中野剛志のレビュー一覧
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なるほど、と思うことばかりなんだけど、はっきりしてるのは、このままだと日本はどんどん首を絞める政策から離れられないということ。
グローバルな民主政治が実現することはないって、内心そう思ってたから、嬉しかった。
グローバル、良いことのようだけど、「国民」という存在がある限り、無理だよね。存在が相反してる。
日本の官僚はそもそも強くなかったのか。
調整型官僚が、1980年代から少なくなってきた話、なんかすごく分かる気がする。面倒臭いことだもんね、調整するって。でも、そういうことできる人に官僚になって欲しいんだよな。
日本だけでなく、海外にも股をかけてエリート官僚同士つながって、そこで共通の認識を得ているっていうのも興味深かった。
センメルヴェイス反射も、なるほどだった。
人間の脳には、多数派の見解に逆らおうとすると、むしろ多数派に同調しようとする機能がある…。
覚書〉
MMTは、「通過の価値を保証するのは、政府の徴税能力」と説明している。
財政赤字の削減は、固定相場制では正しいことだった。経常収支が赤字になると、外貨が不足してしまった。
角栄の時代は、インフレ。財政赤字の削減は、インフレ対策だから正しい。今はデフレ。積極的な経済政策が有効なとき。
でも、デフレを嫌うのは資産家、そして資産家に支えられてる政治家。
私たちには、イデオロギーの経路依存性が働いてしまってるのかも。 -
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「自国通貨を発行できる国は、財政赤字を膨らませても問題ない」という衝撃的な主張をしている現代貨幣理論(MMT)の入門書。アメリカの経済学者による著作であるが、日本では中野剛志氏などが同様の主張をしている。財務諸表については勉強したばかりであるので、ある程度は理解できたが、難解で理解できない部分もある。お金はいくら刷っても問題ないとはいえ、インフレへの警戒も強調しており、要は程度の問題なのかもしれない。確かに巨額の財政赤字を抱えながら更なる国債発行を行っている日本も、一向にインフレに向かう気配はなく、MMTは正しいようにも思える。貨幣についての考え方も納税の所要からその価値を説いているが、ビットコインなどを否定している点では、多くの研究者と考えは一致しているようだ。正しいか否かは定かではないが、概要は理解できた。
「政府と民間という2つの部門から成る経済においては、民間部門によって保有される純金融資産は政府によって発行される純金融負債にぴったり一致する。もし政府が支出と租税収入を常に一致させ、均衡財政を保つならば、民間部門の純金融資産はゼロになる」p54
「(国内民間収支)+(政府収支)+(海外収支)=0」p59
「(ケインズの倹約のパラドクス)総消費を減らして貯蓄を増やそうとすると、貯蓄は増えず、所得が減ってしまう」p75
「GDP=消費+投資+政府購入+純輸出(これは国民総所得に等しい)」p103
「(貯蓄—投資)+(租税—政府購入)+(輸入—輸出)=0」p105
「租税の不払いに対して課される罰を避けるために、納税者は政府の通貨を手に入れる必要がある」p120
「金利(γ)がGDP成長率(g)を上回っている場合に限って、債務比率は上昇する(ガルブレイズ)」p145
「非政府部門の純貯蓄は、所得と貯蓄を創造する政府の赤字支出の結果だと考えるのが最もよい」p228
「貨幣が租税などの強制的な義務を履行するために必要とされる限り、そうした義務が貨幣に対する需要を創造する。つまり、納税者が貨幣を必要とするので、政府は貨幣を発行してモノを買うことができる」p272
「租税が貨幣を動かす。主権を有する政府は、支出をするために自国通貨での歳入を必要としない」p272
「米国(あるいは、英国や日本、いずれも巨大な赤字国である)の現在の、あるいは将来見込まれる条件の中に、ハイパーインフレはもちろん、高インフレを予想させるものは何一つない」p456
「重要なのは、政府は物価安定とともに完全雇用を促進すべき」p484
「「モノとしての貨幣」の制度としての本質は何か?最も明白な共通の特徴は「負債の証拠」だということである」p496
「(金利を下げても企業は簡単に投資はしない)企業をだまして投資させるためには、妖精の粉を大量に撒く必要がある」p505
「(金利と投資と需要)投資を増やすことは需要不足の解決策にはなりえない。つまり、投資を増やすと総需要が増える以上に総供給が増える」p506
「(MMTは、債務や赤字の持続性に関する議論に負けている)政府がキーストローク(お金を刷る)によって支出することは「不道徳」だからだ」p520
「(まとめ)
・通貨発行権のある政府にデフォルトリスクはまったくない。通貨が作れる以上、政府支出に財源の制約はない。インフレが悪化しすぎないようにすることだけが制約である。
・租税は民間に納税のための通貨へのニーズを作って通貨価値を維持するためにある。総需要を総供給能力の範囲内に抑制してインフレを抑えるのが課税することの機能である。だから財政支出の帳尻をつけることに意味はない。
・不完全雇用の間は通貨発行で政府支出をするばかりでもインフレは悪化しない。
・財政赤字は民間の資産増であり、民間への資金供給となっている。逆に、財政黒字は民間の借入れ超過を意味し、失業存在下ではその借入れ超過(貯蓄不足)は民間人の所得が減ることによる貯蓄減でもたらされる」p528 -
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近代化に対する批判的な観点や、聖的なものの重要性が論じられている。共同体から切り離された個は、集団を求めてポピュリズムに向かうとの指摘は、まさに現代社会の問題点をえぐり出していると思った。
宗教やナショナリズムは知性を鈍らせ、死をも厭わない感情を抱かせるが、人間が生き延びるために必要なものでもある。デュルケームは、トーテム原理によって、共同体の社会的、道徳的同質性を維持できると書いた(「宗教生活の原初形態」)。トクヴィルは、人間は信仰をもたなければ隷属を免れず、自由でありたいなら宗教を信じる必要があると書いている(「アメリカの民主政治」)。ニーチェは、統合原理としての神とは、先祖に対する畏敬の念、自然への恐怖、農耕に対する感謝といった民族のあらゆる感情を投影したものであり、民族は神に祈りを捧げることにより、自己肯定したと指摘している(「アンチクリスト」)。国家のような規模が大きなものをまとめるには聖的なものが欠かせず、ナショナリズムとは一種の宗教であると言える。宗教を否定したはずの共産主義国家は、最高指導者を神格化するようにして国家を統治した。フランス革命は、理性を神格化してカオスに陥った。
戦争は近代を生みだした側面がある。宗教改革にともなう戦争によって、軍隊や国家を合理的、効率的に運営するようになり、近代的・合理的な組織や制度が生まれた。また、諸侯が分立する時代から中央集権になって、絶対王政が出現した。大砲などの火器が登場した軍事革命によって、権力が君主に集中した。庶民を戦争に巻き込んで動員すると、庶民は徴兵や徴税と引き換えに自分の権利を要求し、その結果として、近代的な自由権や参政権が誕生した。
人間は、共同体から切り離されて個になれば、他人の振りを見て動くしかなくなり、集団を求めて大衆扇動家やマスメディアに流されたりする。悪い意味での集団主義であり、これがポピュリズムの正体と考えられる。橋下維新の支持率は、昔ながらの町内会活動を続ける地域では低く、新興の集団住宅地では高く、共同体から切り離された人々が支持している。
伊藤博文や井上馨がドイツへ憲法を学びに行った時、憲法とは歴史から抽出したものであると教えられ、帰国後に古典を読み込んだ。そうして出来上がったのが日本帝国憲法だった。したがって、立憲主義とは保守のもの。
郵政選挙の際に自民党が広告会社に作成させた企画書で分類された、マスコミ報道に流されやすくIQが低い「B層」は、日本固有のシステムよりもグローバリズムに肯定的で、近代的諸価値を妄信する人々。現在の日本はB層がポピュリズムを支えている。知的エリートのA層が扇動的な政策を支持するのは、勝ち馬に乗るため。
ドーパミンレセプターのサブタイプDRD4は、細胞の中に潜っている部分で同じ塩基配列が繰り返される回数が人によって異なり、その回数が多い人ほど新奇探索性が高い。南欧や南米では、7回以上の繰り返し型を持つ人の割合が多く、日本人では1%以下。
セロトニンが少ないと不安感情を助長するので、新しいものを受け入れようとしない。セロトニンの量は、セロトニントランスポーターの量を決定する2種類の遺伝子の組み合わせによって、3種類に分かれる。日本では、SS型とSL型の合計が98%を占め、世界で最もセロトニンが少ない。
遺伝と環境の重要性は、資質によって異なる。身長の遺伝率は70%。知能は様々に分類され、地頭の遺伝率は70%以上だが、言語性知能の遺伝率は15%。学習経験やストレス耐性などの後天的な資質も、エピジェネティクスによって子に受け継がれるが、ほぼ1世代限り。
個人間では愛着を形成するオキシトシンは、集団内では結束を強固にし、集団外には排他的、差別的にさせる作用がある。
美醜と正邪を判断している脳の領域は同じ。 -
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経済をもっと知りたくなりました
平易に書いてくださっていましたが、何度か読まないと私には真の理解は難しいです。でも、「えっ?そうなの?」という驚きがいくつかあり、もっと深く知りたくなりました。
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日本は1990年代ごろからムチ型戦略に構造改革がなされてきたという。(バブルの崩壊がきっかけ)
⇒株主重視の経営、女性・高齢者活用、移民
ムチ型経営は投資家や経営者にとっては利益となる。
デフレも投資家にとっては(お金の価値が高いから)うれしい。またそれが政治、政策にも影響を与える構造になっている。この構造を変えてアメ型の戦略をとることが日本にとってまさに必要である。
〇成長戦略
「アメ型」戦略⇒インフレ圧力
・賃金上昇により経済全体を成長
・人手不足に対して、生産性向上や付加価値創出で対応(積極技術開発)
・労働組合の力が有効(人件費カットしにくい)
・政府による労働者保護、国境規制(非グローバル)
「ムチ型」戦略
・賃金抑制により企業が利益を出して経済全体が成長
・労働者保護規制の緩和(グローバル化)
・移民の受け入れによる労働者間の競争⇒賃金抑制
・ただし、企業は海外市場に打って出て需要を取り込む
・技術は開発するよりも買収する。
⇒企業の利益にはなるが、国全体としては・・
格差拡大
〇その他
・お金という単なる紙切れに通貨としての価値を見出すのは、その紙切れで税金の支払いができるから。(政府支出の後に徴税)
・インフレ=民主主義の過剰という考え方がアメリカで出現(民意を取り入れすぎて財政赤字を拡大した経験)。したがって、保守派は民主主義の過剰を恐れる。
⇒デフレで恩恵を受ける富裕層からの支持を得られる。
⇒抜け出せなくなった。
・リベラル派は、アイデンティティ(女性、LGBT,少数民族)に注視するようになり、新自由主義と結びついた。
⇒保守もリベラルも、新自由主義(グローバル)の土俵の中で戦っていた!
・グローバル化と民主主義は相反する。
例)EUの決定は各加盟国の法律の上に位置する。
マーストリヒト条約は、ユーロ通貨加盟国に対して、財政赤字をGDPの3%以下、政府債務を60%以下にするように義務付ける。ユーロの安定化のために各国の財政対策は制限されている。。。
・国際条約による民主政治のすり抜け
国内の法律より優先される上に、衆議院だけで可決できる。 -
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新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。
経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!
やたら持ち上げられる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上がらなくて需要も生まれない。そんな中で過剰な供給は続けられる。キツい。マジ無理。
教育格差の話は面白かった。高等教育を受ける人が増えて、初等教育だけが満遍なく浸透していた時に生まれていた平等的な価値観が崩壊。教育による格差が当たり前のものという認識になり、それが賃金格差に対する不平等に対して「当然だろ」と思う仕組みになった。もはや人々は格差を当然のものとして認識し始めている。
あと、右派が新自由主義に対して肯定的なのが奇妙という話も勉強になった。まさかの昔は、右派(保守)は新自由主義否定。なぜなら共同体や育んできた国内文化・繋がりを尊ぶ保守にとっては、それを破壊するグローバリズムは本来真逆の考えだったから。それが全体主義・共産主義の台頭により近づき始めた。そして何より、エリートの劣化が、責任逃れな新自由主義を肯定したのだ(市場原理が要因だからしらねぇよ!という言い訳をする)。
正直半分も理解できてないと思うが、新自由主義についての知見を少しだけでも得られて良かった
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Posted by ブクログ
シリコンバレーは軍事政策の産物、米国のベンチャーキャピタルは金融業、オープンイノベーションは短期利益の追求など日本で蔓延する米国礼賛を否定しドナルド・ドーアが絶賛した日本的経営の復活を啓蒙する書。米国は四半期資本主義だと糾弾し、それに追従する日本政府の経済政策である構造改革こそが現在の低迷を招いている元凶と批判する。締めは例によって新自由主義とグローバリズムの否定になります。レーガン、サッチャーで新自由主義の先駆者であった、アングロサクソン国家が、トランプ大統領を誕生させ、ブレグジットに向かったのは決して一般大衆が愚かだった訳ではないのだな。
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ネタバレ 購入済み
中級者以上の人向け
政治、経済、地政学の予備知識がある程度ないと読了は困難だと思います。
一部ご紹介します。
・経済とは、一定の軌道を持った人々の集団行動に他ならない。
・デフレとは、国民が消費や投資を縮小させる(貯蓄や借金返済を優先させ、お金を使わなくなる)方向へと向かう集団行動だ。(その結果、所得が手に入らなくなる)
・インフレとは、国民が消費や投資を拡大させる(お金を使う)方向へと向かう集団行動だ。
・経済政策とは、この国民の経済的な集団行動の方向を、国家が操作することに他ならない。
・デフレ不況を克服するには、金融緩和(お金を発行して、お金を増やす)、財政出動(政府が損得抜きで仕事や投資を増やす)、金利を低く操作、減税(国民が持っているお金を増やす)を通じて、国民を消費や投資へと動員(お金を使わせる)することだ。
・インフレが過熱(信用創造が進みすぎて、金融機関が暴走し始める)しだしたら、増税(国民が持っているお金を減らす)、国債償還(政府の借金を返済する)を行う。
・経済成長こそ全ての解だ。
・経済を守るためには、軍事力による防衛が不可欠だ。
・「殖産工業」「富国強兵」は、正しい国家政策だ。
・工場の海外移転、投資資金のみの海外への投下、どちらも、敵国となりうる外国の産業の発展と、国際競争力の強化を手助けする。
・製造業は軍事力に直結する。
・行き過ぎた自由貿易は戦争をもたらす。なぜなら、他国の市場開放を強制するには、軍事力が必要になるからだ。
・地政学が解明するのは、人間と環境の相互作用だ。
・グローバル化と金融化が、格差を拡大させるだけでなく、長期的な経済成長を損なう。
・経済成長とは、環境の制約を克服して、人口を増やし、生活水準を向上させることだ。
・国家の軌道を変更させる強大な圧力は、外部から来る。経済や政治、軍事と地理、歴史が不可分である所以だ。戦争が国家を作り、国際政治が国内政治を規定する。
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Posted by ブクログ
財政赤字は、同額の民間貯蓄を生み出す。
自由貿易が経済成長を生み出すということは自明ではない。
新自由主義経済学は、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)に寄っている。これはセイの法則を前提としている。
政府が国債を発行するのは、金利を調整するため。
賃金主導型成長戦略と利潤主導型成長戦略。
労働組合が強いという制約が、イノベーションを生む。
単に工場移転やリストラ、自社株買いで利益を生み出そうとしない。
株主に還元されるだけで、トリクルダウンは起こらない。
ゼロサムとプラスサム社会の違い。
デフレ時は、レントシーキングが盛んになる。他人の利益を収奪する。
強すぎる官僚から、弱すぎる官僚に大変化した。
調整型官僚から吏員型官僚=改革派と呼ばれる人たち=新自由主義の認識共同体。
MMTでは、就業補償プログラムも提言している。
むしろ問題は、財政支出を拡大してもインフレにならないこと。
MMTを受け入れられない心理学的な理由=センメルヴェイス反射=医師のセンメルヴェイスの名前から、少数意見を拒否することを言う。脳が多数派に同調し、知覚にすら働きかけて少数派の意見を拒否する。
P253
思想決定説と政治決定説。
租税とは、国民経済を調整するために必要なもの。財源確保の手段ではない。
賃金主導型と利潤主導型の成長戦略。
賃金主導型は、インフレ型。労働組合が強く賃金が上昇するので、技術革新が進む。
利潤主導型は、デフレ型。グローバル化によって賃金を抑えて利益を出す。新技術は、おカネを出して買う。
女性労働力の活用、人生100年時代、移民政策は、賃金を抑える手段になる。
新自由主義的改革は、アメリカでも景気改善効果はない。
単に規制緩和や民営化するだけでは、ゼロサムなので成長はない。ゼロサムなのにルールが変わるのは、利益誘導団体がいるから。
PFIは公共サービスを効率化するとは限らない。民間のほうが資金コストが高い、独占は変わらないので効率化するか、いったん受注すれば固定化しがちなのが、公共サービスの特徴、不正を監視するのは、公共部門にコストがかかる。
ルサンチマンを利用したレントシーカーの活動。既得権益に対するルサンチマンを利用して、自分に利益誘導する。
新たに登場した改革派官僚は、新自由主義的改革に陥りやすい。
戦後の先進国で、財政赤字の拡大でハイパーインフレになった国はない。インフレになるのは、資産バブルだけ。1980年代の日本、2000年前半のアメリカの例。
むしろ財政赤字を拡大させただけでは、インフレは起きないかもしれない。
ローマ―が主流派経済学を批判した。過剰な自信、一枚岩の共同体、グループの一体感、がある。これが新自由主義として結実して、他の意見を聞かない。
赤字、債務、という言葉に対する嫌悪感、抵抗感が、MMTを認めさせない。
センメルヴィス反射=通説にそぐわない見解を拒否する傾向。
MMTによれば、消費税増税は最悪の手段である。
リカーディアン均衡にはまっている日本には、中央銀行が赤字を補填するというコミットメントが必要。
本来、保守主義と新自由主義は相いれないもの。
保守主義では、民主主義が行き過ぎると社会秩序が崩壊する、と考えるのが本筋。
民主主義にするとインフレがとまらなくなる、これと結びついて、新自由主義と保守主義が結びついた。
反対に、リベラル派は、大きな政府を唱えるべき。しかし自ら新自由主義に傾いていった。
社会主義の崩壊により、階級から個人の解放へ軸足が移った。その結果、国家や社会の制約から解放することが目的となり、小さな政府、規制緩和に反対しなくなった。ビルクリントン政権は、リベラル派だがグローバル化を推し進めた。トニーブレア政権も労働党伝統の政策ではなく、新自由主義を取り入れた。日本の民主党政権も、政府支出の抑制を掲げた。女性の活躍、マイノリティの活躍を応援するだけで、構造的問題は、新自由主義そのもの。
その結果、リベラル派は、進歩的新自由主義、保守派は、保守的新自由主義、といえる。
小泉政権のころ、財政再建派と、上げ潮派があった。どちらも財政赤字を削減しようとしている点で同じ。
女性の活躍、移民政策などは、新自由主義的政策だが、リベラル派も個人のアイデンティティを守る立場から、賛成している。これでは賃金は上がらない。
イデオロギーの4元構造=保守とリベラル、グローバルと反グローバル。
ポピュリズムの正体は、怒り、ルサンチマンによるもの。
財政健全化、グローバル化、自由貿易、規制緩和で成長、などはフェイクニュース、それを信じている層への不信感から、ポピュリズムの政治家を支持するようになった。専門家や権威ある機関への信頼がない。
ポピュリズムはフェイクニュースに踊らされる、新自由主義がフェイクだったら、その種をまいたのは新自由主義者。
グローバル化、国民国家、民主政治、の3つはトレレンマ状態。
憲法は民主政治から基本的人権を守るもの、これが立憲主義の基本。
主流派経済学では、不換紙幣がなぜ流通しているか説明できない。インフレに対する恐怖症がある。MMTでは、税金の支払いのため、との説明。
財政民主主義により、民主政治に徴税権があるはず。しかし民主主義は信頼が置けないので、中央銀行が通貨を管理すべき、と考える。主流派経済学は、反民主主義的で、エリート主義的。
正しい貨幣論からは、経済政策を民主化すべきとなるが、完全ではないゆえに賢明な判断ができるかはわからない。
経路依存性=一度決まったことは変更しにくい。
タイプライター、軽水炉、労働者派遣事業、移民政策、デフレもその可能性がある。
イギリスのEU離脱が難しいこともこれで説明できる。
財政健全化路線、グローバル化も同じ。
グローバル化は、民主政治とは相いれない。民主政治の破壊に至る。自分のことは自分で決めることができず、世界と歩調を合わせる必要がある。