万城目学のレビュー一覧
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ネタバレエッセイというより、青春記。
ままならないこの時期を、ユーモアたっぷりに書いているけど、フィクションだけど『バベル九朔』で書いたじゃん。
なんで今更?って思ったら、雑誌でエッセイを書けと言われ、出来ないと言うと、青春記でいいと言われたからだそうだ。
なるほど。
ユーモア小説でデビューしたけれど、『とっぴんぱらりの風太郎』あたりから作風が変わってきたと言われ、『バベル九朔』で離れていった読者も多かったように思う。
でも、多分彼が本当に書きたかったのは、こっちのほうなんだろうなあと読んだ当時思ったものだった。
”芥川龍之介が好きで、菊池寛が好きで、夏目漱石が好きで、中島敦が好きで、安部公房が好 -
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神社を護る ( 縁結び ) 神のお勤めを描いたコメディファンタジー。4話からなる連作短編集。
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縁結び神の語りで始まるのだけれど、何か神のイメージとはズレていて、舞台喜劇を観ているようでおもしろかった。
各話もそれぞれ味があります。
1話目は、言霊で以て煮え切らない男の欠点を封じることで、恋人の仲を鮮やかに成就させる縁結び譚です。
2話目は、当たり屋をして生活しているというどうしようもないぐーたら男を見事に改心させ、縁結びまでしてしまうという御利益譚です。
3話目は、恋人の「男女の仲」を進展させつつ、それぞれ芸道での成功に導くこの話は -
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ネタバレこの本を読んでいると、久々に中国史に関する本を読みたくなった。中国史は謎が少ないけど、題材にすると書き手によって特色が出るストーリーになって面白い。
万城目学は著者解題で中国史にミステリー要素が少ないのは、司馬遷がいたからだと主張している。司馬遷によって緻密に歴史が記録されたため、司馬遷以降も中国史は正確に書かれていると主張している。この主張はなるほどなと感嘆した。いつかは史記を読み、司馬遷が情熱を出した文を読みたいものだ。
この本はいくつかの短編によって構成されている。その中でも、この本のタイトルである悟浄出立に込められたメッセージに胸を打たれた。「過程にこそ素晴らしさがある」というメッ -
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ネタバレはぁぁぁー………
みんな死んじゃうなんて……
こんな結末ならのんきなタイトルと帯にして欲しくなかった……
『ラスト忍者』とかにしてくれてたら心構えもできたのにな……
主人公にも仲間にも感情移入させておいてそりゃないよ……
まさか導入でにんにくの絵を思い出す場面が死に際の重い場面だなんて思わないよ……
戦後にはのんきさが全くなくて辛かったな。
自分達の都合で危険な大阪城まで連れ出しておいて、最後まで面倒見てくれないひょうたんの神様は一体何だったの?
忍びを全滅させる為のキャラクター?
あんなファンタジー要素を出すなら救ってくれると思うよね?
風太郎も実はあの後養生して復活して芥下