中野剛志のレビュー一覧
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日本でもたまに話題になるグリーンウォッシュ、いわゆる「やっていないのにやってるふり」です。
ところがアメリカではそれどころではありません。それが儲かる仕組みとして成り立っているそうです。しかも、「意識高い系」の会社が、SDGsやESGがうまくいかなければいかないほど儲かるという悪夢のような構造になっています。
SDGsやESGに対する何か底知れぬ違和感について、少しだけ分かった気がしました。
あと、日本の資本主義はこのレベルに達しておらず、滅ぼす対象の「民主主義」もそもそも怪しいので、ただただ世界から取り残されていくだけ、と寂しい状況らしい。やっぱり、戦って勝ち取ったのと、敗戦で与えられ -
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「政府はすでに財政削減を行っています。しかし,政府は,公共支出の運営を学習しなかったがために,財政削減による即時の問題解決を期待し,あるいは,財政削減が困窮を次第に累積させていくことを知らないのです。」
この本は19世紀を生きたコールリッジという人の思想を中心として,時代の趨勢とその結果から保守の態度を明らかにしようとするもの。上記の文はそのコールリッジのもので,これによれば,日本の自称保守政権が数世紀の歴史に対する無学を露呈していることになる。統計的方法だけでなく,デフレといった経済現象の解釈も明示的でない時代の慧眼。貨幣や国債の精確な理解。為政者や御用学者は経世済民が分かっていないのでは -
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シリーズ前2冊を読んでいたので、主張自体にはそれほど目新しいものはなかったのが正直なところです。本書は、主に財務省事務次官の矢野さんの論文を中心に、緊縮財政派の主張をとことん論破しています。全著を読んでいても、それはそれで楽しめるものでした。レトリックばかりで結局理論的には何が言いたいのかさっぱりわからない矢野論文に対して、中野さんのツッコミは理路整然としています。
権威の意見を鵜呑みにせず、自分で考える力をつけよう、というのが主なメッセージですが、それはつまり矢野さんを始めとする人々に考える力がないと暗にディスっています。最後の問題として、矢野さんは実は間違っていることを自分で分かった上で -
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中野剛志氏の著書は結構読んでいるが、今回もシニカルかつ的確な分析が光っている。
ここ最近積極財政か緊縮財政どちらが相応しいかがメディアで議論されるようになった。日本がやっとこのような状況になったのも、10年以上前から様々なメディアで経済について語っていた著者の功績もあると私は思っている。そんな人物が書いた新書が難しいはずがない。昨今メディアで取り上げられる経済テーマに関しては基本的なことがこの本でわかるようになっている。
きっと、経済についてあまり勉強してこなかった人からしたら、今までなんとなく学んできた知識を覆す内容ばかりだろう。だからこそ、本書のタイトルは『どうする財源』なんだと思う。(も -
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本書タイトル「脳・戦争・ナショナリズム」から何を想像して書店で手に取ったか、奇妙な組み合わせだなと思いながらも、脳科学者中野信子氏、批評家の中野剛志氏、そしてズバズバともの言う哲学者適菜収氏と普段良く手に取って読んでいる御三方の座談会形式に、いったいどんな会話がなされたか気になって読んでしまった。内容はタイトルそのまんま、3名の分野がそのまんま話の中心として、なんかこう、練り上げられていくと言う表現が正しいのか、形容し難いが面白い内容となっている。
まずは信子氏の脳科学的な知見が飛び出してくる。人の見た目に関して描かれる書籍は数多くあるが、本に書いて文字に起こして大丈夫か不安になる様な記載でか -
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著者の話のエッセンスは前著(「基礎知識編」)で言い尽くされている。それぐらいわかりやすくシンプルということだ。本書は、なぜその主張が世の中に広がらないのかを論じている。その着眼点や議論の進め方は切れ味鋭いが、それは著者の立ち位置がユニークでブレないからこそ、生み出されたものだろう。ただ、この議論が実際にグローバル化にブレーキをかけ格差是正につながるという道筋を具体的かつ現実的に描けているかというと若干心もとない。新自由主義がやはりシンプルで勢いのある議論を展開しながら、肝心なところで“トリクルダウン”という甚だ怪しい理屈に走ったことが想起されるが、著者の議論が同様のものでないことを祈りたい。1
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著者はウェーバーやトクヴィルなどの社会科学の古典に書かれた内容が、現代の社会問題にも通用する鋭い分析でありながら、あまり顧みられていない現状を憂いています。新自由主義、グローバリズム、構造改革、ウクライナ戦争などなど、現代の諸問題に対する答えがすでに社会科学の古典の中にあるというのは、面白いと思うと同時に、なぜそれが顧みられないのかすごく不思議になります。
大勢の人間が集まってるくる「社会」はあまりに複雑で、自然科学のようにある程度正確に現象を計測したり、一般的なモデルを構築するのが難しいからでしょうか。複雑すぎる故に、社会について語る人の立場によっていろんなもっともらしい論を展開できてしま -
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世界中の経済活動が相互に繋がった世界。ウクライナ紛争やスーダンの内戦、干魃や洪水などの災害が世界のどこかで発生すると、原材料の高騰や輸送手段が停滞して混乱を招くなど、現代社会はグローバル経済の名の下で綿密に絡み合っている。一方アメリカやイギリスでナショナリズムを鼓舞するような指導者が現れ、自国最優先を謳う政権が第1党になるなど、閉鎖的にブロック経済に向かう流れもある。とは言え一度絡み合った世界から抜け出すのは難しい。日本もTPP参加を積極的に進め、遅れてやってきた自由経済圏競争の流れに飛び込もうとしている。最近ニュースでも環太平洋諸国による強固な連携を強調することが多い。これはひとえに中国の南
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デフレは需要不足・供給過多、貨幣価値が上がる。インフレは真逆。対策も真逆。デフレ対策は直感では誤ったように見える物がおおい。日本はずっとほぼ真逆である、インフレ対策として働く政策を実行してきた。
仮想通貨は発行量上限が決まっているがゆえに問題が生じる。皆が使い始めたときに供給量が増えないので貨幣価値があがり、デフレになる。
貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である。「ロビンソンとフライデーしかいない孤島」のたとえ。ロビンソンは春に野いちごを収穫してフライデーに渡す。秋にはフライデーがとった魚をロビンソンに渡す。春の時点で、クルーソーにはフライデーに対