万城目学のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ今回は京都にある女子寮を舞台にした『三月の局騒ぎ』と本能寺の変を舞台?にした『六月のぶりぶりぎっちょう』の2作。
どちらも面白かったし、京都ならそんなことがあるのかもと思わされるようなお話だった。個人的には『三月の局騒ぎ』のほうがとっつきやすくて読みやすかった。
京都にある大学に通う主人公は女子寮に入寮する。その女子寮は毎年の退寮や入寮に伴って部屋を変える。学年が上がると1人部屋を希望することもできる。そんな女子寮に長年住んでいると言われているキヨという女性がいる。彼女がどの大学に通っているのか、何年この女子寮で暮らしているのか知っている人はいない。ある年、主人公はそんなキヨと同室になる。そ -
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Posted by ブクログ
作り込まれた設定は奇想天外ながら妙なリアリティに満ちていて、さながらよく出来たSF小説。思わず引き込まれる。
が、個人的に好きかというとやや違う。
なんというか、気色悪いというか座りの悪い読後感。うまく言えないけど。
たった一人の女性を300万人男性全員でひっそり守り続けることに意味を見出す男の浪漫とノスタルジー、周囲の女性達の「わかってる」感が支える、みたいなクソデカ主語で描かれる役割構造が、全体をのっぺらぼうじみて見せているように思う。
無理に前向きに描くトルーマン・ショーというか。「ものすごい大勢で大騒ぎしといてそれかい!」というか。
まあ、設定が作り込まれているだけに人物周りのリ -
Posted by ブクログ
サイキックな一族が見舞われる大騒動。「神様」を題材としたようなシリアスなストーリーにも関わらず、ちょっとハズレ加減な主人公をしてコメディタッチで描かれています。「鴨川ホルモー」に続く意味不明のタイトルにも、何だかテキトーな意味付けがあって笑えます。
人は血のつながりをもって様々な境遇のもとで生きており、自身の努力では捨て去るのことのできない何かと共存している。諦めではない方法でうまく折り合いがつけられるのであれば最良だけれど、それがなかなか難しい。安寧を求めて皆もがいているのだよ。などと笑いを誘われながらも時折り真面目なことを考えたり、忙しい読書でした。