中野剛志のレビュー一覧

  • 日本破滅論

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    閉塞感の打破といって、橋下維新に期待している。彼のいう「船中八策」は、この20年間、机上空論しか知らない学者がつくってきた安っぽい物語。80年代から世界をおかしくしてきた新自由主義の、30年も流行遅れの物語を「維新」と名づけて持ち出したにすぎない、との著者(中野)の指摘に耳を傾けるべきだ。

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    2012年09月27日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    日本は経済自由主義から経済ナショナリズムにパラダイムシフトするべき、という話。
    そして、経済ナショナリズムとは、「ネイションの能力」としての国力の維持と強化を目指す政治経済思想だそうです。
    他にも、経済ナショナリズムが採るべき政策や、ケインズ主義政策との関係などについて、リーマンショックや東日本大震災を踏まえた論考を示しており、この本はきっと時代を捉えた本なんだろうな、と思わせられました。ただ、いかんせん経済に疎い私には分からないところも少しありました。経済学部の友達と意見交換しながら読むとかなり面白いと思います。
    近い内に再読します。

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    2012年08月27日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    日本も世界もこれまで滅茶苦茶な経済政策を実施してきた以上、もはや将来がバラ色になる処方箋はないということを自覚しなければならない。今、できることはこれ以上悪くなるのを如何に食い止めるかといた消耗戦しかない。しかも瀕死の日本経済であれば、応急処置にすぎない金融緩和と財政出動のセットによる施策もやむなし。待ったなし。グローバル化が進展する中でのデフレの必然。グローバル化故に国民の経済格差を縮小できない中国の苦悩。ケインズ主義的な不況対策は国民が統合化された福祉国家でしか成立しない現実。興味深い内容が随所にちりばめられている。新たな視点で多くを学ばせてもらった。

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    2013年01月09日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    なかなか説得力はあった。

    要は、公共投資を増やせば乗数効果で景気は良くなるということ。

    日本国債は、国内の投資家が主に購入するから、バンバン発行すれば良い、という主張。

    典型的なケインジアンかな。

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    2012年05月18日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    若干よみずらさはあったものの、対談形式で用語も丁寧に例を交えて解説されている。
    経済学に関心のある人は読みやすいが、日本がどのようにしていまの「失敗」に突き進んできたのか、世界の反例を挙げながら解説している。

    ただ、若干読みずらい。

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    2012年05月08日
  • グローバル恐慌の真相

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    中野剛志氏と柴山桂太氏のシンプルで本質を抉る対談集である。

    新自由主義イデオロギーに毒されたヤスモンのエセ学者さんたちの言っていることに騙され続けている日本社会にとって、青天の霹靂なことばかり著されている。

    しかしながら、根拠となる事実は、西欧資本主義社会が過去、積み重ねてきたものである。

    アダムスミス、ケインズ、カール・ポランニー、シュンペーター、フリードリッヒ・リストなどなど、そんじょそこらの偏向してしまう日本のヤスモンの経済学者とはまったくことなる異能の社会科学総合学者さんが分析してきたことに基づいている対談は読み応えがありました(笑)。

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    2012年05月04日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    今までの政策をデフレを引き起こす「デフレ・レジーム」と定義し、順番に批判している。全体的に的を射ているが、少しやりすぎている。強く批判しすぎると、反撃を受ける余地ができる。理論に飛躍した部分が少なからずある。

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    2012年04月05日
  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    デフレ、インフレ等について分かりやすく書かれています。
    昨今の政治についても、しっかり言及しています。

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    2012年03月22日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    リーマン・ショック以降はグローバル化や新自由主義(市場原理主義)はもはや有効ではなく、国民国家の国力を重要視する経済ナショナリズムの有効性を説いている。ナショナリズムという言葉の毒抜きを含め、経済素人の私は面白く読んでしまった。

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    2012年02月20日
  • グローバル恐慌の真相

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    グローバル化を標榜するからには、グローバル化に反対し、保護主義を主張する筆者らの意見をきちんと理解したい。しかし果たして内需主導で我々は生き残れるのか?

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    2012年01月12日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    反TPPの旗手として注目を集めた中野剛志氏の既刊書の加筆・改訂版を読む。グローバル化によりネイションの能力が弱体化した世界中の国民国家はステイトの支配力を強め他国から富を収奪しようとする国家資本主義へと走ると。分かり易い納得の解説。

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    2012年01月04日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    『TPP亡国論』の中野剛志氏と、その知己の柴山桂太氏による対談本。グローバル恐慌の真相を「政治経済思想」という観点から分析したもの。

    私にとっては、2011年最大の衝撃作です。目から鱗というよりも、頭を後から殴られたような衝撃を受けました。私が日頃より疑問を抱いている世界経済の仕組みを理解するのに役立ちました。なお、評価を4にしたのは、私の中で本書を消化しきれていないためです。

    それにしても恐るべきは、中野氏の洞察力と深い知識。TPPは、日本の抱える問題の一つに過ぎない。今後の同氏のご活躍を期待したい。

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    2012年01月03日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ナショナルとネイションとの違い。国力とは。国とは何か、何をすれば国家の力は上がるのかを考えさせる良書である。

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    2012年01月01日
  • グローバル恐慌の真相

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    世界経済が「グローバル化」に向けて加速している。
    その「波」に乗り遅れれば、取り残されてしまう。
    そんな「強迫観念」じみた考えから抜け切れていない日本人には、対処療法的な本。

    世界を一元的なシステムで管理するなんて無理な話。
    そういった「理屈」を、歴史や著名な経済学者の言葉や、各国の思惑・国柄などから紐解いていく。

    頭でっかちになりがちな経済論だが、この本はより「人間側」にたった経済理論が展開されていて、読んでいて「そうだよなぁ」と一人ごちてしまった。

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    2011年12月18日
  • グローバル恐慌の真相

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    若手の研究者ふたりによるグローバル経済を主題にした対談です。

    著者の一人中野剛志氏はTPP反対派の急先鋒として有名になりましたが、この本を読むと本質は学究的な人なのだと分かります。
    内容は経済学と言うよりも経済思想寄りで、リーマンショック後の世界的な不況をマネーの動きだけではなくその裏にある思想から捉えようと言う試みと言えます。

    グローバル化は過去何度も起きている、誤解されがちな保護主義の本質、自由貿易が帝国主義へとつながっている、と言った議論は刺激的で、ある種人間存在の本質を掘り下げるような深い分析には唸らされました。

    ただ、著者二人は基本的な認識がほぼ共通していて、どの発言が中野氏の

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    2011年12月17日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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     新書サイズでとても読み易い。理想の『国力』とはどのようなものか、分かり易く解説してくれている。
     現在EUが陥っている危機や、東日本大震災からの復興に対してこれから日本はどのようにして立ち向かっていくべきなのか等、現実の事情と照らし合わせてくれているので飽きずに読むことが出来た。また、今までいかに言葉のイメージだけで物事を捉えていたかを思い知らされた気がする。当たり前ではあるが、構造改革とかグローバル化とかが必ずしもその国の国民にとって良いことではない。グローバル化した企業と国民の利益は、既に大きく乖離し始めているという構造や、貿易における保護主義の実態(単に既得利益を守るだけでなく、デフレ

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    2011年11月11日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    (111107)
    国が積極的に動くことも重要であるというお話。「経済ナショナリズム」ってのは、若干社会主義のようなイデオロギーかとも思われるが、そういうわけではないらしく、ネイション(国民)の利益或いはネイションの能力向上を第一に考えたものであるようで。。。かなり抽象的なものな気がする。

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    2011年11月07日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    まったく納得いかないことがあった。
    答えは簡単だ。
    ステイツとネーションの違いだ。
    これを混同すると、国の理解が複雑になるというほどこの二つは違う。
    日本、アメリカ、中国、EUそれぞれに、ステイツとネーションがいる。
    日本はやれる。
    やらなければならない。
    それを強く意識することができる本だ。

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    2011年08月01日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ややアカデミックな経済思想の本ですが、述べていることは決して難解ではありません。国民の団結が巨大な力を生み出す経済ナショナリズムの重要性について書かれているだけです。

    ではなぜ本書は書かれたか?というと、新自由主義やそこから生み出されたグローバリズム・自由貿易至上主義などの国家の枠組を解体する方向のイデオロギーがいまだ一定の支持を得ているからで、特に日本では「グローバル化の時代だから」「今どき国益でもない」という言葉がかっこよく聞こえてしまう土壌がいまだ根強くあります。

    要するに本書は「グローバル化の時代だから」という典型的な国家軽視の主張に対する全力の反論であると言えます。

    個人的には

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    2011年07月31日
  • 思想の免疫力

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    コロナ禍において出された対談本。4年越しにようやく読んだ。まあまあ面白かった。中野剛志「小林秀雄の政治学」も買ってあるので読もう。

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    2025年10月28日