中野剛志のレビュー一覧

  • TPP亡国論

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    TPP参加が、わが国の国益に深刻なダメージを与えるという危惧を、各種のデータを示しながら論じた本。

    日本の関税障壁は、すでに韓国やアメリカよりも低く、TPPに参加して「開国」しなければならないという意見は当たらないと、著者は論じています。また、日本経済の最大の問題はデフレであり、TPP参加による貿易の自由化は、むしろデフレを加速させる恐れがあると語られています。

    構造改革の必要性や財政赤字の縮小などといった、常識として受け入れられている議論が、じつはそれほど自明のものではないという主張も展開されており、私自身はその真偽について判断することはできませんが、こうした意見もあるのかと、興味深く読

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    2014年04月11日
  • TPP 黒い条約

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    衰退するアメリカ。そのアメリカ依存から抜けられない日本。この構図のなかで、いま、アメリカが日本を徹底的に搾取しようとしている。それがTPPの正体だ。TPPが日本の成長を助ける自由貿易協定だというのは真っ赤な嘘。99%のわれわれ国民に対して、1%のグローバル企業・超富裕層が仕掛けた罠なのだ。その内実を国民に知らせぬまま条約批准に向かって突き進む政府。黒い条約・TPP締結後の日本はどうなるのか?

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    2013年10月24日
  • グローバル恐慌の真相

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    トリレンマ理論では、国際的な資本移動の自由、為替の安定、各国の金融政策の自律性の3つを同時に確保することはできない。戦前の金本位制では、為替を固定し資本の移動を自由にする代わりに、各国の経済政策は自由にできなかった。この体制下で第一次グローバル化が起きたが、国民生活が不安定になった。戦後のブレトンウッズ体制では、ドルで為替を固定し資本の移動を制限する代わりに、各国の経済政策を自律的に行えるようにした。70年代以降にドルが弱くなると、この体制を維持できなくなった。ニクソンショック以降は、為替の安定化をあきらめる代わりに、金融政策の自律性と資本の移動を認める体制になった。途上国は投資を呼び込むこと

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    2018年10月31日
  • TPP亡国論

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    以下まとめ

    政府の考える意義
    1.経済効果の側面
    2.外交戦略上の側面

    TPP参加国は小さい国(GDPは日米で9割)⇒実質日米FTA

    最終消費地であるアメリカの消費の落ち込み⇒従来までの貿易構造は破綻(グローバル・インバランス)

    アメリカの輸出倍増計画の目的
    1.グローバル・インバランスの是正による世界経済の再建(互恵的)
    2.国内雇用の拡大(利己的)

    TPP参加 アメリカの目的
    ⇒利害一致国と協力した、日本市場の開放に伴う輸出増

    経常収支とは
    ⇒黒字:貯蓄>投資 赤字:貯蓄<投資
    ⇒経済成長という観点でみれば、それ自体に適切な水準はない。

    デフレとは
    ⇒需要不足・供給過剰が続く

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    2013年04月07日
  • TPP亡国論

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    TPP反対派の立場から書かれているが議論の本質がTPP賛成論者の論理のあやふやさを指摘せずとも十分論旨は通じるのではないか?

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    2014年04月24日
  • TPP亡国論

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    まずはデフレ脱却。日本のデフレ脱却により内需が拡大すれば、それはTPPでなくとも環太平洋諸国の日本への輸出依存度を高める結果になる。日本のポジション向上に繋がり、外交カードも増える。
    という考え方は理路整然としていて頷いた。
    アジア各国に関しては所得格差を是正しなければマーケットにはなりにくいと認識している。中間層が増えれば需要が増え物価水準が上がる。もっと限定的な方策(二国間協議など)できちんとマーケットを作っていくべきではないかと思った。
    次は興国論を読みたい。

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    2013年02月11日
  • TPP亡国論

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    TPP反対の本
    経済面と世界情勢の面から検討してくれる

    データに基づいて説明してくれて、経済関連に疎い自分には大変勉強になった。でも今後の指針については具体性を欠く内容だったように思う。

    マスコミで散々言われている
    「バスに乗り遅れるな」的な論調と、それに煽られてる国民(自分も含む)を見ると、戦前の状況に酷似しているってのは正直怖い。

    私見は、アホみたいに繰り返してる話だが、自主防衛力が重要であることだ
    国防軍に期待

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    2013年01月08日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    経済ナショナリズムという新たな視点を提言。相変わらずの独特の説得力で、引き込まれてしまう。日本の強みと弱みをよく考えられた面白い考察。読んでみて下さい。

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    2012年12月27日
  • 官僚の反逆

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     「世界は矛盾に満ちあふれている。」
     ともすれば「中二的」と揶揄されるこの言葉は、しかし物事の本質をついている。久米田康治さんのマンガ『かってに改蔵』の中で、『名探偵コナン』の台詞をもじった「真実はいつも一つとは限らない」という台詞があったが、まさしくそのとおりであろう。

     さて、経済や政治の分野においてもまた、矛盾だらけというのが現状のようだ。たとえば、日本において「脱官僚」が望まれている風潮がある。しかし実際には、日本は――そして世界も――着実に「官僚制化」の道をたどっているらしい。
     本書は、ウェーバーを初めとする経済学や政治学の数々の先行研究を参考に、現在の世界にある矛盾を解

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    2012年12月17日
  • 官僚の反逆

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    全部読み終わりっても、やはり、中野剛志氏とは一体何者なのだろう?

    確か、通産省に席を置いていながら、京都大学大学院工学研究科で政治思想の研究をする准教授であったその経歴から、何を批判したいのだろう?

    本書では、色んな本の引用や、他者への批判が満ち溢れていますが、じゃあどうしたいのだろう?となると

    全くわからない!とのまとめになっています。

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    2012年12月04日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    デフレ克服のために積極的な金融緩和策を支持する一方で、その資金を国内で回すべく、政府による積極的な公共投資とそれを行うための大きな政府が必要との主張は、現在支配的な金融緩和によるデフレ克服論一辺倒の論調に一石を投じるものと思う。
    国の借入が増大しても国家は破産しないという部分は少し勉強していれば当たり前の話だが、一方で公共投資を行うために、このままどの程度まで国債発行してもOKかという部分について、当然ケースバイケースなので明確化はできないものの、その部分の記述が薄いので筆者に聞いてみたい。

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    2012年10月26日
  • 日本破滅論

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    ネタバレ

    政治に関する話はいいとして…

    最初のうちはいいのだが、途中から橋下批判、それもtwitterで悪口書かれたとかいう話が何度も…
    そして橋下大阪市長の周囲の学者批判とか。この人たちの思想からすると批判の対象になるんだろうけど、なんせ橋下批判がしつこいので、坊主憎けりゃ袈裟までという感じがする。
    橋下批判も、政治思想、政策に対することではなく、悪口書かれて恨んでるだけに思える。

    因みに僕は橋下市長派ではありませんし、確かにあの人はtwitterで自分を批判した人に対して、連続して批判返しtweetしてるのを見て気分が良くない(というかあっちもしつこい)ですが、それにしてもこの本の橋下批判は読ん

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    2012年08月27日
  • グローバル恐慌の真相

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    グローバルが何でもいいってわけではないと、グローバル化を批評する内容。中身が難しく、消化できていない。ただ、対談形式なのでとっつきやすい。

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    2012年06月19日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    低成長あるいは不況と、デフレ不況とは別物なのです。(…)増税賛成派は、デフレを単なる不景気と誤認しており、デフレが絶対に避けなければならない異常事態であることを理解していません。14
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    輸入原油、輸入食料そして消費税増税というコスト・プッシュのインフレは、物価を上昇させますが、需要を縮小させるデフレ圧力となります。40
    ――――――――――――――――――――――――――――――○
    重工業が発展して起きた「第二次産業革命」以降、事業活動が飛躍的に大規模化したため、巨額の

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    2014年01月01日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    ネタバレ

    インフレとデフレの政策の双対性を示し、それらの対応に関しては枝葉の政策だけではなく、体制を変更する事を必要だというのが筆者の主張。
    そして、デフレなのに、デフレレジーム(インフレ対策)の政策をうってきたことが失敗だったとも主張している。これらは私も大賛成。

    ただし疑問が2点。
    1点目は、インフレレジームの転換の際に、政府の規制強化を入れている事。確かに、デフレ下で、既存の規制を緩和していく体制は望ましくないのはわかる。規制緩和とは、供給能力の向上に他ならないから。
    しかし、既存の規制を強化することは、それによって満たされていた需要を制限する事にもつながる。供給能力の削減によって、デフレを克服

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    2012年04月29日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    『TPP亡国論』は、読み易かったし、説得的だった。しかし、本著は、概ね論旨は説得的だが、細部がどうも引っかかる点があるな。

    p.14-5 天皇制持ちだすとやっぱり経済ナショナリズムって、ってなことにならないのかなー, p.67=核の抑止力で「現在」の国際秩序が成り立ってるって一体...

    Political Economy的な観点から見れば、至極アタリマエのことしか書いていない。ナショナリズム論も同様。

    昨今の新自由主義に対抗するアジテートとしてはその通りなんだが、これがいわゆる主流派経済学のイデオロギーに対する有効な理論になりえているのかは、この新書だけでは判断できない。やはり、『国力論

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    2012年03月16日
  • グローバル恐慌の真相

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    目新しい事は書いてないけど
    シンプルで読みやすい。

    難しい事がシンプルで分かりやすいってことは
    二人とも頭いいってことだね。w

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    2012年03月02日
  • グローバル恐慌の真相

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    ハイエク言うところの知の連続性は確実に分断されているんだろうな。知の構造図はそろそろ再構成されるべき。

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    2012年01月03日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ネイションとステイトの違いを定義し、経済ナショナリズムについてわかりやすく解説。なぜ筆者が経済ナショナリズムを擁護しているのかがわかりやすく書かれている。
    グローバル化と日本の発展を考えてどこかに矛盾があるのではないかと考えていた私には、こういう見方があったのかと納得されられるところがあった。
    日本が長期的なビジョンを持って戦略を描いていけるか、誠に考えさせられる。

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    2012年01月01日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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     なんのきっかけで購入したか失念。

     中野さんは、経済産業省を経て、現在、京都大学の先生。

     読み終わって、ちょっと悩む。

     国民の利益や国家の必要性を正面から説明し、東日本大震災にももっと国家が前面にでるべきだという主張は、魅力的。

     経済自由主義、グローバリズムもそれがこれまで国民の富の増加と幸福の実現に比較的つながってきた、ましな制度だと思うから、自分はいままでも賛成してきた。

     中野さんのいう「経済ナショナリズム」は、究極的に国民の利益を考えるべきという主張には同感できるが、その手法でうまく経済運営できるのか、という実践論について、不安が残る。

     中野さんは国家

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    2011年10月11日