中野剛志のレビュー一覧

  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策
    世界中の経済活動が相互に繋がった世界。ウクライナ紛争やスーダンの内戦、干魃や洪水などの災害が世界のどこかで発生すると、原材料の高騰や輸送手段が停滞して混乱を招くなど、現代社会はグローバル経済の名の下で綿密に絡み合っている。一方アメリカやイギリスでナショナリズムを鼓舞するような指導者が現れ、自国最優先...続きを読む
  • 富国と強兵―地政経済学序説
    富国と強兵
     緒言

     序章 地政学と経済学
      地政学の復活
      地政学は幻想か
      トゥキディデスの罠
      ハルフォード・マッキンダー
      冷戦後のアメリカの地政戦略
      マッキンダーとブレジンスキー
      アメリカとマッキンダー
      中国とマッキンダー
      地政学と経済学の総合

     第1章 貨幣...続きを読む
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    ここで紹介されている社会科学の巨人たちの原書を読むのはなかなか難しいけど、易しく解説してくれてるのがありがたい。チクリと自民党政治の失われた30年を刺しつつも。
    優秀な国民が愚鈍な代表者を選ぶわけがない、はずだから、判断できる力を養いたいところ。
    多くの人に読んでもらいたい1冊。
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム
    「大衆の狂気」を読んで、著者に興味を持ちました。最近の世界の論調からは受け入れられにくい論考でしょう。膨大な事例がやや冗長に感じるところもありますが、現実に何が起きているかを知るには良い一冊だと感じました。日本も例外ではないと思います。
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    自分としても合理主義を徹底していくことに少し違和感があったためフィットする内容が多かった。
    合理主義とは反対にある「合理主義を突き詰めると非合理になる」、「全体主義化しないために共同体への帰属」などは、行きすぎた現在の潮流へ一石を投じる内容に思う。
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策
    ネイション(国民)とステイト(国家)の違い、経済ナショナリズムの定義やらなんやら前半は難しかった。
    後半は明快で、
     ・新自由主義、グローバル化、構造改革の時代は終わり
     ・他国はステイトの力(軍事力、資源力)が強いがネイションの力は弱い
     ・日本はその逆、まさに経済ナショナリズム思想にふさわしい状...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    デフレは需要不足・供給過多、貨幣価値が上がる。インフレは真逆。対策も真逆。デフレ対策は直感では誤ったように見える物がおおい。日本はずっとほぼ真逆である、インフレ対策として働く政策を実行してきた。
    仮想通貨は発行量上限が決まっているがゆえに問題が生じる。皆が使い始めたときに供給量が増えないので貨幣価値...続きを読む
  • 日本の没落
    ドイツの哲学者オズヴァルト・シュペングラーの『西洋の没落』を読み解きながら、日本の没落に警鐘を鳴らす本。自らをシュペングラーに並べた表題は流石に背負ってるなと思うが、名前負けせず。シュペングラーの現存在と覚醒存在を形態素として分析する理論を、恐らく私などはそのまま読めば理解不能な箇所も中野剛志が明解...続きを読む
  • 新しい階級闘争―大都市エリートから民主主義を守る
    この本で面白かったのは「世界対戦とニューディール」の章で、戦争が労働条件向上に役に立つという事実。アメリカは第二次世界大戦で国内の労働者の協力を得るために、勝ったあかつきには労働環境含め社会保障を充実させることを約束した。それだけ勝つためにはなりふり構っていられなかったのだろうと思う。戦後はその約束...続きを読む
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    本書は、新自由主義に対して警鐘を鳴らす。
    日本における'失われた三十年'を、社会科学の視点から解きほぐし本質的要因に迫りあぶり出す。
    新自由主義の基本原理'市場原理により需給はバランスする'という経済思想は、不確実性を軽視し楽観的な思い込みにより誘導される。古典的な社会科学には、現代の混迷を紐解く数...続きを読む
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    マックスウェーバーによる官僚制の分析
    没主観性=形式的な公平性、計算可能性、
    官僚制の逆機能=効率性と合理性を追求する官僚制が非効率性と非合理性を招く。縦割り行政もそのひとつ。
    数値化、マニュアル化は官僚制の特徴。コンサルタントの手法。=『マクドナルド化する社会』『官僚の反逆』
    数値化は、本来の業務...続きを読む
  • 変異する資本主義
    新自由主義とは、自由市場が経済更生を高める最良の手段とし、政府の経済介入を極力減らすべきとするイデオロギー。この新自由主義では、パンデミックをコントロールできないし、景気対策にも財政出動が必要で、ざっくり言うと「大きな政府」が求められる。

    米中覇権争いを切り口に考えてもそうだ。何事も軍事利用が可能...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    インフレ/デフレ、なんとなく理解しきれてなかった部分を補完してくれた。
    言葉の根本の定義について詳しく解説してくれるので、本質的な理解がすすむ。

    デフレに苦しむ日本が、インフレ対策(財政支出減、消費税増税、規制緩和など)を行っていて、効果も出ずどんどん疲弊しているという部分で、
    ヘトヘトな夜に勉強...続きを読む
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】
    政府は自国通貨を発行できるのに、なぜ課税をしているのか?→通貨の価値を保証するため。
    MMTでは、お金の価値は政府が発行する通貨で納税できるからであると説明している。

    財政赤字は当然。なぜなら政府支出が先にあり、民間に供給されたお金で税金を払うから。

    国債発行→民間銀行の日銀当座預金(日銀が供給...続きを読む
  • 変異する資本主義
    バイデン政権の経済ナショナリズムへの政策転換を丁寧に説明しつつ、中国の(経済・軍事などの)ハイブリッド軍国主義の台頭から、今後の世界は新自由主義・小さな政府から、社会主義(生産過程の運営を何らかの公的機関に委ねる制度。あくまで経済学的な定義)・大きな政府に向かうであろう。
    というのが本書の趣旨。

    ...続きを読む
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】
    奇跡の経済教室三部作の三つ目。矢野財務事務次官の「論文」を題材に、経済政策のあり方を考える本。
    インフレには2種類ある。コストプッシュインフレとデマンドプルインフレ。この2つの違いとコントロールの仕方を丁寧に解説していて、よく理解できた。

    しかし、どうやったら日本はプライマリーバランス黒字化至上主...続きを読む
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム
    西洋の移民政策の現実を書いた本。
    この本の論点
    ①移民の受け入れは悪くないが受け入れすぎることによって、西洋的な価値観や文化の破壊に繋がる

    ②移民受け入れは人口の減少の歯止めになるが、出生率を上げるなどの対策をまずやるべき

    ③移民政策への提言は全て人種差別と捉えられてしまうため、適切な議論ができ...続きを読む
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】
    今までは「今は、国債のほとんどを国内貯蓄で消化しているから金利は低いが、外国人が国債を買うようになったら金利が上昇する」と自分も思っていた。
    しかし、赤字財政支出は、それと同額の民間貯蓄を生むのであって、民間貯蓄が財政赤字をファイナンスしているわけではないみたい。
    これはやはり目からウロコ。

    サミ...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    日本の低成長の原因はデフレ
    デフレ脱却に失敗している政府のせい
    グローバル化は供給力を強化するインフレ対策
    日本政府がデフレ化におけるインフレ対策を続けてきたから
    貨幣は物々交換や市場における取引ではなく、信用/負債の関係を起源としてる
    銀行は貸し出しによって預金という貨幣を創造している「信用貨幣論...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    本書は第一部と第二部にわかれています。
    第一部はインフレ/デフレの仕組みと経済対策についてかかれており、初心者向けだと思います。

    第二部は今、日本の政治の経済対策への著者の意見になっており、少し深いと感じました。

    初心者にとっては、第一部が勉強になります。
    第二部は応用になりますが、全体的には初...続きを読む