万城目学のレビュー一覧

  • 悟浄出立

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    どの話も面白い。その人を周縁から描く手法。ただ、予備知識は多少いるのが難。
    司馬遷のお話が一番かと思う。

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    2021年11月04日
  • 時の罠

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    好きな作家さんばっかりの贅沢なアンソロジー。四者四様で面白かった。湊かなえさんの「長井優介へ」は短編ながら読み応えがありました。

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    2021年09月11日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    ネタバレ

    目次
    ・はじめの一歩
    ・当たり屋
    ・トシ&シュン
    ・パーマネント神喜劇

    万城目学の小説ってARみたいだよなあ。
    普通の日常の中にポンと異物が登場する。
    ホルモーや、鹿男や、しゅららぼんや…。
    小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。

    日本の神様って、元々はすごく人間臭い。
    だから、ここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。
    神様の直系の子孫であるところの天皇家にしたって、日本人の精神性の大本ではなく、日本人の食の安全と安定供給をつかさどるものだからね。
    実に実に具体的かつ現実的なのが日本人のメンタルなのでしょう。

    出世のために、取材中のフリーライター(神)に、いいところは大げさに、まずいところはカットしてもらうように、いちいち注文を付ける神様のセコさよ、ブラボー。

    『トシ&シュン』は、これはもうあからさまに『杜子春』のオマージュだろうと思ったけど、まさかそういう展開?な。
    そして大震災によって一世一代の危機に面する神様は、セコくて器のちっちゃい神様は、それでも人間のことを愛してくれていて、ありがたくてハグしたくなるくらい。(ひれ伏すほどではない)

    そんな神様の様子をじっと観察して本に書いた、フリーライターの神様の名前が「ちはやふりー」には、激しく噴いた。
    だって私もノンアルビールみたいって思ったもの。
    万城目学の書く変さが、私にはめっぽう面白い。
    忙しい毎日で凝り固まったものが、ほぐれていくような心地よさでございました。

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    2021年07月18日
  • 時の罠

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    短編集だけどそれぞれ読み応えがある。
    湊かなえの長井優介へが1番好き。
    イヤミスイメージが強いけど
    こんな暖かいストーリーもあるんだと思った。

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    2021年06月24日
  • 時の罠

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    ネタバレ

    「時」をテーマに捻ったアンソロジー4編。

    ・面白かった編
    「タイムカプセルの八年」
    何だこの屁理屈親父は?という導入から始まって、こんなのあるあるだなぁな脇キャラに流されながら意外と矜持を見せ、”黄金期”だった小学生時代の父親たちで優しい嘘を守り、綺麗にオチをつける。流れるように起承転結のレベルが高くて「いいもん見せてもらったぜ」って気分になる。ハズレなし作家だなぁハッピーエンドっていいよなあと素直に思える良作。

    ・微妙だった編
    「トシ&シュン」
    「パーマネント神喜劇」やん!よね??と思いながら読む。再掲かいと思いきや、こちらの発表が先で後でもう1章足して「パーマネント」完成だったみたい。これだけぶつ切りでもまぁ面白いけど、前後があった方が(っていうかパーマネント先に読んじゃってるから!)絶対うさん臭さと面白さが倍増するから惜しいなぁむず痒いなぁもったいないなぁともぞもぞしながら読む。そういう意味で微妙だったけど、夢の入れ子とか使いまわしとか(作者は嫌がるかもしれないけど)森見登美彦みたいで面白いよなあと改めて思った。パーマネントまた読も!

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    2021年04月29日
  • 悟浄出立

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    特に表題の悟浄出立が面白いです。1つ1つが短いので読みやすいと思います。万城目学さんの個性が出てます!

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    2021年04月15日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    にわかに信心を起こし、神社詣でするお正月休みに読むといい感じだろうか?
    うららかな新春の雰囲気に、ぴったり。

    縁結びの神として千年、小さな神社で務めてきた下級神が主人公。
    何と神界にもノルマがあり、査定があり、転勤も昇進もある!
    そして、この神さん、小心で出世欲もあり、ちょっと小ずるかったりする。
    なかなか「人間的」なお方。
    でも、いざという時、出世より、人間に寄り添い、縁結びをすることを選んでしまう、泣かせる神さんでもある。

    物語は凝った構成を持つ。
    神の世界の話と、神を見ることができない人間の世界とを交互に描いていくのだが、時に交錯したり、夢が何層にも入れ子になっていたりと、多彩だ。

    表題作のパーマネント神喜劇。
    地震の被害を受けた地域を舞台とする。
    大きな余震が来るたびに、下がってきていた不安の目盛りが元に戻ってしまう、という感覚。
    自分は震災を経験していないが、きっと被災地の人たちはこんな不安の中にいるのだろうな、と胸が塞がる。
    つい最近も震度六の余震があったばかり。
    神さん、早く地震を止めてください。

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    2021年02月28日
  • 悟浄出立

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    万城目さんのは、映像化されてるのは、全部観てる!
    (そんなんばっかやな(・・;))
    で、はじめて本読んだ。
    何か、あらすじなどに、惹かれて。
    西遊記、三国志などのサブキャラをメインにしての短編5つ。
    スラスラ読めるし、なかなか面白い。
    好みは、やっぱり「悟浄出立」かな?
    ・結果が全てではなく、過程も大事!
    ・先頭に立って、道のない道を行く厳しさ(楽しい事もいっぱいあるけど)
    何か、今にも通じるもんもあって、ジーンときた!
    後書きにあたる?「著書解題」も面白い。
    中島敦さんの「わが西遊記」を読みたくなった!

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    2021年02月13日
  • 悟浄出立

    購入済み

    異世界

    万城目さんの小説を読むと、異世界に入り込んでしまった様な感覚になります。孫悟空の世界、古き中国の世界へと。様々な人々の生き様を、まるで今目の前にしているような驚き。
    今後の作品も楽しみにしています。

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    2021年01月29日
  • 時の罠

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    面白かった。続きが読みたくてあっという間に読んだ。
    4人の作家さんの短編集。
    題名の時の罠はなぜそのタイトルにしたのかやや不明。
    私の好きな作家の辻村深月さん、湊かなえさんの短編は本当にワクワクした。さすがのお2人。
    ただあとの2人の作家さんの話は面白くなかった。星4つは辻村さんと湊かなえさんの面白さだけでつけた。あとの2人は興味のあった作家さんだったのでとっても残念。

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    2021年01月09日
  • 時の罠

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    4人の人気作家による『時』をテーマとしたアンソロジー。
    女性作家2人の作品は、どちらも学校の卒業記念で埋めたタイムカプセルがコア。しかし、辻村深月はハートフル。湊かなえはちょっとウエット気味と、それぞれの持ち味が存分に出ていて興深い。
    対して男性作家2人の作品は、どちらかと言うとSF的作品。万城目学は、神様モノ。米澤穂信は過去から未来にかけての壮大な時間モノ。
    売れっ子作家さんだけにハズレなし。
    装丁の猫は何故?と思うが、読み終えるとおそらくシュレーディンガーの猫なのだろうと気付かせてくれる。
    何れも初出は別冊文藝春秋らしいが、このアンソロジーは、企画が先にあって雑誌に掲載されたのか、掲載後に似たテーマを纏めてアンソロジー化したのか、どっちだったんだろう。

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    2020年11月22日
  • ザ・万歩計

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    著者初のエッセイ集です。

    『虚航船団』など読者を驚かす発想を生み出した鬼才・筒井康隆に、『着想の技術』という本があります。それになぞらえていえば、本書はマキメ版「着想の技術」でしょうか。『鴨川ホルモー』や『プリンセス・トヨトミ』といった怪作を生み出した知性の実演を見ているような印象を受けます。

    もちろん筒井の本と同様、ほとんど名人芸の領域であって、「技術」として学べるようなものでありません。読者になしえることは、笑いつつ、ひたすら感心することだけなのではないかという気がします。

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    2020年11月13日
  • バベル九朔

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    これぞ、万城目学とも言うべき怪作。バベル九朔というビルの管理人をしながら、小説家を目指す主人公。そんなにも流行っていないテナントが4つだけのたった5階のバベルの塔。そこに現れた黒ずくめの怪しい女。大ネズミをハイヒールで踏み付けたその女は「扉はどこ?」と言う。ぐるぐる回る世界。よくもまあこんな物語を作れるもんだと感動。その結末たるや、よくわからん。おまけの短編の落ちはわかった自分にバンザイ\(^o^)/。

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    2026年01月12日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    再読3回目。
    おもろー。こんな毒にも薬にもならん作品(最大級の賛辞)、最近あんまりないのよね。読んだら、人にやさしくなれそうな気がした。

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    2020年05月31日
  • 悟浄出立

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    あとがきの「著書解題」★5つ。
    中国と日本における歴史の記録の違いを司馬遷のに見てとるのは非常に説得力があります。

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    2020年04月18日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    最高なタイトルからわかるように、大阪から台湾まで、ぼくらの大好きな近代建築が蘊蓄とともに紹介されるゆるガイドブック。
    訪れたことのある場所でも、その建物や建築家のエピソードを知るとまた行きたくなる。
    「建ってから八十年以上も焼けてないのは大阪城史上最長」など、どうでもいい記録がわかったりします。

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    2020年01月13日
  • 悟浄出立

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    言ってみれば中国の歴史小説のパロディですが、万城目氏が本書を書いた理由が非常に興味深いです。
    ヘンテコな作品ばかり書いている天才だと思っていたら、意外と正統派の感性を持っていたんだ。
    ついでに言うと、内容も充分面白い。

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    2020年01月11日
  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    いくさのシーンは血生臭い。生々しい表現もたくさんあるし。それでも読み進められてしまう、風太郎たちの生きざま。助けられたあの子がどうなっていくのか、非常に気になる...。

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    2019年11月27日
  • とっぴんぱらりの風太郎(上)

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    風太郎のイメージが、勝手にむくむく膨らんで止まらない。のんびり瓢箪育ててるかと思えば、殺伐とした戦いのシーンもあって。登場する人物がみんな魅力的...。着地点が気になる気になる。

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    2019年11月23日
  • バベル九朔

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    ネタバレ

    万城目学のデビュー作『鴨川ホルモー』を読んだとき、その発想の奇抜さとストーリーの愉快な展開に、なんてすごい作家が現れたんだ!とすぐにファンになった。
    ところが『とっぴんぱらりの風太郎』や『悟浄出立』を読んで、あれ?本当に書きたいのはこういう作品なのかな?と思った。

    主人公の俺は、バベル九朔という5階建ての雑居ビルで管理人として働きながら、作家デビューをするために小説を書いては応募する毎日を送っている。
    が、一次予選すら一度も通ることなく、二年の月日が過ぎようとしていた。


    ###以下ちょっとネタバレ###

    どこにでもあるありふれた雑居ビルのはずだったバベル九朔が、人びとの夢や希望を絶望に換えながら広がっていく「バベル」だったということが徐々に判明していき、大きくなり過ぎたこのバベルは、崩壊の危機に面しているという。
    現実世界に影響を与える崩壊を選ぶか、バベル九朔とともに自分までこの世から消えてしまう消滅を選ぶのか。

    人びとの夢や希望を糧に肥え太っていく存在なんて、現実にはいくらでもある。
    「君には才能がある」「かけがえのない存在だ」と言われ続けて夢にしがみついても、花開かないことだってある。
    甘言をささやき続けた(励ましだったかもしれないが)方が悪いのか、夢をあきらめきれない自分が悪いのか。
    それは無駄なことなのか、不幸なことなのか。

    思えば作家という職業は、登場人物に夢も希望も、現実も絶望も与え、その相互作用で生まれたものをもとに作品を作り上げているのだから、これは全くバベルの在りようと同じわけだ。

    作品の結末についてはいかようにも解釈できるだろうけれど、私は、作家としての業は重々承知のうえで、作家として今後も努力を続ける、と、「言葉」で伝えることの大切さ、大変さを決して忘れないという、作者の宣言と捉えました。

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    2019年09月07日