中野剛志のレビュー一覧

  • レジーム・チェンジ 恐慌を突破する逆転の発想

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    世間の主流である構造改革路線と全く逆行する考え方が書かれている。異常事態である長期に渡るデフレを脱却するのは規制緩和や小さな政府、グローバル化ではない。況してや消費増税などありえないとの内容。これを実現、決断していける政治家は現れるだろうか?地方分権を推進している橋下市長も政策が全くこの本と逆ですね。

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    2012年03月27日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ほんとうに地に足のついた理路整然とした論理で国力というものを分析した著作だ。

    はじめに国家ありきで、民度の高い市民社会も国家というものがあればこそ共存できるという考え方。

    新自由主義の弊害を乗り越えて経済ナショナリズムが今後日本で如何に発展していくか注意ぶかく政治を見守っていかねばならない。

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    2012年02月29日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    TPP亡国論の著者の本

    小さい政府を志向しているものの危機に際した国家の役割はやはり重要であると震災でも実感させられた中で(ふがきなさは目立つが…)新自由主義の方向に突っ走るのはどうなんだ?と考えさせる一冊。

    はっきり言えば普段「頼りない!」「関わらんといて!」とオカンに言ってる割には「朝起こして朝飯作って!」と言ってる反抗期の子供みたいな状態が今の日本国民では?

    上記の本よりも難解で何度か読まないと完全理解には至りそうもないのは自分のキャパの問題か…

    ただ、他の論者より「伝えようとしている」のでわかりやすいのは確か。

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    2012年01月28日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    ネタバレ

    とても為になりました。知識のない私でもわかりやすかったです。
    グローバリゼーションといって、国境なき市場、自由市場がよしとされている現在において、国の介入は自由主義をおびやかすをいわれているが、それは間違い。国家という力をもって市場を開拓し、時には国の中の企業を守り・・・とグローバルの中の国力というのは大切だ、というのがこの本の内容です。とても納得できました。

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    2012年02月19日
  • グローバル恐慌の真相

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    本書は、反TPP論者で評判の中野剛司氏と経済思想家柴山圭太氏の対談をもとにしただけに、一般人にもわかりやすい内容となっているが、その内容は深く、またおもしろく、そして興味深く、高く評価できると感じた。
     本書では、現在の世界経済の現状について「世界がグローバル化のわなに落ちた」と喝破している。柴山氏は「グローバル化は経済危機の原因であって、グローバル化を経済危機の処方箋とはできない」と語っている。そのわかりやすい主張は説得力があると感じた。
     また、危機の根本原因を「グローバルインバランス」と分析していることも、興味深い。世界的なマネーの流れが危機の原因であるならば、小手先の各国別の対処ではど

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    2012年01月11日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    グローバル恐慌の真相

    ■合計196ページ
    一章:グローバル化の罠に落ちたアメリカと世界 42ページ
    二章:デフレで「未来」を手放す日本 66ページ
    三章:格差と分裂で破綻する中国とEU 40ページ
    四章;冬の時代のための経済ナショナリズム 46ページ

    本書は2008年度に起こったリーマンショックによるグローバル恐慌の要因を、
    1989年冷戦集結後にアメリカやEU、中国各国のグローバル化の弊害を基に
    言及した本。
    アメリカの経済格差や日本の政治問題(デフレ対策)について述べたあと、
    中国の民族問題についても触れているところは非常に興味を持った。

    ・日本経済の安定化
     →公共投資増によるデフ

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    2012年01月11日
  • グローバル恐慌の真相

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    TPP亡国論に続いて読んだ。中野剛志の知性に感服する。資本主義と市場経済の違い、、貿易ぬおける自由主義と保護主義の違いの解説は目から鱗が落ちた。

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    2012年01月08日
  • グローバル恐慌の真相

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    ネタバレ

    ・グローバル化というものが今始まったものではなく、第一次世界大戦前や第二次世界大戦前において起きていたものだという見方、考え方に驚きました。ITの進歩も含め、過去のグローバル化の歴史がそのまま現在に当てはまるとは思っていませんが、歴史に照らし合わせることができる部分が多分にあるという点では、面白い観点だと思いました。

    ・アメリカの住宅バブルという幻影がリーマンショックを引き起こし、現在のヨーロッパ経済の不安を引き起こしている点についての記載については自分の考え方を確認する意味でも読んで良かったと思いました。また、デンマークなどの福祉国家がうまくいっていた要因として、アメリカの住宅バブルの恩恵

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    2012年01月05日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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     本書を読み終わって、これは経済書でもあるのだろうが、世界経済の現状を鋭く分析し、日本が今後進むべき道を指し示した政治的イデオロギーの書でもあると驚嘆した。すごい本である。
     本書はまず「危機に直面する世界」で、グローバル経済と経済危機について考察している。経済がグローバル化した世界では「国家が労働市場の規制を緩和しなければ、国内ではなく海外へと投資するようになってしまう。それを恐れる国家は・・・労働市場の規制を緩和し・・・賃金を引き下げたりできるように・・・構造改革を実施するようになる」と語る。そしてその構造改革は、必然的に労働賃金の低下を招き、デフレへとつながる。本書は、「グローバル経済」

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    2011年12月22日
  • TPP亡国論

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    われわれ国民はもっと勉強せんといかんね。
    TPPは自由貿易の推進なんだから、時代の流れとして正しいのではないか。いつまでも規制に守られている方が古いのだ。とそんな風に漠然と考えている人は多いだろう。私もこの本を読むまではその程度の次元だった。しかしその考えは一瞬で改めさせられた。

    自由貿易は常に相互に恩恵があるとは限らない。自由貿易は、品目あるいは取引国同士の状況によって、いとも簡単に買い手市場・売り手市場に偏って価格が操作されるものであり、いわば自由競争であり自由なる戦いだ。オイルショックやレアアースがその例として挙げられている。むむむ。

    日本の農業改革の停滞を打破するには、TPPの外圧

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    2015年03月21日
  • 国力とは何か―経済ナショナリズムの理論と政策

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    モノと情報が、国境を超えて移動を続ける事象であるグローバル化が顕在化している現代において、国家とはもはやただの枠組みにすぎないという議論が活発である。それを示す具体的な例として、多国籍企業は国家の意思とは関係なく、自らの利益最大化のために市場を求める主体であるし、NGOもまた自らの理念によって、国家の思惑に左右されずに活動するのである。従来は国際政治における最高位の主体として考えられてきた国家というアクターは、このような動きが活発になっている現代では、もはやただの枠組みでしかないように考えることはごく自然である。
    一方で、グローバル化が様々な問題を引き起こしてきたのは紛れもない事実である。

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    2011年11月17日
  • 変異する資本主義

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    大きな政府、財政政策、ハイブリット
    2021年9月に書かれていることが少しずつ現実になっているように感じる

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    2025年12月18日
  • 政策の哲学(集英社シリーズ・コモン)

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    国家は、行為主体に依存はするが還元はできない実在する「構造」であるとし、自律的なパワーを持ち、社会に半・規則性を与える。

    ・主流派経済学の非科学性

    ・国会のパワーの源泉は、「埋め込まれた自律性」
    →さまざまな利益集団との重層的な力関係に巻き込まれることによって、かえってその力関係の合間を縫って泳ぐ余地、いわゆる「マヌーバー」を確保できる

    ・国家行為者は政策担当者として特別に訓練されることで、実在の領域の中から個別の事象を生成する構造やメカニズムを遡及的に推論し、判断する能力=「特別に訓練された直感的裁量」を獲得する

    ・「既知の結果(あるいは設定された目標)から未知の原因を推論する」

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    2025年11月30日
  • 略奪される企業価値―「株主価値最大化」がイノベーションを衰退させる

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    この本は、現代アメリカ資本主義の変質を解剖している。
    著者は、1980年代以降に広がった「株主価値最大化(MSV)」というイデオロギーが、企業経営・資本市場・投資家行動を同じ方向に収束させ、企業の内部留保を再投資から自社株買い・配当に振り向ける構造を作ったと指摘。
    経営者はストックオプション利益のために株価を上げ、機関投資家は短期リターンを求め、アクティビストは還元圧力を強める。
    →このように三者が結託した「協調的略奪」が米国経済を短期志向に変えてしまった。結果、研究開発や設備投資は停滞し、賃金も上がらず、格差が拡大し、経済の成長エンジンが痩せ細ったと警告している。

    著者は最後に、自社株買い

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    2025年09月23日
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道

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    2025.09.08
    インフレの分析は筆者が正しいように思える昨今の情勢。少なくとも、需要の増大がインフレの要因ではないことだけは体感している毎日。

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    2025年09月08日
  • 基軸通貨ドルの落日 トランプ・ショックの本質を読み解く

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    ブレトン・ウッズ体制を崩壊させたニクソン・ショック。冷戦の終結。東側諸国も巻き込む自由貿易圏の構築。世界は新自由主義の道を突き進んだ。資源供給国としてのロシア、巨大な消費市場を持つ中国の台頭。相互依存によって紛争を回避しようとする理想は、依存の重要性の偏りという現実の下に崩れた。トランプ政権による関税引き上げも、新自由主義の枠組みの中で踊っているだけである。故に失敗し、基軸通貨としてのドルの弱体は一層進む。米中は力関係が接近し、第二次冷戦が到来する。世界は主流派経済学の過ちに一刻も早く気付かねばならない。

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    2025年08月17日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    備忘用
    自国通貨を発行できる政府は、国債をいくらでも発行できる
    日本はデフレなのにインフレ対策をしてきて財政出動も少なかったから失われた30年になった

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    2025年08月15日
  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】

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    基礎知識編に続いて一気読み。相変わらず良書である。
    メッセージを持って飽くことなく平易に語りづつけるのはすばらしい。中野さんの論文も読んでみたい。

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    2025年08月12日
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】

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    著者の想いがこもった本である。読んでよかったと思える。

    MMTを解説しながら日本の政策について論考している。私としては、こういった内容がなぜ政府などにこれほど受け入れられないかに興味がある。

    暫定的な回答としては、中野氏に限らず、批判者は現行の方法の理論的な欠陥とただしい理論の論理を示すことはできていると思う。しかし、どのように社会を変えるかについての戦略というか、私の言葉でいえば官僚のジョブに沿った浸透戦略にかけるのではないかと思う。

    既存のシステムの利得構造を変えるには、新しいシステムのあり方を示すだけでは不十分である。なぜならばシステムの変容過程では不安定状態となりパフォーマンスが

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    2025年08月09日
  • 秩序崩壊 21世紀という困難な時代

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    久々に面白い海外政治、経済の本だった。
    翻訳しにくい文章なのだろうか、少し読みにくいが意味は伝わる。エネルギーとトルコ、中国の影響力、30年前とは様変わりの力学を感じた。北極圏ルートと海軍力もキーワードだった。

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    2025年08月04日