七尾与史のレビュー一覧
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読書録「バリ3探偵圏内ちゃん」3
著者 七尾与史
出版 新潮社
p80より引用
“ 嫉妬や憎悪や怨恨。他人に負の感情を向
ければいずれはそれが跳ね返ってくる、因果
応報である。”
目次より抜粋引用
“圏内ちゃん、降臨!
HNはアナグラム
忌女板では基本中の基本
十一年前のハンティング
弱点だらけの救世主”
電波がなければ生きていけない、ネット依
存者を主人公とした長編ミステリ。
ネットに自らの悪行を書き込んでいた青年
が、ネット住民から吊るし上げにされた。断
片的な情報から身元を特定するものを選び出
す、ネット民の中でも腕利きの人達によって、
青年の個人情報は次々と明るみにさらされ…。
上記の引用は、主人公たちが青年の書き込
みから相手を追い込んでいる様子を見ての、
主人公・圏内ちゃんの夫の胸の内。
画面の向こうは現実世界であるということを、
忘れないようにしたいものです。
ネット環境が整った、現代ならではのミス
テリ小説。のように思いましたが、自分のテ
リトリの中からあまり動かずに事件を解決す
るという話は、割と昔からある定番の型のよ
うに思います。圏内ちゃんは、電波があれば
外出もしていたので、そこも少し違うところ
でしょう。
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Posted by ブクログ
主人公・須山民夫は、懸賞サイトで小型カメラが当たる。しかし、当たったがために大学の先輩が勝手に退職届を出し、ネオチューバーに誘われる。その目的は、ブレイクを果たし、大金を手に入れ、大学の時に執筆した作品の映画化を果たすこと。
投稿する内容は、過去の不可解な未解決事件の謎を解くこと。その第1弾が、人気ネオチューバーの一人が、突然狂いだし、仲間を殺したという事件。果たしてその真相とは?
表紙はラノベっぽいですが、ミステリー小説でした。
惨劇の真相を探るだけでなく、〇〇チューバーについての基礎知識や動画をアップする時のテクニックなど解説書を読んでいる感覚も加わって、面白かったです。
「血溜まりボンボン」や「カナキン」などどこかで聞いたことのあるワードを知っている人には、なお面白さが増すと思います。〇〇チューバーになりたい人には、一度読んでみるのも良いかと思います。
事件の推理も面白いですが、廃墟に潜入するライブ感が、恐怖を煽りました。その場所にいるかのような文章で書かれていて、次々と迫る恐怖感がなんとも言えませんでした。
真相は、一応解決しますが、ちょっと強引かなあという印象でした。確かに一理ありますが、スッキリとした感じにはなりませんでした。解決の過程は、言葉ではなかなか分かりにくく、映像で見てみたいなと思いました。
ネオチューバーになった主人公たち。ブレイクするのか?
結果的にご都合主義な感じは否めませんが、続編があるのでは?という終わり方でしたので、次回があるとしたら、次作はどうなるのか楽しみです。 -
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2020年、8冊目は、主に隙間用にしていたアンソロジー。
今回は、一言感想を添えて。
秋吉理香子「神様」
デビュー作『暗黒女子』を色んな意味で、ミニマムにした感じのイヤミス。「凝縮」じゃなく「ミニマム」ね。
井上真偽「青い告白」
大オチは早い段階で気付いた。どぅ、ソコにもってくのか、注目してたが、展開と伏線回収が絶妙。この中では、一番好み。
友井羊「枇杷の種」
残念なのは、この位置に配されたコト。次と逆の位置、または最後なら……。アレ⁉️と引っ掛かったトコが……。
七尾与史「それは単なる偶然」
らしいと言えば、らしい。ただ、個人的には、好みとは言えない。
八津矢車「札差用心棒・乙吉の右往左往」
歴史物苦手の自分。展開的には嫌いじゃないし、キャラもイイ。それでも、脳内映像喚起等、少し難を感じた。
今回のアンソロジーの拾いモノは、井上真偽。この方は単著を読んでみたい。
解説は、解説~読む方にも対応しているし、単著を探すのにも有効な親切設計。一方で、コレも個人的見解だが、途中で休憩挟む位、少し親切に過ぎた感もあり。 -
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今回は外国人実習生が事件に絡む展開。日本の人口が先細りするなか、いかに労働力を確保するかという、いわば社会問題でもあるネタを織り込む構成です。
前作では短編集でいくつかの事件が扱われていた分、古着屋の活躍シーンが多かったのですが、今回は全編を通して一つの事件を扱う構成のためか、古着屋の料理が事件解決につながるシーンは少なかったです。
一方、ライトなノリは健在で肩の力を抜いて楽しむ読み物としては好適といえるでしょう。事件そのものは難しいトリックがあるというわけではないので、アタマを使わずにすみます。反面、難しいトリックを読みながら自分でも解いてみたい、主人公がトリックを解く面白さを期待する、という方には不向きな作品かと。
あと、物語の最後はちょっとばたばた感が目につきますね。犯人と目していた人物が死んでいることがわかったり、真犯人にたどりつくところもちょっとあっけないというか。じわじわと犯人に近づくという展開ではないので、物足りなさが残ります。 -
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警察署の地下にある絶対味覚の持ち主である古着屋がシェフを務める「ティファニー」を舞台とした刑事もの。ライトなノリで楽しんで読める一冊ではあるのですが、2章のテーマはちょっと重めです。
主役コンビの2人よりミステリアスな存在感を醸し出している古着屋のほうがキャラ的にはおもしろいですね。逆に主人公コンビのほうはちょっとあっけらかんとしすぎているせいか、あまり魅力を感じませんでした。
ストーリーとしては刑事ものということで、起こった事件ははっきりしていますし、犯人らしき人物も浮かび上がってきますので、ミステリーほどのタネや仕掛けはありません(3章も読んでる途中で犯人わかってしまいましたし…)。ただ、古着屋の作る料理が事件を解決に導くのに一役買う、という少々異色の展開が興味深いといえます。
続編もあるようですので、そちらも読んでみようかと思います。それにしてもこの作品、古着屋視点の作品のほうがおもしろいのでは、と思ってしまいます。古着屋はまだ謎のキャラですが、その醸し出す雰囲気はどこか欠落したものを抱えているように見えるんですよね。作品の主人公はなにか欠落したところがあるほうが面白みが増すという定石もありますし、●●シェフの事件簿、的な推理小説にリメイクするのはどうでしょうか。 -
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読み始めた段階ではわかりませんでしたが、全編通しで話しがつながっている構成。”山手線探偵”だけにぐるりとつながっている、というところでしょうか。
しがない探偵である霧村の推理により謎のつながりを解明してゆくところはそれになりに読み応えがあるのですが、せっかくの洞察力のすごさがインパクトの少ない描写にとどまっているような気がしました。落ちぶれキャラだけど推理力は抜群というギャップがあるので十分魅力的なキャラなのですが…。それとミキミキさんがちょっと中途半端なような気もします。
山手線で活動する探偵というのが現実的かどうかはともかくキャラをみがけばもっとオモシロイ作品になると思います。続編があるようなのでそちらも読んでみようと思います。 -
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一巻、二巻にくらべるとページ数が少ない構成ですが、これくらいが読みやすい分量かも。事件の人間関係も前作までほどの複雑さはなくすんなり読みこなすことができました。
ただ犯人の毛利についてはちょっと唐突に登場した感がありますね。前半部分では「ナゾの人物」の節で(二回)登場する人物が同一でミワケンかとミスリードさせる構成になっていて、実は別々の人物であったということですよね。二巻では香音の担任の先生が実は犯人だったという”そうだったのか”感は今回はなかったかな。まぁ、登場人物が少なくその関係性もシンプルな反面、犯人に意外性を求めようとするとこういう展開にならざるをえないのかもしれませんね。