中沢新一のレビュー一覧

  • 熊から王へ カイエ・ソバージュ(2)

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    我々は"敢て"「国」を創らなかった優雅な民族の末裔なのか? なぜこうも人はティディベアが好きなのか?「権力」の対抗としての「文化」の意味とは?
    第一巻では思考の滑走路を十分加速しながら走り抜け、第二巻では浮遊する・・・そんな錯覚を起こすような知の遊戯本。
    「遊戯」とはいうものの、この遊戯は実に人間誰もが持っているsomethingを揺らす力がある。
    大学生への講義だけれど、「有用」なことを追求して生きている社会人にぜひ読んでほしいシリーズ。

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    2010年09月05日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    リアル教養醸成本! 中沢新一の講座を本にしたシリーズ第一冊目。人間が考え出した最古の哲学として「神話」を探求する。世界各国に存在する酷似したプロットの神話に「隠された意味」とは? あるいは地域によって異なる理由は? など興味深い問題意識を提起したうえで、シンデレラなど誰もが知っている具体的な物語を読みながら判り易く展開されている。

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    2010年09月04日
  • 愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)

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    中沢新一のカイエ・ソバージュ 第三巻。

    まずは気になったところを羅列。

    序章より
    ・経済の深層部分で「愛」と融合しあっている。

    第一章より
    ・経済の基本であるのは「交換」「贈与」「純粋贈与」。三つは相互に結びついている。ラカンは「ボロメオの結び目」と呼んだ。
    ・贈与は中間的対象。交換はモノと人格を分離する。

    第三章より
    ・ラスコーなどの壁面に描かれた動物」などは「無からの有の創造」を思考したという、純粋贈与の形を感じていたのではないか。
    ・洞窟の奥に描かれたパイソンの横に倒れているペニスがエレクトしている男性はシャーマンだったのではないか。いわゆる「ドラックパーティー」に使われていて二酸化炭素中毒により「死」と隣り合わせの状態を描いていたのでは。
    ・洞窟壁画は芸術の始まりと捉えられてきたが、抽象思考の始まりの場所であったのではないか。
    ・考古学的発掘品をみると、たとえばパイソンの角に13本の刻み目が彫りこんである。それは月の満ち欠けを表わしていてカレンダーとして使っていたのではないか。
    ・豊穣の女神を表わす、山羊の角を杯とする聖杯「コルヌコピア」は無から有を創造するように現実の富を生み出す能力を表わしている。

    第四章より
    ・贈与と交換は社会を流動させる。
    ・鍛冶と音楽と貨幣は深い関連をもつ。神話では鍛冶屋は音楽家として描かれる。これは叩くとこに由来している。そして金属は貨幣に関連している。

    第五章より
    ・労働の贈与と純粋贈与する大地が交じり合い、純生産は生まれる。人の繊細な技術によって、大地は悦楽し、増殖が起こり、剰余価値が発生する。

    第六章より
    ・資本主義において価値の増殖は表象の「トリック」によってつくられる。
    ・資本主義の価値増殖は「笑い」の生理作用と似ている。
    ・幼児が母親の乳房から養分を取る悦楽の中にも贈与的なつながりがみえる。
    ・マルクスは経済活動を通して贈与の原理を働かせて愛の関係を生まれることを望んでいた。

    第七章より
    ・経済の基本、価値の増殖の関係はキリスト教の三位一体の図式と同じ。
    ・クリスマスにはいろいろなタイプの精霊がでてくるため、資本の増殖と霊の増殖を一緒にお祝いできる。クリスマスこそわれわれの夢を実現しているのではないか。
    ・現代は何でも経済の影響化にある。その時代で生きている私たちは「荒廃」している現代の意味を考えなければならない。


    この書はタイトルがまずいい。
    「愛」と「経済」と一見結びつかない二つがテーマとなっている。
    しかし本書にてその二つは見事に結びつく。
    中沢新一流経済学書は世の中の経済の流れを教えてくれるのではない。
    経済の誕生とそこに生きている私たちの意味を提議してくれている。大変興味深く読ませていただいた。
    世の中にある「モノ」に意味のないものなんてない。
    すべてに意味・理由があり、それらは繋がっているのだ。

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    2010年08月29日
  • 愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)

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    [ 内容 ]


    [ 目次 ]
    序章 全体性の運動としての「愛」と「経済」
    第1章 交換と贈与
    第2章 純粋贈与する神
    第3章 増殖の秘密
    第4章 埋蔵金から聖杯へ
    第5章 最後のコルヌコピア
    第6章 マルクスの悦楽
    第7章 聖霊と資本
    終章 荒廃国からの脱出

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    共感度(空振り三振・一部・参った!)
    読書の速度(時間がかかった・普通・一気に読んだ)

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    2010年07月14日
  • 神の発明 カイエ・ソバージュ(4)

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    [ 内容 ]
    内部視覚、瞑想、夢の時間…。
    「宗教的思考」の根源はどこにあるのか?精霊が超越を生む。
    高神から唯一神へ。
    “精神の考古学” が、神々の基本構造をあざやかに解き明かす。

    [ 目次 ]
    スピリットが明かす神の秘密
    脳の森の朝
    はじめての「超越」
    神にならなかったグレートスピリット
    自然史としての神の出現
    神々の基本構造(メビウス縫合型;トーラス型)
    高神から唯一神へ
    心の巨大爬虫類
    未来のスピリット

    [ POP ]


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    2010年07月14日
  • 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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    [ 内容 ]
    神話、国家、経済、宗教、そして対称性人類学へ。
    「圧倒的な非対称」が支配する世界の根源を問う冒険、ここに堂々完結。
    抑圧された無意識の「自然」は甦るのか?
    「対称性の論理」が切り開く新たな世界とは?
    野生の思考としての仏教を媒介に、来るべき形而上学革命への展望を示す。

    [ 目次 ]
    序章 対称性の方へ
    第1章 夢と神話と分裂症
    第2章 はじめに無意識ありき
    第3章 “一”の魔力
    第4章 隠された知恵の系譜
    第5章 完成された無意識―仏教(1)
    第6章 原初的抑圧の彼方へ―仏教(2)
    第7章 ホモサピエンスの幸福
    第8章 よみがえる普遍経済学
    終章 形而上学革命への道案内

    [ POP ]


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    2010年07月14日
  • 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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    神話と科学、哲学の意外な繋がり。人間の、思考する、という行為の奥底には一体どのような力が働いているのか、思考の原点を突き詰めています。

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    2010年07月09日
  • チベットのモーツァルト

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    本書のキーワードを一つあげるなら「間(あわい)」ということになろうか。存在と非存在の間。男と女の間。発話と沈黙の間。意味形成性の間。──その微妙なあわい、空性をすり抜けて、意識の自然、大いなる歓び、大楽に辿り着かん。……こうして無理矢理要約するとまるで妖しげなカルト宗教書のようだが、本書はジュリア・クリステヴァを軸にポスト構造主義思想とタントラ密教の教えを互いが互いの添え木となるようパラレルに展開しながら、現代社会が繰り出す足枷をすり抜けて真に自由に今を生きる知恵を提示しようと試みる。浅田彰が『構造と力』や『逃走論』で「クラインの壺型社会」からの「スキゾフレニックな」「逃走」という極めて抽象的な表現に留めているこの手の現代思想の結論部分を、本書はより具体的に、時に過剰なほど微に入り細を穿って描写する。その描写があまりに細密かつ極彩色に彩られているが為にかえって置いてきぼり感を感じなくもないが、もともと「あわいをすり抜け」るなどということが幻覚すれすれの微妙なバランスの上にしか成り立たないであろう事を考慮すれば致し方あるまい。むしろそのスリリングな思考の過程やパースペクティブを楽しむべきだろう。改めてじっくり曼陀羅を眺めてみたくなった。

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    2010年06月03日
  • 虹の理論

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    本書は、切り出すことが困難である。なぜならそれは、脳の連合野だからである。視覚や聴覚に関する一時の感覚中枢や、身体運動を起こさせる一次の運動中枢なら、切り出せといわれれば、私にだって切り出せないことはなかろう。しかし、連合野は、そうした特定の具体的機能を示す中枢を切り出した「後に残る」部分として、定義されるものである。文句をいうわけではないが、切り出しにくいこと、おびただしい。

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    2010年04月03日
  • 森のバロック

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    南方熊楠の思想についての本。
    本草学と夢の思考と野生の思考は多様な領域をアナロジー
    分類の博物学からシステムとしてのオートポエーシスへ
    森のエコロジーは公楽論理の原神道マンダラ郷土
    ニルヴァーナと幽霊と高次元と粘菌

    中沢新一の本のなかでは一番読み応えがあった。一人の人間についてここまで粘っこく書いているのは他にない。それだけ南方熊楠は捕まえきるのが困難な多様な存在だったのだろう。こんな人間がいたことにわくわくしてしまった。中沢新一の以後の対称性人類学に繋がる一冊。

    粘菌は動物でも植物でもなく、性別も持たず、生と死も曖昧な存在。

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    2010年03月22日
  • 愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)

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    本当の豊かさとは? 資本増殖の秘密とは? 貨幣と魔術、愛と資本主義。全体性の運動としての経済と精神の構造は同一。資本主義の彼方に出現する「未知の贈与論」を探究する。

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    2010年01月10日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    構造主義的神話論。メインはシンデレラ伝説。確かに面白いんだけど、ちょっと読み易過ぎかな。。。もうちょっと歯応えがあっても良いような気がする。入門書としてはお勧め。

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    2009年10月04日
  • 愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)

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    中沢新一さんのシリーズ第三段。今回は経済について。三位一体モデルと同じ構造をしている経済のシステム。そしてそれは…

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    2009年10月04日
  • 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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    全5巻の最終巻。「人間/自然」「精神/肉体」「理性/感情」のような二項対立的思考の機能不全ぶりを突く。
    「至高性」は「彼岸」にあるのではない。わたしたちは常にそれにアクセスしている。

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    2009年10月04日
  • 人類最古の哲学 カイエ・ソバージュ(1)

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    人類的分布をみるシンデレラ物語分析がなんとも興味深い。全てを疑い穿りかえす思想家だの宗教学者だの文化人類学者だのがいてくれるから、世の中は面白いのだと気付かされるのだ。

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    2009年10月04日
  • 愛と経済のロゴス カイエ・ソバージュ(3)

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    シリーズもあと2作で完結。相変わらず面白かったけど、頭が悪くてなんとなくの雰囲気しかわからない。
    しょせん私は文科系。

    でも、「贈り物」とは奥が深〜い、というのだけは良くわかりました。

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    2009年10月07日
  • チベットのモーツァルト

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    すごーくおもしろい
    でもすごーくむつかしい
    社会学(?)の用語が満載で呪文のよう。
    日本語で書いてあるはずなのに
    ああもっと勉強しておけば良かった、、、

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    2009年10月07日
  • 対称性人類学 カイエ・ソバージュ(5)

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    圧倒的非対称が支配するこの世界で、対称性が支配する神話や古代宗教について考えることは、とても有意義なことです。

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    2009年10月04日
  • いま、ここにある神話

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    面白い考えを読ませてもらった。神話とセカイ系の話が印象に残っている。

    しかし憶測とか想像とかで語ってるんじゃないかと感じる部分も多く、また雑誌の連載を本にしたものだから一つ一つの話にテーマがミトロジーということ以外に関連性がなく、何かあった時に思い出して見る本とか読み返したい本として置いておきたい気持ちはあまり感じなかった。雑誌に載ってる連載として一度だけサラッと見るのがちょうど良さそうと感じる。

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    2026年10月27日
  • いま、ここにある神話

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    現代社会を鋭く分析しながら、軽やかで、読み易く、でも深い、そんなエッセイの数々だった。岡山に触れている章があり、こんな風に評価してもらえることはあまりないのではないか、と面白く感じながら読んだ。

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    2026年09月21日