中野剛志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
1990年代初頭の日本のバブル崩壊に始まる失われた30年。第二次安倍政権が声高く叫んだデフレ脱却のための3本の矢も、蓋を開ければ異次元の金融緩和による、金余りから端を発する株価上昇と輸出企業の円安メリット享受くらいだろうか。
冴えない日本経済と言う印象を持つなか、何気に取った本書は、眼から鱗が落ちるものだった。
馴染みのない社会科学と言う標題だが、副題の「組織改革の失敗」「自殺」「戦争」は、どれも現在世界や日本における問題であり、興味のあるテーマ。
中身は、古典比較的最近の経済学者の主張を、現代の問題点と結びつけて解説してくれている。
マックス・ウェーバー
なぜ組織改革は失敗するのか
効率 -
Posted by ブクログ
ゲイのジャーナリストであるのに、現代の正義、あるいはポリコレに意義を呈する作家の、欧州移民問題(偽装難民による欧州占拠)の書。内容はどれも解決策の無い欧州の状況が書かれいる。
この問題の起きた原因として著者はつぎのことを挙げている。
・戦前のファシズム台頭の記憶・トラウマ・反省と、キリスト教に由来する人権、人道主義の発露による他者への救済思想の過剰とゆがみ。
・その人権思想の政治利用及び、「人種差別主義者認定」への恐れ。
・為政者の国民感情、生活への無関心。社会予測の失敗(難民ではなく低リスクで手に入れられる「良い生活」を求めた人々が多量に押し寄せた/難民はしばらくしたら母国に帰ると思っていた -
Posted by ブクログ
「読み終わった。。。よし、読み直そう。」
現在の社会でみられる課題がどのように発生し、維持され続けているのかを、個別事例ではなく、社会構造として理解する知識を授けてくれる書籍。
耳聞こえが良い言葉(思想)が今の不幸をまねている可能性があると分かり、ぞっとした。「ホラー」である。笑えない。
ある思想に沿った行動が、どのような結果を生みやすいのかは、この社会で生きていく上で、ベースとなる知識である、と感じた。「サバイバルとしての社会科学」、「教養としての社会科学」と言い換えてもいいかもしれない。みんなが知っておいて損はない、はず。
1回読んだだけでは、知識が目に入っただけ。再読することで、内 -
Posted by ブクログ
昨年11月に発刊されたものであるが、現在読んでも充分新しい。現在の国際的な政治や経済の動向がとてもよく分析されており、とても腑に落ちる本である。
日本人の多くは、未だにアメリカが日本を守ってくれると思っているが、もはやアメリカの首脳部は東アジアの地域覇権は既に中国が握っている事実を認めている。台湾有事は時間の問題だろうが、アメリカがそれを阻止できるわけがないのである。
それにしても、この10年間で中国のハイブリットな国力は増大した。日本やアメリカは戦争しているという意識はなかったが、中国は総合的なハイブリット戦争をひたむきにやっていた。気づいた時には経済力でも軍事力でも全く敵わない中国と -
購入済み
日本の大きな選択肢
新型コロナウイルスのパンデミックと、中国のハイブリッド軍国主義の台頭。この二つがもたらす構造的な変化によって、世界で新自由主義が終わりを迎え、社会主義化——政府の経済社会への関与の強化と積極財政——へと変異を遂げていくだろうというのが本書の主張。
グローバリズムの進展のなかで長期停滞に陥っている日米先進諸国のありようを、経済学・政治学・地政学・国際関係論など幅広い分野の賢人の所見を駆使して解き明かしている。以前からMMT(現代貨幣理論)を国内に紹介し、議論をリードしている著者の立場とも整合する。世界で同時に起こっているこの変異に、日本がついてゆけるのか、本当に心細い。
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購入済み
この国を正しい方向に導く
2019年に相次いで発表された「奇跡の経済教室【基礎知識編】」、「奇跡の経済教室【戦略編】」に続く三作目。MMT(現代貨幣理論)を肯定する立場から日本の経済・財政政策の問題を解説している主旨は前二作と変わりはない。丁寧な説明なので、前作を読んでいなくても大丈夫だが、合わせて読むと一層理解が深まる。今回は、昨年10月に文藝春秋に発表されたいわゆる「矢野論文」を素材にして、これに徹底的に批判を加えている。この四半世紀、なぜ日本だけが豊かになれなかったのか、なぜ政府は経済政策を誤り続けてきたのかを解説。一人でも多くの人がこれを読んでくれることを祈りたい。