中野剛志のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なるほど、と思うことばかりなんだけど、はっきりしてるのは、このままだと日本はどんどん首を絞める政策から離れられないということ。
グローバルな民主政治が実現することはないって、内心そう思ってたから、嬉しかった。
グローバル、良いことのようだけど、「国民」という存在がある限り、無理だよね。存在が相反してる。
日本の官僚はそもそも強くなかったのか。
調整型官僚が、1980年代から少なくなってきた話、なんかすごく分かる気がする。面倒臭いことだもんね、調整するって。でも、そういうことできる人に官僚になって欲しいんだよな。
日本だけでなく、海外にも股をかけてエリート官僚同士つながって、そこで共通の認 -
Posted by ブクログ
「自国通貨を発行できる国は、財政赤字を膨らませても問題ない」という衝撃的な主張をしている現代貨幣理論(MMT)の入門書。アメリカの経済学者による著作であるが、日本では中野剛志氏などが同様の主張をしている。財務諸表については勉強したばかりであるので、ある程度は理解できたが、難解で理解できない部分もある。お金はいくら刷っても問題ないとはいえ、インフレへの警戒も強調しており、要は程度の問題なのかもしれない。確かに巨額の財政赤字を抱えながら更なる国債発行を行っている日本も、一向にインフレに向かう気配はなく、MMTは正しいようにも思える。貨幣についての考え方も納税の所要からその価値を説いているが、ビット
-
Posted by ブクログ
近代化に対する批判的な観点や、聖的なものの重要性が論じられている。共同体から切り離された個は、集団を求めてポピュリズムに向かうとの指摘は、まさに現代社会の問題点をえぐり出していると思った。
宗教やナショナリズムは知性を鈍らせ、死をも厭わない感情を抱かせるが、人間が生き延びるために必要なものでもある。デュルケームは、トーテム原理によって、共同体の社会的、道徳的同質性を維持できると書いた(「宗教生活の原初形態」)。トクヴィルは、人間は信仰をもたなければ隷属を免れず、自由でありたいなら宗教を信じる必要があると書いている(「アメリカの民主政治」)。ニーチェは、統合原理としての神とは、先祖に対する畏敬 -
購入済み
経済をもっと知りたくなりました
平易に書いてくださっていましたが、何度か読まないと私には真の理解は難しいです。でも、「えっ?そうなの?」という驚きがいくつかあり、もっと深く知りたくなりました。
-
Posted by ブクログ
日本は1990年代ごろからムチ型戦略に構造改革がなされてきたという。(バブルの崩壊がきっかけ)
⇒株主重視の経営、女性・高齢者活用、移民
ムチ型経営は投資家や経営者にとっては利益となる。
デフレも投資家にとっては(お金の価値が高いから)うれしい。またそれが政治、政策にも影響を与える構造になっている。この構造を変えてアメ型の戦略をとることが日本にとってまさに必要である。
〇成長戦略
「アメ型」戦略⇒インフレ圧力
・賃金上昇により経済全体を成長
・人手不足に対して、生産性向上や付加価値創出で対応(積極技術開発)
・労働組合の力が有効(人件費カットしにくい)
・政府による労働者保護、国境規制(非 -
Posted by ブクログ
新自由主義とかいうものが何なのかもよく分かっていない状況で読んだ。
経済に対する規制を外して、より開かれた状態にすること。そしてそれは、グローバリズムによって国外にも扉を開き、世界を組み込んだ市場経済を作り出す。労働力は自由に移動するし、企業はより広くマーケットを拡大できる!
やたら持ち上げられる新自由主義に対する切り込み。めちゃくちゃ要約すると、輸出にばかり目がいって、短期的な利益ばかり出そうとするから、内需を生む賃金の上昇が起きない(コストとしか見なされないから、労働力に投資しない)。大金持ちは簡単に株式で富を増やすが、その会社がどうなろうが責任は持たない。格差は大きくなるし、賃金上が -
Posted by ブクログ
シリコンバレーは軍事政策の産物、米国のベンチャーキャピタルは金融業、オープンイノベーションは短期利益の追求など日本で蔓延する米国礼賛を否定しドナルド・ドーアが絶賛した日本的経営の復活を啓蒙する書。米国は四半期資本主義だと糾弾し、それに追従する日本政府の経済政策である構造改革こそが現在の低迷を招いている元凶と批判する。締めは例によって新自由主義とグローバリズムの否定になります。レーガン、サッチャーで新自由主義の先駆者であった、アングロサクソン国家が、トランプ大統領を誕生させ、ブレグジットに向かったのは決して一般大衆が愚かだった訳ではないのだな。
-
ネタバレ 購入済み
中級者以上の人向け
政治、経済、地政学の予備知識がある程度ないと読了は困難だと思います。
一部ご紹介します。
・経済とは、一定の軌道を持った人々の集団行動に他ならない。
・デフレとは、国民が消費や投資を縮小させる(貯蓄や借金返済を優先させ、お金を使わなくなる)方向へと向かう集団行動だ。(その結果、所得が手に入らなくなる)
・インフレとは、国民が消費や投資を拡大させる(お金を使う)方向へと向かう集団行動だ。
・経済政策とは、この国民の経済的な集団行動の方向を、国家が操作することに他ならない。
・デフレ不況を克服するには、金融緩和(お金を発行して、お金を増やす)、財政出動(政府が損得抜きで仕事や投資を増や -
Posted by ブクログ
財政赤字は、同額の民間貯蓄を生み出す。
自由貿易が経済成長を生み出すということは自明ではない。
新自由主義経済学は、DSGEモデル(動学的確率的一般均衡モデル)に寄っている。これはセイの法則を前提としている。
政府が国債を発行するのは、金利を調整するため。
賃金主導型成長戦略と利潤主導型成長戦略。
労働組合が強いという制約が、イノベーションを生む。
単に工場移転やリストラ、自社株買いで利益を生み出そうとしない。
株主に還元されるだけで、トリクルダウンは起こらない。
ゼロサムとプラスサム社会の違い。
デフレ時は、レントシーキングが盛んになる。他人の利益を収奪する。
強すぎる官僚から、弱