中野剛志のレビュー一覧
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著者はウェーバーやトクヴィルなどの社会科学の古典に書かれた内容が、現代の社会問題にも通用する鋭い分析でありながら、あまり顧みられていない現状を憂いています。新自由主義、グローバリズム、構造改革、ウクライナ戦争などなど、現代の諸問題に対する答えがすでに社会科学の古典の中にあるというのは、面白いと思うと同時に、なぜそれが顧みられないのかすごく不思議になります。
大勢の人間が集まってるくる「社会」はあまりに複雑で、自然科学のようにある程度正確に現象を計測したり、一般的なモデルを構築するのが難しいからでしょうか。複雑すぎる故に、社会について語る人の立場によっていろんなもっともらしい論を展開できてしま -
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世界中の経済活動が相互に繋がった世界。ウクライナ紛争やスーダンの内戦、干魃や洪水などの災害が世界のどこかで発生すると、原材料の高騰や輸送手段が停滞して混乱を招くなど、現代社会はグローバル経済の名の下で綿密に絡み合っている。一方アメリカやイギリスでナショナリズムを鼓舞するような指導者が現れ、自国最優先を謳う政権が第1党になるなど、閉鎖的にブロック経済に向かう流れもある。とは言え一度絡み合った世界から抜け出すのは難しい。日本もTPP参加を積極的に進め、遅れてやってきた自由経済圏競争の流れに飛び込もうとしている。最近ニュースでも環太平洋諸国による強固な連携を強調することが多い。これはひとえに中国の南
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デフレは需要不足・供給過多、貨幣価値が上がる。インフレは真逆。対策も真逆。デフレ対策は直感では誤ったように見える物がおおい。日本はずっとほぼ真逆である、インフレ対策として働く政策を実行してきた。
仮想通貨は発行量上限が決まっているがゆえに問題が生じる。皆が使い始めたときに供給量が増えないので貨幣価値があがり、デフレになる。
貨幣とは負債の一形式であり、経済において交換手段として受け入れられた特殊な負債である。「ロビンソンとフライデーしかいない孤島」のたとえ。ロビンソンは春に野いちごを収穫してフライデーに渡す。秋にはフライデーがとった魚をロビンソンに渡す。春の時点で、クルーソーにはフライデーに対 -
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この本で面白かったのは「世界対戦とニューディール」の章で、戦争が労働条件向上に役に立つという事実。アメリカは第二次世界大戦で国内の労働者の協力を得るために、勝ったあかつきには労働環境含め社会保障を充実させることを約束した。それだけ勝つためにはなりふり構っていられなかったのだろうと思う。戦後はその約束のもと労働者階級の発言権を認め、格差の少ない社会を実現した。その状況も長くはつづかなかったわけだが、日本の戦後社会も似ていたように思う。今や労働者の経営者に対する交渉力などゼロに等しい。戦争が正しいなどと言う気はさらさらないが、アメリカの歴史上労働者が最も恩恵を受けたのは戦争中だった事実には複雑な思
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本書は、新自由主義に対して警鐘を鳴らす。
日本における'失われた三十年'を、社会科学の視点から解きほぐし本質的要因に迫りあぶり出す。
新自由主義の基本原理'市場原理により需給はバランスする'という経済思想は、不確実性を軽視し楽観的な思い込みにより誘導される。古典的な社会科学には、現代の混迷を紐解く数々のヒントがあり、それを紹介しながら、行き詰まった現況への指針を示している。組織改革が思うように進まない理由、効率性がかえって非効率化を生み出すというジレンマ、ドラスティックな改革や民主主義は多数者の専制を生み、全体主義に陥るリスクがあることを歴史から明らかに -
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ネタバレマックスウェーバーによる官僚制の分析
没主観性=形式的な公平性、計算可能性、
官僚制の逆機能=効率性と合理性を追求する官僚制が非効率性と非合理性を招く。縦割り行政もそのひとつ。
数値化、マニュアル化は官僚制の特徴。コンサルタントの手法。=『マクドナルド化する社会』『官僚の反逆』
数値化は、本来の業務でないことに多大な労力をかけることになる。
イノベーションと数値による評価、成果主義は矛盾するもの。
大学改革も数値化の弊害が現れている。『オックスフォードからの警鐘ーグローバル化時代の大学論』
論文数による測定。誰も読まない論文が山のようにできる。インパクトファクターでは、引用し合うという現象がお -
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政府は自国通貨を発行できるのに、なぜ課税をしているのか?→通貨の価値を保証するため。
MMTでは、お金の価値は政府が発行する通貨で納税できるからであると説明している。
財政赤字は当然。なぜなら政府支出が先にあり、民間に供給されたお金で税金を払うから。
国債発行→民間銀行の日銀当座預金(日銀が供給)から支払う。
なぜ、政府支出で民間銀行の民間口座に加えて、民間銀行の日銀当座預金が同額増える?それが増えると金利がなぜ下がる?それを防ぐために国債発行している。
分配無くして成長無し!
→消費性向から考えて、高所得者が溜め込んでいるよりも低取得者がお金を手にすることで社会の消費全体が増える。ま -
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バイデン政権の経済ナショナリズムへの政策転換を丁寧に説明しつつ、中国の(経済・軍事などの)ハイブリッド軍国主義の台頭から、今後の世界は新自由主義・小さな政府から、社会主義(生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度。あくまで経済学的な定義)・大きな政府に向かうであろう。
というのが本書の趣旨。
経済を軸に、地政学、外交、軍事などの要素も考察しながら論じられており、何度か繰り返して読まないとこの結論に至る理由が完全には理解できませんが、「本書で定義する社会主義」に向かうであろう。とする予測は、本書が出版された2021年11月以降、ロシアのウクライナへの侵攻によって、ますます強まっているように -
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今までは「今は、国債のほとんどを国内貯蓄で消化しているから金利は低いが、外国人が国債を買うようになったら金利が上昇する」と自分も思っていた。
しかし、赤字財政支出は、それと同額の民間貯蓄を生むのであって、民間貯蓄が財政赤字をファイナンスしているわけではないみたい。
これはやはり目からウロコ。
サミュエル・ハンチントンなどの保守派の知識人たちは、1970年のインフレは民主主義が過剰になったせいだとした。
ほんとは(ベトナム戦争による軍備費のかくちょう、石油危機による原油高、変動相場制によるドル安など)
新自由主義「グローバル化」は良くない。
移民により労働者の実質賃金の下落、雇用数の減少。
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日本の低成長の原因はデフレ
デフレ脱却に失敗している政府のせい
グローバル化は供給力を強化するインフレ対策
日本政府がデフレ化におけるインフレ対策を続けてきたから
貨幣は物々交換や市場における取引ではなく、信用/負債の関係を起源としてる
銀行は貸し出しによって預金という貨幣を創造している「信用貨幣論」
「通貨は、納税の手段となることで、その価値を担保している」現代貨幣理論
貨幣供給量が増えるとマネタリーベースが増えるのであって、その逆ではない
銀行が国債を買い、政府が支出することで、その支出と同じだけ民間の預金が増える
銀行が手元の資金を貸し出しているわけではない
量的緩和政策では、貨幣供給量