万城目学のレビュー一覧

  • バベル九朔

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    ごく平凡な生活や日常の中にしれっとファンタジーが紛れ込んできて、気づけばすっかりその世界の中に入り込んでしまう。その辺りの自然な感じが万城目学のすごいところなのだと感じる。
    この作品も当たり前の日常生活の中に自然と不思議な出来事が混ざるので、いつも通りの万城目ワールドである。確かに鴨川ホルモーや鹿男あをによしと比べると、舞台はファンタジー寄りではある。京都や奈良を舞台に不思議なことが起こるのではなく、虚構の世界で不思議なことが起こるので、先の2作品が好きな人からすると少し違うように感じるかもしれない。

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    2023年02月23日
  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    プリンセス・トヨトミや鴨川ホルモーなどの作家さんには珍しいハードボイルドと表現していいような時代小説。
    今回は伊賀で育てられた風太郎という、何も成し遂げたことのない忍びが成長していく話。
    色々な特殊な能力を持つ忍びの仲間や敵が出てきて、最後に伏線を回収していく物語。
    あまりにも人が死にすぎるため、笑顔で読むことはできなかったが、入り込んでドキドキした。

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    2023年01月17日
  • べらぼうくん

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    ネタバレ

    エッセイというより、青春記。
    ままならないこの時期を、ユーモアたっぷりに書いているけど、フィクションだけど『バベル九朔』で書いたじゃん。
    なんで今更?って思ったら、雑誌でエッセイを書けと言われ、出来ないと言うと、青春記でいいと言われたからだそうだ。
    なるほど。

    ユーモア小説でデビューしたけれど、『とっぴんぱらりの風太郎』あたりから作風が変わってきたと言われ、『バベル九朔』で離れていった読者も多かったように思う。
    でも、多分彼が本当に書きたかったのは、こっちのほうなんだろうなあと読んだ当時思ったものだった。

    ”芥川龍之介が好きで、菊池寛が好きで、夏目漱石が好きで、中島敦が好きで、安部公房が好きで、彼らのような小説を書きたかった。”
    『悟浄出立』なんて、中島敦への愛がダダ洩れだったもんねえ。

    ”「独りよがり」は自分のためにしか燃焼できない。他人の楽しみには決してなり得ない。他人の楽しみとなるものを書くのが小説家だ。”
    飄々とした文章の中に、落としどころを探してもがく作家・万城目学の姿が見える。

    国際政治を勉強したくて京大の法学部に入学したマキメ君は、毎年夏休みにはひと月ほど海外を旅してまわった。
    最初の海外旅行で置き引きにあい、身ぐるみはがされても何とかなった。
    結構大変な目に遭っても、なんとかなるものだと身に染みて知った。
    この辺の姿勢もマキメ君らしいと言える。

    ”国と国が喧嘩すると、そこに属する国民同士も勝手に仲が悪くなる。相手の顔も知らないのに憎しみ合う。本来は人の集合が国を形成したはずなのに、立場は逆転し、国の都合が人の集合をコントロールしてしまう。最悪の場合、戦争を引き連れてきてしまう。”
    彼の作品の登場人物たちが戦い合う時、少し悲しげなのはこういうことなのかもしれない。

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    2022年12月21日
  • 時の罠

    匿名

    購入済み

    短編で読みやすい

    読書初心者ですが、どれも読みやすく面白かったです。

    #ドキドキハラハラ

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    2022年11月11日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    ファンタジー物だけど、神社に行ったらこの本に出てくるような神様に本当に出会えるんじゃないかと思ってしまうような物語だった。
    あっという間に読み終えてれちゃうすごく読みやすい

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    2022年11月02日
  • べらぼうくん

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    万城目さんの作家デビュー前の話。
    若い頃からの観察眼の鋭さとツッコミがおもしろく。どんな夢も仕事もそうですが努力して今の地位を気づかれたんだなぁと改めて思うエッセイです。

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    2022年09月18日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    なんとなくおもしそうと思って読み始めた本
    人が良さそうな人間臭い?神様
    日本人の八百万の神様への信仰心とほっこり神様
    うっかりウルっとしたところも
    楽しい本でした

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    2022年08月20日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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     神社を護る ( 縁結び ) 神のお勤めを描いたコメディファンタジー。4話からなる連作短編集。

          * * * * *

     縁結び神の語りで始まるのだけれど、何か神のイメージとはズレていて、舞台喜劇を観ているようでおもしろかった。

     各話もそれぞれ味があります。

     1話目は、言霊で以て煮え切らない男の欠点を封じることで、恋人の仲を鮮やかに成就させる縁結び譚です。 

     2話目は、当たり屋をして生活しているというどうしようもないぐーたら男を見事に改心させ、縁結びまでしてしまうという御利益譚です。

     3話目は、恋人の「男女の仲」を進展させつつ、それぞれ芸道での成功に導くこの話は『杜子春』をモチーフにしたパロディ譚で、最も笑える出来栄えでした。

     そして4話目は、阪神淡路大震災と生田神社をモチーフにしたような描写で、心を打つ展開になっていました。
     最終話にこの話を持ってきたのは、万城目さんが関西に縁のある作家だからなのでしょうね。だとすれば作品タイトルにも納得できます。

     ともあれ、笑いあり、感動ありの、よくできた作品だったと思います。

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    2022年08月19日
  • ザ・万歩計

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    ひとつひとつのエピソードに笑いがあり、面白い。かと思えば、ほろっと泣ける話もある。つぎはどんな話かなとページを捲るのが楽しみになる作品。

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    2022年07月27日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    最初は表紙に戸惑ったけど、終わった後はこの表紙でよかったなと。我々の日常も神さまの日々のお勤めあってこそと思うと感謝ですね。

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    2022年07月07日
  • 悟浄出立

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    ネタバレ

    この本を読んでいると、久々に中国史に関する本を読みたくなった。中国史は謎が少ないけど、題材にすると書き手によって特色が出るストーリーになって面白い。

    万城目学は著者解題で中国史にミステリー要素が少ないのは、司馬遷がいたからだと主張している。司馬遷によって緻密に歴史が記録されたため、司馬遷以降も中国史は正確に書かれていると主張している。この主張はなるほどなと感嘆した。いつかは史記を読み、司馬遷が情熱を出した文を読みたいものだ。

    この本はいくつかの短編によって構成されている。その中でも、この本のタイトルである悟浄出立に込められたメッセージに胸を打たれた。「過程にこそ素晴らしさがある」というメッセージは、現代の結果だけを求める風潮に一石を投じているのではないだろうか?

    1番面白いと感じたのは、虞姫静寂だ。虞にスポットを当てており、あまり記録が残っていないため万城目学が思い描く虞に対するイメージがありありとこの話に表れていると思う。項羽のかつての妻であった虞に似た女を虞としての役割を与えるというのは、万城目学の妄想力が無ければ思いつかないだろう。

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    2022年05月16日
  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    ネタバレ

    はぁぁぁー………

    みんな死んじゃうなんて……

    こんな結末ならのんきなタイトルと帯にして欲しくなかった……

    『ラスト忍者』とかにしてくれてたら心構えもできたのにな……

    主人公にも仲間にも感情移入させておいてそりゃないよ……

    まさか導入でにんにくの絵を思い出す場面が死に際の重い場面だなんて思わないよ……

    戦後にはのんきさが全くなくて辛かったな。

    自分達の都合で危険な大阪城まで連れ出しておいて、最後まで面倒見てくれないひょうたんの神様は一体何だったの?
    忍びを全滅させる為のキャラクター?
    あんなファンタジー要素を出すなら救ってくれると思うよね?

    風太郎も実はあの後養生して復活して芥下とひょうたん屋をやり、常世も黒弓も実は生き残っていて、黒弓はちゃんと巳ぃさんの槐の根元に埋めた大金を掘り出し、お母さんも自分も買い戻して自分の人生を生き抜いていると信じたい。

    ラストは衝撃だったけど読み応えが充分ある作品でした。

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    2022年05月16日
  • バベル九朔

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    ネタバレ

    バベルというビルの管理人をしている主人公がパラレルワールド?に迷い込んでしまう話。続きが気になってぐいぐい読めてしまった。バベルは夢追い人のテナントによって増殖されていく。主人公も小説家を夢見ている。最後がタイムリープのような終わりになっていたが、主人公は元の世界に戻ることができたのか、それともバベルに閉じ込められたままなのか、わからなくなってしまった。他の方の感想を読んでも「わからなかった」と書いている人が多いのも頷ける。だけど読むのを止められない、というのは久々で好きな作品だった。まさに訳の分からない大長編。

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    2022年05月11日
  • 時の罠

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    4人の作家さんの短編集。それぞれ面白かったけど1番気に入ったのは湊かなえさんの物語。
    小学生の頃のタイムカプセルを開けに行く話だったんだけど、小学生時代にこじれたままになっていた友達との関係が見事にほぐれていく感じが読んでいて心地良かった。
    人間関係のゴタゴタって結局は誤解から始まってるんだよなぁって思った。

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    2022年05月10日
  • 悟浄出立

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    中国の古典に題材をとった五篇の短編から成る短編集。

    この短編集ではない、昔読んだ小説の中に出て来た会話。
    妻がいる男性が妻を手酷く裏切って他の女性の許に走り、恨んだ妻は相手の女性に復讐する。

    「これは酷い…もし復讐するなら男にするべきだ」と、ある小説家は妻に言う。すると妻は
    「そうなんでしょうね。でも、女はそうは思いません」

    この短編集のヒロインの女性は、男にきっちりと一発かまして去って行く。
    代償行為で自分の心の穴を埋めようとするのは
    男性あろうと女性であろうと、あまり褒められた行動ではありませんね。色んな人を傷つける。



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    2022年05月02日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    このお二人がなぜ近代建築談義を?と思いつつ、読み進めるうちに、面白いは面白いは。知っている建物もあり、そうでないものもあり。どれも、一度訪ねてみたいと思えてくる。
    綿業会館と御影公会堂は是非行きたい。

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    2022年02月02日
  • 悟浄出立

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    項羽と虞にチャイニーズデスコアの優Voodoo Kungfuのvo 李楠とサポート?Bの蒲羽を脳内キャスティングして読んだ「虞姫寂静」が良かった。

    これ、読み始めてから間もなく何処かに行っちゃって、この前やっと発見したんだよね。
    で、再読。
    西遊記も史記も三国志も試験対策以外の知識も興味はなかったワケだよ。これまでは。まぁ、孫悟空は知ってるけど。
    で、最初は正直辛かった。西遊記さえも。
    でも、読んでいるうちに気がついた。と、いうか思い出した。漢文とか古典は同級生が言うほど嫌いじゃなかったことを。みんなに合わせて文句は言ってたけど、文中にふと差し込まれる視覚的な風景描写が好きだったなぁ。
    で、原作からのスピンオフを万城目学が綴るという趣旨の本作。
    原作知識のない私のようなNO歴読者に対し簡単な背景説明を巻末に収録という親切設計。
    中国古典に見られる風景描写を挿入というスタイルを踏襲。美しい。臨場感が湧く。
    行間で物語る漫画家と評されるあだち充の風景描写って中国古典の影響から来てるのかもと思い至った次第。

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    2022年01月29日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    面白くてするする読めた。
    神様部分は1人語りなので落語の様だった。
    野草好きで丁度どんぐり(スダジイ)クッキーを作った所だったので、御神木のマテバシイにはおぉっ!となった。
    マテバシイは公園でよく見られる木、大きめの実でアク抜きすると食べられる秋の味覚なんだよねぇ。

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    2021年12月30日
  • 時の罠

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    アンソロジーは
    手にした事のない
    作家さんを
    開拓できるから
    嬉しい
    実際
    湊かなえ先生以外は
    お初でした

    ''時''をテーマにした
    コチラ

    どのストーリーも
    短編なのに
    読み応えのある
    ものばかりでした

    「タイムカプセルの八年」
    とっても共感が出来る
    ストーリーと
    ニヤッとしてしまうラスト
    心が温まる時のお話しでした

    「トシ&シュン」
    これまた
    全く違うテイスト

    鴨川ホルモーや
    偉大なるしゅららぼんが
    元は小説だとは!

    小説であの世界観を
    どう表現してるのか?
    出来るのか?
    この短編読んで
    なるほど・・
    と納得しましたね
    出来るんだと笑

    「下津山縁起」
    とっても読みづらい笑
    な、何だこれは?
    と半分混乱しながら
    読み進めますが
    どんどんのめり込み
    ラストなるほど〜と
    唸ってしまいました

    「長井優介へ」
    湊先生ってだけで
    身構えちゃダメよね

    最後のストーリーが
    いじめかぁ
    しかも湊先生の…
    って
    どんな結末こようが
    落ちないぞ!
    って

    思ってたけど
    穏やかな気持ちのまま
    本を閉じる事が
    出来ました

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    2021年12月04日
  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    ネタバレ

    ラストの結末が切なすぎる。個人的には、ラスト風太郎がひょうたん屋をやるシーンで終わると勝手に想像してたので、読み終わった後ちょっとショックでした。だけど、豊臣家だけではなく、忍びも戦国時代の終了と共に滅びる運命だと解釈するならこの結末もありかもしれない。でもでもせめて黒弓と風太郎は生き残って欲しかった。

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    2021年11月22日