中野剛志のレビュー一覧

  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    著者はウェーバーやトクヴィルなどの社会科学の古典に書かれた内容が、現代の社会問題にも通用する鋭い分析でありながら、あまり顧みられていない現状を憂いています。新自由主義、グローバリズム、構造改革、ウクライナ戦争などなど、現代の諸問題に対する答えがすでに社会科学の古典の中にあるというのは、面白いと思うと同時に、なぜそれが顧みられないのかすごく不思議になります。

    大勢の人間が集まってるくる「社会」はあまりに複雑で、自然科学のようにある程度正確に現象を計測したり、一般的なモデルを構築するのが難しいからでしょうか。複雑すぎる故に、社会について語る人の立場によっていろんなもっともらしい論を展開できてしま

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    2023年06月17日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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    「ウォーク」が偽善的だってんでなんか攻撃しているけどその根拠は薄いというか見方がネガティブすぎる。しかしアメリカの知らん事情が多くて勉強になる。ポリコレ興味ある人は一読しておくべきだ。

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    2023年06月11日
  • WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

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    ウォーク資本主義的な振る舞いは、経済のアジェンダにおいては今まで通り企業が利益を得続けるための隠れ蓑であり、本来民主主義にて政治が担うべき役割までも進出しようとする危うさを孕む。

    企業は利潤だけを追求すべき
    企業は社会的な責任を果たすべき
    どちらでもなく、私たちが本来のウォークネス(人種や経済における不平等をきちんと見つめる知識を持ち、その解消のために戦う)を取り戻すべきなのだ。

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    2023年06月08日
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道

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    恒久戦時経済、これこそが21世紀の日本経済のあるべき姿である。
    藤井聡と同じ考え方と勝手に思っていたが、どうやらWikipediaで見ると非常に仲が悪いようだ。

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    2023年06月04日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    世界中の経済活動が相互に繋がった世界。ウクライナ紛争やスーダンの内戦、干魃や洪水などの災害が世界のどこかで発生すると、原材料の高騰や輸送手段が停滞して混乱を招くなど、現代社会はグローバル経済の名の下で綿密に絡み合っている。一方アメリカやイギリスでナショナリズムを鼓舞するような指導者が現れ、自国最優先を謳う政権が第1党になるなど、閉鎖的にブロック経済に向かう流れもある。とは言え一度絡み合った世界から抜け出すのは難しい。日本もTPP参加を積極的に進め、遅れてやってきた自由経済圏競争の流れに飛び込もうとしている。最近ニュースでも環太平洋諸国による強固な連携を強調することが多い。これはひとえに中国の南

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    2023年05月27日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    ここで紹介されている社会科学の巨人たちの原書を読むのはなかなか難しいけど、易しく解説してくれてるのがありがたい。チクリと自民党政治の失われた30年を刺しつつも。
    優秀な国民が愚鈍な代表者を選ぶわけがない、はずだから、判断できる力を養いたいところ。
    多くの人に読んでもらいたい1冊。

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    2023年02月23日
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム

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    「大衆の狂気」を読んで、著者に興味を持ちました。最近の世界の論調からは受け入れられにくい論考でしょう。膨大な事例がやや冗長に感じるところもありますが、現実に何が起きているかを知るには良い一冊だと感じました。日本も例外ではないと思います。

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    2023年02月18日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    自分としても合理主義を徹底していくことに少し違和感があったためフィットする内容が多かった。
    合理主義とは反対にある「合理主義を突き詰めると非合理になる」、「全体主義化しないために共同体への帰属」などは、行きすぎた現在の潮流へ一石を投じる内容に思う。

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    2023年02月02日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ネタバレ

    ネイション(国民)とステイト(国家)の違い、経済ナショナリズムの定義やらなんやら前半は難しかった。
    後半は明快で、
     ・新自由主義、グローバル化、構造改革の時代は終わり
     ・他国はステイトの力(軍事力、資源力)が強いがネイションの力は弱い
     ・日本はその逆、まさに経済ナショナリズム思想にふさわしい状態
     ・問題は経済自由主義のイデオロギーが上記を妨げていること。財政健全化など。
     ・日本の危機の真因はこのイデオロギーの支配から脱せないこと
     ・ここをパラダイムシフトしないといけないし、それができるのは国民の力のほかにない

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    2023年01月29日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    デフレは需要不足・供給過多、貨幣価値が上がる。インフレは真逆。対策も真逆。デフレ対策は直感では誤ったように見える物がおおい。日本はずっとほぼ真逆である、インフレ対策として働く政策を実行してきた。
    仮想通貨は発行量上限が決まっているがゆえに問題が生じる。皆が使い始めたときに供給量が増えないので貨幣価値があがり、デフレになる。
    貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である。「ロビンソンとフライデーしかいない孤島」のたとえ。ロビンソンは春に野いちごを収穫してフライデーに渡す。秋にはフライデーがとった魚をロビンソンに渡す。春の時点で、クルーソーにはフライデーに対

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    2023年01月11日
  • 新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る

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    この本で面白かったのは「世界対戦とニューディール」の章で、戦争が労働条件向上に役に立つという事実。アメリカは第二次世界大戦で国内の労働者の協力を得るために、勝ったあかつきには労働環境含め社会保障を充実させることを約束した。それだけ勝つためにはなりふり構っていられなかったのだろうと思う。戦後はその約束のもと労働者階級の発言権を認め、格差の少ない社会を実現した。その状況も長くはつづかなかったわけだが、日本の戦後社会も似ていたように思う。今や労働者の経営者に対する交渉力などゼロに等しい。戦争が正しいなどと言う気はさらさらないが、アメリカの歴史上労働者が最も恩恵を受けたのは戦争中だった事実には複雑な思

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    2022年12月24日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    本書は、新自由主義に対して警鐘を鳴らす。
    日本における'失われた三十年'を、社会科学の視点から解きほぐし本質的要因に迫りあぶり出す。
    新自由主義の基本原理'市場原理により需給はバランスする'という経済思想は、不確実性を軽視し楽観的な思い込みにより誘導される。古典的な社会科学には、現代の混迷を紐解く数々のヒントがあり、それを紹介しながら、行き詰まった現況への指針を示している。組織改革が思うように進まない理由、効率性がかえって非効率化を生み出すというジレンマ、ドラスティックな改革や民主主義は多数者の専制を生み、全体主義に陥るリスクがあることを歴史から明らかに

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    2022年11月14日
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵

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    ネタバレ

    マックスウェーバーによる官僚制の分析
    没主観性=形式的な公平性、計算可能性、
    官僚制の逆機能=効率性と合理性を追求する官僚制が非効率性と非合理性を招く。縦割り行政もそのひとつ。
    数値化、マニュアル化は官僚制の特徴。コンサルタントの手法。=『マクドナルド化する社会』『官僚の反逆』
    数値化は、本来の業務でないことに多大な労力をかけることになる。
    イノベーションと数値による評価、成果主義は矛盾するもの。
    大学改革も数値化の弊害が現れている。『オックスフォードからの警鐘ーグローバル化時代の大学論』
    論文数による測定。誰も読まない論文が山のようにできる。インパクトファクターでは、引用し合うという現象がお

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    2022年11月01日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    インフレ/デフレ、なんとなく理解しきれてなかった部分を補完してくれた。
    言葉の根本の定義について詳しく解説してくれるので、本質的な理解がすすむ。

    デフレに苦しむ日本が、インフレ対策(財政支出減、消費税増税、規制緩和など)を行っていて、効果も出ずどんどん疲弊しているという部分で、
    ヘトヘトな夜に勉強して寝不足になって、
    次の日グタグタになっている自分を思い出した

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    2022年09月26日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

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    政府は自国通貨を発行できるのに、なぜ課税をしているのか?→通貨の価値を保証するため。
    MMTでは、お金の価値は政府が発行する通貨で納税できるからであると説明している。

    財政赤字は当然。なぜなら政府支出が先にあり、民間に供給されたお金で税金を払うから。

    国債発行→民間銀行の日銀当座預金(日銀が供給)から支払う。

    なぜ、政府支出で民間銀行の民間口座に加えて、民間銀行の日銀当座預金が同額増える?それが増えると金利がなぜ下がる?それを防ぐために国債発行している。

    分配無くして成長無し!
    →消費性向から考えて、高所得者が溜め込んでいるよりも低取得者がお金を手にすることで社会の消費全体が増える。ま

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    2022年07月26日
  • 変異する資本主義

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    バイデン政権の経済ナショナリズムへの政策転換を丁寧に説明しつつ、中国の(経済・軍事などの)ハイブリッド軍国主義の台頭から、今後の世界は新自由主義・小さな政府から、社会主義(生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度。あくまで経済学的な定義)・大きな政府に向かうであろう。
    というのが本書の趣旨。

    経済を軸に、地政学、外交、軍事などの要素も考察しながら論じられており、何度か繰り返して読まないとこの結論に至る理由が完全には理解できませんが、「本書で定義する社会主義」に向かうであろう。とする予測は、本書が出版された2021年11月以降、ロシアのウクライナへの侵攻によって、ますます強まっているように

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    2022年06月13日
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】

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    奇跡の経済教室三部作の三つ目。矢野財務事務次官の「論文」を題材に、経済政策のあり方を考える本。
    インフレには2種類ある。コストプッシュインフレとデマンドプルインフレ。この2つの違いとコントロールの仕方を丁寧に解説していて、よく理解できた。

    しかし、どうやったら日本はプライマリーバランス黒字化至上主義から脱せるのだろうか…?

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    2022年05月19日
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム

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    西洋の移民政策の現実を書いた本。
    この本の論点
    ①移民の受け入れは悪くないが受け入れすぎることによって、西洋的な価値観や文化の破壊に繋がる

    ②移民受け入れは人口の減少の歯止めになるが、出生率を上げるなどの対策をまずやるべき

    ③移民政策への提言は全て人種差別と捉えられてしまうため、適切な議論ができない。

    ④寛容な多文化主義を容認した結果、宗教原理主義に敗北してしまう。
    (その人たちの声は大きく、批判すると殺されかねない)

    ⑤欧州は植民地政策の過去を原罪と捉えており、メディアや政治家によって、今でもその罪を背負わされている

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    2022年04月17日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    今までは「今は、国債のほとんどを国内貯蓄で消化しているから金利は低いが、外国人が国債を買うようになったら金利が上昇する」と自分も思っていた。
    しかし、赤字財政支出は、それと同額の民間貯蓄を生むのであって、民間貯蓄が財政赤字をファイナンスしているわけではないみたい。
    これはやはり目からウロコ。

    サミュエル・ハンチントンなどの保守派の知識人たちは、1970年のインフレは民主主義が過剰になったせいだとした。
    ほんとは(ベトナム戦争による軍備費のかくちょう、石油危機による原油高、変動相場制によるドル安など)

    新自由主義「グローバル化」は良くない。
    移民により労働者の実質賃金の下落、雇用数の減少。

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    2022年03月27日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    日本の低成長の原因はデフレ
    デフレ脱却に失敗している政府のせい
    グローバル化は供給力を強化するインフレ対策
    日本政府がデフレ化におけるインフレ対策を続けてきたから
    貨幣は物々交換や市場における取引ではなく、信用/負債の関係を起源としてる
    銀行は貸し出しによって預金という貨幣を創造している「信用貨幣論」
    「通貨は、納税の手段となることで、その価値を担保している」現代貨幣理論
    貨幣供給量が増えるとマネタリーベースが増えるのであって、その逆ではない
    銀行が国債を買い、政府が支出することで、その支出と同じだけ民間の預金が増える
    銀行が手元の資金を貸し出しているわけではない
    量的緩和政策では、貨幣供給量

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    2022年03月25日