万城目学のレビュー一覧
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出版区で綿矢りささんが購入していたエッセイ本。
万城目さんの小説は「八月の御所グラウンド」しか読んでいないのだけど、こちらのエッセイ本は万城目さんの人間味溢れる内容で、上手なエッセイを書くなぁという印象。
初っ端の、京都で活躍する歴代の偉人で野球チームを作ってみると発想は面白いし、それぞれの人物の特性やイメージを上手く表現している。なかには、まさかの現代人も入っていたりと、クスッと笑えてしまう。
「右肩上がり」の話でも、冒頭まんまと騙されてしまう。
物語を作るプロは、さも事実であるかのように嘘を書けるのだから凄いよね。
大阪万博の話での着眼点も面白くて、辛辣な表現もとても好感が持てる。
この本の万城目さんは、着飾っていない、そのまんまの万城目さんなのだと思う。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ【あらすじ】
・「タイムカプセルの八年」辻村深月
大学講師の孝臣には妻の温子と小学校の教諭になった幸臣という息子がいる。
幸臣が小学6年の時に親父会に参加することになった孝臣は、小松ユカリの父親や洋菓子屋の主人、沢渡などと交流をもつようになる。その時の担任が比留間先生で、彼に憧れて幸臣は小学校の先生になりたいと話すようになる。タイムカプセルを埋めるといっていた比留間は土に埋めずに学校を移ったと知った孝臣は(幸臣は後輩に知らされる)、息子達に黙ってに親父会のメンバーでタイムカプセルを探しにいき土の中に埋めた。息子が憧れていた比留間先生が埋めてくれたことにして。
親父会メンバーで時々集まることになり、幸臣は孝臣に憧れをもっていたこと、幸臣はユカリと付き合っていること等知らされる。
・「トシ&シュン」万城目学
縁結びの神様が昇進試験を受ける。
カップルの俊と瞬(どちらもシュン)の願いを叶えるため、俊は小説家、瞬は俳優として成功する夢をみせる。「カラス」「ビニール袋」「おじいさん」のキーワードがきっかけで成功していく2人のシュン。成功する2人は破局してしまうと聞かされた縁結びの神様は、それでも2人での幸せを願う。その選択をした縁結びの神様は、学問・芸能の神様の手伝いもしつつ新たなかたちの「縁結びの神」を目指すようVIP上位神に言われる。
・「下津山縁起」米澤穂信
A.D870年~A.D2873年の山の話。2205年、地球物理学博士の森島不来敗は、山には知性がある、と話す。2873年、下津山を殺害したとして訴追されていた上津山にたいする裁判で、富士山裁判長は有罪の判決を下す。検察側の阿蘇山は人類を使って下津山を殺害させたと主張し、弁護側の榛名山は荒唐無稽な主張と反論。
・「長井優介へ」湊かなえ
15年前に埋めたタイムカプセルの中の青酸カリ(国立大学生の緑川明という家庭教師にもらった)を取りに行くために小学校の同窓会に向かう長井優介。3歳上の姉の友人の弟寺田浩太とは同級生で小学生の頃は仲良くしていたが、聴力が悪いせいでリーダー格の矢部敏生にはいじめられていた。腐った牛乳をのませられて病院に運ばれた出来事をきっかけに優介の親が激怒し学校と矢部の母親に話をしたおかげで嫌がらせはなくなる。運動会の日に教室に閉じ込められてリレーに参加出来なかったのは矢部や寺田のせいだと思い込んで心を閉ざしていた優介だったが、同窓会に向かう途中再会した元同級生の島本あおいと浩太の話を聞いて勘違いだったと知る。浩太は自分の母親の作ったたこ飯で優介はお腹を崩してトイレに居たと思い込んでおり、教室に誰も居ないと思って(寺田のハチマキをとりに優介は教室に居た)鍵を閉めたのは委員長をしていた島本だったのだ。そして優介がタイムカプセルに入れたチョコレートの箱に入っていたのは青酸カリではなく砂糖で、食べ物はタイムカプセルに入れておけないという理由ですでに島本に捨てられていた。
就職もうまくいかず青酸カリで死のうとしていた優介だったが、小学生時代の誤解が解けて心が軽くなる。当時浩太が、耳が聞こえない優介に書いた謝罪の手紙や、2人で書いた漫画が入ったタイムカプセルを開けに行く。 -
Posted by ブクログ
ゆるやかに繋がっている短編連作3本を収録。面白かったけれど読み終わってもなんだか不完全燃焼気味で、これは続きがあるのかしら、と他の方々のレビューを見てみたら、(続きもありそうだけれど)そもそもこれが1作目ではなくて『あの子とQ』という作品が先に出ていてその後日譚だったと知る。なるほど。離島に暮らして本屋が無いのでまったく気付かずにOから先に読んでしまいました(アルファベット順だとQよりOが先だけど、とかいらぬことを思いつつ)。2番目に収録されていたカウンセリングの話が他の2編と雰囲気が違い過ぎて困惑していたのだけれど、カウンセリングを受けに来る男も前作に出ていたそうなので、Qを読めばもっといろいろ楽しめそうな感じです。映画にもなった『トワイライト』のシリーズの世界観を思い出したり。普通の人々の中に正体を隠しながら異種のいきものが暮らしている、というパターンが好きなので、Qに遡って読んでみようと思います。デボラ・ハークネスの魔女のシリーズを再読したくなりました。