中沢新一のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
第1巻で加速し、第2巻で浮遊し、この第3巻では、本来並んで語れることの少ない現世の2大キーワード「愛」と「経済」をひとつにした巨大クラウドに突入! いやあ、大胆な試みです。面白い。
「交換」という方法だけが支配する世界では、人が、気持ちが阻害されてしまう。おカネを稼ぐために経済社会のシステムに埋没し、労働のリアルな幸福感を得ることができにくい、かなしき状況はここ何十年か続いていて、もう限界だろうと、多くの日本人が思っているのではないでしょうか?
では、どうしたらよいのか?
そのひとつの答えとして、古来にあった「贈与」あるいは「純粋贈与」という方法の存在を提示してくれています。
そして、もうひ -
Posted by ブクログ
中沢新一のカイエ・ソバージュシリーズの第二巻。
ここで特に語られていることは、「熊」をカミとして万物の生物との「対象性の思考」、そこからの「野蛮」の介入によるクニ、国家の誕生についてである。
第一巻同様にたくさんの神話(今回は部族の言い伝えかな)がふんだんに盛り込まれていて大変に興味をそそられた。
様々なつながりの知識が入ってきて感動する。知らなきゃ、知らないまま。でも知らないではもったいない。
とりあえずつらつらと気になるところをあげていく。
序章より
・相手が動物であれ、人間であれ、相手を「野蛮」だと決め付けて、自分は文明的だとうっとりするということは容易には崩れない非対称の関係が -
Posted by ブクログ
現在は、あらゆることが経済によって決まる。つまり、儲かるかどうかということ。そうした経済の論理は「交換」によってなりたっている。等価交換、ある価値があるものには、その対価をはらわなければならない。一方、「贈与」も行われる。迂遠な「交換」の一形態ともとらえられるが、実は、「交換」より前に成立していたシステムだ。
しかし、この「交換」「贈与」だけで説明できないものが世の中にはある。その最たるものが、「生」と「死」。生まれてきたとき、その命はどこから贈られたのか?死んだのち、その命はどこへ贈られたのか?その対価は何なのか?誰にたいして支払われ、また誰が支払うものなのか。この現象がおそらく「純粋贈与」 -
Posted by ブクログ
一神教の世界は真ん中の空いた浮き輪のようなもの(トーラス)をびっしりと「ことば」が覆いつくしているイメージで描かれている。「この世」の現実はことばの象徴秩序によってつくられているという考え方だ。しかし、真ん中にぽっかり空いた穴は埋めることはできない。それを満たすことができるのが唯一、神(ゴッド)であると考えられている。
かくして知性偏重、「知」と「権力」が一体であるような文明が生まれた。
しかし、当然のことながら、知性のみで全てのものごとを掌握することは難しい。例えば「生命」だって、形質についての情報を伝えるゲノムのみでは、生命体が「生きる」ことはできない。それが動き出すような着火剤の働きをす