七尾与史のレビュー一覧
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主人公・須山民夫は、懸賞サイトで小型カメラが当たる。しかし、当たったがために大学の先輩が勝手に退職届を出し、ネオチューバーに誘われる。その目的は、ブレイクを果たし、大金を手に入れ、大学の時に執筆した作品の映画化を果たすこと。
投稿する内容は、過去の不可解な未解決事件の謎を解くこと。その第1弾が、人気ネオチューバーの一人が、突然狂いだし、仲間を殺したという事件。果たしてその真相とは?
表紙はラノベっぽいですが、ミステリー小説でした。
惨劇の真相を探るだけでなく、〇〇チューバーについての基礎知識や動画をアップする時のテクニックなど解説書を読んでいる感覚も加わって、面白かったです。
「血溜まりボ -
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2020年、8冊目は、主に隙間用にしていたアンソロジー。
今回は、一言感想を添えて。
秋吉理香子「神様」
デビュー作『暗黒女子』を色んな意味で、ミニマムにした感じのイヤミス。「凝縮」じゃなく「ミニマム」ね。
井上真偽「青い告白」
大オチは早い段階で気付いた。どぅ、ソコにもってくのか、注目してたが、展開と伏線回収が絶妙。この中では、一番好み。
友井羊「枇杷の種」
残念なのは、この位置に配されたコト。次と逆の位置、または最後なら……。アレ⁉️と引っ掛かったトコが……。
七尾与史「それは単なる偶然」
らしいと言えば、らしい。ただ、個人的には、好みとは言えない。
八津矢車「札差用心棒・乙吉 -
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今回は外国人実習生が事件に絡む展開。日本の人口が先細りするなか、いかに労働力を確保するかという、いわば社会問題でもあるネタを織り込む構成です。
前作では短編集でいくつかの事件が扱われていた分、古着屋の活躍シーンが多かったのですが、今回は全編を通して一つの事件を扱う構成のためか、古着屋の料理が事件解決につながるシーンは少なかったです。
一方、ライトなノリは健在で肩の力を抜いて楽しむ読み物としては好適といえるでしょう。事件そのものは難しいトリックがあるというわけではないので、アタマを使わずにすみます。反面、難しいトリックを読みながら自分でも解いてみたい、主人公がトリックを解く面白さを期待する、とい -
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警察署の地下にある絶対味覚の持ち主である古着屋がシェフを務める「ティファニー」を舞台とした刑事もの。ライトなノリで楽しんで読める一冊ではあるのですが、2章のテーマはちょっと重めです。
主役コンビの2人よりミステリアスな存在感を醸し出している古着屋のほうがキャラ的にはおもしろいですね。逆に主人公コンビのほうはちょっとあっけらかんとしすぎているせいか、あまり魅力を感じませんでした。
ストーリーとしては刑事ものということで、起こった事件ははっきりしていますし、犯人らしき人物も浮かび上がってきますので、ミステリーほどのタネや仕掛けはありません(3章も読んでる途中で犯人わかってしまいましたし…)。ただ、 -
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読み始めた段階ではわかりませんでしたが、全編通しで話しがつながっている構成。”山手線探偵”だけにぐるりとつながっている、というところでしょうか。
しがない探偵である霧村の推理により謎のつながりを解明してゆくところはそれになりに読み応えがあるのですが、せっかくの洞察力のすごさがインパクトの少ない描写にとどまっているような気がしました。落ちぶれキャラだけど推理力は抜群というギャップがあるので十分魅力的なキャラなのですが…。それとミキミキさんがちょっと中途半端なような気もします。
山手線で活動する探偵というのが現実的かどうかはともかくキャラをみがけばもっとオモシロイ作品になると思います。続編があるよ -
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一巻、二巻にくらべるとページ数が少ない構成ですが、これくらいが読みやすい分量かも。事件の人間関係も前作までほどの複雑さはなくすんなり読みこなすことができました。
ただ犯人の毛利についてはちょっと唐突に登場した感がありますね。前半部分では「ナゾの人物」の節で(二回)登場する人物が同一でミワケンかとミスリードさせる構成になっていて、実は別々の人物であったということですよね。二巻では香音の担任の先生が実は犯人だったという”そうだったのか”感は今回はなかったかな。まぁ、登場人物が少なくその関係性もシンプルな反面、犯人に意外性を求めようとするとこういう展開にならざるをえないのかもしれませんね。