万城目学のレビュー一覧
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ネタバレ大凡浮世離れした設定である万城目学氏の作品は乾坤一擲伸るか反るか、つまりツボにハマればどこまでも突き抜けて面白くなり、対して読み手と感覚が合わなければ最後まで歯車がズレたまま…、ということがままあるように思うが、今作は見事に前者の例に当てはまり、エンターテインメントとして良質なことは言わずもがな、あるいは町田康氏の著作にも通じるような文学性をも迸らせている。
クライマックス以降のアクションシーンが昔の熱血マンガよろしく、少しくどいのでは、と感じたことなどあり、私にとって非の打ちどころのない完璧な小説であるとは言えないが、著者のクリエイティヴィティが存分に発揮された作品だと思う。
ヘヴィでシリアスなラストには、ちょっと驚いた。
これまでほとんどの万城目作品を単行本で買っているのに、今作はたまたま文庫化を待っての購入となってしまったが、もっと早くに読んでおくべきだった! -
Posted by ブクログ
ネタバレやっぱりこの人、変だ。
ひょうたん話を延々書き連ねたかと思えば、戦国武将でサッカーの日本代表メンバーを選ぶとしたらと真剣に考える。
そしてそれを読んで私は大笑いだ。
その中で異色なのが、2011年の東京電力株主総会リポートだ。
絶対につぶれない、そして配当金の多さから東京電力の株を買ったのだ。
そして東日本大災害。
一瞬にして価値のない紙切れと化した株券を手に、彼は思った。
“結局は強欲だったがゆえのしっぺ返しだった。なぜ、一度壊れたら誰も手が付けられない、危険の極みにあるものを扱っている東京電力の配当金が三パーセントもあるのか。それは本来は安全のためにかけるべき金を、株主の懐に分配していたからである。会社はこの高配当でもって、結果的に原子力によりかかる経営に株主が文句を言うのを封じていたのだ。”
当日は一体どのような総会が開かれていたのか。
東京電力の幹部役員たちは、株主たちは、何を語ったのか。
そして車谷長吉。
万城目君だけではなく、私も実は、同時代に生きている作家だとは思っていなかった。
不勉強極まりない。
しかも亡くなった時にまだ60代だったことにびっくりしたのさ。
万城目君の車谷長吉評。
“ページの文字を追ううちに、行間に潜む毒が目から侵入して、血液をぐるぐる循環するような気分になる。それが何とも言えず心地よい。まさに文字による中毒である。”
これは、読んでみたくなるではないか!
森見登美彦、綿矢りさとの鼎談も収録。
これはもっと読みたかったなあ。
彼らが読んで、それぞれに解釈した中島敦の「山月記」
たったの4ページしかないんだよ。
ザッケローニ元監督に対する万城目君の洞察に、激しく同意。
あまりにもメンバーを固定し過ぎて、ただただ消耗してしまったね。
愉快だったり真面目だったり、不可思議だったり論理的だったり。
きっと読んでいる私を傍から見たら、百面相をしているみたいに見えたのではないだろうか。
でもまあ、概ね笑っていたかも。 -
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万城目さんの初エッセイ。独自の視点や深い妄想力(笑)に電車内で笑いを堪えるのに必死、と思えば時にぐっとくるエピソードもあり、様々な表情を見せてくれる一冊でした。
人の生き方は、偶然の重なりやささいな言葉をきっかけに形作られます。万城目さんが小説家になったきっかけは、振り返ればまさに「風が吹けば桶屋が儲かる」のことわざにあるように、巡り巡って辿り着いた場所でもありました。また、「モンゴル人になりたい」という夢を持って実際に行ったモンゴルで知る過酷な生活―そこで自分のもとに寄ってきたトナカイが、その後の仕事の題材となるという摩訶不思議な縁についても綴っています。
程良く力が抜けているのに、一歩引いて俯瞰的に物事を見る方だなぁという印象。飄々と、そして淡々と書かれている様子なのに次から次へとページを捲りたくなるのは、絶妙な言葉のセンスと自然体で等身大な姿が伝わってくるせいな気もします。近所のお兄さんの話を聞いているような妙な親近感。
少し歩いたくらいでは変化は感じないけれど、目盛りの数が増えるのを見るのは楽しい。そしてふと立ち止まって振り返ると意外と前に進んでいることに気付く。なるほど、奥深いタイトルです。 -
Posted by ブクログ
作品の振れ幅が大きい。僕の心に大ハマりする名作か、全く歯牙にもかからない文字の羅列か。万城目氏はそんな作家さんである、という印象を持っています。
その万城目氏のエッセイですが、少なくとも、この本の記事というのはバラエティーに富んでいて、また、独創性もあり(戦国武将でサッカーのフォーメーションを組む妄想、大阪市営地下鉄で戦隊を組む妄想とか)、実に面白く、読んでいて飽きがくることがなかった。
幼い頃、若い頃のみずみずしい感情や無邪気さ、その頃の懐かしさ、というのがちらほらと感じられた気がする。そうした気持ちが、個人的万城目学さん最高傑作、かのこちゃんを生んだのだろうか。
東電株主総会の話や、台湾にて日本語と中国語の大きな違いに触れた話。特に印象に残ったのはこの2つ。それ以外にも興味深い話が多く、オススメの一冊です。 -
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万城目さんの若いころからこれまでの日常を切り取ったエッセイ集。この人の和ファンタジーが好きで、どういう日常をお過ごしなのか気になっていたので、面白く読めました。
もりみーへの憧れには敵わないけど、やはり万城目さんの言葉のチョイスが好きだなぁ。
ゆるい日常の一面(御器齧り戦記)から、旅の思い出まで、思ったより行動派でいらっしゃるのだな。むむぅ。
自然界で妖精的なトナカイに出会ってみたい…!といらん欲求が湧く。笑
そして、「何かゆるそう、楽しそう」という理由だけで来世イルカへの転生を願い続ける私自身も、遊牧民族の暮らしから学ぶことすることは多いのかもしれないとちょっと反省…
ちょっとだけ、万城目さんの日常やものの見方をのぞけた気分になりました。他のも読まなきゃー
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少年時代に大阪で阿呆の薫陶を受け、大学時代に自分探しの旅先で全財産を失い、はては作家目指して単身東京へ。ホルモーでついに無職を脱するも「御器齧り」に苛まれ、噛みまくるラジオに執筆を阻まれ、謎の名曲を夢想する日常は相変わらず。そのすべてを飄々と綴った初エッセイ集。文庫版あとがき「その後の万歩計」を収録。 -
購入済み
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マキメファン 原作 映画ともに良きできであった。 漫画もよしです。 ただ、奴らのイメージはチョイと・・・ もうちょっと キュートさがあっても良いのでは
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変な響きを持つ言葉が好きな好奇心旺盛の小学一年生・かのこちゃんと、雨の日にやってきた、老犬・玄三郎とは夫婦の猫・マドレーヌ。ある夏の日のこと、昼寝から目覚めると、マドレーヌのしっぽが二股に! しかも、人間の姿に化けてしまい――!? かのこちゃんとすずちゃんの友情、マドレーヌと玄三郎の愛情を描いた、万城目学の贈るくすっと笑えてうるっと泣けて、心がほんわかする、ちょっとおかしな物語。
およそ一ヶ月くらい本を読んでませんでした……何してたかって言うと自分の小説を読んでました…(校正作業で)もともと読書自体のモチベもちょい下がり気味なので…ええい!なんとかしなきゃ! と言うことで児童書からリハビリを…児童書、ではないのですが、つばさ文庫から出されてる手前このカテゴリに。最近もりみーより万城目の方が好きで、でもこの作品だけまだ読んでなかったので、好きなレーベルから出てることもあって選びました。
そしたら! かのこちゃんのお父さんが「鹿男あをによし」の「おれ」なんですね~! 多分そうかと。鹿と喋れる、と言うことでピンときました。他の万城目作品でもこういう作品同士のつながりってあるのかな。最近出たやつは読んでないからわかんないのですが。
鹿男~が坊ちゃんのオマージュ作品と言うことを考えると、このかのこちゃんとマドレーヌ夫人は吾輩は猫であるの現代版みたいだなーと思いました。マドレーヌ夫人の目から見た人間社会やかのこちゃん、他の猫、そして玄三郎についてなどを描いていくので。といってもかのこちゃんパートの方がメインだし、漱石の猫よりも風刺に満ちているわけではないし。それどころかほっこりしましたね。子供を描くって言うのは子供と同じ感性を持ってないと出来ないだろうなあ、と思うので、万城目氏はその感性を持ち続けているんだろうな、と。があとがきで書いている「ヘン」なものへの興味が尽きていないんだとも思います。
猫好きなのでマドレーヌ夫人も他の猫も可愛いなあ~さわりたいなあ……とか思ったり。マドレーヌ夫人が猫又になって……と言うこの物語の中核をなすところのエピソードは実にじんわり来ました(´;ω;`) それからの玄三郎の死も……動物を飼って亡くした方の心にも響くかと… そしてかのこちゃん側のすずちゃんとの別れも、あっという仕掛け(と言う程おおげさじゃないけど)がありまして、これもじんわり来ましたね。猫の恩返し… そんで終わり方も私の好きな感じでした。マドレーヌは戻ってくるかな… きっと、顔を見せに来るくらいは…
これも映像化して欲しいなあ。出来れば実写で! 万城目は実写が相性いいのだ。ぜひぜひどこか、お願いします。