さんの知識はすごい!
読むとわかります。宮沢賢治の話は衝撃的でした...続きを読む

この世から戦争がなくなる日を待っています。

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Posted by ブクログ 2011年10月10日

アボリジニが自分たちでさえ簡単に踏み込めないが、自分たちの精神的根源を確保する場所としてもっている「ドリームタイム」。庶民の暮らしから切り離されたところで日々厳しい戒律と利他に取り組もうとしている「丘の上の修道院」。そういった自分たちにとって正しいと思える場所がそこにあり、そこへ心を向けるだけで自分...続きを読むたちを正しい方向へ向かわせてくれようとするもの。憲法9条をそういった装置としてとらえようとする考えが面白い。確かに、現実の問題とは矛盾するし、政治的に間違っているかも知れないが、これがあることで「曲がりなりにもこれに反しないように」振舞っているという現実的な「タガ」としての作用、もしくは今後の人類がこういう崇高なものに取り組む可能性を残すためにも世界遺産登録して壊さないようにしよう、ということだ。大田が自省するように、対談はまじめすぎて、タイトルにかがけたような発想の突拍子のなさがないのが残念。

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Posted by ブクログ 2012年12月02日

少ない俺の知識では改憲か、護憲か、はっきりとした答えは出せないけれど「憲法九条」を考えるきっかけやヒントを与えてくれた一冊。

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