中沢新一のレビュー一覧
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爆笑問題の太田氏と文化人類学者の中沢氏が憲法九条について語り合った内容の議事録。2006年という今とはやや状況の異なる時代に書かれたものだが、刺激的。宮沢賢治や落語、武士道を引き合いに出して九条にアプローチしているのは面白い。我々含む「戦後の日本人」は、戦前の思想を危険思想としてタブーにしてきたきらいがある。見たらそこに戻ってしまうんじゃないかという恐怖で蓋をし、未だに見ないようにしている部分。その蓋を恐怖に負けずに開ける作業が、九条を語る上で必要ではないか。
本編とはずれるが、感受性は失われたものとの対話から生まれるっていう文言も、読んでハッとした。同時代に生きてるということは、似た様な思想 -
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「妹の力」のように沢山の採取したフォークロアの披露で脱線気味ということはなく、読み易い。
それでも、え、あの話まだ続いていたんですか、ってまるで落語の崇徳院のような感想を持った処もあったけれど。
地道に証拠を積み上げ、結論を急いで出すことがない。最後に仮説を提示するする姿勢は、プロの論考というべきもの。
ミミラク、ミ―ラクというあの世に繋がる海の彼方のイメージがあったのではとしている。美々良久の島、肥前の三井楽の崎、紀州の補陀落渡海、鹿島踊りのみろく船についての論考。刺激的な話だけれど、証拠が少ないのでは。
死後の魂が向かう「根の国」は地下の世界ではない、黄泉の国のイメージは中国から伝えら -
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大阪という土地がどのようにして出来上がり、そこにどんな人が住み着いて大阪という場所を作り上げたかと言う非常に興味深い試みなのだが、中沢氏の妄想やこじつけが不協和音のように感じられてしまい話には入り込めなかったのが残念。それと時代ごとの地図があればもっと親切なのだが文章に現れる地形と実際の地形の感覚が少しずれて感じた。
古代の大阪は河内湾という内海で、大和川の沖積平野が次第に出来上がって弥生人が稲作を始めた。河内湖は南から大和川、北からは淀川に運ばれる土砂で徐々に埋められていき、今の御堂筋界隈は淀川河口に堆積したいくつもの洲が生まれてきたところで、ナニワの街ができるのはだいぶ後になる。渡来人や -
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河合隼雄さん、あるいは茂木健一郎さん、からのつながりで、本書を知ることになり、読んでみた。
中沢新一さんに対しては、正直言ってあまりいい印象をもっていなかった。
なんだか、節操なくいろんなことをしている人、という気がして。といっても、それってずいぶん昔、90年代か?、のことだけど。
対称性とか非対称性って、時々耳にするけど、ものごとって、抽象化していくと、対象が少なくなっていって、ひとつまで抽象化するといろんなものを無視しなくてはいけないけど、2つなら、対立関係とか、類似性とか、相互依存関係とか、表現できるので、そのへんにしておくと、いろんな考え方ができるという意味で。
本の中では、さまざ -
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爆笑問題の太田光と宗教学者の中沢新一が、憲法九条をテーマに語りあった本です。
とにかくタイトルの秀逸さがすべてではないでしょうか。この「憲法九条を世界遺産に」というアイディアは、太田がジョン・ダワーの『敗北を抱きしめて』を読んで、日本国憲法がたいへんな偶然のなかから生まれてきたものだという思いに打たれたことにもとづいているとのことです。中沢も、こうした太田の発想のユニークさに深い理解を示しつつ、平和憲法を守れという護憲派の人たちも、ドン・キホーテのような理想を掲げる日本がそれでも戦後を着実にあゆんでこれたのは、なかなかに賢いサンチョ・パンサがつきしたがっていたからだということを忘れてはならな -
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久しぶりに中沢新一読みました。中沢新一のテーマは一貫して従来の知性が見つけられないもの、体系的でない知識です。読んでいるととても心地よいです。テーマは繰り返されることが多く、結果としてこの知識を体系的に学びたくなったりします。なんか繰り返さないでもっとうまく伝えてくれないかな、みたいな。この本も、比喩やフィールドワークの美しい文体を使って同様なテーマを何度も掘り下げることによって体系的でない知識を伝えるという構成にやっぱりなっています。この本は様々な公演をまとめたりしている本であるということも関係しているように思います。でも、一方で、体系的に体系的でない知識を語られてもうさんくさいだけのように
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核反応がその他のエネルギーとはかなり違うというのは、改めて指摘されてみるとなるほどと納得のいく話だった。そしてなぜに人が原子力開発に手を付けるのかと思いめぐらすと、そこには資本主義のいきわたった地上でなんとなく感じている貧富のゼロサム感が大きいんじゃないだろうか。結局貧しき者があって富める者がいる、全体でここからのレベルアップがまだあるのか、と人類が思う先行き感の不安がそこにあると思う。
そこで再認識させられたのが太陽の存在。この無限の闇広がる宇宙空間に燦々と降り注ぐ贈与。結局、化石燃料も生命の源泉も太陽光輻射があたえるエネルギーに依る。今後テクノロジーの発展が人にとって相対的に無尽蔵で対価を -
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選挙前に憲法でも考えるかねえ、
ってことでコレ。いまさらー
憲法から脱線しまくって
スピリチュアルな話しをしている部分は、
恐ろしいほどつまらないです。笑
最初の方は読み飛ばした方が賢明かと。
ただ太田光の、憲法九条の矛盾や
非現実性を理解しながらそれでも
「そっちの方が面白いじゃん」
と喝破する思想には、衝撃すら受けた。
そりゃ、面白いわ。。(いろんな意味ですよ。念のため)
いずれにせよ憲法九条は
国民投票にかけて信を問うべき問題だと思う。
国民の衆愚性や現状の見識も含めて、ね。
それまでやっぱ、安倍政権は倒しちゃだめだ。
考えさせられる部分はす -
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思想家、中沢新一さんによる脱原発、新エネルギー社会論。
いわく、元来、生物の活動は、生態系内で太陽エネルギーをエネルギーに変換することにより営まれてきた。原発はこれに反し、生態系外から太陽と同じ核反応を直接生態系内に持ち込んだもので、もともと無理がある。また、全てを経済的価値に置き換えて評価する資本主義と、エネルギーを外部から持ち込む原発は親和性が高い。また、生態系内の事象の相互連携ではなく、絶対的なエネルギー源を志向する点で一神教的発想に近いという。
今回の震災を契機に、日本は率先して生態系内でのエネルギー循環型社会に変換すべきで、それとともに行き過ぎた資本主義も人々のつながりや贈与、交換を -
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憲法9条の背景について、多面的な見方をしているかはわからないけれど、よく分かる、読みやすい本でした。
歴史の先生や親から、日本国憲法はアメリカから押し付けられたものだというのを聞かされたなぁと思い出しました。
9条廃止の声がたまに出る中で、私は戦争なんてダメ!残すべき!と思っていたけれど、なぜ廃止が駄目なのかとか、9条の良いところ悪いところを知っていることは大事だよなーと。
それとは別に、死の表現を避けないかつての日本人の文化を改めて素敵だなと思った。生と死の間にもっと積極的に考えなければいけないことや、ヒントもたくさんがある気がする。