中野剛志のレビュー一覧
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数年前なら基軸通貨のドルが危ないと言われても笑って済ましていましたが、再登場したトランプ大統領が今年(2025)4月に全世界に向けて関税を適用する、と言い出してからなんか不安になっていました。
以前読んだ本で、ニクソンショックの時に最初にアメリカが最初に行ったのが「関税の適用」と記憶していましたので、この本にもそのことが記されていました。この本の著者の中野氏は書かれていることが専門的なことが多く私の理解が追いつかない部分もありましたが、最近巷で話題になっている「関税問題」は、近い将来に何かが起きる前触れだという気がしました。
アメリカの夏休み明けの9月から10月にかけて、週の明けた月曜日に -
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ウィリアム・ラゾニックは革新的企業の理論を構築した企業組織論の研究者。
2010年にシュンペーター賞
2014年にマッキンゼー賞
「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる
1980年代に登場した
株主価値最大化 maximizing shareholder value MSV
企業の資源配分のイデオロギーが、持続的繁栄の社会的基盤を弱体化させた
雇用の不安定
所得の不平等
生産性の伸び悩み
を生じさせた
価値創造とは、生産性向上の本質である
内部留保と再投資 終身雇用
↓
削減と分配
株主価値の最大化によって
この基盤にあったものが新自由主義
株主価値最大化がもたらし -
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ネタバレはじめに
・本書を最後まで読み通した後で、序章に戻って読んでみてください。きっと、愕然とすると思います(8)
序章 防衛財源を巡る様々な見解
第1章 貨幣とは、何だろうか
・商品貨幣論と信用貨幣論
・商品貨幣論の間違いは、信用と負債の関係の記録を表示する媒体(貴金属)を貨幣そのものと見間違えてしまったところにある(43)
第2章 資本主義の仕組み
・シュンペーター:資本主義の中核は「民間銀行による決済手段(銀行手形あるいは預金)の創造」(「物理的生産手段の私有」や「私的利益と私的損失責任」よりも)(50)
・貨幣循環の仕組み:①(企業は)支出が先、収入が後、②企業の財源=企業の需要、③企 -
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読んでる分には面白いんだけど、対談や鼎談は体系的な知識の獲得とか思考を深めるのには向いてない。話し手それぞれの認識レベルに相当な差があるので、読んでいて混乱する。この本の主題である新自由主義ですら、各人のイメージするものがバラバラで、新自由主義=積極財政みたいな「どっからそんな発想が出てくるの?」という発言まで出る始末。面と向かっては批判しにくいのか、意見の食い違いがあってもなんとなくスルーされてしまう。
なので読後感としては散漫な印象が残る。
とは言え、以前の単純な右と左の概念では人の志向が説明できなくなってきていることはよくわかった。トクビルがアメリカの教会組織で見出した中間団体が民主主義 -
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ネタバレ中間団体はグローバルと新自由主義に対抗するために必要な存在。
本来自民党はこうした中間団体を守るための政治をしていた。
聞く力は必要なこと。
しかしあらゆる意見を聞くということは、その実現が叶わなかった場合の責任が問われてしまう。
相手の意見を聞くよりも、自分の意見を通そうとする強烈な指導者としての魅力とは、関わる者の思考を止めさせ、目的に協力させることが出来る。一般人の教養を失わせしめるリスクはあるものの、分かりやすく、明確に目的を達成するためには、ある程度、意見の配慮より、実現の早さを目指す度胸も必要。
岸田総理には、有権者の意見を聴きながらも、確かに自己表明を貫く度胸を期 -
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岸田政権 新自由主義=アメリカ化 からの転換
改革(自己責任 無駄を省く 開かれた トップダウン)が下火に
新自由主義:政府の需要創出による経済けん引、所得の再配分 1970代後半
聞く力=矛盾した要望のバランス取り→わかりにくい→支持率低下
国際秩序作り:グローバル化 企業や資本家が政府に圧力 庶民の声→中間団体
日本の新自由主義 中間団体=既得権益層=隣の公務員=抵抗勢力への嫉妬心
今の若者は社会を変える から 自分を変えるに 変化 目標は 上からのミッション
成長を正しく目指す=成長ばかり(=新自由主義)にこだわらない
イノベーションは意図的に創出できない
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ネタバレ黒死病で死者が増えて、労働力不足から労働力の価値が高まり封建制が崩れた。
強い指導者が表れなければ、状況は変わらない。
現代の封建制は、有識者層、寡頭支配層(オリガルヒ)、土地持ち中流階級、労働者階級、プレカリアート。
若年層のほうが自由主義的資本主義への支持が弱い。
プロレタリアの施し袋=大衆の反乱を防ぐ目的。
東アジアの人口減少が激しい。
大量失業よりもギグエコノミーに就くことで失業は隠される。
香港では女性の2/3が子どもは1人またはいらない、と考えている。
「優生学は食卓にいる幽霊だ」グリーリ。
寡頭制の鉄則=ロベルトミヘルス -
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そもそも小林秀雄が「文芸批評の巨人」と呼ばれた事は薄っすら知っていても、同時代人ではない私には既に古典の領域だし、まして、政治嫌いのイメージがあるが、という前向きにもピンとは来ない。良い読者ではない事を自覚しつつ、中野剛志の著書でもあるし、ならば、この機に覗いてみたいという動機であった。
ー 初期の作品である「Xへの手紙」には、すでにこう書かれている。「俺は人間の暴力を信ずるが物質の暴力を信じない。だから俺は政治の理論にも実践にもなんの積極的熱情を感じないのだ。俺はどんな党派の動員にも応じない。俺は人を断じて殺したくないし人から断じて殺されたくない。これが唯一つの俺の思想である」
ー 確か