中沢新一のレビュー一覧
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現在は、あらゆることが経済によって決まる。つまり、儲かるかどうかということ。そうした経済の論理は「交換」によってなりたっている。等価交換、ある価値があるものには、その対価をはらわなければならない。一方、「贈与」も行われる。迂遠な「交換」の一形態ともとらえられるが、実は、「交換」より前に成立していたシステムだ。
しかし、この「交換」「贈与」だけで説明できないものが世の中にはある。その最たるものが、「生」と「死」。生まれてきたとき、その命はどこから贈られたのか?死んだのち、その命はどこへ贈られたのか?その対価は何なのか?誰にたいして支払われ、また誰が支払うものなのか。この現象がおそらく「純粋贈与」 -
Posted by ブクログ
一神教の世界は真ん中の空いた浮き輪のようなもの(トーラス)をびっしりと「ことば」が覆いつくしているイメージで描かれている。「この世」の現実はことばの象徴秩序によってつくられているという考え方だ。しかし、真ん中にぽっかり空いた穴は埋めることはできない。それを満たすことができるのが唯一、神(ゴッド)であると考えられている。
かくして知性偏重、「知」と「権力」が一体であるような文明が生まれた。
しかし、当然のことながら、知性のみで全てのものごとを掌握することは難しい。例えば「生命」だって、形質についての情報を伝えるゲノムのみでは、生命体が「生きる」ことはできない。それが動き出すような着火剤の働きをす