中野剛志のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本は経済自由主義から経済ナショナリズムにパラダイムシフトするべき、という話。
そして、経済ナショナリズムとは、「ネイションの能力」としての国力の維持と強化を目指す政治経済思想だそうです。
他にも、経済ナショナリズムが採るべき政策や、ケインズ主義政策との関係などについて、リーマンショックや東日本大震災を踏まえた論考を示しており、この本はきっと時代を捉えた本なんだろうな、と思わせられました。ただ、いかんせん経済に疎い私には分からないところも少しありました。経済学部の友達と意見交換しながら読むとかなり面白いと思います。
近い内に再読します。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ日本も世界もこれまで滅茶苦茶な経済政策を実施してきた以上、もはや将来がバラ色になる処方箋はないということを自覚しなければならない。今、できることはこれ以上悪くなるのを如何に食い止めるかといた消耗戦しかない。しかも瀕死の日本経済であれば、応急処置にすぎない金融緩和と財政出動のセットによる施策もやむなし。待ったなし。グローバル化が進展する中でのデフレの必然。グローバル化故に国民の経済格差を縮小できない中国の苦悩。ケインズ主義的な不況対策は国民が統合化された福祉国家でしか成立しない現実。興味深い内容が随所にちりばめられている。新たな視点で多くを学ばせてもらった。
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Posted by ブクログ
中野剛志氏と柴山桂太氏のシンプルで本質を抉る対談集である。
新自由主義イデオロギーに毒されたヤスモンのエセ学者さんたちの言っていることに騙され続けている日本社会にとって、青天の霹靂なことばかり著されている。
しかしながら、根拠となる事実は、西欧資本主義社会が過去、積み重ねてきたものである。
アダムスミス、ケインズ、カール・ポランニー、シュンペーター、フリードリッヒ・リストなどなど、そんじょそこらの偏向してしまう日本のヤスモンの経済学者とはまったくことなる異能の社会科学総合学者さんが分析してきたことに基づいている対談は読み応えがありました(笑)。 -
Posted by ブクログ
若手の研究者ふたりによるグローバル経済を主題にした対談です。
著者の一人中野剛志氏はTPP反対派の急先鋒として有名になりましたが、この本を読むと本質は学究的な人なのだと分かります。
内容は経済学と言うよりも経済思想寄りで、リーマンショック後の世界的な不況をマネーの動きだけではなくその裏にある思想から捉えようと言う試みと言えます。
グローバル化は過去何度も起きている、誤解されがちな保護主義の本質、自由貿易が帝国主義へとつながっている、と言った議論は刺激的で、ある種人間存在の本質を掘り下げるような深い分析には唸らされました。
ただ、著者二人は基本的な認識がほぼ共通していて、どの発言が中野氏の -
Posted by ブクログ
新書サイズでとても読み易い。理想の『国力』とはどのようなものか、分かり易く解説してくれている。
現在EUが陥っている危機や、東日本大震災からの復興に対してこれから日本はどのようにして立ち向かっていくべきなのか等、現実の事情と照らし合わせてくれているので飽きずに読むことが出来た。また、今までいかに言葉のイメージだけで物事を捉えていたかを思い知らされた気がする。当たり前ではあるが、構造改革とかグローバル化とかが必ずしもその国の国民にとって良いことではない。グローバル化した企業と国民の利益は、既に大きく乖離し始めているという構造や、貿易における保護主義の実態(単に既得利益を守るだけでなく、デフレ -
Posted by ブクログ
ややアカデミックな経済思想の本ですが、述べていることは決して難解ではありません。国民の団結が巨大な力を生み出す経済ナショナリズムの重要性について書かれているだけです。
ではなぜ本書は書かれたか?というと、新自由主義やそこから生み出されたグローバリズム・自由貿易至上主義などの国家の枠組を解体する方向のイデオロギーがいまだ一定の支持を得ているからで、特に日本では「グローバル化の時代だから」「今どき国益でもない」という言葉がかっこよく聞こえてしまう土壌がいまだ根強くあります。
要するに本書は「グローバル化の時代だから」という典型的な国家軽視の主張に対する全力の反論であると言えます。
個人的には