中野剛志のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ本作は、官僚・評論家である中野剛志氏による、ドイツの歴史家シュペングラー『西洋の没落』の解釈本というのが端的な説明になると思います。
曰く、100年前に書かれたシュペングラーの著作には、現代社会の諸相(経済成長の鈍化、グローバリゼーション、地方の衰退、少子化、ポピュリズム、環境破壊、非西洋諸国の台頭、機械による人間の支配等々)を見事に言い当てており、その没落への過程は西洋文化ドップリの日本にとって参照に値するのではないかというもの。
・・・
先ずもって賞賛したい点は、ドイツ語文献をよくぞここまで読み込んだなあということ。学生時代の私の僅かな原書購読体験では、実にドイツ語の思想系文献は長った -
Posted by ブクログ
経産省で長らく勤務してきた作者が、日本経済にまつわる、ふわっとした著名人の提言を、バッサバッサと切り倒していく本作。
元マッキンゼーの赤羽氏、元BCGの冨山氏などのコメントに対し切り込んでいく。
近年の日本経済は、アメリカ(特にシリコンバレー)礼賛主義を強め、とにかく起業、テクノロジー、オープンイノベーションなどの推進を強く主張している。
しかし、実はアメリカの起業率はそれほど高くなく、軍事技術と密接に絡んだ一部IT企業は成功しているものの、経済の短期利益獲得競争により、経済としては疲弊、つまり成功とはいえない状態である。
そうしたものを盲信するのではなく、改めて日本型の経済を考える必 -
Posted by ブクログ
なるほど、と思うことばかりなんだけど、はっきりしてるのは、このままだと日本はどんどん首を絞める政策から離れられないということ。
グローバルな民主政治が実現することはないって、内心そう思ってたから、嬉しかった。
グローバル、良いことのようだけど、「国民」という存在がある限り、無理だよね。存在が相反してる。
日本の官僚はそもそも強くなかったのか。
調整型官僚が、1980年代から少なくなってきた話、なんかすごく分かる気がする。面倒臭いことだもんね、調整するって。でも、そういうことできる人に官僚になって欲しいんだよな。
日本だけでなく、海外にも股をかけてエリート官僚同士つながって、そこで共通の認 -
Posted by ブクログ
「自国通貨を発行できる国は、財政赤字を膨らませても問題ない」という衝撃的な主張をしている現代貨幣理論(MMT)の入門書。アメリカの経済学者による著作であるが、日本では中野剛志氏などが同様の主張をしている。財務諸表については勉強したばかりであるので、ある程度は理解できたが、難解で理解できない部分もある。お金はいくら刷っても問題ないとはいえ、インフレへの警戒も強調しており、要は程度の問題なのかもしれない。確かに巨額の財政赤字を抱えながら更なる国債発行を行っている日本も、一向にインフレに向かう気配はなく、MMTは正しいようにも思える。貨幣についての考え方も納税の所要からその価値を説いているが、ビット
-
Posted by ブクログ
近代化に対する批判的な観点や、聖的なものの重要性が論じられている。共同体から切り離された個は、集団を求めてポピュリズムに向かうとの指摘は、まさに現代社会の問題点をえぐり出していると思った。
宗教やナショナリズムは知性を鈍らせ、死をも厭わない感情を抱かせるが、人間が生き延びるために必要なものでもある。デュルケームは、トーテム原理によって、共同体の社会的、道徳的同質性を維持できると書いた(「宗教生活の原初形態」)。トクヴィルは、人間は信仰をもたなければ隷属を免れず、自由でありたいなら宗教を信じる必要があると書いている(「アメリカの民主政治」)。ニーチェは、統合原理としての神とは、先祖に対する畏敬 -
購入済み
経済をもっと知りたくなりました
平易に書いてくださっていましたが、何度か読まないと私には真の理解は難しいです。でも、「えっ?そうなの?」という驚きがいくつかあり、もっと深く知りたくなりました。
-
Posted by ブクログ
日本は1990年代ごろからムチ型戦略に構造改革がなされてきたという。(バブルの崩壊がきっかけ)
⇒株主重視の経営、女性・高齢者活用、移民
ムチ型経営は投資家や経営者にとっては利益となる。
デフレも投資家にとっては(お金の価値が高いから)うれしい。またそれが政治、政策にも影響を与える構造になっている。この構造を変えてアメ型の戦略をとることが日本にとってまさに必要である。
〇成長戦略
「アメ型」戦略⇒インフレ圧力
・賃金上昇により経済全体を成長
・人手不足に対して、生産性向上や付加価値創出で対応(積極技術開発)
・労働組合の力が有効(人件費カットしにくい)
・政府による労働者保護、国境規制(非