Posted by ブクログ
2020年12月21日
読書録「殺戮ガール」4
著者 七尾与史
出版 宝島社文庫
p125より引用
“ そんな二人を女は狙った。彼女たちが姿
を消しても誰も気づかないだろうし、そうで
あればすり替わっても同じことだ。肉親や頻
繁に連絡を取り合う親戚や友人がいたらそう
はいかない。”
大量失踪事件に端を発した、不可解...続きを読むな出来
事と、その周囲に常に存在する人物を描いた、
長編ミステリ。同社刊行作「殺しも芸の肥や
し殺戮ガール」改題・加筆修正文庫版。
遠足先へ向かうバスの中に入る、暑さが引
けてきた秋へと季節が移る空気に、気分が癒
される女子高生たち。はしゃいだり進路につ
いて話したりしていた彼女たちに、突然異変
が降りかかる…。
上記の引用は、いつの間にか他人に入れえ
変わっている謎の女についての一節。
自分の人生を乗っ取られないためには、普段
からの人づきあいが大切なのかもしれません。
デジタル隆盛の世の中ですが、直接顔を突き
合わせてやり取りする相手がいることは、防
犯上大切になってくるのはなんだか皮肉です。
どうしようもない人間というのは、確実に
存在するのは、現実の事件を見ていても思う
ことです。そんな人について書かれているの
で、後味はあまり良くない一冊です。何時ま
でも気持ちにこびり付くような、そんな感じ。
それも平気ならば、面白い一冊ではないでしょ
うか。
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