感情タグBEST3
Posted by ブクログ 2021年09月28日
通信圏内でしか生活できないHN圏内ちゃん。ある日ネット上で拾った些細な投稿から「左手を切断される連続殺人事件」に巻き込まれる。ネットに溢れるあらゆる情報や掲示板に集まる人達を駆使してジワジワ追い詰めていく。外出もままならない圏内ちゃんをあらゆる面でサポートするパートナー朔太郎の存在も良い。可愛い表紙...続きを読むであまり期待してなかったけど(←偏見)もっと早く読めば良かった。雰囲気はライトだけど、しっかりミステリー。シリーズ物なので楽しみ。
Posted by ブクログ 2016年10月24日
○安楽椅子探偵にネット捜査を加えた最強コンビの圏内ちゃんが探す犯人は一体誰!?
主人公は町村緑子こと、ハンドルネーム「圏内ちゃん」。治療のできない歯医者である見内朔太郎と結婚している。
圏内ちゃんの特徴と言えば、なんといってもネット上の「忌女板」で特定班として大きな役割を果たしていることだ。画像解析...続きを読むをし数少ない手がかりから犯人への手がかりを見つけ出す。
そしてもう一つの重要な特徴が、携帯の電波が3本あるところでないと動き回れないことだ。朔太郎がいることの意味はここにある。
今回の物語は、大学生赤堀が電車内で子持ちの母親に怒号を飛ばしたところから始まる。赤堀がツイッターアカウントでそれを報告すると直ちに炎上し、特定班が大学名やアパートの部屋番号、さらには匿名でしていたブログまで特定されてしまい、大学からはおそらく停学処分、内定先からは内定取り消しの憂き目にあうことになる。
ここで圏内ちゃんは、赤堀が大学で何か拾いものをしたという書き込みに目を留め、大学関係者へ協力を求める。すると、その大学生の穴井が死亡するのを皮切りに、計3名の協力者が死亡してしまう。焦った圏内ちゃんは犯人捜しを試みるが・・・
一方、警視庁管内葵町東公園では左手が切断され殺害された遺体が見つかる。ピンときた汐見坂と瀧口は、昨年12月末の井の頭公園での遺体も視野にいれ、さらに十一年前の浜松で起こった事件も洗いなおすことになり一路浜松へ。なかなか手がかりが見つけられない中、新たな殺人が・・・
敬明大学での一件と浜松での一件が徐々にクロスしていくところで、警察は赤堀にたどり着き、やがて圏内ちゃんに操作を協力してもらうことになる。
この事件の真相は、圏内ちゃんは謎を解けるのか!?
安楽椅子探偵にネット捜査というものを付け足した新感覚小説。
頼りない(ように見える)周りの面々との対比もあって、とても頼りがいのある圏内ちゃんがいまの世の中にいたら心強いだろうなぁ!
Posted by ブクログ 2015年01月22日
Twitterとか掲示板とか今時のツールを通じて事件を解決に導いたり、ネットでよくある話もあってネットをよく使う身としては共感できる内容が多くて面白かった。人めっちゃ死ぬけど。
Posted by ブクログ 2014年10月06日
現代の「安楽椅子探偵」現る!!
デジタルを駆使して情報を集める圏内ちゃんはヒキコモリで、ネットの中の特定班。僅かな情報から犯人を特定していくその手腕は鮮やかの一言です。電波がバリ3でないと生きていけないという弱点もまた、圏内ちゃんを輝かせる一つのファクター。
犯人側と警察側、圏内ちゃん側の話のより合...続きを読むわせも面白い。話の展開や犯人の歪んだ心理描写など、読んでいて面白い一冊です。
Posted by ブクログ 2019年11月11日
他人と会話できないがチャットを使えば饒舌、それでいてちょっとしたヒントから多くを見抜いてしまう洞察力・推理力の持ち主。何かに秀でいている分、何かが劣っているというこのくらい偏った人物のほうが読んでいる分には面白みが増します。ちょっと尻に敷かれているっぽい朔太郎とのコンビもバランス良し、だと思います。...続きを読む
ストーリーのほうはネット上で匿名アカウントの持ち主の素性が明かされていくシーンから始まるのですが、この場面、テンポよく描かれていて、いわゆる”炎上”ってやるなのでしょうか、個人情報がどうやって特定に至るのかを目の当たりにしている臨場感があり引き込まれてしまいました。
やがて猟奇殺人に関わることになり、圏内ちゃんや黄太、刑事のやりとりが交互に進行する構成なのですが、圏内ちゃんの登場のテンポのよさがある一方で、刑事のシーンのテンポの悪さがちょっと読みづらさを感じさせるのです。まぁ刑事たるもの足で情報を稼ぐ的なところがありますから、どうしても人にあって話しを聞く展開にならざるをえず、致し方ないところかもしれません(実はこれ、ドS刑事でも同じことを感じたんですよね、あちらは刑事の登場シーンが主ですしページ数も多くて読むのが大変だった…)。
そのほか、みなさんのレビューを拝見すると賛否両論ある作品なのでしょうけれども、個人的には十分楽しめた一冊でしたし、まだ解明されていない殺人事件があること、コータとつながりのある親子の行方・生死がわからないことから続編への期待が高まります。
Posted by ブクログ 2017年02月04日
圏内ちゃんの観察眼おそるべし。情報収集能力もすごい。ポップなイラストに対し、事件は気持ち悪くてゾッとするものでした。井の頭公園の犯人が誰なのかはっきりさせた方が良かった。
Posted by ブクログ 2015年02月11日
引きこもりで人と会話するのが苦手な彼女は
ネットではカリスマ的存在。
そんな彼女が、事件に出くわした。
ネットと現実のギャップがすごいです。
繋がっているのを認識していないと怖い、というのは
女子高生みたいなもの? と思ったらまったく違う。
しかしそんな彼女がなぜ、現旦那様と結婚したのか
その辺り...続きを読むが不明です。
突如申し込んでいますが、はっきりと理由がないので
そうかな? というぐらい。
一体誰が犯人で、誰がそうなのか。
小出しに出てくるヒントに、彼ではないのは
分かったのですが…難しい。
最後に出てきた、最初の『人』は、もしかして?
という最後の自供でした。
しかし事件自体ぎょっとするものでしたが
それよりもぞっとするのは、最初。
ネットの力はやはり怖いです。
些細な事からすべてがばれてしまう…。
本当に、気をつけなければ。
ところで、あちらこちらに出てくる『刑事』さんは
別のシリーズに出ている、とかなのでしょうか?
1回ならともかく、2回ほど話で出てきましたが。
Posted by ブクログ 2014年11月14日
新潮文庫nexレーベルの一冊(2014年10月刊)。同じ作者の「死亡フラグ」シリーズが好きなのですが、「死亡フラグ」と比較して、この作品は全体のトーンも抑えめで正統派だと感じました。圏内ちゃんの設定や事件の内容にはぶっ飛んでる感がありますが、「安楽椅子探偵もの」と言えるのではないでしょうか。探偵vs...続きを読む犯人の構図に探偵助手と警察が関わってくる、そんな印象です。だからこそ読みやすいとも言え、初めてこの作者の作品を手に取った人には、お勧めしたいと思います。
Posted by ブクログ 2014年11月05日
内容は王道ミステリーをサブカルで味付けしたという印象。
殺人事件というとヘビーなイメージだけど、登場人物のキャラクターやストーリーの展開など所々に「ライトノベル」な部分もあって最後までテンポよくするすると読めてしまい、「あれ、もう終わっちゃったのか…」と感じた。続刊が楽しみ。
Posted by ブクログ 2014年10月19日
引きこもりなのだが、ネットで生活する「圏内」ちゃん。ネットを駆使して、ここまで色々調べることが出来るのか!ちょっと怖くなる。電波がバリ3じゃなきゃ生活が出来ないとか面白い。しかし、部屋の中の配置を電波によって毎日変えるとか書いてあるが、だったら有線でネットに繋いで、部屋の中はWi-Fiが普通なのでは...続きを読む?と思う。警察とのやり取りや旦那さんが無職で圏内ちゃんの手足で動くとか爽快感はあるので楽しかった。
Posted by ブクログ 2014年10月08日
電波がバリ3表示で生きていけない、生身の人間が苦手でコミュニケーションはチャットアプリというひきこもりなキャラクター@圏内ちゃん。
驚くべき情報収集力と推理力で犯人を個人特定していく探偵?ミステリー
冒頭のバカッター炎上、犯人特定に至るくだりは爽快!
ネットの怖さもあらためて勉強になる作品です。
あ...続きを読むとだんなさんのほのぼの感もいい。
Posted by ブクログ 2014年10月03日
これだけ動かしにくいキャラでよく物語を成立させてるなぁ。面白いキャラ設定だと思います。構成的には結構ぎりぎりな感じがしました。刑事側が忌女板を見ていなければ成立しないですし。
コミカルな装いをしていますが、扱われている事件はかなり猟奇的です。ドS刑事シリーズとも少しだけリンクしたりしているので、この...続きを読むままシリーズが続けばどこかでクロスするかもしれないですね。
Posted by ブクログ 2022年05月14日
ネットに挙げられた情報から個人を特定する技術...忌女ってこわい
圏内ちゃん含む忌女達がターゲットを追い詰めいていく様子は見ていて気持ちがよかったし、猟奇殺人鬼の過去の描写、有倉親子などのキャラクターの掘り下げが良くて黒幕側の解像度が高い。
ただ個人的な好みとしては、名前の呼び方以外にも真犯人につな...続きを読むがる伏線はもっと散りばめられていてほしかった。あ、なるほどこの人かー!ともっと驚きと納得が欲しかった。気持ちのいい裏切りを期待します。
Posted by ブクログ 2020年12月21日
読書録「バリ3探偵圏内ちゃん」3
著者 七尾与史
出版 新潮社
p80より引用
“ 嫉妬や憎悪や怨恨。他人に負の感情を向
ければいずれはそれが跳ね返ってくる、因果
応報である。”
目次より抜粋引用
“圏内ちゃん、降臨!
HNはアナグラム
忌女板では基本中の基本
十一年前のハンティング
...続きを読む弱点だらけの救世主”
電波がなければ生きていけない、ネット依
存者を主人公とした長編ミステリ。
ネットに自らの悪行を書き込んでいた青年
が、ネット住民から吊るし上げにされた。断
片的な情報から身元を特定するものを選び出
す、ネット民の中でも腕利きの人達によって、
青年の個人情報は次々と明るみにさらされ…。
上記の引用は、主人公たちが青年の書き込
みから相手を追い込んでいる様子を見ての、
主人公・圏内ちゃんの夫の胸の内。
画面の向こうは現実世界であるということを、
忘れないようにしたいものです。
ネット環境が整った、現代ならではのミス
テリ小説。のように思いましたが、自分のテ
リトリの中からあまり動かずに事件を解決す
るという話は、割と昔からある定番の型のよ
うに思います。圏内ちゃんは、電波があれば
外出もしていたので、そこも少し違うところ
でしょう。
ーーーーー
Posted by ブクログ 2020年01月22日
現実にありそうな掲示板。
SNSの情報から個人を特定するって実際できるんでしょうね。
その推理力は素晴らしいなと感じますが、同時に恐怖も。
そして一人の被害者の話で、古市憲寿さんの『奈落』を思い出しました。
意識があるのに植物人間だと誤診され、人に意思を伝えられない苦しさ。
圏内ちゃんみたいな人がい...続きを読むれば、気付いてくれる人がたった一人でもいれば、彼女の人生は変わったのかもしれない。
ちょっと思考が脱線しました。
こういう変わったヒーローもいいですね。
Posted by ブクログ 2019年10月27日
極度の対人恐怖症で引きこもり
だけどネットでは誰かとつながっていたい。
圏外では生きられない
そんなヒロインが連続殺人事件の謎に迫る
実際の事件でも、公表されない犯人を
ネット民たちがつるし上げ、暴き出すってのはよくあるけど
こうやって小説で読んでみると、不気味だなぁ
圏内ちゃんの性格にはつい...続きを読むていけない・・・(笑)
Posted by ブクログ 2015年06月01日
ネットの交流や炎上を盛り込んだアームチェア・ディテクティブものミステリー。事件そのものよりも(正直、私的には若干無理を感じる部分はあった)、キャラの魅力、面白さで読ませる作品。ITの闇的部分も描かれてて慣れてない人の参考にもなるか。
Posted by ブクログ 2015年02月12日
アンテナバリ3の圏内だけで生きていける引きこもり緑子さん。
その正体は、某巨大掲示板の忌女板で身元特定のプロとして忌女たちの尊敬を集める「圏内ちゃん」だった。
今日もツイッターで炎上した大学生の身元特定の祭りに参加して停学に追い込む。
しかし、その祭りに関わった忌女たちが不可解な死を遂げる...続きを読む。
圏内ちゃんこと緑子は独自に操作を始める。
一方、警察では連続殺人事件を追っていた。被害者はの共通点は左手を切断された女性であるということ。
ネットの炎上と連続殺人事件がつながっていく。
とうことで、七尾与史の新シリーズが始まりました。山手線探偵終わっちゃったし。
今回の新探偵はアンテナ県内だけでしか生きられない引きこもり。
左手を切断して集める事件、という話は乙一のGOTH、リストカット事件そのまんまだなぁと思う。
ただ、七尾与史のすごいところは「疾走トロピカル」みたいなスプラッターも書けるけど、左手切断殺人をなんとなくコミカルにも書けるところ。
娯楽小説という点において徹底している。
あと、この人の作品には別の作品の登場人物がちらほら出てきたり、メタ発言多かったり。
そんなところも楽しい新シリーズでした。
Posted by ブクログ 2014年10月26日
バリ3探偵圏内ちゃん、というタイトルがすごく気になって購入。
読み始めてから、山手線探偵やドS刑事のシリーズの作家さんだと気づきました。
最近のネット社会をうまく反映していて、とても面白く読めました。
簡単に画像アップしちゃうとここまであぶないんだな、粋がって悪いことかいちゃうと身を滅ぼすんだな…等...続きを読む々。
そもそもの設定やストーリーが面白かったです。
事件の方は…、最後、「この事件は捜査を継続していきます」で終わっているので、シリーズとしてこの事件を追っていくのかな?と。
それとも他の事件を追う中で、この事件に近づいていくのか…。
ただ、新シリーズ開始、なので、これからも続いていくと。
楽しみです。