中野剛志のレビュー一覧
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近代化に対する批判的な観点や、聖的なものの重要性が論じられている。共同体から切り離された個は、集団を求めてポピュリズムに向かうとの指摘は、まさに現代社会の問題点をえぐり出していると思った。
宗教やナショナリズムは知性を鈍らせ、死をも厭わない感情を抱かせるが、人間が生き延びるために必要なものでもある。デュルケームは、トーテム原理によって、共同体の社会的、道徳的同質性を維持できると書いた(「宗教生活の原初形態」)。トクヴィルは、人間は信仰をもたなければ隷属を免れず、自由でありたいなら宗教を信じる必要があると書いている(「アメリカの民主政治」)。ニーチェは、統合原理としての神とは、先祖に対する畏敬 -
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経済をもっと知りたくなりました
平易に書いてくださっていましたが、何度か読まないと私には真の理解は難しいです。でも、「えっ?そうなの?」という驚きがいくつかあり、もっと深く知りたくなりました。
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Posted by ブクログ
日本は1990年代ごろからムチ型戦略に構造改革がなされてきたという。(バブルの崩壊がきっかけ)
⇒株主重視の経営、女性・高齢者活用、移民
ムチ型経営は投資家や経営者にとっては利益となる。
デフレも投資家にとっては(お金の価値が高いから)うれしい。またそれが政治、政策にも影響を与える構造になっている。この構造を変えてアメ型の戦略をとることが日本にとってまさに必要である。
〇成長戦略
「アメ型」戦略⇒インフレ圧力
・賃金上昇により経済全体を成長
・人手不足に対して、生産性向上や付加価値創出で対応(積極技術開発)
・労働組合の力が有効(人件費カットしにくい)
・政府による労働者保護、国境規制(非 -
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新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。
経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!
やたら持ち上げられる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上が -
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シリコンバレーは軍事政策の産物、米国のベンチャーキャピタルは金融業、オープンイノベーションは短期利益の追求など日本で蔓延する米国礼賛を否定しドナルド・ドーアが絶賛した日本的経営の復活を啓蒙する書。米国は四半期資本主義だと糾弾し、それに追従する日本政府の経済政策である構造改革こそが現在の低迷を招いている元凶と批判する。締めは例によって新自由主義とグローバリズムの否定になります。レーガン、サッチャーで新自由主義の先駆者であった、アングロサクソン国家が、トランプ大統領を誕生させ、ブレグジットに向かったのは決して一般大衆が愚かだった訳ではないのだな。
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ネタバレ 購入済み
中級者以上の人向け
政治、経済、地政学の予備知識がある程度ないと読了は困難だと思います。
一部ご紹介します。
・経済とは、一定の軌道を持った人々の集団行動に他ならない。
・デフレとは、国民が消費や投資を縮小させる(貯蓄や借金返済を優先させ、お金を使わなくなる)方向へと向かう集団行動だ。(その結果、所得が手に入らなくなる)
・インフレとは、国民が消費や投資を拡大させる(お金を使う)方向へと向かう集団行動だ。
・経済政策とは、この国民の経済的な集団行動の方向を、国家が操作することに他ならない。
・デフレ不況を克服するには、金融緩和(お金を発行して、お金を増やす)、財政出動(政府が損得抜きで仕事や投資を増や -
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財政赤字は、同額の民間貯蓄を生み出す。
自由貿易が経済成長を生み出すということは自明ではない。
新自由主義経済学は、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)に寄っている。これはセイの法則を前提としている。
政府が国債を発行するのは、金利を調整するため。
賃金主導型成長戦略と利潤主導型成長戦略。
労働組合が強いという制約が、イノベーションを生む。
単に工場移転やリストラ、自社株買いで利益を生み出そうとしない。
株主に還元されるだけで、トリクルダウンは起こらない。
ゼロサムとプラスサム社会の違い。
デフレ時は、レントシーキングが盛んになる。他人の利益を収奪する。
強すぎる官僚から、弱 -
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著者の主張している内容は、間違ったことはないとは思うが、すべて鵜呑みにするのは危険ではないか。
基本路線はアメリカの言いなりにならず、独立国家としての道をすすむべきだとの内容。
大手企業のグローバル化が進んでいるが、日本から多くのグローバル企業が出たからといって、日本の国益になるとは限らない。やはり平和ボケしている日本人の多くはアメリカは優しいと思っているのかもしれない。
この著者は多少過激な論調だが、やはり、日本の国益を真剣に考えるとこのような考え方になるのだろうか。北野さんあたりと同じような警告を発しているところは興味深いところもある。 -
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ネタバレ・欧州では長年,中東やアフリカからやってくる大量の移民を受け入れすぎた結果,負の側面が見えてきた.
・これはうちうちには懸念されていたことだが,移民の排斥は人種差別主義者や不寛容さの現れであると評される空気がば長く続き,真正面から向き合うことを避けてきた.そういう人はひどいレッテルを貼られ大きなバッシングを受けた.
・これが移民受け入れのさらなる緩和と対策検討の遅延を招いた.
・移民により社会の高齢化の抑止,労働力供給,多様性の実現など様々なメリットをもたらすという主張が絶えないが著者はいずれも否定している.
・その結果,欧州のアイデンティティ,文明が失われつつある.為政者含め欧州の人 -
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書き出しからして衝撃だ。
「欧州は自死を遂げつつある。少なくとも欧州の指導者たちは、自死することを決意した」
日本は、移民に対して閉ざされた国であると考えられてきた。しかし、OECD加盟国35カ国の外国人移住者統計(2015)によれば、日本は2015年に約39万人の移民を受け入れており、すでに世界第4位の地位を得ているのである。さらに、2018年6月、日本政府は、一定の業種で外国人の単純労働者を受け入れることを決定し2025年までに50万人超を想定しているという。そして、新たな在留資格を創設する出入国管理法改正案が閣議決定された。
ついに日本政府は、本格的な移民の受け入れへと舵をきった。はなは -
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欧州で右派が台頭する状況の背景がこの本を読むとわかった。少なくとも欧州で極右政党が一定の支持を集めるのを一部の経済的に恵まれず、情報が限られた人たちが煽られた反動だと感じていたことが、それほど単純ではないことがわかった。この本が欧州を含めて世界中でも比較的売れていて、トンデモ本のような扱いではないことから、ここに書かれた数字や発生した事件などの事実についてはおおよそ正しいことが書かれているのだろう。おそらくは著者も強くそして感情的でもある反論にさらされる可能性を強く感じていたからであろうか、事実については非常によく調査をされているし、現地にも足を運び実情を捉えようとしている。日本を含む海外にも