万城目学のレビュー一覧

  • 時の罠

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    4人の作家さんの短編集。それぞれ面白かったけど1番気に入ったのは湊かなえさんの物語。
    小学生の頃のタイムカプセルを開けに行く話だったんだけど、小学生時代にこじれたままになっていた友達との関係が見事にほぐれていく感じが読んでいて心地良かった。
    人間関係のゴタゴタって結局は誤解から始まってるんだよなぁって思った。

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    2022年05月10日
  • 悟浄出立

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    中国の古典に題材をとった五篇の短編から成る短編集。

    この短編集ではない、昔読んだ小説の中に出て来た会話。
    妻がいる男性が妻を手酷く裏切って他の女性の許に走り、恨んだ妻は相手の女性に復讐する。

    「これは酷い…もし復讐するなら男にするべきだ」と、ある小説家は妻に言う。すると妻は
    「そうなんでしょうね。でも、女はそうは思いません」

    この短編集のヒロインの女性は、男にきっちりと一発かまして去って行く。
    代償行為で自分の心の穴を埋めようとするのは
    男性あろうと女性であろうと、あまり褒められた行動ではありませんね。色んな人を傷つける。



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    2022年05月02日
  • ぼくらの近代建築デラックス!

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    このお二人がなぜ近代建築談義を?と思いつつ、読み進めるうちに、面白いは面白いは。知っている建物もあり、そうでないものもあり。どれも、一度訪ねてみたいと思えてくる。
    綿業会館と御影公会堂は是非行きたい。

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    2022年02月02日
  • 悟浄出立

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    項羽と虞にチャイニーズデスコアの優Voodoo Kungfuのvo 李楠とサポート?Bの蒲羽を脳内キャスティングして読んだ「虞姫寂静」が良かった。

    これ、読み始めてから間もなく何処かに行っちゃって、この前やっと発見したんだよね。
    で、再読。
    西遊記も史記も三国志も試験対策以外の知識も興味はなかったワケだよ。これまでは。まぁ、孫悟空は知ってるけど。
    で、最初は正直辛かった。西遊記さえも。
    でも、読んでいるうちに気がついた。と、いうか思い出した。漢文とか古典は同級生が言うほど嫌いじゃなかったことを。みんなに合わせて文句は言ってたけど、文中にふと差し込まれる視覚的な風景描写が好きだったなぁ。
    で、

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    2022年01月29日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    面白くてするする読めた。
    神様部分は1人語りなので落語の様だった。
    野草好きで丁度どんぐり(スダジイ)クッキーを作った所だったので、御神木のマテバシイにはおぉっ!となった。
    マテバシイは公園でよく見られる木、大きめの実でアク抜きすると食べられる秋の味覚なんだよねぇ。

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    2021年12月30日
  • 時の罠

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    アンソロジーは
    手にした事のない
    作家さんを
    開拓できるから
    嬉しい
    実際
    湊かなえ先生以外は
    お初でした

    ''時''をテーマにした
    コチラ

    どのストーリーも
    短編なのに
    読み応えのある
    ものばかりでした

    「タイムカプセルの八年」
    とっても共感が出来る
    ストーリーと
    ニヤッとしてしまうラスト
    心が温まる時のお話しでした

    「トシ&シュン」
    これまた
    全く違うテイスト

    鴨川ホルモーや
    偉大なるしゅららぼんが
    元は小説だとは!

    小説であの世界観を
    どう表現してるのか?
    出来るのか?
    この短編読んで
    なるほど・・
    と納得しましたね
    出来るん

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    2021年12月04日
  • とっぴんぱらりの風太郎(下)

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    ネタバレ

    ラストの結末が切なすぎる。個人的には、ラスト風太郎がひょうたん屋をやるシーンで終わると勝手に想像してたので、読み終わった後ちょっとショックでした。だけど、豊臣家だけではなく、忍びも戦国時代の終了と共に滅びる運命だと解釈するならこの結末もありかもしれない。でもでもせめて黒弓と風太郎は生き残って欲しかった。

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    2021年11月22日
  • 悟浄出立

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    どの話も面白い。その人を周縁から描く手法。ただ、予備知識は多少いるのが難。
    司馬遷のお話が一番かと思う。

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    2021年11月04日
  • 時の罠

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    好きな作家さんばっかりの贅沢なアンソロジー。四者四様で面白かった。湊かなえさんの「長井優介へ」は短編ながら読み応えがありました。

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    2021年09月11日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    ネタバレ

    目次
    ・はじめの一歩
    ・当たり屋
    ・トシ&シュン
    ・パーマネント神喜劇

    万城目学の小説ってARみたいだよなあ。
    普通の日常の中にポンと異物が登場する。
    ホルモーや、鹿男や、しゅららぼんや…。
    小さな神社に行ってみたら、そこに出たのはポケモンではなく神だった、という。

    日本の神様って、元々はすごく人間臭い。
    だから、ここに出て来る神様の、まあ器のちっちゃいことも、逆に「まさしく日本の神」なのかもしれない。
    神様の直系の子孫であるところの天皇家にしたって、日本人の精神性の大本ではなく、日本人の食の安全と安定供給をつかさどるものだからね。
    実に実に具体的かつ現実的なのが日本人のメンタルなのでしょ

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    2021年07月18日
  • 時の罠

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    短編集だけどそれぞれ読み応えがある。
    湊かなえの長井優介へが1番好き。
    イヤミスイメージが強いけど
    こんな暖かいストーリーもあるんだと思った。

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    2021年06月24日
  • 時の罠

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    ネタバレ

    「時」をテーマに捻ったアンソロジー4編。

    ・面白かった編
    「タイムカプセルの八年」
    何だこの屁理屈親父は?という導入から始まって、こんなのあるあるだなぁな脇キャラに流されながら意外と矜持を見せ、”黄金期”だった小学生時代の父親たちで優しい嘘を守り、綺麗にオチをつける。流れるように起承転結のレベルが高くて「いいもん見せてもらったぜ」って気分になる。ハズレなし作家だなぁハッピーエンドっていいよなあと素直に思える良作。

    ・微妙だった編
    「トシ&シュン」
    「パーマネント神喜劇」やん!よね??と思いながら読む。再掲かいと思いきや、こちらの発表が先で後でもう1章足して「パーマネント」完成だった

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    2021年04月29日
  • 悟浄出立

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    特に表題の悟浄出立が面白いです。1つ1つが短いので読みやすいと思います。万城目学さんの個性が出てます!

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    2021年04月15日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    にわかに信心を起こし、神社詣でするお正月休みに読むといい感じだろうか?
    うららかな新春の雰囲気に、ぴったり。

    縁結びの神として千年、小さな神社で務めてきた下級神が主人公。
    何と神界にもノルマがあり、査定があり、転勤も昇進もある!
    そして、この神さん、小心で出世欲もあり、ちょっと小ずるかったりする。
    なかなか「人間的」なお方。
    でも、いざという時、出世より、人間に寄り添い、縁結びをすることを選んでしまう、泣かせる神さんでもある。

    物語は凝った構成を持つ。
    神の世界の話と、神を見ることができない人間の世界とを交互に描いていくのだが、時に交錯したり、夢が何層にも入れ子になっていたりと、多彩だ。

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    2021年02月28日
  • 悟浄出立

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    万城目さんのは、映像化されてるのは、全部観てる!
    (そんなんばっかやな(・・;))
    で、はじめて本読んだ。
    何か、あらすじなどに、惹かれて。
    西遊記、三国志などのサブキャラをメインにしての短編5つ。
    スラスラ読めるし、なかなか面白い。
    好みは、やっぱり「悟浄出立」かな?
    ・結果が全てではなく、過程も大事!
    ・先頭に立って、道のない道を行く厳しさ(楽しい事もいっぱいあるけど)
    何か、今にも通じるもんもあって、ジーンときた!
    後書きにあたる?「著書解題」も面白い。
    中島敦さんの「わが西遊記」を読みたくなった!

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    2021年02月13日
  • 悟浄出立

    購入済み

    異世界

    万城目さんの小説を読むと、異世界に入り込んでしまった様な感覚になります。孫悟空の世界、古き中国の世界へと。様々な人々の生き様を、まるで今目の前にしているような驚き。
    今後の作品も楽しみにしています。

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    2021年01月29日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    縁結びの神様(おそらく下級)のお仕事に真面目に取り組む姿勢が、まるで日本の下っ端サラリーマンの様でおかしい。
    偉い神様からの縁結びノルマも、ノルマ至上主義に対する批判はあるものの、自分の昇進を気にしペコペコするあたり、神様も日本のサラリーマンと一緒だ。
    「はあ...参った。困った。吐きそう」
    ...神様に共感しかない。

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    2021年01月14日
  • 時の罠

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    面白かった。続きが読みたくてあっという間に読んだ。
    4人の作家さんの短編集。
    題名の時の罠はなぜそのタイトルにしたのかやや不明。
    私の好きな作家の辻村深月さん、湊かなえさんの短編は本当にワクワクした。さすがのお2人。
    ただあとの2人の作家さんの話は面白くなかった。星4つは辻村さんと湊かなえさんの面白さだけでつけた。あとの2人は興味のあった作家さんだったのでとっても残念。

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    2021年01月09日
  • パーマネント神喜劇(新潮文庫)

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    1文目から表現がおもしろい。
    肩肘張らずに読めるけど、その中でちょっとした気づきを得ることができます。
    自分たちが崇める対象である神にも苦労があるんだなあとおもしろがりながら読むことができました。

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    2020年12月10日
  • 時の罠

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    4人の人気作家による『時』をテーマとしたアンソロジー。
    女性作家2人の作品は、どちらも学校の卒業記念で埋めたタイムカプセルがコア。しかし、辻村深月はハートフル。湊かなえはちょっとウエット気味と、それぞれの持ち味が存分に出ていて興深い。
    対して男性作家2人の作品は、どちらかと言うとSF的作品。万城目学は、神様モノ。米澤穂信は過去から未来にかけての壮大な時間モノ。
    売れっ子作家さんだけにハズレなし。
    装丁の猫は何故?と思うが、読み終えるとおそらくシュレーディンガーの猫なのだろうと気付かせてくれる。
    何れも初出は別冊文藝春秋らしいが、このアンソロジーは、企画が先にあって雑誌に掲載されたのか、掲載後に

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    2020年11月22日