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デフレ不況、グローバル恐慌、超円高……異常な状況では、もはや「経済の常識」は通用しない。いたずらに不安を煽る財政破綻説のウソを暴き、構造改革から消費税増税までの諸政策を徹底批判。小手先の「改革」を超えた、脱デフレに向けた政策大逆転を提唱。『TPP亡国論』で論壇を席巻した革命児が、変革のビジョンを力強く説く!
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Posted by ブクログ
長きに渡るデフレという忌むべき状況に悩まされている日本。バブル崩壊後、日本は、どのような過ちを犯してきたのか。「グローバル化することは、良いことだ」と疑わずに、信じ続ける大衆。この本が、多くの方に読まれることを切に願う。
資本主義制度で最悪の状態デフレの症状が説明され、その状態から脱却させる処方箋が書かれている。 インフレ経済から脱却する手法としてのデフレ・スキームをサッチャーなどが採用してきた過去の経験はあった。 インフレ退治するスキームであるデフレ・スキームをあろうことにデフレに悩む日本で数十年に渡って採用し...続きを読むてきたと著者は指摘する。 ミンスキー、マリナー・S・エクルズ等の主張を参考に恐慌を突破する逆転の発想としてのレジーム・チェンジを先人の知恵を紹介しながら書かれたすぐれた著作である。 トックビルの言説を紹介し、自らこの本を出版したとしている。 とにかく、逆転の発想を紹介すべく、所謂、主流派経済学者が採用しない先人の知恵・知識をよく学ばれている中野剛志氏である。 最後に、氏の提唱するTPP亡国論も、デフレ・スキームの方策であることも理解できました(笑)。
現在の産業や経済が目指しているイノベーションや効率化が成長どころかデフレを生み出していることを指摘した本。 競争社会というのがそもそもの問題にある気がする。
デフレ脱却のための方法が書かれている。金融政策単独でのインフレターゲットの達成に懐疑的であることがわかる。実際に金融政策単独でのインフレターゲットの達成はむずかしいだろう。歴史的にもデフレからインフレへと金融政策単独でチェンジしたことはない。 そもそもインフレターゲットとは、インフレ下の国々で生ま...続きを読むれ、インフレを退治するために利用されてきたものだからだ。岩田規久男やポール・クルーグマンがインタゲでインフレ期待を人々に抱かせて、デフレから脱却することを提案しているが、マネタリーベースの増加で銀行、借り手の期待を刺激するの難しいかもしれない。
世間の主流である構造改革路線と全く逆行する考え方が書かれている。異常事態である長期に渡るデフレを脱却するのは規制緩和や小さな政府、グローバル化ではない。況してや消費増税などありえないとの内容。これを実現、決断していける政治家は現れるだろうか?地方分権を推進している橋下市長も政策が全くこの本と逆ですね...続きを読む。
なかなか説得力はあった。 要は、公共投資を増やせば乗数効果で景気は良くなるということ。 日本国債は、国内の投資家が主に購入するから、バンバン発行すれば良い、という主張。 典型的なケインジアンかな。
今までの政策をデフレを引き起こす「デフレ・レジーム」と定義し、順番に批判している。全体的に的を射ているが、少しやりすぎている。強く批判しすぎると、反撃を受ける余地ができる。理論に飛躍した部分が少なからずある。
デフレ、インフレ等について分かりやすく書かれています。 昨今の政治についても、しっかり言及しています。
デフレ克服のために積極的な金融緩和策を支持する一方で、その資金を国内で回すべく、政府による積極的な公共投資とそれを行うための大きな政府が必要との主張は、現在支配的な金融緩和によるデフレ克服論一辺倒の論調に一石を投じるものと思う。 国の借入が増大しても国家は破産しないという部分は少し勉強していれば当た...続きを読むり前の話だが、一方で公共投資を行うために、このままどの程度まで国債発行してもOKかという部分について、当然ケースバイケースなので明確化はできないものの、その部分の記述が薄いので筆者に聞いてみたい。
――――――――――――――――――――――――――――――○ 低成長あるいは不況と、デフレ不況とは別物なのです。(…)増税賛成派は、デフレを単なる不景気と誤認しており、デフレが絶対に避けなければならない異常事態であることを理解していません。14 ――――――――――――――――――――――――――...続きを読む――――○ 輸入原油、輸入食料そして消費税増税というコスト・プッシュのインフレは、物価を上昇させますが、需要を縮小させるデフレ圧力となります。40 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 重工業が発展して起きた「第二次産業革命」以降、事業活動が飛躍的に大規模化したため、巨額の資金ニーズが発生し、金融市場の役割はますます重要になっていきました。よく、資本主義と市場経済が混同されますが、このふたつは必ずしも同じではありません。金融機能がない実物だけの市場経済は、資本主義ではないのです。60 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 投資とは、現在においては「需要」、将来においては「供給」という、異時点の経済行動なのです。91 ――――――――――――――――――――――――――――――○ エクルズは、財政の健全化は、国民所得の成長がなければ達成し得ないと認識していました。209 ――――――――――――――――――――――――――――――○ エクルズは、課税を財源確保の手段としてではなく、資金の流れを調整するための手段として考えていたのです。210 ――――――――――――――――――――――――――――――○ 個人や企業であれば、破綻することはあるかもしれないが、合衆国のような人的・物質的資源を持っている国が、自国民から借りることで貧しくなることはあり得ない。われわれが貧しくなるとしたら、実質的な富の生産において、遊休の人員、資源、生産設備そして資源の有効活用に失敗することによってである。211 ――――――――――――――――――――――――――――――○
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