万城目学のレビュー一覧
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国の収支をチェックする会計検査院。その機関のエリートである松平が旭と鳥居、2人の部下と大阪府にある法人へ検査に向かう。そしてその中のひとつの法人がなんだか怪しいと目にとまるが…。そこが実は35年間検査に入られていない組織で、35年前とは松平が大阪で不思議な体験をした年だった。
高きにそびえる大阪城とその地下にある『大阪城』。それにまつわる秘密組織と会計検査院との決戦へと大きく物語はうごいてゆくストーリー。
架空の組織や歴史が地理的リアルとうまく混ざりあって、途中ほんとにあったりしてと思ったり。
松平の視点のほか、中学生の大輔と茶子視点があり交互に進んでいく。社会人と中学生このふたつが徐々 -
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ネタバレ設定はぶっ飛んでいたが中々面白かった。
舞台は大阪で豊臣家が滅ばず、代々豊臣の末裔を陰ながら支え続けていてその影響が国規模となっているというもの。そこに関わるようになった会計検査員3人が少しづつ全貌を明らかにし最後に大阪国の住民を相手に職務を押し通していく。
世間には認められていない大阪国と同じく世間から認められていない大輔の男だけど女としてのあり方ここ二つを連動させて、父と子が世の中の常識に強い意志で戦っている所は何よりも爽快だった。
物語を通じ大きな考えや常識に意思だけで足掻き打ち勝つそんなことを伝えたかったのではと思った小説。 -
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題名作は、西遊記の悟浄を主役に仕立て上げた作品だ。中国史における助演者を主役にしたり、スピンオフであったりの5つのストーリーで構成されており、万城目学さんらしく面白い。
趙雲西航は三国志の蜀の軍人である趙雲子竜が主役。
虞姫寂静は秦を滅ぼした項羽の寵姫の虞美人が主役、夏目漱石が思い浮かぶ。
法家孤憤は秦の始皇帝暗殺未遂事件と法家思想政治の顛末が描かれている。
父司馬遷は史記の司馬遷について、娘からの視点で描かれている。
こうした確固たる方向性がある中で、登場人物の人間らしさをクスリと笑顔にさせる表現が、万城目学さんらしさを感じた。
ただ、私は中国史にはさほど興味がないため、読むのが少し辛か -
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鴨川ホルモーの続編、というかスピンオフだ。六景というくらいだから、6つのストーリーがある。前作は京都大学青龍会のメンバーを中心に描かれていたが、今回は相手大学の人々に焦点が当たっている。
万城目学さんらしく、軽快な描写で日常生活の中での不思議な出来事が、さまざまな角度で描かれている。
ホルモーの鬼たちの戦いが街中で繰り広げられたり、一筆書き的な問題を解いていくところなどユニークである。関東の大学にもホルモーがあり、交流のきっかけになるのだろう。そして青春である。
梶井基次郎の件は、檸檬を読んだ時の情景が浮かび、なぜか高校時代を思い出した。同志社大学黄龍陣では山吹巴の広島弁(?)から、なぜか -
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「タイムカプセルの八年」辻村深月
ひるま先生なぁー、、、こんな先生、小学生には人気だけど大人になってから考えるとこんな人無理、、ていうタイプの先生いるよね。熱血、金八先生の真似事、、
ただそれだけじゃない、これは浮世離れした大学教授の父親と小学校教師を目指す息子の話。
「トシ&シュン」万城目学
芥川龍之介の杜子春が関係あるかと思ったらたぶんないのかな?それとももう少し深読みすれば関係してるのかな?と。神様の目線の話は畠中恵さんを思い出した。
「下津山縁起」米澤穂信
なんとスケールのでかい!!米澤穂信さんがやってくれたなぁって思った。現実を追い越したタイミングあたりでゾクゾクしてきた。
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